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交通違反・交通事故と刑事処分
交通違反・交通事故と刑事処分について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
福岡県行橋市の国道で車を走行中のAさんは、交通警戒にあたってた福岡県行橋警察署の警察官に停車を求められました。
対応した警察官は、Aさんの飲酒を疑い、呼気検査に応じるよう求め、Aさんは仕方なく指示に従いました。
すると、基準値を超えるアルコールが検出されたため、Aさんは道路交通法違反(酒気帯び運転)の疑いで現行犯逮捕されました。
Aさんは、どのような刑事処分を受けることになるのか不安でなりません。
(フィクションです)
交通違反を犯したり、交通事故を起こした場合、様々な手続に従って処分が科されます。
この場合の処分には、行政処分と刑事処分、そして民事上の処分とがあります。
交通違反・交通事故の行政処分
交通違反や交通事故を起こした場合に科される行政処分は、道路交通の安全確保を目的としてもので、公安委員会による行政法上の処分です。
行政処分には、運転免許の効力の停止や取り消しなどがあります。
このような処分が科される基準として、点数制度というものが適用されます。
これは、運転者の将来における道路交通上の危険性を点数的に評価する仕組みで、交通違反を犯すと、その違反行為ごとに基礎点数と呼ばれる一定の点数が計上され、交通事故を起こすと、被害の程度などによる付加点数が基礎点数に加算されます。
例えば、酒気帯び運転(呼気1リットル中のアルコール濃度0.15ミリグラム以上0.25ミリグラム未満)については、基礎点数は13点です。
速度違反については、その超過程度によりますが、一般道で30キロ以上50キロ未満の場合、6点です。
交通事故の場合、例えば、脇見運転をして歩行者と接触し、歩行者に2週間程度の怪我を負わせたというケースであれば、安全運転義務違反について基礎点数が2点、付加点数3点、計5点が計上されます。
行政処分は、処分の対象となった交通違反・交通事故を基準日として、運転者の過去3年以内の免許の停止等の処分回数と累積点数によって決まります。
また、処分の対象となった違反が、特定違反行為か一般違反行為かで、処分基準は異なります。
先の例で言えば、酒気帯び運転(呼気1リットル中のアルコール濃度0.15ミリグラム以上0.25ミリグラム未満)についての基礎点数は13点で、この運転者がこれまで行政処分を一度も受けていないとしても、酒気帯び運転により、90日間の免許停止という行政処分が科されることになるのです。
また、交通違反については「交通反則通告制度」というものがあります。
これは、軽微な交通違反をした場合の手続を簡略化するための制度で、本来はすべての交通違反について刑事手続をすすめるところ、一定の交通違反については行政上の手続のみで完了させることにより、事件を簡易・迅速に処理することができます。
この制度では、対象となる違反(=反則)を犯した場合、反則金を納めることで、刑事手続がとられることなく事件が終了します。
30キロ未満の速度超過は、交通反則通告制度の対象となります。
交通違反・交通事故の刑事処分
交通反則通告制度の対象とはならない、飲酒運転や人身事故、無免許運転などについては、刑事上の責任が問われることになります。
この場合、被疑者・被告人として刑事手続に付され、最終的に刑事処分が科されます。
交通違反・交通事故を起こし、事件が捜査機関に発覚すると、刑事事件としての捜査が開始されます。
逮捕の要件を満たしている場合には、逮捕により身体が拘束されることもあります。
もちろん、逮捕後更に被疑者の身体を拘束して捜査をするべきだと判断されれば、勾留に付される可能性はあります。
交通違反・交通事故で勾留となるケースは、ひき逃げや危険運転致傷、無免許や飲酒による人身事故など悪質な事故です。
事件は警察から検察に送られ、検察官が起訴・不起訴の判断を行います。
不起訴は、起訴しない処分ですので、裁判官による有罪無罪の言渡しもないため、前科(有罪の言渡しを受けた事実)は付きません。
他方、起訴された場合で有罪となれば、前科が付きます。
起訴にも種類があり、略式起訴であれば、公開の審理を経ることなく、書面のみでの審理となり、言い渡される刑は100万円以下の罰金または科料です。
検察官が公判を請求した場合には、公開の法廷で審理されることになり、裁判官が有罪・無罪、有罪の場合には被告人に科す刑についても判断します。
先に述べたひき逃げや危険運転、無免許や飲酒による人身事故などについては、公判請求される可能性が高いでしょう。
以上のように、交通違反を犯した場合や交通事故を起こした場合には、行政処分や民事上の処分だけでなく、刑事処分が科されることがあります。
そのような場合には、できる限り寛容な処分となるよう、早い段階から交通事件にも対応する弁護士に相談・依頼し、適切に対応することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、交通事件を含めた刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
交通違反・交通事故で刑事処分が科されるのではと心配されている方は、弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談・初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。
少年の無免許運転
少年の無免許運転事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
京都府亀岡市に住む高校生のAくんは、ある夜、家族が所有する軽自動車を運転し、ガードレールに衝突する事故を起こしました。
目撃者からの通報を受けて駆け付けた京都府亀岡警察署の警察官は、Aくんの運転免許証の提示を求めたところ、Aくんの無免許運転が発覚しました。
警察官は、Aくんを道路交通法違反(無免許運転)の疑いで現行犯逮捕しました。
Aくんの家族は、Aくんが帰宅しないことを心配し、警察に連絡したところ、今回の事件で逮捕されていたことが分かりました。
AくんとAくんの家族は、今後どのような流れでどんな処分を受けることになるのか分からず不安に駆られています。
(フィクションです)
無免許運転
道路交通法は、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図り、及び道路の交通に起因する障害の防止に資することを目的とする法律です。
法務省がまとめた犯罪白書によれば、令和元年における特別法犯の主な統計データ(検察庁新規受理人員)は、その73パーセントを道路交通法違反が占めていることを示しています。
道路交通法違反の送致事件について、令和元年に関しては、速度超過、酒気帯び・酒酔い、無免許運転の順で占めています。
道路交通法は、その64条1項において、無免許運転を禁止しています。
ここでいう「無免許運転」というのは、公安委員会の運転免許を受けないで、自動車又は原動機付自転車を運転することです。
自動車等を運転しようとする者は、道路交通法84条1項の規定により公安委員会の運転免許を受けなければなりません。
無免許運転には、免許を受けないで運転する行為のみならず、免許の効力が停止されている者が自動車等を運転する行為や免許が取消された後に運転する行為、一部の運転免許はあるが運転しようとする自動車等の種類に応じた運転免許を受けていないにもかかわらず運転する行為も含まれます。
無免許運転による道路交通法違反に対する罰則は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金です。
無免許運転は、交通反則通告制度の対象外であるため、反則金を支払って終了することはありません。
少年の無免許運転事件
犯罪白書によれば、令和元年における犯罪少年(犯罪に該当する行為をした14歳以上20歳未満の者)の検察庁新規受理人員の罪名別構成比は、窃盗に続いて道路交通法違反が約22パーセントが占めています。
少年が事件を起こすと、捜査機関が捜査を開始します。
捜査段階では、刑事訴訟法が準用されるため、成人とほぼ同様の手続に付されます。
そのため、身体拘束の理由・必要性があると判断されれば、少年であっても逮捕・勾留されます。(ただし、14未満の者については刑事責任が問われないため、犯罪は成立せず、逮捕することはできません。)
警察は、捜査を遂げた結果、犯罪の嫌疑があると思料するときは、交通反則通行制度に基づく反則金の納付があった道路交通法違反事件を除き、罰金以下の刑に当たる犯罪の被疑事件については家庭裁判所に送致し、それ以外の刑に当たる犯罪の被疑事件については検察官に送致します。
検察官は、捜査を遂げた結果、犯罪の嫌疑があると思料するとき、又は、犯罪の嫌疑はないものの家庭裁判所の審判に付すべきと思料するときは、事件を家庭裁判所に送致します。
検察官等からの送致を受けた家庭裁判所は、事件について調査するため、調査官に命じて非ちうような調査を行います。
家庭裁判所は、審判を行うために必要な場合には、事件が継続している間いつでも、観護措置をとることができます。
観護措置には、調査官の観護に付す措置と少年鑑別所に送致する措置とがありますが、通常は後者の措置がとられます。
少年鑑別所は、送致された少年を、収容し、医学・心理学・社会学・教育学といった専門的見地から鑑別します。
家庭裁判所は、調査の結果に基づいて、審判開始又は審判不開始の決定を行います。
審判は非公開で行われ、非行事実及び要保護性について審理され、少年の更生に適した処分を決定します。
無免許運転の場合、交通保護観察あるいは検察官送致(刑事処分相当)の処分となる可能性が高いでしょう。
交通保護観察は、交通関係事件で保護観察に付され、短期処遇勧告がなされていない者を対象として処分です。
つまり、交通保護観察は保護観察の一種です。
家庭裁判所が、審判で少年に言い渡す処分のなかに「保護観察処分」があり、これは、犯罪を行った又は非行のある少年が、社会内で保護観察所の指導・監督を受けながら攻勢を図る処分です。
交通保護観察は、できるだけ交通事件を専門に担当する保護観察官や保護司を指名するよう配慮されています。
一方、検察官送致とは、家庭裁判所が、少年に保護処分ではなく刑事処分を科すことが相当であると判断した場合に、検察官に送致する旨の決定のことをいいます。
刑事処分相当を理由とする検察官送致は、「死刑、懲役又は禁錮に当たる罪」を犯した少年について、「その罪質及び情状に照らして刑事処分を相当と認めるとき」に検察官送致とするものです。
また、行為時16歳以上の少年で、「故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪」に当たる事件の場合には、検察官送致の決定をしなければなりません。
無免許運転で検察官送致となった場合には、略式手続に付され略式命令(罰金)が言い渡される可能性が高いでしょう。
少年が交通違反・交通事故で警察に検挙・逮捕された場合、以上のような流れとなり、成人の刑事事件とは異なる手続となります。
そのため、少年事件に精通する弁護士に相談・依頼されるのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、交通事件を含めた刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
無料法律相談・初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。
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交通事件:無免許運転
交通事件:無免許運転について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
会社員のAさんは、違反点数の累積により、免許停止の処分を受けていましたが、免許停止期間中に、やむを得ない理由により、家族の車を使って運転することになりました。
兵庫県明石市を走行中、一旦停止を怠ったとして、兵庫県明石警察署はAさんに車を停めるよう求めました。
免許証の提示を求められたため、Aさんは所持していた自分の免許証を差し出しました。
Aさんの免許証を確認した警察官は、Aさんが免許停止期間中であることが分かったため、Aさんを警察署まで連行することにしました。
(フィクションです)
無免許運転とは
無免許運転とは、「公安委員会の運転免許を受けないで、自動車又は原動機付自転車を運転」することです。
この無免許運転には、①そもそも運転免許証の交付自体を受けたことのない人が自動車等を運転する行為、だけでなく、②運転免許の取り消し処分を受けたにもかかわらず自動車等をうんてんする行為、③免許の停止処分中に自動車等を運転する行為、そして、④一定の車両の免許を受けてはいるが、当該車両の種別以外の車両を運転する行為、も含まれます。
上の事例のように、免許停止の処分を受け、停止期間中に車を運転する行為も、無免許運転となります。
無免許運転は、道路交通法64条1項で禁止されており、違反した場合の罰則は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金です。
無免許運転をした者だけでなく、無免許の者に車両を提供した者や、免許を受けていない者に運転を依頼した者についても、刑事責任が問われることがあります。
前者には、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金が、後者には、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金が科される可能性があります。
無免許運転が発覚した場合、初犯であり、飲酒運転をしていたり交通事故を起こしていないのであれば、身体拘束を受ける可能性はそう高くはありません。
この場合、事案によっては不起訴で終了することもありますし、起訴される場合であっても略式起訴で罰金刑が言い渡される可能性が高いでしょう。
しかしながら、同種の前科前歴が複数ある、無免許の発覚を恐れ現場から逃走しようとした、他にも交通違反をしている、人身事故を起こした、といったケースでは、逮捕・勾留による長期の身体拘束となる可能性は高く、略式起訴ではなく公判請求され、正式な裁判が行われることになるでしょう。
無免許運転で人身事故を起こした場合、上で述べた道路交通法違反よりも重い罪が成立することになります。
自動車を運転し人身事故を起こした場合に適用され得る罪は、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(以下、自動車運転処罰法といいます。)に規定される「過失運転致死傷罪」もしくは「危険運転致死傷罪」です。
「過失運転致死傷罪」は、自動車の運転上必要な注意を怠った結果、人を死傷させた場合に成立する犯罪です。(自動車運転処罰法5条)
自動車の運転者が、「自動車の運転上必要な注意を怠」るというのは、自動車の各種装置を操作して、そのコントロール下において、自動車を動かす上で必要とされる注意義務を怠ることを指し、前方不注意や脇見運転、一時停止無視やハンドル操作のミスなど幅広いケースが該当します。
過失運転致死傷罪の罰則は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金です。
一方、「危険運転致死傷罪」は、危険運転行為によって人を死傷させた場合に成立する罪です。(自動車運転処罰法2条)
危険運転とされる行為には、
①飲酒や薬物の影響で正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為。
②その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為。
③その進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為。
④人又は車の通行を妨害する目的で、走行中野自動車の直前に進入し、その他通行中の人又は車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為。
⑤車の通行を妨害する目的で、走行中野車の前方で停止し、その他これに著しく接近することとなる方法で自動車を運転する行為。
⑥高速道路・自動車専用道路において、自動車の通行を妨害する目的で、走行中野自動車の前方で停止し、その他これに著しく接近することとなる方法で自動車を運転することにより、走行中野自動車に停止又は徐行をさせる行為。
⑦赤信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為。
⑧通行禁止道路を進行し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為。
危険運転致死傷罪の罰則は、人を負傷させた場合は15年以下の懲役、死亡させた場合は1年以上の有期懲役です。
また、アルコール・薬物・病気の影響で、走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、アルコール・薬物・病気の影響により正常な運転が困難な状態に陥り、人を負傷させた場合には12年以下の懲役、人を死亡させた場合には15年以下の懲役が科されることがあります。(自動車運転処罰法3条)
自動車運転処罰法は、無免許運転による加重規定を設けています。
無免許運転で人身事故を起こし、過失運転致死傷罪が成立する場合には、10年以下の懲役となり、危険運転致死傷罪(③を除く)が成立する場合には、6月以上の有期懲役に加重されます。
このように無免許運転で人身事故を起こした場合、重い罪が成立するため、通常、公判請求され正式な裁判を行うことになることが想定されます。
「無免許運転で警察に検挙された。」、「無免許運転で事故を起こして逮捕された。」とお困りであれば、交通事件にも対応する刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に今すぐご相談ください。
無料法律相談・初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。
交通事件に強い弁護人選任
交通事件での弁護人選任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
自営業のAさんは、ある日、飲酒運転で交通事故を起こしてしまいました。
現場に駆け付けた大阪府貝塚警察署の警察官に事情を聴かれ、呼気検査を受けたところ、Aさんから基準値を超えるアルコールが検出されました。
警察官は、Aさんを道路交通法違反の疑いで逮捕しました。
Aさんは、仕事のこともあり、長期間の身体拘束はなんとか免れないかと心配しています。
(フィクションです)
交通事件について
交通違反や交通事故を起こした場合、事案によって、民事上の責任、行政上の責任、刑事上の責任が発生します。
刑事上の責任とは、交通違反や交通事故のうち重大で悪質なものについて、交通違反や交通事故を起こした者に課せられる刑事処分のことをいいます。
交通事故を起こし人を負傷させたり死亡させてしまった場合、飲酒運転や無免許運転などの交通違反については、例え交通事故を起こしていない場合でも、刑事上の責任が問われることになります。
(1)身体拘束について
道路交通法違反の場合、逮捕されたとしても、その後勾留されずに在宅捜査となるケースも少なくありません。
そのため、道路交通法違反の疑いで逮捕されたのであれば、例え事件当時に一度現場から離れてしまったという不利な事情があっても、養うべき家族がいることや定職に就いており身分が安定していることなどの事情を主張し、勾留を回避するための活動を行うことによって、逮捕後の勾留を回避することを目指すことが重要でしょう。
自動車運転処罰法違反に問われている場合、道路交通法違反の場合と同様に、逮捕はされても勾留されないことが多くなっています。
ただし、事故後に逃走した場合や危険運転行為による事故の場合であれば、逮捕後に勾留される可能性は高いでしょう。
そのため、検察官や裁判官に対して、逃亡や罪証隠滅を疑うに足りる相当な理由がないことを主張し、疎明資料を提出し、勾留回避に向けて働きかける必要があるでしょう。
(2)起訴
道路交通法違反の場合、一般的に初犯であれば略式手続に付されることが多いですが、飲酒運転については公判請求されるケースも少なくありません。
また、無免許運転については、初犯であれば略式起訴で罰金刑となることが一般的ですが、常習性が認められるような悪質な場合には公判請求される可能性もあります。
自動車運転処罰法違反の場合、軽微な事故であれば略式起訴され罰金刑で終わるケースが多いですが、過失の程度や被害が一定以上の場合には公判請求される可能性が高いです。
特に、危険運転行為を伴うものや、ひき逃げや飲酒運転が伴うもの、被害結果が重大な場合などは、一般的に公判請求されます。
公判請求されると、公開の法廷で審理されることになります。
有罪となれば、刑罰が科されることになりますので、公判請求された場合には、弁護士は執行猶予や刑の減軽を目指した弁護活動を行います。
弁護人について
刑事手続において被疑者・被告人が正当な権利を行使し、正当な利益を保護する者が、弁護人です。
被疑者・被告人は、いつでも弁護人を選任することができます。
弁護人が行う弁護活動には、先に述べた身柄解放活動や情状弁護など様々です。
弁護人は、私選弁護人と国選弁護人との2種類あります。
どちらの弁護人も、基本的な権利・義務は同じですが、次のような特徴があります。
(1)私選弁護人
私選弁護人は、被疑者・被告人や一定の関係人が選んだ弁護人です。
弁護費用は自己負担となりますが、被疑者・被告人等が自ら選ぶことができるので、経験豊富な弁護士、やる気のある弁護士、刑事事件専門の弁護士といったように自分に合った弁護士を選べるのが最大のメリットでしょう。
(2)国選弁護人
国選弁護人は、裁判所、裁判長または裁判官が選任する弁護人です。
被疑者・被告人はいつでも弁護人を選任することができますが、被疑者段階では、国選弁護人の選任要件を充たしていること、そして、勾留状が発せられていることが国選弁護人が選任される要件となっていますので、勾留前に国選弁護人が選任されることはありません。
そのため、勾留阻止の活動を希望される場合には、国選弁護人が選任されるのを待っていると、勾留が付くのを回避することは望めません。
弁護費用は国が負担することになる経済的メリットはありますが、被疑者・被告人等が自ら弁護人を選ぶことはできませんので、刑事事件を専門としない弁護士が弁護人となることもあります。
以上のような特徴を持つ2種類の弁護人ですが、両者とも基本的な権利・義務は同じです。
しかしながら、刑事事件に精通する弁護士であれば、刑事事件に豊富な知識や経験があるため、特に時間的制限のある身柄事件では、すばやく適切に活動することが期待できるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、交通事件をはじめとする刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
ご家族が交通事件で逮捕されてお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談・初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。
酒酔い運転で逮捕
酒酔い運転で逮捕されるケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
会社員のAさんは、車で通勤しています。
ある夜、会社の忘年会に参加するため、帰りはタクシーか代行業者に頼んむ予定をしていましたが、「車の中で仮眠すれば大丈夫だろう。」と思ったAさんは、忘年会後に車で3~4時間寝ました。
その後、Aさんは車を運転して自宅に戻ろうとしましたが、途中から記憶がなく、気が付いたら道路上の分離帯に乗り上げて停車しており、大阪府吹田警察署の警察官に取り囲まれていました。
Aさんは、呼気検査の上、警察官に道路交通法違反の疑いで逮捕されました。
(フィクションです)
酒酔い運転とは
道路交通法第65条1項は、「何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。」と規定しており、酒気を帯びて車両等を運転することを全面的に禁止しています。
「酒気」とは、アルコール分のことを指しており、それが酒、ビール、ウィスキー等のアルコール飲料に含まれているものであると、アルコールそのものであると、あるいは飲料以外の薬品等に含まれているものであるとを問いません。
そして、「酒気を帯びて」とは、社会通念上酒気帯びといわれる状態をいい、顔色や呼気といった外観上認知できる状態にあることをいいます。
「車両等」については、自動車、原動機付自転車、軽車両及びトロリーバスをいうのであって、酒気を帯びた状態で、軽車両である自転車を運転する場合にも、道路交通法に違反することになります。
このように、酒気を帯びた状態での車両等の運転は全面的に禁止されていますが、刑事罰の対象となるのは、ある一定程度の基準以上のものに限られます。
①酒気帯び運転
道路交通法第117条の2の2第3号は、「第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等(軽車両を除く。次号において同じ)を運転した者で、その運転した場合において身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態であったもの」についての罰則を定めています。
ここでいう「身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態」というのは、「血液1ミリリットルにつき0.3ミリグラム又は呼気1リットルにつき0.15ミリグラム」です。
この基準以上であれば、道路交通法違反の酒気帯び運転にあたり、かつ、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金の範囲での刑罰が科せられる可能性があります。
②酒酔い運転
道路交通法第117条の2第1号は、「第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等を運転した者で、その運転した場合において酒に酔った状態(アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態をいう。以下同じ。)にあったもの」についての罰則を定めています。
酒酔い運転については、①酒気帯び運転のように基準数値以上であるか否かで判断するのではなく、「酒に酔った状態」、つまり、「アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態」にあったか否かで判断されます。
「酒に酔った状態」とは、酩酊の度合いが車両を運転するに必要な注意力や判断力を失わせるおそれがあると一般に評価される程度でよく、現実に運転行為において具体的な危険が発生することまでも必要としない。」(東京高裁昭50・1・16)、「酔いにより注意力が減弱し、前方に対する注意力が散漫になるなど安全運転に対する判断力が低下し、運転の継続によって危険が予測し得る状態」(徳島地裁昭40・8・16)であると解釈されています。
「正常な運転ができないおそれ」とは、「正常な運転の能力に支障を惹起する可能性が具体的に相当高度の蓋然性のある場合であることが必要」(仙台高裁昭40・8・6)とされています。
酒酔い運転の認定にあたっては、アルコール保有量の科学的検査、飲酒量、言語・歩行・直立能力等の身体の状況、自動車の運転状況、その他の諸般の事情を総合して認定されます。
そのため、①酒気帯び運転における政令数値以上のアルコールを保有していても酒酔いでない場合や、政令数値以下でも酒酔いにあたる場合があります。
酒酔い運転の罪は、故意犯であるため、本罪成立には故意が必要となります。
つまり、飲酒によりアルコールを自己の身体に保有しながら運転することの認識です。
判例は、アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態に達しているかどうかについては、客観的に判断すべきであり、行為者においてそこまで認識していることは必要としない、との立場を示しています。(最高裁昭46・12・23)
酒酔い運転の罰則は、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金と、①酒気帯び運転のそれよりも重くなっています。
酒酔い運転などの飲酒運転は、警察の検問で呼気検査をして発覚するケースや、物損事故・人身事故を起こして発覚するケースが多く見受けられます。
酒酔い運転の場合、発覚した時点で逮捕されることが多いですが、容疑を素直に認めている場合や人身事故でなければ、逮捕後48時間以内に釈放される可能性はあるでしょう。
ただ、容疑を否認していたり、罪証を隠滅するような行為が疑われたり、人身事故の場合には、逮捕後勾留となる可能性も少なくありません。
勾留となれば、長期間の身体拘束を余儀なくされることになり、日常生活にも多大な損失を残すことになりかねません。
酒酔い運転で逮捕されたのであれば、早期に弁護士に相談し、身柄解放活動を行うのがよいでしょう。
飲酒運転により悲惨な事故が絶えない昨今、飲酒運転に対する処罰も厳格化の傾向にあります。
飲酒運転でご家族が逮捕されてお困りの方は、今すぐ弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士にご相談ください。
身柄解放活動や寛大な処分・刑罰を目指した弁護活動は、交通事件にも対応する刑事事件専門弁護士にお任せください。
無料法律相談・初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。
飲酒運転と危険運転致死傷罪
飲酒運転と危険運転致死傷罪との関係について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
Aさんは、居酒屋で飲酒した後、それ程酔っていないと感じたため、自分の車で帰ることにしました。
Aさんは、千葉県柏市の交差点に向かって進行していましたが、赤信号で停止していた車及びその後ろに停止していたバイクに気が付くのが遅れ、急ブレーキをかけましたが間に合わず、バイクの後方から追突しました。
バイクは、追突された勢いで、前方に停止していた車に追突しました。
バイクの運転手は重傷を負い、車の運転手は軽傷を負っています。
Aさんは、現場に駆け付けた千葉県柏警察署の警察官に事情を聴かれていますが、事故直前についてあまり思い出せません。
警察からは危険運転致傷罪も視野に入れて捜査する旨を伝えられ、とても心配しています。
(フィクションです)
飲酒運転による人身事故
飲酒後にそのアルコールの影響がある状態で車両等を運転した結果、人に怪我を負わせる(最悪の場合には、人を死亡させる)事故を起こした場合には、どのような罪が成立するのでしょうか。
1.道路交通法違反及び過失運転致死傷罪
飲酒運転による人身事故を起こした場合、道路交通法違反(酒気帯び運転又は酒酔い運転)、そして、「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」(以下、「自動車運転処罰法」といいます。)で規定されている過失運転致死傷罪が成立する可能性があります。
◇道路交通法違反◇
まず、飲酒運転について、道路交通法違反が成立します。
道路交通法は、「何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。」とし、酒気帯び運転等の禁止について定めています。(道路交通法第65条1項)
つまり、一般的に、飲酒運転は禁止されています。
そのうち、道路交通法は、「酒酔い運転」又は政令数値以上酒気帯び運転に当たるときに限り罰則を設けており、政令数値未満の単なる酒気帯び運転については、訓示規定にとどめています。
呼気1リットル中のアルコール濃度が0.15ミリグラム以上である状態が、政令数値以上の酒気帯び運転となります。
酒気帯び運転に対する罰則は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金です。
一方、酒酔い運転は、アルコール濃度の検知数に関係なく、アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態である場合をいいます。
酒酔い運転に当たるか否かは、例えば、まっすぐに歩けるかどうか、受け答えがおかしいかといった点を総合的にみて判断されます。
酒酔い運転に対する罰則は、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金です。
◇過失運転致死傷罪◇
人身事故を起こした場合に適用される罪の多くは、過失運転致死傷罪です。
この罪は、「自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた」場合に成立するものです。
前方不注意、スピード違反、標識の見落としなどにより、人身事故を起こした場合には、過失運転致死傷罪が成立することになるでしょう。
過失運転致死傷罪の罰則は、7年以下の懲役若しくは禁固又は100万円以下の罰金です。
以上、飲酒運転をし、人身事故を起こした場合に成立し得る罪としては、まずは、道路交通法違反及び過失運転致死傷罪が考えられます。
この場合、2つの罪は併合罪となり、2つの罪のうち最も重い罪の刑について定めた刑の長期にその2分の1を加えたものを長期となります。
2.危険運転致死傷罪
次に、飲酒運転で人身事故を起こした場合に成立し得る罪として挙げるのは、危険運転致死傷罪です。
自動車運転処罰法は、「アルコールの影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為」を行い、よって、人を負傷させた者は15年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は1年以上の有期懲役に処することを定めています。(自動車運転処罰法第2条1号)
「アルコールの影響により正常な運転が困難な状態」というのは、道路及び交通の状況等に応じた運転操作を行うことが困難な心身の状態にあることをいいます。
先の述べた「酒酔い運転」における「正常な運転ができないおそれがある状態」とは異なり、泥酔状態で、前方の注視が困難になったり、ハンドルやブレーキ等の捜査の時期や加減について、これを思い通りに行うことが現実に困難な状態にあることが必要となります。
そのため、運転者において、道路や交通の状況、自動車の性能等に応じた運転操作を行うことが困難な心身の状態にあることを認識していたことが求められます。
また、本罪が成立するためには、アルコールの提供により正常な運転が困難な状態であったということと、当該事故との間に因果関係がなければなりません。
つまり、当該事故が、的確な運転行為を行っても避けることができないと認められる場合には、因果関係が否定され、本罪は成立しませんが、アルコールの影響により正常な運転が困難な状態下での運転行為においては、道路や交通の状況を正確に認識し、これらの状況に応じた運転操作を的確に行うことが困難な心身の状態にあり、そうした中において脇見をしたり、ハンドル操作を誤ったり、前方不注視を行った場合であれば、正常な運転が困難な状態に起因するものであるため、因果関係が認められることになります。
自動車運転処罰法は、「アルコールの影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、そのアルコールの影響により正常な運転が困難な状態に陥り、人を負傷させた者は12年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は15年以下の懲役に処する」と規定しています。(自動車運転処罰法第3条1項)
先の危険運転致死傷罪(自動車運転処罰法第2条1号)は、アルコールの影響により正常な運転が困難な状態で、そのことを認識して自動車を運転し、人を死傷させた者を処罰対象としているのに対して、自動車運転処罰法第3条1項は、アルコールの影響により正常な運転に支障が生じるおそれがある状態という抽象的な危険性がある状態で、そのことを認識しつつ自動車を運転し、その結果としてアルコールの影響により正常な運転が困難な状態に陥って人を死傷させた者を処罰対象とするものです。
「正常な運転に支障が生じるおそれがある状態」というのは、自動車運転処罰法第2条1号における「正常な運転が困難な状態」には至っていないが、アルコールの影響のために自動車を運転するために必要な注意力、判断能力、捜査能力が相当程度低下して危険性のある状態や、そのような危険性のある状態になり得る具体的なおそれがある状態を指します。
酒気帯び運転に当たる程度のアルコールを身体に保有する状態は、この状態に当たるとされています。
ただ、本罪は、酒気帯び運転のように、客観的に一定の基準以上のアルコールを身体に保有しながら車両等を運転する行為を処罰するものではなく、運転の危険性や悪質性に着目した罪であるため、アルコールの影響を受けやすい者が、酒気帯び運転に該当しない程度のアルコールを保有している場合であっても、自動車を運転するのに必要な注意力等が相当程度減退して危険性のある状態にあれば、「正常な運転に支障が生じるおそれがある状態」に該当すると考えられます。
しかし、本罪の成立には、単に酒気帯び運転に該当する程度のアルコールを身体に保有する状態であることを認識しているだけでなく、それが「正常な運転に支障が生じるおそれがある状態」であることを認識していることが必要となります。
自動車運転処罰法の危険運転致死傷罪は、道路交通法の酒気帯び運転又は酒酔い運転を前提にしているため、前者が成立する場合には後者の罰則は適用されません。
Aさんの場合、運転開始当初は、「正常な運転に支障が生じるおそれがある状態」でしかなかったと考えられますが、事故前の運転状況や事故態様如何によっては、事故を起こした際には「正常な運転が困難な状態」にあったと認定される可能性もあります。
飲酒運転で人身事故を起こした場合、どのような罪が成立するかは、事故の内容によって異なりますので、交通事件に精通する弁護士にきちんと相談されるのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、交通事件にも対応する刑事事件専門の法律事務所です。
無料法律相談・初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。
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デリバリー自転車事故を起こしたら
デリバリー自転車事故を起こした場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
自転車を使用して飲食店のデリバリー業務に従事している大学生のAさん(20歳)は、埼玉県さいたま市浦和区の歩道の左側を通行中、左手の路地から出てきた歩行者と衝突してしまいました。
歩行者は転倒した際にお尻を強く地面に打ち付けたようですぐには立ち上がれない様子でした。
歩行者は、その後、救急搬送されましたが、幸い命には別条ないとのことでした。
Aさんは、現場に駆け付けた埼玉県浦和警察署の警察官から事情を聴かれており、そのまま警察署で取調べを受けることになりました。
警察官からは、過失傷害か重過失傷害事件として処理することになると言われたAさんは、今後どのように対応すべきか分からず不安でたまりません。
Aさんは、翌日、両親と一緒に、自転車事故に対応してくれる弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)
デリバリーの自転車事故の急増
コロナ感染防止対策として家で過ごす時間が増えたことに比例し、デリバリーの需要も急速に増えています。
特に、自転車を使用してのデリバリーが急増しており、それに伴って、デリバリーの自転車事故も増加傾向にあります。
スピードを出して走行していた自転車が歩行者とぶつかり、相手方に怪我を負わせてしまうというケースは少なくありません。
今回は、自転車事故を起こした場合、つまり、加害者となった場合について説明していきます。
自転車事故を起こした場合
自転車事故を起こしてしまい、相手方に怪我を負わせてしまった場合には、自動車で事故を起こしたときと同じように、相手方に生じた損害を賠償しなければなりません。
自転車の場合、加害者が自転車事故にも対応する保険に加入していないことが少なくありません。
保険に加入していなければ、損害賠償金を全額負担しなければなりません。
また、保険に加入している場合であっても、相手方との交渉が保険の補償内容に組み込まれていないことも多く、加害者が直接相手方と交渉しなければなりません。
どのように賠償額を決めればよいのか分からず、また、相手方との交渉が過度なストレスになり精神的に参ってしまう方も多くいらっしゃいます。
そのような場合には、弁護士を介して交渉を依頼されるのがよいでしょう。
法律の専門家である弁護士は、妥当な過失割合や怪我の程度から適切な賠償額となるよう、当事者の間に入り、冷静な交渉を行うことが期待されます。
交渉の結果、示談が成立することができれば、最終的な刑事処分にも大きく影響してきますので、早期に弁護士を介して被害者との示談交渉を行うのがよいでしょう。
自転車事故を起こし、相手方に怪我を負わせてしまった場合には、損害賠償責任のみならず、刑事責任が問われる可能性があります。
自転車事故の場合、過失傷害、過失傷害致死、重過失傷害致死といった犯罪が成立することがあります。
自転車事故の発生を受けて、警察は捜査を開始します。
自転車事故の加害者は、警察での取り調べを受けた後、今度は検察官により取り調べを受けることになります。
そして、検察官は、加害者である被疑者について起訴するか否かを判断します。
ここで、起訴しないとなれば、不起訴処分で事件は終了します。
起訴されていないため、有罪となることもなく、前科も付きません。
不起訴処分の獲得のためには、被害者との示談を成立させることが重要です。
一方、怪我や過失の程度によっては、不起訴処分獲得が難しいこともあります。
そのような場合には、略式手続がとられたり、公判請求となることがあります。
略式手続となれば、前科は付きますが、書類上の手続で済むため、法廷に立つ必要はありません。
自転車事故の内容にもよりますので、早期に刑事事件に強い弁護士に相談し、できる限り穏便に事件を解決できるよう対応することが重要でしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、交通事故を含めた刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
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交通事件に強い弁護士
交通事件に強い弁護士に弁護活動を依頼するメリットについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
神奈川県厚木市の交差点で、自家用車を運転していたAさんは、横断中の歩行者とぶつかってしまいました。
Aさんは、すぐに車から降り、倒れた歩行者の容態を確認し、救急車を呼びました。
現場に駆け付けた神奈川県厚木警察署の警察官は、Aさんに事情を聴いていますが、Aさんに飲酒の疑いが出たため、呼気検査をしたところ、基準値を超えるアルコール濃度が検出されました。
Aさんは、過失運転致傷および道路交通法違反(酒気帯び運転)の疑いで逮捕されました。
逮捕の連絡を受けたAさんの妻は、家族と話し合った結果、急いで交通事件に強い弁護士に法律相談することにしました。
(フィクションです)
交通事故は、車両を運転する人なら誰しもが起こす可能性のあるものです。
交通事故を起こした場合、行政処分のみならず、刑事処分をも受けることがあります。
例えば、人身事故を起こした場合には、「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」に規定される「過失運転致死傷罪」や「危険運転致死傷罪」、あるいは「準危険運転致死傷罪」が成立する可能性があります。
また、交通事件であっても、逮捕・勾留といった身体拘束を受けることもあります。
交通事故を起こし、被疑者・被告人として刑事手続に付された場合には、被疑者・被告人となった方は、いつでも弁護人を選任することができます。
1.取り調べ対応についてのアドバイス
交通事故を起こし、刑事事件として事件が処理されると、事件を起こした方は、捜査機関から取り調べを受けることになります。
法律や手続について精通しているという一般の方はそう多くありませんので、捜査機関からの取り調べを受けるにあたって、どのように対応するべきかについて不安に思われることでしょう。
特に、逮捕・勾留されている場合には、取調べに応じなければならず、自由に取調室を出入りすることはできませんので、精神的に追い詰められ、取調官の誘導に乗り、自己に不利な内容の供述調書が作成されたり、違法な取調べにより事実とは異なる供述をしてしまうおそれもあります。
逮捕・勾留されていない場合であっても、取調室という特殊な空間に身を置かれた状態では、取調べを受ける方の心境も同様でしょう。
そのような不安を取り除き、必要以上に不利な供述がとられないよう、事前に弁護士から取調べの適切な対応方法についてアドバイスを受けておくことが重要です。
2.身柄解放活動
逮捕・勾留されてしまったら、できる限り早期に釈放されたいと願われることでしょう。
身体拘束が長引けば長引くほど、会社や学校に行くことができない期間も延びますし、それによって被る不利益は小さくありません。
そのような事態を回避するためにも、早期に弁護士に依頼し、身柄解放活動に着手することが重要です。
弁護士は、逮捕後、勾留に付されないよう、勾留の要件を充たしていない旨を客観的証拠に基づき、検察官や裁判官に説得的に主張します。
勾留が決定した後であっても、勾留に対する準抗告を行い、不要・不当な身体拘束からの解放に向けて活動します。
3.被害者対応
人身事故の場合、自動車保険の保険会社を通じて、被害者との示談交渉を行うことが多いのですが、被害者対応を保険会社に丸投げした結果、被害者の処罰感情が消えず、最終的な処分にも大きく影響してしまうことがあることに注意が必要です。
保険会社の示談交渉とは別に、弁護士を介して示談交渉を行い、刑事処罰を望まない旨の合意を成立させることができれば、最終的な処分にも良い方向で影響する可能性を高まるでしょう。
4.不起訴獲得、無罪判決、執行猶予付判決獲得に向けた活動
容疑を認める場合には、起訴猶予での不起訴処分の獲得、執行猶予付判決の獲得を目指し、被疑者・被告人に有利な事情を収集・主張します。
否認・無罪を主張する場合では、被疑者・被告人に有利な証拠を探し出し、無実・無罪を証明する、検察官提出の証拠を精査し、その信頼性・信用性に疑問があることを主張し、裁判で証拠とすることができないよう訴えるといった弁護活動を行います。
このような活動は、交通事件に強い弁護士に任せるのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、交通事件にも対応する刑事事件専門の法律事務所です。
ご家族が交通事件で逮捕されてお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
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自転車であおり運転
自転車であおり運転をし摘発される場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
東京都東村山警察署は、Aさんを道路交通法違反(妨害運転)の疑いで逮捕しました。
Aさんは、東京都清瀬市の道路を自転車で走行中、道路中央に飛び出すなどの蛇行運転を繰り返しており、Aさんの後方を運転していたWさんが警察に通報し、ドライブレコーダーの映像からAさんを割り出すに至ったとのことです。
(実際の事件を基にしたフィクションです)
先月、自転車による妨害運転、いわゆる「あおり運転」を行ったとして、埼玉県警は、県内の男性を逮捕したとのニュースが報道されました。
あおり運転で自転車の運転者を逮捕するのは全国初ということです。
道路交通法違反(妨害運転)とは
道路を走行する自動車、自動二輪、自転車などに対して、周囲の運転者が、極端な幅寄せをしたり、車間距離を詰めたり、クラクションを必要に鳴らしたりするなどして、道路における交通の危険を生じさせる行為のことを、「あおり運転」と呼びます。
近年、あおり運転に起因した悲惨な事故が多発したため、あおり運転に対しての厳罰化を望む声が高まっていました。
そのような声に答える形で、2020年6月30日に施行された改正道路交通法では、あおり運転に関する行為を処罰する規定が盛り込まれています。
【妨害運転(交通の危険のおそれ)】
他の車両等の通行を妨害する目的で、以下の行為であって、当該他の車両等に道路における交通の危険を生じさせるおそれのある方法によるものをした者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
①通行区分違反
②急ブレーキ禁止違反
③車間距離の不保持
④進路変更禁止違反
⑤追越しの方法違反
⑥車両等の灯火違反
⑦警音器の使用等違反
⑧安全運転義務違反
⑨最低速度違反(高速道路)
⑩高速道路等における駐車違反
【妨害運転(著しい交通の危険)】
妨害運転により、高速道路等において他の自動車を停止させ、その他道路における著しい交通の危険を生じさせた者は、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
以上のように、妨害運転、いわゆるあおり運転に該当する行為をおこなった場合には、それにより事故を起こさなくても、道路交通法違反として厳しく処罰されることになっています。
自転車であおり運転をした場合にも適用されるの?
それでは、道路交通法における妨害運転は、自転車にも適用されるのでしょうか。
上の妨害運転のうち、⑥⑨⑩を除く以下の行為については、軽車両に当たる自転車による行為についても適用されます。
①通行区分違反
②急ブレーキ禁止違反
③車間距離の不保持
④進路変更禁止違反
⑤追越し違反
⑦警音器使用制限違反
⑧安全運転義務違反
自転車があおり運転を行った場合も、自動車の場合と同様の罰則が科される可能性があります。
また、自転車によるあおり運転行為を含む危険行為で3年以内に2回以上検挙された場合、都道府県公安委員会により、自動車運転者講習の受講が命じられます。
この講習命令に従わない場合には、5万円以下の罰金が科される可能性があります。
自転車であってもあおり運転行為により検挙される、場合によっては逮捕されることもありますので、十分注意して運転するよう心がけましょう。
ご家族が交通事件で逮捕されて対応にお困りの方は、今すぐ弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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ひき逃げ事件で自首
ひき逃げ事件で自首が成立する場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
東京都世田谷区をバイクで走行していたAさんは、交差点に進入した際、横断道路を横断しようとしていた女性と接触しました。
Aさんは、後ろを振り向いて女性が倒れていることを確認したのですが、気が動転しておりそのまま立ち去ってしまいました。
しかし、Aさんは自責の念に駆られ、警視庁北沢警察署に自首をしようと考えています。
(フィクションです)
ひき逃げ事件を起こしたら
道路交通法は、交通事故があったときの運転者等のとるべき措置について定めています。
車やバイク、自転車などの運転し、事故を起こしてた場合、事故に係る車両等の運転手は、すぐに車両を停めて、負傷者がいれば救護し、道路における危険を防止する等必要な措置をとらなければなりません。
道路交通法第72条1項前段は、交通事故があったときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない旨を規定しています。
ここでいう「交通事故」というのは、「車両等の交通による人の死傷もしくは物の損壊」をいいます。
「車両等」は、原則的には、自動車、原動機付自転車、軽車両、トロリーバスや路面電車のすべてを含みます。
二輪車は、50cc以下が「原動機付自転車」、50~400ccが「普通自動二輪者」、400cc~が「大型自動二輪車」となり、50ccを超える二輪車は「自動車」に該当します。
「負傷者を救護し」とは、現場において応急の手当てをすることや、医師への急報、救急車の要請、病院へ負傷者を運ぶことなどの行為をいいます。
「道路における危険を防止する等必要な措置を講じ」とは、例えば、その交通事故を起こした車両等をそのまま道路上に放置することは危険ですので、これをすみやかに他の場所に移動させる行為や、負傷者が倒れているときには、これをすみやかに道路外の安全な場所に移動させるなどの行為があげられます。
この義務に反して、事故現場から立ち去る行為が、いわゆる「ひき逃げ」と呼ばれます。
また、交通事故によって人が負傷、最悪の場合には死亡しているのであれば、道路交通法違反に加えて、過失運転致死傷罪または危険運転致死傷罪に問われる可能性があります。
自首とは
人身事故を起こしたにもかかわらず、負傷者を救護せず、その場を立ち去ったAさんは、自首しようかと考えています。
そもそも、「自首」というのは、法律上、犯人が捜査機関に対し、自発的に自己の犯罪事実を申告して、訴追を求めることをいいます。
法律上の「自首」が成立するためには、次の要件を充たす必要があります。
①捜査機関への発覚前
自首が成立するためには、捜査機関、つまり、検察官または司法警察職員が、犯罪事実や犯人を認知・特定するまでの段階に行われなければなりません。
②自己の犯罪事実の申告
自分の犯罪事実についての申告でなければならず、申告した犯罪事実の一部に虚偽がある場合、例えば、単独犯であると虚偽申告をして共犯者を隠避した場合や、刑責を軽減するために、軽い罪の犯罪事実として虚偽の申告をした場合は、自首の成立が否定されます。
③自発性
犯罪事実の申告は、自発的でなければなりません。
捜査機関の取り調べに対する自白は、自発的とは言えず、自首にはあたりません。
④自己の訴追を含む処分を求める
自己の犯罪事実の申告には、自己の訴追を含む処分を求める趣旨が明示的・黙示的に含まれている必要があります。
申告内容が、犯罪事実の一部を隠すためのものである場合や、自己の責任を否定するようなものである場合には、自首は成立しません。
自首が成立した場合の効果は、刑の任意的減軽です。
犯行態様、社会的影響、前科の有無、犯行から自首までの経過年数、反省の有無などを考慮して、減軽するか否かが決められます。
また、自首することで、逃亡のおそれや罪証隠滅のおそれがないと判断され、逮捕・勾留といった身体拘束を伴う強制処分を受けない可能性もあります。
自首前に刑事事件に強い弁護士に相談・依頼するメリット
自首をした場合、その後は、被疑者として捜査の対象となり、取り調べを受けることになります。
しかし、刑事事件の流れやどのように取り調べに対応すべきかといったことについての知識を十分に持っていらっしゃる方は、そう多くありませんので、自首する前に、刑事事件に強い弁護士に相談し、自首した場合どのような流れになるのか、取り調べではどのような受け答えをすべきか、どういった点に注意すべきかを事前に知っていると、安心して自首することができるのではないでしょうか。
また、一人で警察署に自首しに行くのは勇気がいることですし、そのまま逮捕されるという可能性もあります。
そのため、事前に弁護士に弁護を依頼し、出頭への同行や、逮捕された際には接見を依頼しておくのもひとつも手でしょう。
弁護士に、逮捕を回避するよう捜査機関宛に意見書を提出してもらい、逮捕回避の可能性を高めるなど、身体拘束の回避に向けて早い段階から動くこともあるでしょう。
自首を検討されている場合には、事前に弁護士に相談し、自首に関するアドバイスを受けるのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
交通事件を含め刑事事件・少年事件を起こし対応にお困りの方は、弊所の弁護士にご相談ください。
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