Archive for the ‘危険運転致死傷罪’ Category

大阪府箕面警察署管内のひき逃げ事件

2019-06-05

大阪府箕面警察署管内のひき逃げ事件

【事件】
通勤中のAさんは、大阪府箕面市の路上を会社に向かって自動車で走行中、信号がついている交差点に進入したところで何か物に当たったような重たい音と小さな揺れを感じました。
場所は住宅街で死角も多く、Aさんはもしかしたら人をはねたかもしれないと思いましたが、会社に急いでいたためそのまま走り去りました。
そのとき信号はちょうど黄色から赤色に変わったところでした。
帰宅途中、Aさんは通勤中に物音と揺れを感じたあたりで、大阪府箕面警察署の警察官に停止を求められ、Aさんは停車しました。
警察官は、今朝この付近で人が車にはねられてけがをする事件が発生しておりその犯人を捜していること、被害者の証言と一致した車種と色の車に職務質問をしていることを告げ、何か知っていることや心当たりのあることはないかAさんに質問しました。
Aさんはもしかしたら自分かもしれないと思い、その旨を告げると警察官とともに大阪府箕面警察署に向かいました。
Aさんの証言と自動車についた傷などの状況から、警察官はAさんを過失運転致傷罪(自動車運転死傷行為処罰法第5条)および道路交通法違反(同法72条)の容疑者として捜査を行うことにしました。
(フィクションです)

【ひき逃げ】

一般にいうひき逃げとは、道路交通法の第72条に違反することをいいます。
交通事故に関係した車両等の運転者等について、道路交通法第72条には次のような義務があると定められています。

① 直ちに運転を停止する義務
② 負傷者の救護義務
③ 道路上の危険防止の措置義務
④ 警察官に、発生日時、死傷者・物の損壊の状況や事故後の措置、積載物を報告する義務
⑤ 報告を受けた警察官が必要と認めて発した場合に、警察官が到着するまで現場に留まる命令に従う義務

これらのうち②救護義務違反と④報告義務違反の場合がひき逃げとされることが多いです。

今回のケースを見れば、Aさんは被害者を救護する行為や警察に報告する行為をしていないため、②と④の義務に違反していると認められひき逃げとなると考えられます。
ひき逃げをした場合の法定刑は、

②救護義務違反の場合は10年以下の懲役又は100万円以下の罰金(事故の原因が本人に無い場合は5年以下の懲役または50万円以下の罰金
④報告義務違反の場合は3月以下の懲役または5万円以下の罰金

となります。
①の救護義務違反と④の報告義務違反は「一個の行為」であり観念的競合とするとした判例がありますので、この場合はより重たい10年以下の懲役又は100万円以下の罰金の範囲で刑が決まります。

【過失運転致死傷罪】

過失運転致死傷罪は、自動車の運転に必要な注意を怠ったために人を死傷させた場合に成立します。
この事件の場合、被害者はけがをしたにとどまっていますので、過失運転致傷罪になります。
この罪の法定刑は7年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金です。
また、この罪は但書で被害者のけがが軽い場合はその刑を免除することができるとされています。
今回、Aさんは信号が赤色の灯火に変わった交差点に進入し、もしこのときに赤色の灯火を不注意により認識していなかったこと等の事情が認められれば、自動車運転上必要な注意を怠った(過失がある)と認められることになります。

【危険運転致傷罪】

注意しなければならないのは、今回の事件のようなケースですと、さらに重い罪に問われる可能性があるということです。
それは、危険運転致死傷罪(自動車運転死傷行為処罰法第2条)です。
この罪は、

1.アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状況で自動車を走行させる行為
2.進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為
3.進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為
4.人または車の通行を妨害する目的で走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人または車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を走行させる行為
5.赤色信号またはこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を走行させる行為
6.通行禁止道路を進行し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為

のいずれかに当たる行為を行って人を死傷させた場合に成立します。
法定刑は、被害者を死亡させた場合に1年以上の有期懲役、負傷させた場合は15年以下の懲役となっています。
「重大な交通の危険を生じさせる速度」とは、判例によれば、時速20キロから30キロの速度で走行していれば、危険速度に当たるとされる場合が多いようです。

今回の場合ではAさんは赤信号の交差点に減速することなく進入しけがをさせていますので、場合によっては5.の類型に当たることも考えられます。
赤信号を殊更に無視するとは、赤色信号であることの確定的な認識がない場合であっても、信号の規制自体に従うつもりがないため、その表示を意に介することなく、たとえ赤色信号であったとしてもこれを無視する意思で進行する行為をも含(最決平20・10・16刑集62巻9号2797頁)みます。
Aさんは仕事に遅れないよう信号に従わず車を走行させていますので、危険運転致傷罪の容疑に切り替わる可能性もありそうです。

【弁護活動】

Aさんに依頼された弁護士の活動としては、まず被害者との示談を目指して活動していくことが考えられます。
示談をすることで被害感情の治まりをアピールすることができ、不起訴処分や罰金刑での事件収束、執行猶予の獲得も期待できます。

対人の交通事故を起こしてしまった方、ご家族やご友人が大阪府箕面警察署ひき逃げ事件の取り調べを受けて困っている方は、交通犯罪に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談下さい。

【福岡】危険運転致傷罪の共犯で逮捕

2019-03-27

【福岡】危険運転致傷罪の共犯で逮捕

Aは、夜間、福岡県北九州市の公道上において、先行するBの運転するB車とともに、互いの速度を競うように自車を走行させていた。
そして、前方の交差点が赤信号であるにもかかわらず、B車とA車はそのまま直進し、横方向から進行してきたV車とB車が激突し、V車を運転していたVに大怪我を負わせた。
福岡県八幡東警察署の警察官は、Aらを危険運転致傷罪の容疑で逮捕した。
Aの家族は、交通事件に強いと評判の弁護士に相談することにした。
(本件は事実を基にしたフィクションです。)。

~危険運転致死傷罪と共犯~

自動車運転死傷行為処罰法は、危険運転致死傷罪などかつては刑法によって規定されていた犯罪を含め、死傷結果を伴う危険な交通犯罪を包括的に定めた法律です。
本件では、同法2条が規定する危険運転致死傷罪のうち、5号の成否が問題となっています。
自動車運転死傷行為処罰法2条5号は、「赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為」をし、その行為に「よって、人を負傷させた者は15年以下の懲役」に処する旨を定めています。
本件では、Bの行為が上記行為に該当することは明らかであるといえそうです。
問題は、Vが大怪我を負ったのは、直接にはBの上記行為によりV車と接触したことによるものであり、A車自体はV車とは接触していない点です。
直接事故を起こしていないAも、危険運転致傷罪となってしまうのでしょうか。

この点、刑法60条は、「2人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする」と共同正犯について定めています。
刑法60条の趣旨は、犯罪結果に対して因果性を与えた者を正犯(主犯)として処罰することにあり、共謀とこれに基づく共同実行がその要件とされています。
したがって、AとBの間に共謀があり、これに基づく実行が認められる場合には、(実行もしくは共謀)共同正犯としてAも危険運転致傷行為に対し刑事責任を負うことになる可能性があります。

この点に関して参考になるのが、最決平成30・10・23の最高裁判例です。
判例は、赤信号殊更無視による危険運転致死傷罪(上記2条5号)に関する共同正犯の成否に関し、赤信号を殊更に無視する意思の下、共犯者間において速度を競うようにして、相互の危険を高めあっていたような関係がある場合には、「赤色信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する意思を暗黙に相通じた上、共同して危険運転行為を行ったものといえる」とし、重大事故を起こした先行車のみならず後続車の運転者も共同正犯としての責任を負うとしています。
したがって、本件におけるAも危険運転致傷罪の共同正犯としての刑事責任を負う可能性があるのです。

~共犯事件に対する弁護士による弁護活動~

本件のような共犯事件においては、共犯者(本件ではB)の主張等を的確に把握することが、Aの弁護方針を決めていくにあたっても極めて重要になります。
ここでは、Aへの接見(面会)等によって事実関係を把握することのみならず、共犯者との関係においてAの主張を再検証する必要があります。
そこで、弁護士としては、共犯者との接見(面会)等の可能性も含めた弁護活動を行っていくことが考えられます。
もっとも、共犯者との接触にあたっては細心の注意を払う必要があり、共犯事件の弁護活動においては、刑事事件に対する経験と専門性が不可欠です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、人身事故などの交通事件を含む刑事事件専門の法律事務所です。
共犯事件に関しても、専門性の高い刑事弁護士に相談することをおすすめします。
危険運転致傷事件で逮捕された方のご家族は、年中無休のフリーダイヤル(0120-631-881)まで、お早目にお問い合わせください。
福岡県八幡東警察署までの初回接見費用:4,1540円)

速度超過の暴走行為による危険運転致死事件

2019-03-17

速度超過の暴走行為による危険運転致死事件

~ケース~
Aさんは、兵庫県尼崎市内の時速50キロメートル制限の公道において、深夜、自動車を時速130キロメートルで走行させていた際、カーブを曲がり切れず、電柱に衝突し、同乗者Vを死亡させてしまいました。
Aさんは自ら兵庫県尼崎東警察署の警察官を呼び、事故を報告しましたが、時速130キロメートルで走行していたことが発覚し、危険運転致死罪の疑いで現行犯逮捕されてしまいました。
(フィクションです)

~危険運転致死罪~

近年、危険運転致死傷罪がメディアで取り上げられることが少なくありません。
上記のケースは、制限速度を大幅に超過した状況で発生した交通事故です。
Aさんに成立する可能性のある危険運転致死罪とは、どのような犯罪でしょうか。

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第2条2号によると、「進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為」を行い、よって人を死亡させた場合に危険運転致死罪が成立します(他にもアルコール・薬物の影響下にあった場合、未熟運転であった場合などの類型が存在します)。
「進行を制御することが困難な高速度での走行」とは、速度が速すぎるために道路状況に応じて進行することが困難な状態で自車を走行させることをいいます。
「進行を制御することが困難な高速度での走行」であったかどうかは、具体的な道路状況に応じて判断されます。
Aさんが走行していた道路にカーブが存在していて、時速130キロメートルでは到底カーブに沿って曲がり切れない、という場合には、「進行を制御することが困難な高速度での走行」と判断される可能性が高いと思われます。

危険運転致死罪でAさんが起訴され、上記のような高速度を出していたためにカーブを曲がり切れず、その結果、電柱に衝突したことによりVを死亡させたものと判断され有罪となった場合、Aさんには1年以上の有期懲役が言い渡されることになります。

~逮捕後、Aさんはどうなるか?~

まず、Aさんは兵庫県尼崎東警察署に引致され、取調べを受けます。
警察官の取調べの結果、Aさんに罪証隠滅、逃亡のおそれがあり、身体拘束を行った上で捜査を行うべきであると判断された場合には、Aさんは逮捕時から48時間以内に身柄を検察に送致されます。
検察では、検察官が取調べを行い、身柄を受け取ったときから24時間以内にAさんの勾留を請求するか、釈放するか、あるいは起訴するかが決められます。
勾留請求をされた場合には、裁判官が勾留の要否を判断します。
勾留された場合には、最長10日間、勾留延長がなされた場合にはさらに最長10日間身体を拘束されます。
この間に、事故現場の状況(カーブがどのようなものであったかなど)について調査する「実況見分」という手続きが行われます。
Aさんが現場に連れていかれ、事件の当時について話を聞かれることもあります。

~Aさんの身柄解放活動~

近年、自動車の暴走行為、あおり運転など、異常な運転の末に事故を起こした者に対する批判が高まっており、ことに危険運転致死傷事件については世間からも厳しい目が向けられています。
もっとも、Aさんが上記のように長期間勾留されるとなると、職を失うなど、社会生活への悪影響が懸念されます。
Aさんを勾留するか否か、という判断は、捜査段階の中でも初期に行われます。
そのため、早期に弁護士身柄解放活動を依頼し、勾留をさせない活動を行うことが重要です。
弁護士は、Aさんに逃亡のおそれ、罪証隠滅のおそれがないことなど、勾留の要件を満たさないことを検察官、裁判官に訴えかけ、勾留請求、勾留決定の阻止に向けて活動します。

~Vの遺族と示談をする~

Vの遺族と示談ができれば、Aさんにとって有利な事情となりえます。
さらに、Aさんについて寛大な処分を求める嘆願書を差し入れてもらうことができれば理想的です。
示談が成立していることは、検察官が起訴、不起訴を決める際、裁判所が量刑を決める際に有利な事情として扱われることが期待できます。
さらに、民事上の紛争を予防する効果も期待することができます。

繰り返しになりますが、身柄解放活動はなるべく早期に開始するべきです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では24時間、初回接見サービスの受付を行っており、いつでもお電話いただけます。
ご家族、ご友人が兵庫県尼崎市危険運転致死事件を起こし、逮捕されてしまった方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士にご相談ください。

初回接見サービスのご相談は0120-631-881まで。
兵庫県尼崎東警察署までの初回接見費用:37,000円

危険運転致傷罪で逮捕 あおり運転

2019-02-10

危険運転致傷罪で逮捕 あおり運転

Aは、京都市下京区内で自らの自動車を運転していたところ、普段から快く思っていなかったV1およびV2が乗った自動二輪車を発見した。
AはV車を追走しながら、著しく接近し、高速度で走行させた結果、Vらは自動二輪車のコントロールを失い地面に転倒した。
その結果、Vらは全治2か月の怪我を負った。
通報を受けた京都府下京警察署の警察官は、Aを危険運転致傷罪の疑いで逮捕した。
なお、Aは積極的な妨害目的があったことを否認している。
Aの家族は、交通事件に強いと評判の弁護士に相談することにした。
(本件は事実を基にしたフィクションです。)

~自動車運転処罰法とあおり運転~

昨今、あおり運転による人身事故が多発し、世間の耳目を集め社会問題と化しています。
このような社会問題化に対応して、あおり運転に関しては暴行罪や殺人罪など適用される罪名も様々なものとなっているのが現状です。
本稿では、旧来は刑法に規定されていた、危険運転致死傷罪あおり運転に対する適用について解説していきます。

2014年から施行された自動車運転処罰法は、その2条において危険運転致死傷罪を規定しており、同条各号において危険運転行為を類型化しています。
自動車運転処罰法2条4号は、
・「人又は車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人又は車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
によって、「人を負傷させた者」(や「人を死亡させた者」)を処罰する旨を規定しており、この規定があおり運転にも適用される可能性があります。

本罪は各号に類型化した危険運転行為の故意が必要となる、結果的加重犯であり、いわゆる交通犯罪に多い過失犯とは異なる点に注意が必要です。
仮に「走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人又は車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為」があったとしても、「人又は車の通行を妨害する目的」がなければ4号は適用されないため、上記目的があるかどうかが争点になることが少なくありません。

この点、裁判例(大阪高判平成28・12・13(本稿執筆段階では上告中))は、「人又は車の通行を妨害する目的」とは、
人又は車の自由かつ安全な通行を妨げることを積極的に意図する場合のみに限られず
危険回避のためやむを得ないような状況等もないのに人又は車の自由かつ安全な通行を妨げる可能性があることを認識しながら
あえて「走行中の自動車の直前に進入し,その他通行中の人又は車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する」場合
も含まれると判断しています。
したがって、弁護士として上記目的がないと主張する場合には、上記目的の積極的な意図が認められないことのみならず、通行妨害が生じる可能性を認識していたとはいえなかったことまで主張することが必要になってくる可能性があります。

~交通事件における弁護活動~

交通事件に関する否認事件では、弁護士自身による現場検証といった調査活動も重要になってきます。
また、事故時における速度の推定など、交通事件においては科学的知見も必要不可欠です。
捜査機関の盲点を指摘するためにも、交通事件については専門知識の重要性は他の犯罪に比べて大きいともいえるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、危険運転致傷罪などの交通事件を含む刑事事件専門の法律事務所です。
交通事件の弁護活動にも習熟した弁護士が、依頼者様やご家族の要望や疑問にお応えします。
危険運転致傷罪で逮捕された方のご家族は、弊所フリーダイヤル(0120-631-881)までお早めにお問い合わせください。

【東京都の刑事事件専門弁護士】飲酒運転の容認で危険運転致傷幇助罪

2019-01-18

【東京都の刑事事件専門弁護士】飲酒運転の容認で危険運転致傷幇助罪

~事件例~
Aと部下のXは東京都西東京市の居酒屋で足元がおぼつかなくなるほど飲んでいましたが、居酒屋をハシゴすることになりました。
Xは駐車場でAに自家用車の助手席を勧め、「私が次の居酒屋まで運転していきます」というと、Aは、「わかった、ありがとう」と了解しました。
Xが自家用車を発進させた後も、Aは運転を制止することなく、黙認し続けていましたが、Xは赤信号で停止している前方車両に追突してしまい、乗員に頸椎捻挫の傷害を負わせてしまいました。
Xは危険運転致傷罪の現行犯として逮捕されましたが、事故前のAとXのやり取りを知った警視庁田無警察署の警察官はAも危険運転致傷幇助罪の疑いで取り調べることにしました。
(最決平成25年4月15日をモデルとしたフィクションです)

~運転していないAさんも危険運転幇助罪?~

アルコールの影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させ、よって人を負傷させた場合、15年以下の懲役に処せられます(自動車運転処罰法第2条1号)。
仮にXに危険運転致傷罪が成立するとして、運転していないAさんに危険運転致傷幇助罪が成立するのでしょうか。
幇助とは、すでに犯罪の実行を決意している者に対して、助言や激励などによってその決意を強固にするものをいいます。
幇助行為の態様には、物理的な幇助(例えば犯罪に必要な道具を貸すなど)以外にも、心理的幇助があります。

では、上司のAさんが部下のXの運転を了解し、事故を起こすまで黙認していたことが危険運転致傷罪の心理的幇助に該当するのでしょうか。
事件例のモデルとなった判例(最決平成25年4月15日)では、被告人の後輩の飲酒運転を了解、黙認したことにつき、その関係性や状況などを考慮して「運転の意思をより強固なものにすることにより、後輩の危険運転致死傷罪を容易にしたものである」と判示しています。
上記判例に従えば、上司であるAが部下のXの運転を了解、黙認したことにつき、Xの運転の意思をより強固にし、危険運転致傷罪を容易にしたと判断される可能性があると言えるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士は、危険運転致傷幇助罪で取調べを受ける方の、どのように取調べに臨めばよいか、捜査官の問いに対しどのように答えればよいか、などといった疑問に対し、法律相談を通じて助言します。
どうぞお気軽にご相談ください。
無料相談予約は0120-631-881まで)

てんかんによる人身事故 危険運転致傷罪の逮捕は京都の弁護士へ相談

2019-01-06

てんかんによる人身事故 危険運転致傷罪の逮捕は京都の弁護士へ相談

Aは京都府城陽市内の道路を自車で走行中、てんかんの発作により意識を失い、その結果としてV車に衝突し乗車していたVらに怪我を負わせる人身事故を起こした。
通報を受けた京都府城陽警察署の警察官は、Aを危険運転致傷罪の容疑で逮捕した。
しかし、Aは通院はしていたが、てんかんである旨の診断は受けていなかった。(本件はフィクションです。)

~自動車運転死傷行為処罰法と新設規定~

自動車運転死傷行為処罰法3条2項は、「自動車の運転に支障を及ぼすおそれがある病気として政令で定めるものの影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で」「自動車を運転し、よって、その病気の影響により正常な運転が困難な状態に陥り、人を死傷させた者」について、「人を負傷させた者は12年以下の懲役に処」すると規定しています。
これがいわゆる危険運転致傷罪で、危険運転致傷罪は自動車運転死傷行処罰法の制定とともに新設された規定です。

危険運転致傷罪が成立するためには、「自動車の運転に支障を及ぼすおそれがある病気…の影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある」 ことの認識が必要です。
もっとも、危険運転致傷罪の成立においては、具体的な病名そのものの認識は必要ではなく、その病気の特徴の認識があれば足りるとされています。
今回のAは、てんかんという診断は受けてはいないものの、通院している事実があります。
日頃どういった症状があったのか、てんかんという自覚があったのかどうかなどの詳細な事情により、Aに危険運転致傷罪が成立するかどうかが判断されることになるでしょう。
弁護士としては、この点の認識があったか否かを争うなどの弁護活動を行うことも考えられますが、詳細な事情が分からなければその検討も難しいため、てんかんなどによる危険運転致傷事件を起こしてしまった場合には、すぐに弁護士に相談し、詳しい話をしてみることをおすすめいたします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、人身事故を含む交通事故事件にも強いと評判の刑事事件専門の法律事務所です。
特にてんかんなどの病気の影響で事故を起こしてしまった場合、ご本人としては刑事責任を負うことに容易には納得し難い面もあるかもしれません。
刑事事件の専門家である弁護士に相談し、不安や疑問の解消のための一歩としてみてはいかがでしょうか。
京都府城陽警察署までの初回接見費用:38,200円

川崎市幸区の公道レース 危険運転致死罪で逮捕されたら刑事専門弁護士

2018-12-21

川崎市幸区の公道レース 危険運転致死罪で逮捕されたら刑事専門弁護士

Aは、川崎市幸区内の道路で赤信号に従い停止中、隣の車の運転手Bと目が合いました。
すると、BはAを見ながらエンジンを空ぶかししてきたため、Aはレースを申し込まれているものと思い、青信号になると同時に両者はアクセルを全開にして車を発進させました。
その道路の制限速度は50キロメートルであったにも関わらず、両者は150キロ近い速度で競争を繰り広げ、ついにBが横断者Vを避けきれず衝突し、死亡させてしまいました。
その後、AとBは神奈川県幸警察署の警察官に危険運転致死罪の疑いで逮捕されました。
(最決平成30年10月23日をモデルにしたフィクションです。)

~危険運転致死罪~

自動車運転処罰法第2条2号は、「その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為」を禁止しており、これにより人を死亡させた場合、有罪が確定すれば1年以上の懲役に処されます(危険運転致死罪)。         
A、Bのように50キロ制限の道路上で、150キロ近い速度で自動車を運転した場合には、通常、カーブや横断者の出現に応じて、適切に自動車を操作することができませんから、「進行を制御することが困難な高速度」で運転したものと判断され、危険運転致死罪が適用される可能性が高いでしょう。

今回のAは確かに制限速度を大幅にオーバーして運転したのですが、実際にVに衝突したのはBです。
なぜAも危険運転致死罪逮捕されたのでしょうか。
2人以上共同して犯罪を実行した場合には、「共同正犯」として、他方の行為・結果についても責任を負わなければなりません(刑法第60条)。
共同正犯は2人以上の行為者に、主観的に共同実行の意思が存在し、客観的に共同実行の事実が存在する場合に成立します。
今回、Aが赤信号で停止中、Bの挑発の趣旨が公道レースの申し込みであると考え、実際にBと公道レースを行ったのですから、黙示の意思連絡があったと認定される可能性があります。
その場合には、実際にVと事故を起こしたわけではないAも、Vの死亡について責任を負うことになると考えられるのです。

こうした公道レースでの危険運転致死事件では、刑事事件専門の弁護士に事件処理を依頼することをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には刑事事件専門の弁護士が在籍しておりますので、お困りの際は是非ご相談ください。
神奈川県幸警察署までの初回接見費用 36,700円

同乗者も幇助で共犯?埼玉県の危険運転致傷事件の相談は刑事事件専門弁護士

2018-11-23

同乗者も幇助で共犯?埼玉県の危険運転致傷事件の相談は刑事事件専門弁護士

A(上司)とB(部下)は、職場の数人で埼玉県松伏町の居酒屋で飲食した後、近くの駅までAを送るためにBの車に乗り込んだ。
この際、Bは足がふらつくなどしており、アルコールの影響により正常な運転が困難な状態であったが、Aはこれを認識した上で黙認していた。
その後、Bが運転していた車はV車と衝突し、Vに怪我を負わせる事故を起こした。
通報によってかけつけた埼玉県吉川警察署の警察官は、Bを危険運転致傷罪の容疑で逮捕し、加えて同乗者のAを危険運転致傷罪の幇助犯として逮捕した。
(本件は最決平25・4・15を基にしたフィクションです。)

~危険運転致傷罪の幇助(共犯)の成否~

本件で車を運転していたB自身に危険運転致傷罪(自動車運転処罰法2条1号)が成立することは比較的明らかです。
では、同乗者であるAも共犯としての責任を負うのでしょうか。

本件では、AがBの犯した危険運転致傷罪に積極的に関与したとまではいえず、共同正犯(刑法60条)としての責任までは問えないと考えられます。
では、Bの危険運転致傷行為幇助(62条1項)したとして、共犯としての責任を負う可能性があるのでしょうか。
この点、「幇助」したといえるためには、正犯者(本件でいうB)の犯罪を促進・容易にすることが必要になります。
Bの状態を認識・黙認しながら同乗していたというAの行為が、Bの危険運転致傷という犯罪行為を促進したり容易にしたりしたといい得るならば、幇助犯としての責任を負うことになります。
反対に、Aの行為がBの犯罪を促進・容易にしたとまではいえない場合は、Aは共犯としての責任を負うことはありません。
なお、今回の事例の基となった事件では、上司と部下の関係や事件当時の状況・やり取り等から、同乗者の了承が重要な契機となったとして同乗者危険運転致傷罪幇助が認められています。

このように刑事事件に関しては、刑事責任を負うか否かについて微妙な判断が求められる場合があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、危険運転致傷事件を含む交通事件にも強い法律事務所です。
刑事事件専門弁護士が、交通事件についてご相談者様の不安や疑問点を解消します。
危険運転致傷事件に関して刑事事件専門弁護士のアドバイスをお望みの方は、フリーダイヤル(0120-631-881)までお電話ください。
埼玉県吉川警察署までの初回接見費用:41,000円

【東京都江戸川区の逮捕】飲酒運転と危険運転致死罪を弁護士に相談

2018-11-15

【東京都江戸川区の逮捕】飲酒運転と危険運転致死罪を弁護士に相談

Aさんは、東京都江戸川区小岩で友人と酒を飲んだ後,まっすぐ歩けないほど酒に酔った状態で車を運転した結果,横断歩道を渡っていたVさんをはね飛ばしました。
Vさんは病院に運ばれましたが,車にはねられた際の外傷が原因で亡くなりました。
目撃者の証言からAさんの車が割り出され,Aさんは警視庁小岩警察署危険運転致死罪等の容疑で逮捕されました。(フィクションです)

【危険運転致死罪】

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」(自動車運転処罰法)に規定された危険運転致死罪が成立するケースのうち,アルコールや薬物の影響で正常な運転が困難な状態で車を運転し,その結果人を死傷させた場合に成立するケースが存在します。
アルコールの影響で正常な運転が困難な状態」とは,事故前に飲んだお酒の量や事故前の運転状況,事故の態様,事故後の言動,飲酒検知結果といった要素を総合的に考慮して判断されます。

危険運転致死罪は2001年に刑法に追加されましたが,その後も飲酒運転をはじめとする悪質な運転行為による事故が相次いだため,新設の自動車運転処罰法に危険運転致死罪として定められ,今日に至るまで厳罰化が進められてきました。
現在では危険運転致死罪となった場合,1年以上15年以下という非常に重い懲役が科されます。

本件のAさんは,酒を飲み酩酊し,まっすぐ歩けないほどの状態で飲酒運転をしています。
このことは,Aさんが事故当時アルコールの影響で正常な運転が困難な状態だったとことを示す証拠の一つとなるでしょう。
酩酊していたにもかかわらず飲酒運転して人を死亡させているため,事故後の言動や飲酒検知の結果も考慮する必要はありますが,危険運転致死傷罪が成立する可能性は十分あるといえます。

【危険運転致死罪で逮捕されたら】

危険運転致死事件逮捕されてしまった場合,弊所の初回接見サービスがおすすめです。
初回接見では,刑事事件に強い弁護士の法的なアドバイスを直接受けることができ,刑事手続きについて見通しを持つことができます。
また,弁護士を通じてご家族へ伝言をすることも可能です。

東京都江戸川区の刑事事件でお困りの方,ご家族,ご友人が交通事故の加害者となってお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。
警視庁小岩警察署までの初回接見費用:37,500円

大阪市北区の準危険運転致傷事件 飲酒運転の人身事故で逮捕されたら弁護士

2018-09-20

大阪市北区の準危険運転致傷事件 飲酒運転の人身事故で逮捕されたら弁護士

大阪市北区で運転前に酒を飲んだAは、酒に酔った状態で自車を運転し、対向車線にはみ出したことで、同車線を進行していたバイクと衝突した。
バイクを運転していたVは、この衝突により全治2か月の怪我を負った。
この人身事故により、大阪府天満警察署の警察官は、Aをいわゆる準危険運転致傷罪の容疑で逮捕した。
Aの家族は、飲酒運転による人身事故に強い弁護士に相談した。
(本件はフィクションです。)

~飲酒運転で人を負傷させた場合~

飲酒運転をしていたAは、人身事故を起こし、いわゆる準危険運転致傷罪により逮捕されています。
通称自動車運転処罰法3条1項は、「準危険運転致死傷罪」とも呼ばれており、「アルコール又は薬物の影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態」で「自動車を運転し、よって、そのアルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態」に陥り、その行為によって、「人を負傷させた者」を、処罰するとしています。

準危険運転致傷罪のいう「正常な運転に支障が生じるおそれ」とは、正常な運転が困難な状態にまでは至っていないものの、アルコール等の影響で自動車を運転するのに必要な注意力・判断能力や操作能力が相当程度低下して危険な状態を指すとされています。
道路交通法のいわゆる「酒気帯び運転」程度のアルコールが体内に残っていればこれに該当する可能性があります。
よく話題となる危険運転致傷罪は、「正常な運転が困難な状態」での運転があることが成立に必要とされていますが、この準危険運転致傷罪は、危険運転致傷罪まではいかない状態での運転で成立します。
それゆえ、自動車運転処罰法3条1項は、準危険運転致傷罪と呼ばれているのです。

本件のような人身事故は、従前の規定では、法定刑の上限が7年以下の懲役である自動車運転過失致傷罪の適用しかありませんでした。
しかし、自動車運転処罰法の新設に伴い、いわゆる準危険運転致傷罪として「12年以下の懲役」とより重い刑罰が規定されました。
このように、飲酒運転による人身事故に関しては、社会の処罰感情の高まりもあり、法改正による厳罰化が進んでいるのが現状です。
これに伴い、起訴率も上昇していると言われており、起訴前からの弁護士による弁護活動がさらに重要性を増しているといえるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、飲酒運転による人身事故を含む刑事事件を専門とする弁護士のみが所属する法律事務所です。
準危険運転致傷事件逮捕された方のご家族は、フリーダイヤル(0120-631-881)までお早目のお問い合わせをおすすめします。
大阪府天満警察署までの初回接見費用:34,700円

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