Archive for the ‘交通事故・交通違反の刑事手続’ Category

交通事故の罪と逮捕

2021-08-31

交通事故の罪と逮捕について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

Aさんは食品配達会社に勤め、自転車配達員として各家庭に食品を配達する仕事に従事していたところ、自転車配達の途中で人身事故を起こしてしまい、被害者Vさんに加療約2週間を要する怪我を負わせてしまいました。人身事故の後、AさんはVさんを救護し、110番通報しました。すると、福岡県博多警察署の警察官が人身事故現場に駆け付け、Aさんは重過失致傷罪の疑いで事情聴取等を受けることになってしまいました。
(フィクションです。)

~交通事故の罪~

自転車の人身事故に適用される罪は、主に

☑ 過失傷害罪(刑法209条)
☑ 過失致死罪(刑法210条)
☑ 重過失致死傷罪(刑法211条後段)

です。

(過失傷害)
第二百九条 
1 過失により人を傷害した者は、三十万円以下の罰金又は科料に処する。
2 前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

(過失致死)
第二百十条 過失により人を死亡させた者は、五十万円以下の罰金に処する。

(業務上過失致死傷等) ※後段が重過失致死傷罪に関する規定
第二百十一条 業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、五年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。

~逮捕されたら?~

警察に逮捕されると、被疑者(Aさん)は警察署内の留置場に収容されます。
この間、ご家族は被疑者と面会はできないと考えた方がよいです。
他方、弁護士は、いつでも逮捕された方と面会(接見)できます。
また、この段階で、警察に対し被疑者を釈放するよう働きかけることができます。
しかし、それでも検察官へ身柄を送致されることがあります。

検察官へ身柄を送致される手続がとられると、被疑者は検察庁へ連れていかれることになります。
そして、検察庁で、検察官の弁解録取をいう手続きを受けます。
検察官が勾留が必要だと判断して勾留請求した場合は、その日、あるいは翌日に、今度は裁判所で裁判官による勾留質問の手続を受けます。
なお、ここでも、弁護士は検察庁においても被疑者と面会(接見)することができますし、検察官に対し、被疑者を釈放するよう働きかけることができます。

検察官に勾留請求された場合、裁判官の勾留質問の手続に移行します。
検察官の弁解録取の手続を受けた日に勾留質問がある場合は、被疑者は検察庁から直接裁判所へ連れていかれることになると思います。
他方、翌日に勾留質問がある場合は、いったん検察庁から留置場に戻り、翌日裁判所へ連れていかれることになります。
弁護人は、この段階でも、裁判官に対して被疑者を釈放するよう働きかけることができます。
また、仮に、勾留決定が出た場合でも、勾留裁判に対する不服申立てをすることによって、被疑者の釈放を求めることができます。
このように釈放活動は様々な段階で可能です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は交通事故をはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件で逮捕されるなどしてお困りの方は、まずはお気軽に、0120-631-881までお電話ください。専門のスタッフが24時間体制で、初回接見、無料法律相談の予約を受け付けております。

交通事犯で略式起訴

2021-08-28

交通事犯略式起訴される場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
会社員のAさんは、道路交通法違反の疑いで警視庁立川警察署に逮捕されました。
逮捕後、釈放されたAさんは、立川警察署での取調べを数回受けた後に、東京地方検察庁立川支部からの呼び出しを受けました。
Aさんが東京地方検察庁立川支部に出頭したところ、検察官から略式起訴について言及されましたが、このまま同意していいものか分からず、いったん回答を保留にしてもらいました。
Aさんは、翌日、刑事事件専門弁護士のところに略式起訴について相談に行きました。
(フィクションです。)

略式起訴とは

原則、すべての事件が検察官のもとに集まり、検察官がこれらの事件を処理します。
捜査が終了すると、検察官は、起訴処分(公訴の提起)、不起訴処分、家庭裁判所送致(少年事件の場合)のいずれかを選択し、終局的な処分を決定します。

公訴の提起というのは、裁判所に対して審判を求める意思表示のことです。
検察官が裁判所に対して起訴状を提出することによって行われます。
公訴の提起には、正式裁判の手続(公判請求)、と簡易裁判の手続(略式命令の請求、即決裁判手続の申立て)、があります。
公判請求は、公開の法廷における審理を求める起訴のことで、公判請求されると、通常の公開の法廷で被告人が有罪であるか否か、有罪である場合にはどのような罪を科すかが審理されます。
他方、検察官が略式命令の請求をした場合、被告人は、通常の刑事裁判ではなく簡略化された手続に付されることになります。
検察官が裁判所に対して正式な裁判手続によることなく、書面のみの審理で罰金または科料の刑罰を言い渡す手続を求めることを「略式起訴」といいます。
そして、そのような簡略化された手続を「略式手続」と呼びます。
略式手続の特徴としては、
①略式命令の請求は、公訴の提起と同時に書面でしなければならない。
②被疑者が略式手続によることについて異議がないことを書面で明らかにしなければならない。
③起訴状一本主義は適用されず、必要な書類・証拠物も裁判所に提出しなければならない。
④略式命令では、100万円以下の罰金または科料を科すことができる。
⑤略式命令を受けた者または検察官は、略式命令の告知を受けた日から14日以内に正式裁判の請求をすることができる。
といって点があげられます。

略式起訴され、略式手続となるメリットは、
・裁判に出席したり、証拠収集をしたりする負担を回避することができる。
・非公開で事件処理が進むため、公開の法廷で審理されるリスクを回避することができる。
・手続に費やす時間が短い。
といって点があります。
逆に、デメリットとしては、
・事実関係を争うことができない。
・手続は簡略化されてはいても、言い渡されるのは有罪判決であることには変わりはなく、前科が付く。
ことでしょう。

交通事犯で略式起訴となる場合

交通事犯では、単純な無免許運転や飲酒運転などの場合には、公判請求ではなく略式起訴となるケースが少なくありません。
このような事件では、逮捕されてもその後に釈放されることが多く、在宅事件として捜査が進み、事件日から随分経ってから検察官に呼び出されて、略式手続について説明を受ける、などということが多く見受けられます。
起訴されるといっても、書面での審理で終了し、刑も罰金または科料であるため、容易に承諾してしまいがちですが、被疑事実を争う場合や前科を回避しなければならない理由がある場合には、略式手続に同意する前に、一度弁護士に相談されるのがよいでしょう。
先に述べたように、略式起訴され略式手続に付されることには、メリットとデメリットの両方がありますので、法律の専門家である弁護士に相談し、ご自分の場合にはどうであるのかを十分に検討されることをお勧めいたします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、交通事犯を含めた刑事事件専門の法律事務所です。
刑事事件で対応にお困りの方は、弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。
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交通事件での身体拘束

2021-08-21

交通事件での身体拘束の可能性について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
ある朝、警視庁西新井警察署の警察官が東京都足立区にあるAさん宅を訪れました。
Aさんは、先日の交通事故の件で話が聞きたいと警察官から言われ、西新井警察署に連れて行かれました。
お昼ごろ、Aさんの妻に連絡があり、「ご主人をひき逃げ事件の件で逮捕しました。」と言われ、妻はまさか逮捕されるとは思っておらず大変驚いています。
このままAさんの身体拘束が続くのかどうか心配になったAさんの妻は、すぐに対応してくれる弁護士をネットで探すことにしました。
(フィクションです。)

刑事事件での身体拘束

あなたが罪を犯したと疑われた場合、捜査機関によってあなたの身柄が拘束されることがあります。
すべての事件において、被疑者・被告人が身体拘束を強いられるわけではありません。
人の身体の自由を一定期間奪うわけですから、法律に定められている要件を満たす場合にのみ、被疑者・被告人の身柄を拘束することが許されるのです。

捜査段階では、まず、「逮捕」という身体拘束を伴う強制処分があります。
これは、被疑者の取調べを目的として、被疑者の意思に反して、身体・行動の自由という重要な権利利益を侵害する処分です。
ですので、この処分を実施するためには、法律、ここでは刑事訴訟法と呼ばれるものですが、それに定められている要件を満たしていることが前提となります。
逮捕には、①通常逮捕、②現行犯逮捕、③緊急逮捕の3種類があります。
ここでは、①通常逮捕の要件について説明します。

通常逮捕とは、事前に裁判官が発行する逮捕令状に基づいて、被疑者を逮捕するもので、これが逮捕の原則的な形態です。
逮捕の要件は、①逮捕の理由、および、②逮捕の必要性です。
①逮捕の理由とは、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があることです。
そして、②逮捕の必要性というのは、被疑者が逃亡するおそれや罪証隠滅するおそれがある場合をいいます。
検察官または司法警察員が逮捕状の請求を行い、その請求を受けて、裁判官が逮捕の理由と逮捕の必要性を審査し、逮捕状を発布するか、請求を却下するかを判断します。

逮捕に引き続いて行われ得る身体拘束を伴う強制処分として、「勾留」というものがあります。
勾留は、比較的長期間の身体拘束を伴うものです。
勾留は、起訴前の勾留(「被疑者勾留」ともいいます。)と起訴後の勾留(「被告人勾留」ともいいます。)とに分けられます。

被疑者勾留の要件は、①犯罪の嫌疑、②勾留の理由、③勾留の必要性、の3つです。
①犯罪の嫌疑の要件とは、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があることをいいます。
②勾留の理由については、住居不定、罪証隠滅のおそれ、逃亡のおそれ、のいずれかに該当する場合にあるものと判断されます。
そして、②勾留の理由がある場合であっても、被疑者を勾留することにより得られる利益と、これによって生じる不利益を比較してつり合いがとれないようなときは、被疑者を勾留することは許されません。
これを③勾留の必要性(もしくは相当性)といいます。
検察官が勾留を請求し、裁判官が勾留の要件を満たしているかどうかを判断します。
被疑者勾留の期間は、原則、検察官が勾留請求をした日から10日間です。
ただし、検察官が勾留延長の請求をし、それを裁判官が認めた場合には、最大で更に10日間となります。

被疑者が起訴されると、勾留も被疑者勾留から被告人勾留へと切り替わります。
勾留されている被疑者が起訴された場合、当然に被告人勾留が開始されます。
被告人勾留の要件は、被疑者勾留のそれと同じです。
ただし、勾留期間は起訴の日から2か月で、裁判所は、特に継続の必要があるときは、勾留期間を1か月ごとに更新することができます。

以上のように、刑事事件において身体拘束は絶対ではありませんが、要件を満たす場合には長期間の身体拘束を余儀なくされることがあります。

交通事件での身体拘束の可能性

交通に関する刑事事件、例えば、無免許運転や飲酒運転による道路交通法違反や、人身事故による過失運転致死傷や危険運転致死傷事件を起こした場合、通常の刑事事件と同様に、先に述べたように身柄が拘束される可能性があります。
単純な無免許運転や飲酒運転の場合、多くが現行犯逮捕となりますが、逃亡のおそれも罪証隠滅のおそれもないと判断され、その後釈放されるケースが多いでしょう。
人身事故を起こした場合については、過失運転致死傷に該当するケースであり被害がそこまで大きくないのであれば、勾留されずに釈放となる可能性が高いでしょう。
一方、危険運転致死傷に該当するような重大な事故の場合や、ひき逃げ事件では、被疑者の身柄を確保して捜査を継続する必要がある判断される傾向にあります。
特に、ひき逃げ事件については、いったん現場から逃走しているため、逃亡のおそれが高いと判断されるからです。
しかしながら、長期の身体拘束は、退学や懲戒解雇といった過度な不利益を被疑者・被告人に課すものであるため、不当不要な身体拘束は避けなければなりません。
そのため、逮捕された場合や、逮捕されそうな場合には、早期に弁護士に相談し、身柄解放に向けて動いてもらいましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
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睡眠導入剤の影響による危険運転致死傷罪

2021-08-14

睡眠導入剤影響による危険運転致死傷罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
Aさんは、運転中に意識障害に陥り、福岡県うきは市の道路の左端を歩いていた歩行者に衝突し、全治1か月の怪我を負わせる事故を起こしてしまいました。
Aさんは、前夜に睡眠導入剤を服用しており、その影響があったのではないかと、福岡県うきは警察署危険運転致死傷の適用も視野に入れて捜査をしています。
(フィクションです。)

危険運転致死傷罪とは

人身事故を起こした場合、通常は、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(以下、「自動車運転処罰法」といいます。)に規定されている「過失運転致死傷罪」が適用されます。
これは、自動車を運転する上で必要な注意を怠り、人を死傷させる罪です。
しかし、過失の程度がひどく、故意や故意に近いような重大な過失によって交通事故を起こした場合には、自動車運転処罰法に規定されている「危険運転致死傷罪」に問われることになります。

自動車運転処罰法2条1号は、「アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為」を行い、よって、人を負傷させた場合は15年以下の懲役に、人を死亡させた場合は1年以上の有期懲役に処することを定めています。

■薬物の影響により正常な運転が困難な状態■

「薬物」とは、覚せい剤や麻薬といった規制薬物や、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保に関する法律」(以下、「医薬品医療機器等法」といいます。)で指定された指定薬物に限らず、中枢神経系の興奮もしくは抑制または幻覚の作用などを有する物質であって、自動車を運転する際の判断能力や運転操作能力に影響を及ぼす性質を持つ物質であればよいとされています。

「薬物の影響」とは、薬物の摂取により正常な身体又は精神の状態に変化を生じ、運転に際して注意力の集中、距離感の確保等ができないため、運転者に課せられた周囲義務を果たすことができないおそれのある状態をいいます。
「薬物の影響により」とあるように、運転操作に対する障害は、薬物の「影響により」もたらされなければなりません。
そのため、薬物を摂取した場合であっても、睡眠不足や過労の影響で注意力が散漫になり、その結果、事故を起こしたのであれば、それは薬物の影響により惹起されたものではなく、本罪は成立しません。

「正常な運転が困難な状態」については、道路及び交通の状況等に応じた運転操作を行うことが困難な心身の状態にあることをいいます。

そして、「よって」という文言があるように、本罪が成立するためには、薬物の影響により正常な運転が困難な状態であったということと、当該事故との間に因果関係があることが必要です。
つまり、当該事故が、的確な運転行為を行っていたとしても回避不能であると認められる場合には、因果関係が否定されることになります。

■故意■

危険運転致死傷罪は故意犯であるため、罪を犯す意思がなければなりません。
つまり、被疑者が当該車両を運転している際に、自己が「薬物の影響により正常な運転が困難な状態」にあることを認識している必要があるのです。
この点、被疑者に求められる認識は、法的評価の伴う「薬物の影響により正常な運転が困難な状態」ではなく、それを基礎付ける事実についての認識です。
薬物を摂取して頭がふらふらするとか、幻覚がちらついているとか、正常な運転が困難な状態に陥るための事実関係を認識していれば足りるとされています。
単に、被疑者自身が「正常に運転できる」と思っていたとしても、過去に薬物を摂取して運転して意識障害を何度も起こしている、薬物の効能を知っている、といった事実があれば薬物の影響により正常な運転が困難である状態であることを認識していたものと認められます。

また、同法3条1号は、「アルコール又は薬物の影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、そのアルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態に陥り」、人を負傷させた場合は12年以下の懲役に、人を死亡させた場合は15年以下の懲役に処する、と規定しています。

■その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で■

「正常な運転に支障が生じるおそれがある状態」とは、先の「正常な運転が困難な状態」であるとまではいえないものの、自動車を運転するのに必要な注意力、判断能力または操作能力が、そうではないときの状態と比べると相当程度減退して危険性のある状態、そして、そのような危険性のある状態になり得る具体的なおそれがある状態をいうとされています。

■故意■

運転開始前、または運転中に薬物を摂取し、それによって「正常な運転に支障が生じるおそれがある状態」となっていることを認識しながら運転したのであれば、「正常な運転に支障が生じるおそれがある状態」を認識していたと言えます。
先に述べたように、薬物の薬理作用を知っていながら摂取した場合は、「正常な運転が困難な状態」の認識があったことになるものと考えられます。
しかし、初めて当該薬物を用いる場合、その薬理作用について正確な知識がない場合でも、少なくとも精神・神経に何らかの影響を与えることは十分承知しているはずであるから、その未必的な危険性については認識しており、「正常な運転に支障が生じるおそれがある状態」についての認識があったと認められるでしょう。

睡眠導入剤の影響による危険運転致死傷罪

睡眠導入剤には、脳の機能を低下させ、大脳辺縁系や脳幹網様体と呼ばれる部分の神経作用を抑えることで睡眠作用をもたらす薬理作用があります。
睡眠導入剤影響による危険運転致死傷罪の成立が争われる場合、
①運転操作に睡眠導入剤影響を与えたか否かが不明であるから、薬物の影響によりその走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で自動車を運転してはいない、薬物の影響により正常な運転が困難な状態に陥ってもいない。
②薬物の影響によりその走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で自動車を運転することについての認識がない。
といった主張がなされるケースが想定されます。
睡眠導入剤影響のよる危険運転致死傷罪が成立し得るのか、事案によって異なりますので、交通事件に対応する弁護士に相談されるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、交通事件を含めた刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
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道路交通法違反(速度超過)事件

2021-08-07

道路交通法違反速度超過)について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
京都府木津川市の指定速度制限が40キロである道路を時速75キロで走行したとして、Aさんが道路交通法違反速度超過)の容疑で京都府木津川警察署に検挙されました。
Aさんは、取調べにおいて、「40キロ制限の標識があるなんて知らなかった。自分は法定速度の60キロで走行していたと思っていた。」と主張しています。
取調べ後に、Aさんは自分の主張が通るのかどうか弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)

スピード違反は、道路交通法違反速度超過)であり、程度によっては刑事罰の対象となります。

道路交通法第22条1項は、車両の最高速度遵守義務について次のように規定しています。

車両は、道路標識等によりその最高速度が指定されている道路においてはその最高速度を、その他の道路においては政令で定める最高速度をこえる速度で進行してはならない。

「道路標識等によりその最高速度が指定されている道路」とは、公安委員会が道路交通法第4条の規定に基づき道路標識等を設置して、その最高速度が指定されている道路のことです。
外側が赤い円で囲んであり、中は白色で、その中に青色で規制の速度が書かれている標識がありますよね。
その標識に50と書いてあれば、その道路は時速50キロを超える速度で車を運転してはならないということです。

道路標識等により最高速度が指定されている道路以外の道路においては、政令で定める最高速度を超えて走行してはなりません。
政令で定める最高速度とは、
高速自動車国道の本線車道またはこれに接する加速車線もしくは減速車線を通行する場合の最高速度は、普通自動車については時速100キロです。
高速自動車国道の本線車道やこれに接する加速車線および原則車線以外の道路を通行する場合は、時速60キロです。

最高速度違反に対する罰則は、次の通りとなっています。

第118条 次の各号のいずれかに該当する者は、6月以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。
1 第22条(最高速度)の規定の違反となるような行為をした者
(略)
2 過失により前項第1号の罪を犯した者は、3月以下の禁錮又は10万円以下の罰金に処する。

速度違反の故意犯については、6月以下の懲役または10万円以下の罰金、過失犯については3月以下の禁固または10万円以下の罰金を科すものとしています。
故意とは、罪を犯す意思のことで、故意犯については故意がなければ犯罪は成立しません。
速度違反の場合には、行為者の認識と実際に発生した事実が一致しない場合(これを「事実の錯誤」といいます。)が問題となることがあります。
例えば、警察官の測定速度が時速75キロ、運転者Aが認識した速度が時速65キロ、法定速度が時速60キロの場合、Aが「65キロしか出してない。」と主張しても、それは同一構成要件内で具体的事実に錯誤があったとしても故意を阻却しないという考え方から、Aは5キロ超過分に対する故意犯ではなく、15キロ超過分全体について故意を阻却しないことになります。
故意の成立は、犯罪構成要件事実の認識で足りるとされており、その認識の程度は、必ずしも犯罪構成要件事実を確定的に認識することまで必要とされません。
そのため、「時速60キロを超えていたかもしれない。」という未必的認識であっても故意が認められます。
また、道路標識等によって最高速度が指定されている道路において、運転者がその標識に気付かず、最高速度を超えて走行した場合には、過失犯となる可能性がありますが、標識に気付かなかっただけでなく、運転者が内心法定速度を超えて走行していることを認識していた場合には、指定された制限速度についての認識がなくとも、故意による指定制限速度違反の罪が成立する可能性があります。

速度超過道路交通法違反ですが、超過速度の程度によっては、交通反則通告制度の対象となり、反則金を納めることによって刑事責任の追及を逃れることができます。
一般道では30キロ以上、高速自動車国道では40キロ以上の速度超過であれば、交通反則通告制度は適用されず、刑事罰の対象となります。

Aさんのように故意を争いたいが、自分の主張が通るのかどうか不安だという方は、一度弁護士に相談されるのがよいでしょう。

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酒酔い運転容疑で逮捕

2021-07-24

酒酔い運転について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
大阪府富田林警察署は、道路交通法違反(酒酔い運転)の疑いで、Aさんを現行犯逮捕しました。
Aさんは、大阪府富田林市の交差点を直進しようとした際、右折した車と接触事故を起こし、現場に駆け付けた大阪府富田林警察署により事件が発覚しました。
Aさんは、「酒は飲んだが、酔いはさめている。」と述べ容疑を否認しています。
(フィクションです。)

酒酔い運転とは

道路交通法は、その第65条第1項において、酒気を帯びて車両等を運転することを全面的に禁止しています。
「酒気を帯びて」とは、酒を飲み体にアルコールを保有している状態で、社会通念上酒気帯びといわれる状態をいうものであり、顔色、呼気等、外観上認知できる状態にあることをいいます。
道路交通法は、この状態で車両等を運転することを禁止しているのですが、刑事罰の対象となるのは、政令で定められた数値以上の「酒気帯び運転」、そして、「酒酔い運転」です。
政令で定められた数値未満の「酒気帯び運転」については、道路交通法違反とはなりますが、刑事罰の対象とはなりません。

政令で定められた数値とは、「血液1ミリリットルにつき0.3ミリグラム又は呼気1リットルにつき0.15ミリグラム」です。
呼気検査でこの数値以上となれば、「酒気帯び運転」に該当し、有罪となれば、3年以下の懲役または50万円以下の罰金の範囲内で刑事罰が科される可能性があります。

一方、「酒酔い運転」は、酒気を帯びて車両等を運転し、その場合において酒に酔った状態にあった場合に成立します。
「酒に酔った状態」というのは、アルコールを摂取しているだけではなく、アルコールが原因で正常な判断や動作ができない状態にあることを意味します。
酒酔い運転は、数値による形式的な判断基準ではなく、真っすぐ歩けるかどうか、呂律が回っているか、視覚や聴覚が正常に機能しているかどうかといった点を考慮し、酒に酔った状態であるかどうかが判断されます。
酒酔い運転の法定刑は、5年以下の懲役または100万円以下の罰金と、酒酔い運転の法定刑よりも重くなっています。

「酒気帯び運転」も「酒酔い運転」も、犯罪が成立するためには、行為者において罪を犯す意思(故意)がなければなりません。
つまり、「酒気帯び運転」については、「酒気を帯びて車両等を運転する」ことの認識、認容が必要となります。
単に、「アルコールが残っていないと思っていた。」という主張だけでは故意がないことが認められるわけではありません。
客観的にみても、「アルコールが残っていないと思っていた。」という主張が妥当で、信用することができるものでなければなりません。

「酒気を帯びて車両等を運転する」ことの認識、認容は、酒気を帯びて運転していることの認識、認容でよく、政令で定められた数値以上のアルコールを身体に保有しているということまでの認識、認容は必要ではありません。
また、「酒酔い運転」の故意についても、政令で定められた数値以上のアルコールを身体に保有し、酒酔いなる状態に陥っていることまでも認識している必要はなく、飲酒によって自己の体内に相当量の酒気を保持して車両等を運転するという認識があれば故意が認められます。

酒酔い運転自体の法定刑は、5年以下の懲役または100万円以下の罰金と厳しいものとなっていますが、人身事故を起こした場合には、過失運転致傷罪も成立し、より重い刑事罰が科せられる可能性があります。
また、危険運転致死傷罪が適用される可能性もあります。

ご家族が酒酔い運転逮捕された場合には、できる限り早期に弁護士に相談・依頼されるのがよいでしょう。
弁護士は、身柄解放に向けた活動やできる限り寛大な処分となるよう関係機関に働きかけるなど、穏便に事件が解決できるよう活動します。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、交通事件をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
ご家族が刑事事件・少年事件で逮捕されてお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
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無免許飲酒運転でひき逃げ

2021-07-17

無免許飲酒運転ひき逃げした事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
大阪府大阪市都島区の交差点で、横断中の歩行者をひいて逃走したとして、大阪府都島警察署は、車を運転していたAさんを逮捕しました。
事件後、現場から少し離れた駐車場で車を止め、車内で寝ていたAさんを発見し、呼気検査をしたところ、基準値を超えるアルコールが検出されました。
また、Aさんは免停中であることが発覚し、警察は、Aさんが、無免許のうえ、酒を飲んで車を運転し、横断していた被害者をひき逃げした疑いで、捜査を進めています。
(フィクションです。)

無免許飲酒運転でひき逃げした場合

無免許運転かつ飲酒運転ひき逃げをした、という上の事例のようなケースでは、どのような罪が成立するのでしょうか。

1.飲酒運転

道路交通法第65条第1項は、「何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。」と規定しており、身体にアルコールを保有したまま車両等を運転することは禁止されています。
そして、一定程度以上のアルコールを身体に保有したまま車両等を運転する行為は、刑事罰の対象となります。

■酒気帯び運転■
血中アルコール濃度が一定量に達しているかどうか、という形式的な基準で判断されます。
その基準とは、「呼気1リットルあたりのアルコール濃度が0.15ミリグラム以上」です。
酒気帯び運転の法定刑は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金です。

■酒酔い運転■
酒酔い運転は、アルコール濃度の検知値には関係なく、「アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態」で車両等を運転した場合に成立します。
具体的には、直線を真っすぐ歩けるか、呂律が回っているか等といった点から判断されます。酒酔い運転の法定刑は、5年以下の懲役または100万円以下の罰金と、酒気帯び運転の法定刑よりも重くなっています。

2.人身事故

■過失運転致死傷■
通常、人身事故を起こした場合、「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」(以下、「自動車運転処罰法」といいます。)で規定される「過失運転致死傷罪」が適用されます。
この罪は、「自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた」場合に成立します。
前方不注意や巻き込み確認を怠ったこと等の不注意によって相手を死亡させた場合には、過失運転致死傷罪が適用されます。
過失運転致死傷罪の法定刑は、7年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金です。

■危険運転致死傷■
ところが、飲酒運転で人身事故を起こした場合、より重い罪が成立する可能性があります。
それは、「危険運転致死傷罪」です。
危険運転致死傷罪は、「アルコールの影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させ」、「よって、人を負傷させた」場合に成立します。
この場合の法定刑は、人を負傷させた場合は15年以下の懲役、人を死亡させた場合は1年以上の有期懲役と、かなり重くなります。
また、「アルコールの影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、そのアルコールの影響により正常な運転が困難な状態に陥り、人を負傷させ」た場合は12年以下の懲役、人を死亡させた場合は15年以下の懲役が科される可能性があります。
危険運転致死傷罪が適用される場合、道路交通法違反(酒気帯び運転、酒酔い運転)は危険運転致死傷罪に吸収されるため、別個には成立しません。

3.無免許運転

■無免許運転■
道路交通法第64条第1項で、「何人も、第84条第1項の規定による公安委員会の運転免許を受けないで、自動車又は原動機付自転車を運転してはならない。」と規定し、無免許運転を禁止しています。
無免許運転の法定刑は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金です。

■無免許運転による加重■
自動車運転処罰法第6条は、「第2条(危険運転致死傷)の罪を犯した者が、その罪を犯した時に無免許運転をしたものであるときは、6月以上の有期懲役に処する。」と規定しています。
また、第3条(準危険運転致死傷罪)の罪を犯した者が、その罪を犯した時に無免許運転をした者であるときは、人を負傷させた場合は15年以下の懲役、人を死亡させた場合は6月以上の有期懲役と加重されます。
更に、第5条(過失運転致死傷)を犯した者が、無免許運転をしたときは、10年以下の懲役と刑が加重されます。

4.ひき逃げ

■救護義務違反■
道路交通法第72条第1項前段は、「交通事故があったといは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。」と規定しています。
これを「救護義務」といい、これに反して現場から逃走する行為を「ひき逃げ」と呼びます。
救護義務違反の法定刑は、5年以下の懲役または50万円以下の罰金ですが、人身事故が、「人の死傷が当該運転者の運転に起因する」ものである場合に救護義務に違反した場合は、10年以下の懲役または100万円以下の罰金となります。

■過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱■
自動車処罰法第4条は、アルコールの影響によりその走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で自動車を運転した者が、運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた場合において、その運転の時にアルコールの影響の有無又は程度が発覚することを免れる目的で、更にアルコールを摂取すること、その場を離れて身体に保有するアルコールの濃度を減少させることその他その影響の有無又は程度が発覚することを免れるべき行為をしたときは、12年以下の懲役に処すると規定しています。
この罪を犯した者が、無免許運転であった場合には、刑は15年以下の懲役に加重されます。

無免許運転かつ飲酒運転ひき逃げをした場合で、成立し得る罪としては、次の4つのケースが考えられます。
①道路交通法違反(酒気帯び運転、または酒酔い運転)、無免許過失運転致死傷、道路交通法違反(救護義務違反)の3罪。
②無免許危険運転致死傷、道路交通法違反(救護義務違反)の2罪。
③無免許準危険運転致死傷、道路交通法違反(救護義務違反)の2罪。
④無免許過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱、道路交通法違反(救護義務違反)の2罪。
いずれの場合も、実刑の可能性が高く、弁護人は、被害者との示談成立、被告人の反省の態度や再発防止措置が講じられている等の被告人に有利な事情を示し、できる限り刑が軽くなるように弁護することになるでしょう。
また、危険運転致死が成立する場合には、裁判員裁判の対象となりますので、裁判員裁判に向けた公判準備を行う必要もあります。
交通事故を起こし対応にお困りの方は、早期に弁護士に相談することをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、交通事件にも対応する刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

無免許運転の容認で逮捕

2021-07-10

無免許運転容認逮捕される場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
千葉県富津市で運送業を営むAさんは、免許取り消しになっていたにも関わらず、自社のトラックを運転していました。
また、Aさんは、無免許運転であると知りながら、仕事が忙しく人手が足りなかったため、従業員のBにもトラックを運転させていました。
Bが市内でトラックを運転していたときに、物損事故を起こしたことからBの無免許運転が発覚し、Bは千葉県富津警察署逮捕されました。
後日、Aも無免許運転と、Bによる無免許運転容認の疑いで逮捕されました。
(フィクションです。)

無免許運転

道路交通法第64条は、無免許運転等の禁止について定めています。

1.無免許運転の禁止(同条1項)

何人も、第84条第1項の規定による公安委員会の運転免許を受けないで(第90条第5項、第103条第1項若しくは第4項、第103条の2第1項、第104条の2の3第1項若しくは第3項又は同条第5項において準用する第103条第4項の規定により運転免許の効力が停止されている場合を含む。)、自動車又は原動機付自転車を運転してはならない。

公安委員会の運転免許を受けないで自動車又は原動機付自転車を運転することを禁止しています。
運転免許を受けないで、とは、運転免許証の交付自体を全く受けたことのない場合だけでなく、運転免許の取消し処分を受けた場合や免許の停止処分中も含みます。

無免許運転の禁止に違反して、自動車等を運転した場合、3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科される可能性があります。

2.自動車等提供の禁止(同条2項)

何人も、前項の規定に違反して自動車又は原動機付自転車を運転することとなるおそれがある者に対し、自動車又は原動機付自転車を提供してはならない。

公安委員会の運転免許を受けないで自動車等を運転することとなるおそれがある者に、自動車等を提供することを禁止しています。

「運転することとなるおそれがある」とは、自動車等の提供を受ける者が無免許であるにもかかわらず、自動車等の提供を受けてから短時間の間に、その自動車等を運転する意思のあることが明らかで、提供を受ける者が、自動車等の提供を受ければ、無免許運転をすることとなる蓋然性が高いことをいいます。
そのため、自動車等提供の禁止違反が成立するには、自動車等を提供する者において、提供を受ける者が未必的であれ無免許運転の禁止に違反して自動車等を運転することとなるおそれがあると認識していることが必要です。
未必の故意、つまり、「この人に自動車を提供したら、無免許運転をすることになるかもしれない。でも、まあいいか。」と思って提供した場合も、自動車等提供の禁止違反となります。

自動車等提供の禁止に違反した者は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科される可能性があります。

3.自動車等同乗の禁止(同条3項)

何人も、自動車(道路運送法第2条第3項に規定する旅客自動車運送事業(以下単に「旅客自動車運送事業」という。)の用に供する自動車で当該業務に従事中のものその他の政令で定める自動車を除く。以下この項において同じ。)又は原動機付自転車の運転者が第84条第1項の規定による公安委員会の運転免許を受けていないこと(第90条第5項、第103条第1項若しくは第4項、第103条の2第1項、第104条の2の3第1項若しくは第3項又は同条第5項において準用する第103条第4項の規定により運転免許の効力が停止されていることを含む。)を知りながら、当該運転者に対し、当該自動車又は原動機付自転車を運転して自己を運送することを要求し、又は依頼して、当該運転者が第1項の規定に違反して運転する自動車又は原動機付自転車に同乗してはならない。

自動車等の運転者が無免許であることを知りながら、運転者に対して、自動車等を運転して自己を運送することを要求したり依頼したりして、その運転者が運転する自動車等に同乗することを禁止しています。

自動車等同乗の禁止に違反した者は、2年以下の懲役または30万円以下の罰金が科される可能性があります。

4.無免許運転の容認(第75条1項)

自動車(重被牽けん引車を含む。以下この条、次条第1項及び第75条の2の2第2項において同じ。)の使用者(安全運転管理者等その他自動車の運行を直接管理する地位にある者を含む。次項において「使用者等」という。)は、その者の業務に関し、自動車の運転者に対し、次の各号のいずれかに掲げる行為をすることを命じ、又は自動車の運転者がこれらの行為をすることを容認してはならない。
一 第84条第1項の規定による公安委員会の運転免許を受けている者(第107条の2の規定により国際運転免許証又は外国運転免許証で自動車を運転することができることとされている者を含む。以下この項において同じ。)でなければ運転することができないこととされている自動車を当該運転免許を受けている者以外の者(第90条第5項、第103条第1項若しくは第4項、第103条の2第1項、第104条の2の3第1項若しくは第3項又は同条第5項において準用する第103条第4項の規定により当該運転免許の効力が停止されている者を含む。)が運転すること。

自動車の使用者、安全運転管理者等その他自動車の運行を直接管理する地位にある者は、その者の業務に関し、自動車の運転者に対し、無免許運転等をすることを下命し、容認してはならないことを規定しています。
道路交通法第75条1項1号に違反した者は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科される可能性があります。

このように、無免許運転は、悲惨な事故を招きかねないため、厳しい処罰の対象となっています。
無免許運転逮捕されてお困りであれば、すぐに弁護士に相談し、できる限り処分が軽くなるよう動くのがよいでしょう。

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無免許で電動キックボード運転

2021-07-03

無免許電動キックボード運転した場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
埼玉県浦和警察署は、電動キックボードを歩道上で無免許運転したとして、自営業のAさんを道路交通法違反の容疑で、さいたま地方検察庁に送致しました。
浦和警察署は、以前にも無免許電動キックボード運転したとして、Aさんに対して警告を出していました。
Aさんは、今後どのような流れになるのか不安になり、弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)

小型で電動走行する電動キックボードは、街中での移動が容易になる移動手段として今後ますます普及していくことが見込まれます。
しかしながら、道路上を走行する以上、事故などの危険を防止するための措置や法律の整備も必要とされています。
今後、電動キックボードが移動手段として普及していく中で、様々な対応策がとられることになりますが、現在は、電動キックボードは法律上、原動機付自転車に区分されており、走行は車道のみで免許も必要となっています。

電動キックボードは、道路交通法および道路運送車両法上の原動機付自転車に該当します。

道路交通法上の原動機付自転車とは、「内閣政令で定める大きさ以下の総排気量又は定格出力を有する原動機を用い、かつ、レール又は架線によらないで運転する車であって、軽車両、身体障害者用の車椅子及び歩行補助車等以外のものをいう。」をいいます。(道路交通法第2条1項10号)
原動機が内燃機関ではなく電動機であったとしても、定格出力が0.60キロワット以下であれば原動機付自転車となります。
そのため、電動キックボード運転には、運転免許が必要となります。

道路交通法第64条1項は、
「何人も、第84条第1項の規定による公安委員会の運転免許を受けないで(第90条第5項、第103条第1項若しくは第4項、第103条の2第1項、第104条の2の3第1項若しくは第3項又は同条第5項において準用する第103条第4項の規定により運転免許の効力が停止されている場合を含む。)、自動車又は原動機付自転車を運転してはならない。」
と規定されており、運転免許を受けずして原動機付自転車を運転することも無免許運転として禁止しています。
この規定に違反して無免許運転をした場合には、起訴され、有罪となれば、3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科される可能性があります。

単純な無免許運転事件であれば、逮捕・勾留されるおそれはそれほど高くはないでしょう。
身柄が拘束されていないため、あたかも事件が終了したかのように勘違いされる方もいらっしゃいますが、身体拘束をせずに捜査は続けられています。
警察で何度か取調べを受けた後、事件は検察に送られます。
その後、被疑者は、検察官からの呼び出しを受けて、検察庁での取調べを受けることになります。
捜査が終了すると、検察官は事件について起訴するかどうかを判断します。

無免許運転をしたことに争いがない場合には、弁護士は、起訴猶予による不起訴処分又は略式裁判による罰金処分になるよう弁護活動を行います。

最近にも、無免許電動キックボード運転したとして、道路交通法違反(無免許運転)で検挙された事件がありました。
無免許運転で被疑者となり、対応にお困りであれば、一度交通事件に精通する弁護士にご相談されるのがよいでしょう。

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交通事件で逮捕:弁護士との接見

2021-06-19

交通事件逮捕された場合の弁護士との接見について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
東京都八王子市の交差点で、車を右折した際に、直進してきたバイクと接触する事故をおこしたAさん。
事故後、すぐに救急車を呼び、バイクの運転手は病院に運ばれましたが、幸いにも怪我の程度は軽く済みました。
現場に駆け付けた警視庁南大沢警察署の警察官は、Aさんに事故当時について詳しく話を聞いていましたが、Aさんの飲酒運転を疑い、呼気検査をしました。
すると、基準値以上のアルコールが検出されたため、警察官は、道路交通法違反(酒気帯び運転)と過失運転致傷の疑いでAさんを逮捕しました。
Aさんは、警察から弁護人を選任でき、弁護士接見できるとの説明を受け、交通事件にも対応する弁護士との接見を希望しています。
(フィクションです。)

弁護士との接見

Aさんは、刑事事件の被疑者として警察に逮捕されました。
犯罪を犯した疑いがあり、捜査の対象とされている人を「被疑者」と呼びます。
すべての交通事件が犯罪に該当するわけではありませんが、無免許運転や飲酒運転、人身事故を起こした場合などは、犯罪が成立する可能性があり、刑事事件の手続に基づいて、犯罪が成立するのか否か、成立するのであればどのような刑罰を科すべきか、という点について検討されることになります。

捜査段階では、警察をはじめとする捜査機関が、犯罪があると考えるときに、被疑者を特定・発見し、必要な場合には被疑者の身柄を確保するとともに、証拠を収集・保全します。
捜査機関は、逮捕・勾留、捜索・差押えなどの強制処分を行うことができ、それに比べると、被疑者は、刑事事件の一当事者としては弱い立場にあると言えます。
そのため、法律は、充分な防御ができるよう被疑者に様々な権利を保障しています。
今回は、被疑者の権利の一つである「接見交通権」について説明します。

被疑者には、弁護人の援助を受ける権利(「弁護人選任権」といいます。)が保障されています。
憲法は、被告人について、常に弁護人選任権があるとしており、被疑者についても、身柄の拘束を受けたときの弁護人選任権を認めています。
さらに、刑事訴訟法は、身体拘束の有無にかかわらず、被疑者にも弁護人選任権があることを規定しています。
そのため、被疑者となった場合には、いつでも弁護人を選任し、不当な捜査活動から自身の権利・利益を保護し、公判に向けた準備を十分に行うことができます。

被疑者が逮捕・勾留により身体拘束を受けている場合には、外界とのコンタクトが制限された環境に身を置くことになり、身体的にも精神的にもかなりの苦痛を強いられてしまいます。
身体拘束を受けているときには、家族や恋人、そして弁護人からの支援が特に必要不可欠となります。
身体拘束を受けている被疑者は、外部の者との面会や書類・物のやりとりを行うことができます。
これを「接見交通権」といいます。
接見交通は、家族らとの接見交通と弁護士との接見交通とで保障される内容が少し異なります。
被疑者の逃亡や罪証隠滅を防ぐために、家族らとの接見交通は制限されています。
面会には、必ず立会人がおり、時間もだいたい20分に限られています。
逃亡や罪証隠滅のおそれがあると疑うに足りる相当な理由があるときは、裁判官が家族らとの面会を禁止する「接見禁止」決定を行うこともあります。
一方、弁護人(弁護人になろうとする弁護士も含めて)との面会には立会人はいませんし、時間的制限もありません。
書類や物のやりとりをすることもできます。
裁判官が接見禁止とした場合であっても、弁護人は被疑者と面会することができます。
弁護人との面会では、取調べ対応についてのアドバイスといった法的支援のほかにも、家族らからの伝言を伝えたりすることもできますので、特に接見禁止に付されている場合には、弁護士との面会は、被疑者の精神的な支えともなります。

突然の逮捕で身柄が拘束された被疑者は、今後の流れや見込まれる処分、取調べの対応方法など、様々な点において分からず、とてつもない不安を抱えています。
その不安を少しでも早く和らげるためにも、弁護士との接見は重要です。

弊所では、逮捕・勾留された方のもとに赴き接見を行う「初回接見サービス」を提供しています。
逮捕直後は、ご家族の方であっても被疑者と面会することはできませんし、捜査機関から事件について詳しいことを教えてもらえないことも多いため、被疑者だけではなく、その家族もまた不安に苛まれています。
そのような場合には、弊所にご相談ください。
最短、ご依頼いただいた日に刑事事件専門の弁護士が留置先に赴き、逮捕・勾留されている方との接見を行い、事件について伺った上で、今後の流れや見通し、取調べ対応についてのアドバイス、ご家族からの伝言やご家族への伝言を承ります。
接見後には、事件についてや今後の対応方法など、ご家族に向けた接見の報告を行います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
ご家族の突然の逮捕でお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
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