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少年の無免許運転
少年の無免許運転について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
深夜、神奈川県川崎市の路上で物損事故を起こしたAくん(18歳)は、現場に駆け付けた神奈川県多摩警察署の警察官に運転免許証の提示を求められました。
ところが、Aくんは免許を受けておらず、無免許運転だったことが発覚し、警察官はその場でAくんを道路交通法違反(無免許運転)の容疑で逮捕しました。
その後、Aくんは、両親を身元引受人として釈放されましたが、今後どのような流れでどんな処分を受けることになるのか心配です。
(フィクションです。)
無免許運転
公安委員会の運転免許を受けずに自動車や原動機付自転車を運転することを「無免許運転」といい、道路交通法において禁止されています。
無免許運転は、今まで一度も免許をとったことがないのに運転する場合だけでなく、免許の効力が停止されているのに運転する場合もそれに含みます。
これに反して無免許運転を行った場合には、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科せられる可能性があります。
更に、無免許運転として交通事故を起こし、人を死傷させた場合には、過失運転致死傷、あるいは危険運転致死傷に対する刑罰を加重した刑が科せられることになります。
少年が無免許運転をした場合
少年が無免許運転をし、警察に検挙された場合、捜査段階においては、成人の刑事事件とほぼ同様の手続に付されます。
少年であっても、無免許運転が発覚すれば警察に逮捕されることがありますし、その後に勾留に付されることもあります。
捜査機関は、捜査を遂げた結果、犯罪の嫌疑があると考える場合や、犯罪の嫌疑は認められないものの家庭裁判所の審判に付すべき事由がある場合には、事件を家庭裁判所に送致します。
家庭裁判所が取り扱う少年事件には、交通関係の事件(以下、「交通事件」といいます。)とそれ以外の一般事件との2種類あります。
交通事件には、無免許運転、速度違反、安全運転義務違反、信号無視などの道路交通法違反事件、自動車の保管場所の確保等に関する法律違反事件、過失運転致死傷や危険運転致死傷などの車両運転に起因する致死傷事件などがあります。
家庭裁判所は、基本的に個々の事件を個別に扱い、個々の少年の問題性や要保護性に応じた審判を行います。
しかし、交通事件では集団で審判が行われることがあります。
交通事件で問題とされるのは、自動車の運転に関する非行であり、一般事件とは異なる交通に関する非行性や要保護性に着目した教育的措置や処遇がなされる必要があります。
そのような非行性や要保護性には共通点が多く、また、交通事件は大量に家庭裁判所に係属するため、非行内容が同種で交通要保護性も共通する少年について、集団で審判が行われることがあります。
処遇については、一般事件と同様の処遇がなされますが、交通事件の場合、交通事件を対象とした保護観察があります。
交通事件については、交通保護観察と交通短期保護観察とがあります。
どちらも交通事件を専門に担当する保護観察官や保護司を指名するように配慮されており、交通法規、運転技術、車両の構造等に関する集団指導などが行われます。
また、交通事件については、検察官送致とする事件が数多くあります。
少年の年齢、交通前歴、送致された違反の内容や程度などを検討して、検察官送致が選択されます。
検察官送致でも、交通事件の場合は、罰金を相当とするものが多く、略式手続に付されるケースが多くなっています。
無免許運転は悲惨な人身事故を招くおそれのある非常に危険な行為です。
少年であっても、審判で検察官送致が決定し、刑事処分を受ける可能性もあります。
どのような処分が見込まれるのかは事案によっても異なりますので、交通事件に精通する弁護士に早めにご相談されるのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、交通事件をはじめとした刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
無料法律相談・初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。
まずはお気軽にお問い合わせください。
交通事件で逮捕:弁護士との接見
交通事件で逮捕された場合の弁護士との接見について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
東京都八王子市の交差点で、車を右折した際に、直進してきたバイクと接触する事故をおこしたAさん。
事故後、すぐに救急車を呼び、バイクの運転手は病院に運ばれましたが、幸いにも怪我の程度は軽く済みました。
現場に駆け付けた警視庁南大沢警察署の警察官は、Aさんに事故当時について詳しく話を聞いていましたが、Aさんの飲酒運転を疑い、呼気検査をしました。
すると、基準値以上のアルコールが検出されたため、警察官は、道路交通法違反(酒気帯び運転)と過失運転致傷の疑いでAさんを逮捕しました。
Aさんは、警察から弁護人を選任でき、弁護士と接見できるとの説明を受け、交通事件にも対応する弁護士との接見を希望しています。
(フィクションです。)
弁護士との接見
Aさんは、刑事事件の被疑者として警察に逮捕されました。
犯罪を犯した疑いがあり、捜査の対象とされている人を「被疑者」と呼びます。
すべての交通事件が犯罪に該当するわけではありませんが、無免許運転や飲酒運転、人身事故を起こした場合などは、犯罪が成立する可能性があり、刑事事件の手続に基づいて、犯罪が成立するのか否か、成立するのであればどのような刑罰を科すべきか、という点について検討されることになります。
捜査段階では、警察をはじめとする捜査機関が、犯罪があると考えるときに、被疑者を特定・発見し、必要な場合には被疑者の身柄を確保するとともに、証拠を収集・保全します。
捜査機関は、逮捕・勾留、捜索・差押えなどの強制処分を行うことができ、それに比べると、被疑者は、刑事事件の一当事者としては弱い立場にあると言えます。
そのため、法律は、充分な防御ができるよう被疑者に様々な権利を保障しています。
今回は、被疑者の権利の一つである「接見交通権」について説明します。
被疑者には、弁護人の援助を受ける権利(「弁護人選任権」といいます。)が保障されています。
憲法は、被告人について、常に弁護人選任権があるとしており、被疑者についても、身柄の拘束を受けたときの弁護人選任権を認めています。
さらに、刑事訴訟法は、身体拘束の有無にかかわらず、被疑者にも弁護人選任権があることを規定しています。
そのため、被疑者となった場合には、いつでも弁護人を選任し、不当な捜査活動から自身の権利・利益を保護し、公判に向けた準備を十分に行うことができます。
被疑者が逮捕・勾留により身体拘束を受けている場合には、外界とのコンタクトが制限された環境に身を置くことになり、身体的にも精神的にもかなりの苦痛を強いられてしまいます。
身体拘束を受けているときには、家族や恋人、そして弁護人からの支援が特に必要不可欠となります。
身体拘束を受けている被疑者は、外部の者との面会や書類・物のやりとりを行うことができます。
これを「接見交通権」といいます。
接見交通は、家族らとの接見交通と弁護士との接見交通とで保障される内容が少し異なります。
被疑者の逃亡や罪証隠滅を防ぐために、家族らとの接見交通は制限されています。
面会には、必ず立会人がおり、時間もだいたい20分に限られています。
逃亡や罪証隠滅のおそれがあると疑うに足りる相当な理由があるときは、裁判官が家族らとの面会を禁止する「接見禁止」決定を行うこともあります。
一方、弁護人(弁護人になろうとする弁護士も含めて)との面会には立会人はいませんし、時間的制限もありません。
書類や物のやりとりをすることもできます。
裁判官が接見禁止とした場合であっても、弁護人は被疑者と面会することができます。
弁護人との面会では、取調べ対応についてのアドバイスといった法的支援のほかにも、家族らからの伝言を伝えたりすることもできますので、特に接見禁止に付されている場合には、弁護士との面会は、被疑者の精神的な支えともなります。
突然の逮捕で身柄が拘束された被疑者は、今後の流れや見込まれる処分、取調べの対応方法など、様々な点において分からず、とてつもない不安を抱えています。
その不安を少しでも早く和らげるためにも、弁護士との接見は重要です。
弊所では、逮捕・勾留された方のもとに赴き接見を行う「初回接見サービス」を提供しています。
逮捕直後は、ご家族の方であっても被疑者と面会することはできませんし、捜査機関から事件について詳しいことを教えてもらえないことも多いため、被疑者だけではなく、その家族もまた不安に苛まれています。
そのような場合には、弊所にご相談ください。
最短、ご依頼いただいた日に刑事事件専門の弁護士が留置先に赴き、逮捕・勾留されている方との接見を行い、事件について伺った上で、今後の流れや見通し、取調べ対応についてのアドバイス、ご家族からの伝言やご家族への伝言を承ります。
接見後には、事件についてや今後の対応方法など、ご家族に向けた接見の報告を行います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
ご家族の突然の逮捕でお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談・初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。
無免許運転でひき逃げ
無免許運転でひき逃げした場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
東京都杉並区の交差点で横断中の自転車とぶつかる人身事故を起こしたAさんは、無免許の発覚を恐れ、そのまま車を発進させて現場から逃走しました。
後続車のドライブレコーダーからAさんの身元が特定されたため、警視庁高井戸警察署は、Aさんをひき逃げ事件の容疑者として逮捕しました。
(フィクションです。)
無免許運転でひき逃げした場合
無免許運転を行い、人身事故を起こしたにもかかわらず、被害者を救助することなく立ち去った場合には、いかなる罪に問われ、どのような刑罰を受ける可能性があるのでしょうか。
1.無免許運転
まずは、無免許運転それ自体について、どのような罪に問われるのかについて説明します。
無免許運転とは、通常、公安委員会の運転免許を受けずに自動車や原動機付自転車を運転することをいいます。
道路交通法第64条は、無免許運転を禁止しており、それに違反した場合の法定刑は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金です。
無免許運転は、交通反則通告制度の対象外であるため、反則金の納付をもって処理される行政処分で済ますことはできません。
2.人身事故
自動車等の運転中に事故を起こし、人に怪我を負わせたり、死亡させてしまった場合には、通常、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(以下、「自動車運転処罰法」といいます。)の過失運転致傷罪、あるいは危険運転致死傷罪に問われます。
ただし、それらの罪を犯した者が事故時に無免許であった場合、刑が加重されます。
過失運転致死傷罪に問われる場合であれば、法定刑が7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金となるのに対して、その罪を犯した時に無免許運転をしていた場合には、10年以下の懲役と加重されます。
自動車運転処罰法が無免許運転による加重規定を置いているため、無免許運転で人身事故を起こした場合には、無免許運転それ自体に対する罪である道路交通法違反は別個に成立しません。
3.ひき逃げ
人身事故を起こしたにもかかわらず、被害者を救護することなく現場から逃走することを、一般に「ひき逃げ」と呼びます。
現在、「ひき逃げ罪」なる罪を規定する法律はありませんが、道路交通法第72条は、交通事故があった場合には、運転者等は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置をとることを義務付けています。
この義務を「救護義務」といい、ひき逃げに当たる行為は、救護義務違反となります。
救護義務違反の法定刑は、5年以下の懲役又は50万円以下の罰金です。
しかし、人身事故が「人の死傷が当該運転者の運転に起因するもの」である場合に、救護義務に違反したときは、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金となります。
過失運転致死傷罪や危険運転致死傷罪に問われる場合は、運転者の運転に起因するものとなります。
Aさんに問われる罪は、無免許運転過失致傷罪と道路交通法違反(救護義務違反)の2つです。
これら2罪は、「併合罪」の関係にあります。
「併合罪」は、確定裁判を経ていない2個以上の罪で、有期懲役・禁錮については、最も重い罪について定めた刑の長期にその2分の1を加えたものを長期とします。
ただし、各刑の長期の合計を超えることはできません。
懲役刑を言い渡す場合、無免許過失運転致傷の法定刑が10年以下の懲役で、救護義務違反のそれが10年以下の懲役で、どちらも同じですから、長期10年にその2分の1である5年を加えて15年以下の範囲で懲役刑が決められます。
となれば、起訴されて有罪となれば、実刑判決が言い渡される可能性も考えられるため、できる限り早く弁護士に相談し、弁護を依頼されるのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、交通事件を含めた刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
刑事事件・少年事件を起こし対応にお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
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飲酒運転の認識
飲酒運転の認識について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
Aさんは、酒を飲んだにもかかわらず、「そんなに酔ってないし、運転に支障はないだろう。」と高をくくり、車を運転して帰宅することにしました。
しかし、信号待ちをしていた車に気付くのが遅れ、衝突してしまいました。
相手方が110番通報し、現場に駆け付けた福岡県東警察署の警察官は、Aさんの酒の匂いに気付き、呼気検査をしたところ、基準値を上回るアルコール濃度が検出されたため、Aさんを道路交通法違反の疑いで現行犯逮捕しました。
Aさんは、「確かに運転する前に酒は飲んだが、法律に反する基準以上に酒を飲んでいたと思わなかった。」と供述しています。
(フィクションです。)
飲酒運転に関する罪
アルコールが体内に保有された状態での運転行為(「飲酒運転」)は、法律によって規制されています。
道路交通法は、飲酒運転それ自体を禁止し、違反者に対して処罰を科すものとしています。
道路交通法違反(酒気帯び運転、酒酔い運転)
道路交通法第65条第1項は、
何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。
と規定し、飲酒運転を一般的に禁止しています。
その上で、一定基準以上の飲酒運転をした者に対して、刑罰を科すとしています。
①酒気帯び運転
道路交通法第117条の2の2第3号は、
第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等(軽車両を除く。次号において同じ。)を運転した者で、その運転をした場合において身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態にあつたもの
である場合には、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処すると定めています。
身体に政令基準以上のアルコールを保有して車両等を運転する行為が、酒気帯び運転となります。
政令の基準とは、呼気1リットル中のアルコール濃度0.15ミリグラムです。
②酒酔い運転
道路交通法第117条の2第1号は、
第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等を運転した者で、その運転をした場合において酒に酔つた状態(アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態をいう。以下同じ。)にあつたもの
に対して、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処するとしています。
これについては、政令等で定められる基準値による判断ではなく、アルコールの影響で正常な運転ができないおそれがある状態で運転したことが要件となります。
呂律が回っていなかったり、まっすぐ歩くことができない状態であれば、アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態に当たると考えられます。
呼気検査の結果、①の酒気帯び運転に該当しない低い数値が検出されたとしても、酒酔い運転に該当するということもあり得るのです。
①酒気帯び運転も、②酒酔い運転も故意犯ですので、罪を犯す意思がなければ、いずれの罪も成立しません。
それでは、一体どの程度の認識が犯罪の成立に必要となるのでしょうか。
①酒気帯び運転については、政令で定める基準値(呼気1リットル中のアルコール濃度0.15ミリグラム)以上のアルコールを保有して車両等を運転していることの認識・認容が求められるのでしょうか。
これについて判例は、行為者においてアルコールを自己の身体に保有しながら車両等の運転をすることの認識があれば足り、政令で定める基準値の数値まで認識している必要はない、と解しています。(最決昭52・9・19)
②酒酔い運転に関しても、行為者において飲酒によりアルコールを自己の身体に保有しながら車両等の運転をすることの認識があれば足り、そのアルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態に達していることまで認識している必要はない、としています。(最判昭46・12・23)
①酒気帯び運転であれ、②酒酔い運転であれ、アルコールを自己の身体に保有しながら車両等の運転をすることの認識があればよいのであって、細かくどの程度酔っているか、アルコール濃度の数値がどの程度あるかまでを認識している必要はないのです。
故意が争えるのは、そのような認識すらなかった場合です。
アルコール保有の認識の有無について争う場合であっても、単に「アルコールが残っていないと思っていた。」というような主張だけでは不十分ですので、客観的にみても「アルコールが残っていないと思っていた。」という主張が妥当であり、アルコール保有の認識がなかった可能性が残ると判断してもらうことが必要になります。
飲酒運転で検挙され、その認識について争うのであれば、早期に弁護士に相談し対応する必要があるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、交通事件を含めた刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
ご自身やご家族が刑事事件・少年事件を起こし対応にお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
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自転車によるあおり運転
自転車によるあおり運転について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
京都府下鴨警察署は、自転車を運転中に対向車線を走行している車の前に飛び出すなど危険な運転をしたとして、道路交通法違反の疑いで、京都府京都市左京区に住むAさんを逮捕しました。
Aさんには、過去にも同様のあおり運転行為で検挙された前歴があり、今回はより厳しい処分となるのではないかと心配したAさんの家族は、交通事件に対応する弁護士に相談の連絡を入れました。
(フィクションです。)
あおり運転に対する処罰
自動車のあおり運転に起因した悲惨な交通事故が後を絶たず、あおり運転は社会問題となりました。
悲惨な交通事故を誘発しかねない危険なあおり運転を厳しく処罰するため、2020年6月に改正道路交通法が施行され、あおり運転に当たる「妨害運転」が厳しい取り締まりの対象となりました。
1.あおり運転(妨害運転)をした場合
他の車両等の通行を妨害する目的で、一定の違反行為であって、当該他の車両等に道路における交通の危険を生じさせるおそれのある方法によるものをした場合には、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられる可能性があります。(道路交通法第117条の2の2第11項)
■通行を妨害する目的■
妨害運転は目的犯であり、運転者において特定の相手方に対する通行を妨害する目的が必要となります。
通行を妨害する目的とは、相手方の自由かつ安全な通行を妨げることを積極的に意図することです。
■一定の違反行為■
妨害運転の対象となるは、次の行為です。
①通行区分違反…対向車線からの接近
②急ブレーキ禁止違反…不要な急ブレーキ
③車間距離不保持…車間距離を詰めての接近
④進路変更禁止違反…急な進路変更や蛇行運転
⑤追越し違反…左車線からの追越し
⑥減光等義務違反…不必要な継続したハイビーム
⑦警音器使用制限違反…不必要な反復したクラクション
⑧安全運転義務違反…急な加減速や幅寄せ
⑨高速自動車国道での最低速度違反
⑩高速自動車国道等での停車違反
■道路上における交通の危険を生じさせるおそれのある方法■
必ずしも現実に道路における交通の危険が発生したことを必要とせず、道路における交通の危険を生じさせるおそれがある方法で一定の違反行為を行えば足ります。
2.あおり運転(妨害運転)によって危険が生じた場合
1の罪を犯し、よって高速自動車国道等において他の自動車を停止させ、その他道路における著しい交通の危険を生じさせた場合には、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられる可能性があります。
■その他道路における著しい交通の危険を生じさせる■
妨害運転をし、その結果、高速自動車国道及び自動車専用道路において他の自動車を停止させ、その他道路における著しい交通の危険を生じさせた場合には、より厳しい処罰の対象となります。
以上のように、おあり運転と言われる運転行為は道路交通法違反にあたり、処罰の対象となります。
注意すべきは、自動車によるあおり運転だけが処罰の対象となるのではなく、自転車によるあおり運転も処罰の対象となることです。
妨害運転の対象となる行為のうち、⑥⑨⑩を除く7類型の違反については自転車による行為でも該当する可能性があります。
妨害運転の法定刑は、交通の危険を生じさせるおそれのある場合については3年以下の懲役又は50万円以下の罰金で、著しい交通の危険を生じさせた場合が5年以下の懲役又は100万円以下の罰金となっています。
これらの罰則は、対象者が起訴され、有罪となった場合に、その範囲内で科されることになります。
懲役刑は、受刑者から身体の自由を奪う自由刑と呼ばれる刑罰の一種です。
受刑者を刑事施設内に拘置し、工場などで所定の作業を行わせるものです。
罰金刑は、一定の金額の剥奪を内容とする財産刑の一つです。
あおり運転を行い、道路交通法違反(妨害運転)で起訴された有罪となれば、法定刑の範囲内で刑罰が科されることになります。
懲役刑が選択されたとしても、執行猶予となれば、直ちに刑務所に入ることはありませんので、起訴が免れそうにない場合であっても、できる限り寛大な処分となるよう捜査段階から動くことが重要でしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、交通事件をはじめ、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
交通事件を起こし対応にお困りであれば、一度弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談・初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。
交通事件:略式起訴と公判請求
略式起訴と公判請求について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
飲食店で酒を飲んだ後、「少しぐらい大丈夫だろう。」と思い、Aさんは会社の駐車場に停めていた車に乗って帰宅することにしました。
ところが、兵庫県尼崎市の交差点で左折した際に、右側から横断していた自転車に気付くのが遅れ、自転車と接触してしまいました。
幸い、自転車の運転者はかすり傷で済みましたが、兵庫県尼崎南警察署の警察官には飲酒運転が発覚し、過失運転死傷と道路交通法違反で在宅で捜査されることになりました。
警察からは、「検察に事件を送ったが、起訴されるかもしれない。」と言われており、不安になったAさんは交通事件にも対応する弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)
交通事件の流れ
交通事故を起こした場合や、飲酒運転、無免許運転といった一定の交通ルールに違反した場合には、運転者は刑事上の責任を問われることがあります。
この場合、運転者は事件の被疑者として警察や検察の取調べを受けます。
捜査段階での事件を最終的に処理するのは、検察官です。
検察官は、捜査を遂げた結果、被疑者を起訴するかどうかを決めます。
交通事件では、例えば、過失運転致傷罪に問われるようなケースで、被害者の怪我の程度が軽く、被害者への対応も適切に行われており、被害者の処罰感情もないような場合には、検察官が起訴しないとする決定をすることがあります。
しかしながら、被害の程度が軽いとは言えない場合や、人身事故を起こしていない場合でも重大な事故に繋がりかねない飲酒運転や無免許運転については、起訴される可能性が高いでしょう。
起訴には、通常の起訴と簡易な手続による起訴とがあります。
通常の起訴とは、「公判請求」と呼ばれるもので、検察官が、裁判所に対して特定の犯罪事実について特定の被告人に対する実体的審理及び有罪の判決を求める意思表示のことをいいます。
公判が請求されると、被告人は、公開の法廷において、検察官と弁護人が提出した証拠に基づいて、罪を犯したことが合理的な疑いを超えて証明されたかどうか、有罪であるとすればどのような刑罰を科すべきかについて審理されることになります。
一方、簡易な手続による起訴には、「略式起訴」と呼ばれるものがあります。
検察官が簡易裁判所に対して略式手続を行い略式命令を出すよう求めるものです。
略式手続というのは、簡易裁判所が、原則として、検察官の提出した資料のみに基づいて、公判を開かずに、略式命令により罰金又は科料を科す手続のことです。
略式手続は、事件が比較的軽微であり、被告人にとって公判出頭の必要がなく、また迅速な裁判が期待できるといった被告人の利益となることや、簡易手続が訴訟経済にも益することなどがその趣旨であると言われています。
略式手続の特徴としては、
・略式命令の請求(略式起訴)は、公訴の提起と同時に書面でしなければならない。
・被疑者が略式手続によることについて異議がないことを書面で明らかにしなければならない。
・検察官による略式命令の請求と同時に、必要な書類や証拠物も裁判所に提出しなければならない。
・略式命令では、100万円以下の罰金又は科料を科すことができる。
といった点があります。
簡略化された手続で事件が処理されるため、被疑者の公判請求の負担を回避できるといったメリットがあります。
交通事件においては、悪質かつ重大ではない場合、例えば、被害が比較的軽い、初犯である、人身事故を起こしていない単純な酒気帯び運転や無免許運転といった罰金・科料に相当する事件では、略式起訴されることが多くなっています。
しかしながら、罰金・科料が相当でない事件、危険運転致死傷罪やひき逃げ事件、飲酒運転や無免許運転での人身事故などは、略式起訴ではなく公判請求される可能性が高いでしょう。
交通事件でも、その内容によっては不起訴となる場合もあれば、起訴されることもあります。
また、起訴される場合でも、略式起訴で略式手続に付されるか、公判請求され公開の法廷で審理されるのかによっても、その後の流れが違ってきます。
どのような対応をすべきかについては、弁護士に相談されるのがよいでしょう。
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危険運転(殊更赤無視)で裁判員裁判②
危険運転(殊更赤無視)で裁判員裁判となった場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
大阪府河内長野市の信号機で交通整理されている交差点に、目の前の信号が赤であるにもかかわらず同交差点を直進し、歩行者用の信号機が青に変わったことを確認して横断道路を横断中の歩行者をはねて死亡させたとして、大阪府河内長野警察署は車を運転していたAさんを危険運転致死の容疑で逮捕しました。
(フィクションです。)
裁判員裁判とは
危険運転致死罪は、裁判員裁判の対象事件となります。
裁判員裁判とは、国民の中から選ばれた裁判員6名と裁判官3名が、被告人が有罪であるか無罪であるか、有罪である場合にはいかなる刑を科すかを判断する制度です。
裁判員裁判の対象となる事件は、
①死刑又は無期の懲役若しくは禁錮に当たる事件、
②故意の犯罪により人を死亡させた事件(①に当たるものを除く)
です。
危険運転致死罪は、故意犯(故意に一定の危険な運転行為をし、その結果、人を死亡させる罪)であるため、②に該当します。
これに対し、過失運転致死罪は、故意の犯罪ではありませんから、①②のいずれにも当てはまらず、裁判員裁判対象事件ではありません。
裁判員裁判の流れ
裁判員裁判は、通常の裁判とは異なる流れとなります。
通常の裁判では、法廷に裁判官・検察官・弁護人・被告人が出席したうえで、公開の法廷で議論が進められます。
これに対し、裁判員裁判では、実際の裁判が開かれる前に、公判前整理手続という手続きが行われます。
公判前整理手続とは、裁判員に実際に審理をしてもらう前に、裁判官・検察官・弁護人の三者により、本件事件の争点や、実際に裁判に提出する証拠を整理する手続きです。
このような手続の中で、事件の争点や、重要な事実が整理され、裁判員には、最初から争点や判断の対象が提示されるようになっています。
公判前整理手続を経た事件の場合、この手続きが終結した後には、特別の事情がない限り新たな証拠の提出が許されなくなります。
Aさんの事件で、弁護側が主張すると考えられる点として、自動車側の対面信号が赤であったと明確に認識していなかったため、危険運転致死罪ではなく過失運転致死罪が成立する、というようなものが考えられます。
弁護人は、検察官が提示する証拠を精査した上で、被告人が赤信号を見落としていたという可能性が否定できないことを立証していきます。
危険運転致死罪と過失運転致死罪は、その法定刑が大きく異なるため、成立する罪によってその後の生活にも大きな影響を及ぼしかねません。
裁判員裁判は、通常の裁判と異なる流れとなるため、裁判員裁判が見込まれる事件では、刑事事件に強い弁護士に弁護を依頼されるのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に取り扱っており、裁判員裁判を経験した弁護士も多数所属しております。
ご家族が裁判員裁判対象の事件を起こしてしまいお困りの方は、弊所の弁護士にご相談ください。
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危険運転(殊更赤無視)で裁判員裁判①
危険運転(殊更赤無視)について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
大阪府吹田市の信号機で交通整理されている交差点に、目の前の信号が赤であるにもかかわらず同交差点を直進し、歩行者用の信号機が青に変わったことを確認して横断道路を横断中の歩行者をはねて死亡させたとして、大阪府吹田警察署は車を運転していたAさんを危険運転致死の容疑で逮捕しました。
(フィクションです。)
危険運転の罪
「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」(以下、「自動車運転処罰法」といいます。)第2条は、危険運転致死傷罪について規定しています。
危険運転致死傷罪は、自動車の危険な運転によって人を死傷させた場合に適用される犯罪です。
危険運転の対象となる行為には、
①アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為。
②その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為。
③その進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為。
④人又は車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に侵入し、その他通行中の人又は車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為。
⑤車の通行を妨害する目的で、走行中の車の前方で停止し、その他これを著しく接近することとなる方法で自動車を運転する行為。
⑥高速自動車国道において、自動車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の前方で停止し、その他これに著しく接近することとなる方法で自動車を運転することにより、走行中の自動車に停止又は徐行をさせる行為。
⑦赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為。
⑧通行禁止道路を進行し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為。
があります。
上記事例で問題となっているのは、⑦です。
⑦は、赤信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転し、よって、人を死傷させた場合に適用されます。
(1)赤信号又はこれに相当する信号
「赤色信号」は、道路交通法施行令第2条1項の「赤色の灯火」と同じ意味であり、「これに相当する信号」というのは、道路交通法に定める警察官又は交通巡視員による手信号又は灯火による信号のことです。
赤色の灯火の点滅を含めてこれら以外の信号は、「赤色信号又はこれに相当する信号」には含まれません。
(2)殊更に無視し
法制審議会において、「赤色信号を殊更に無視」(以下、「殊更赤無視」といいます。)した場合と言えるのは、赤色信号に従わない行為のうち、赤色信号におよそ従う意思のないものをいうのであって、赤色信号であることを認識していること、止まろうと思えば止まれること、そしてあえて進行することの要件を備えている場合であると説明されました。
つまり、(a)赤色信号であることの認識、(b)止まろうと思えば止まれること、(c)それでもあえて進行したこと、の3つの要件を満たす場合には「殊更赤無視」したと言えるとするのが、立法者の意思であったのです。
立法当初から「殊更赤無視」に該当する典型例としては、
①赤色信号であることについての確定的な認識があり、交差点手前の停止線で停止することが十分可能であるのに、これを無視して交差点内に進入する行為、
②信号の規制を全く無視して、およそ赤色信号であろうとなかろうと最初から信号表示を一切意に介することなく、赤色信号の規制に違反して交差点に進入する行為、
が挙げられていました。
(a)赤色信号であることの認識
「殊更赤無視」に当たると言えるためには、「赤色信号を無視すること」、つまり、赤信号であることを確定的に認識していなければなりません。
赤色信号を看過した場合や、信号の変わり際の未必的な認識が認められるに過ぎない場合は「殊更赤無視」には当たりません。
また、およそ赤色信号に従う意思のないものが「殊更に無視」であって、赤色信号であることの確定的な認識がない場合であっても、信号の規制自体に従うつもりがないため、その表示を意に介することなく、たとえ赤色心が呉であったとしてもこれを無視する意思で進行する行為も「殊更に無視」する行為に含まれます。
例えば、パトカーの追跡から逃れるために信号機で交通整理されている交差点を信号を確認することなく直進する行為がこれに当たります。
(b)停止線での停止可能性
赤信号は、車両等が停止線を越えて進行してはならないという意味がありますが、これは停止線を越えてしまった車両等については何ら規制していないと解すべきではなく、停止線を越えて進行した場合にもなお進行を禁じ、停止する義務を課していると理解すべきであるため、「殊更無視」の該当するか否かを判断する際には停止線で停止可能か否かという点が決定的な意味を持つわけではなく、停止線を越えたとしても横断歩道などの手前で停止することが可能であり、交差点での衝突事故を回避できる状況であったか否かがポイントとなります。
(3)重大な交通の危険を生じさせる速度
衝突すれば大きな事故を生じさせると一般的に認められる速度、あるいは、そのような大きな事故になるような衝突を回避することが困難であると一般的に認められる速度であって、運転者がこれらの速度であると認識していることが必要です。
赤色信号を殊更無視した場合であっても、大きな事故を避けることができる速度に減速しているのであれば、「重大な交通の危険を生じさせる速度」には当たりません。
(4)よって人を負傷・死亡させた
危険運転致死傷罪(殊更赤無視)の成立には、赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転したことと、事故との間に因果関係が必要となります。
以上の要件を満たした場合に、危険運転致死傷罪(殊更赤無視)が成立することになります。
危険運転致死傷罪(殊更赤無視)の法定刑は、人を負傷させた場合は15年以下の懲役、人を死亡させた場合は1年以上の有期懲役です。
人を死亡させた場合(危険運転致死罪)は、裁判員裁判対象事件となるため、通常の刑事事件とは異なる手続に付されます。
危険運転致死傷事件で被疑者・被告人となってしまった場合には、早期に刑事事件に強い弁護士に相談されるのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件専門の法律事務所です。
無料法律相談・初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。
道路交通法違反:あおり運転
道路交通法違反(あおり運転)について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
千葉県香取市の県道を走行中、Vさんの運転する車に対し妨害する目的で、約3キロにわたって、急ブレーキをかけたり、幅寄せをして衝突したりしたとして、千葉県香取警察署はAさんを道路交通法違反の疑いで逮捕しました。
逮捕の翌日にAさんは釈放されましたが、今後どのような処分となるのか心配になり、交通事件に精通する弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)
道路交通法違反:あおり運転
みなさんご存知のように、「あおり運転」は、嫌がらせなどの目的で、走行している車やバイクなどに対して、急ブレーキ、極端な幅寄せや車間距離を詰めるなどといった相手の運転を妨害する行為のことです。
あおり運転による悲痛な交通事故が多発し、あおり運転が社会問題となったことを受け、令和2年6月10日に公布された道路交通法の一部を改正する法律により、あおり運転に当たるような運転(妨害運転)に対する罰則が創設されました。
道路交通法第117条の2の2第11号は、
他の車両等の交通を妨害する目的で、次のいずれかに掲げる行為であって、当該他の車両等に道路における交通の危険を生じさせるおそれのある方法によるものをした者
について、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処することを規定しています。
上で「次のいずれかに掲げる行為」とされるものは、
①通行区分違反
車両は、道路の中央から左の部分を通行しなければなりません。
対向車線からの接近や逆送は、これに違反することになります。
②急ブレーキの禁止
車両等の運転者は、危険を防止するためやむを得ない場合を除いて、その車両等を急に停止させ、又はその速度を急激に減ずることとなるような急ブレーキをかけてはいけません。
走行している車両の直前に歩行者が飛び出してきた、左側端を通行していた自転車が走行している車両の直前に急に右折をはじめて入ってきた、といった場合には、急ブレーキの使用はやむを得ないと認められます。
③車間距離保持違反
車両等は、同一の進路を進行している他の車両等の直後を進行するときは、その直線の車両等が急に停止したときにおいても、これに追突するのを避けることができるため必要な距離を保たなければなりません。
④進路変更の禁止
現実に他の車両等に危険を生じさせるような進路の変更は禁止されています。
⑤追越しの方法
車両は、他の車両を追い越そうとするときは、その追い越されようとする車両の右側を通行しなければなりません。
⑥車両等の灯火
車両等が夜間他の車両等と行違う場合、又は他の車両等の直後を進行する場合、他の車両等の交通を妨げるおそれがあるときは、車両等の運転者は、政令で定めるところにより、灯火を消し、灯火の光度を減ずる等灯火を操作しなければなりません。
不必要な継続したハイビームは、これに違反します。
⑦警音器の使用等
車両等の運転者は、法令の規定により警音器を鳴らさなければならないこととされている場合を除いて、警音器を鳴らしてはいけません。
ただし、危険を防止するためやむを得ないときは、この限りではありません。
不必要な反復したクラクションは、この違反にあたります。
⑧安全運転義務
車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければなりません。
急な加減速や極端な幅寄せは、安全運転義務違反となります。
⑨最低速度
自動車は、法令の規定によりその速度を減ずる場合及び危険を防止するためにやむを得ない場合を除いて、高速道路の本線車道においては、道路標識等により自動車の最低速度が指定されている区間にあってはその最低速度に、その他の区間にあっては政令で定める最低速度に達しない速度で進行してはいけません。
⑩停車・駐車違反
高速自動車道において、自動車は、法令の規定や警察官の命令により、又は危険を防止するため一時停止する場合のほか、停止し、又は駐車してはなりません。
また、道路交通法第117条の2第6号は、
次条第11号の罪を犯し、よって高速道路国道等において他の自動車を停止させ、その他道路における著しい交通の危険を生じさせた者
については、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処すと規定しています。
道路交通法違反(妨害運転)を起こした場合に見込まれる処分としては、初犯であれば、略式起訴され略式命令(罰金)となる可能性があります。
略式手続に付されると、書面のみの審査となり、法廷で審理されることはありません。
しかし、あおり運転により被害を受けた車の数が多いなど、交通の危険が大きい場合には、検察官が公判請求をし、被告人として法廷で審理されることになるでしょう。
あおり運転に起因して悲痛な事故を生じさせるおそれもあるため、事故を起こしていないとしても厳しく処罰されることがあります。
あおり運転で検挙されてしまった場合には、弁護士に相談し、取調べ対応についてのアドバイスや、できるだけ寛大な処分となるよう動くことが重要でしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、交通事件にも対応する刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
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過失運転致死傷罪と過失の有無
過失運転致死傷罪と過失の有無について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
埼玉県富士見市の中央分離帯のない片側一車線の道路を軽自動車で走行していたAさんは、信号のない交差点で右折しようと減速し、右折し始めたところ、後方を走行していたバイクが反対車線にはみ出し、法定速度を超える速さで、Aさんの車の右後方からAさんの車を追い越そうとしました。
バイクはAさんの車とぶつかり、バイクは激しく転倒しました。
Aさんとバイクの運転手は病院に運ばれましたが、バイクの運転手は間もなく死亡しました。
埼玉県東入間警察署は、過失運転事件として捜査を開始しました。
(フィクションです。)
過失運転致死傷罪
自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(「自動車運転処罰法」といいます。)第5条は、
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。
と規定しています。
「自動車の運転上必要な注意を怠り」とは、自動車の運転者が、自動車の各種装置を操作して、そのコントロール下において、自動車を動かす上で必要とされる注意義務を怠ることをいいます。
過失運転致死傷罪は、過失による罪なので、故意がなくとも不注意によって相手に怪我を負わせたり、死亡させてしまった場合に成立する可能性があります。
「過失」というのは、不注意に(=注意義務に反して)構成要件上保護された法益を侵害することを意味します。
つまり、注意すべき義務があったのにそれに違反することが「過失」です。
それでは、注意義務とはどのようなことを指すのか、という点ですが、過失犯の注意義務は、①結果を予見する義務、そして、②そのような予見に基づいて結果を回避する義務から成り立っていると考えられています。
①結果を予見する義務
結果が生じることを予見するべきであったのに、それを怠ったために漫然と行為にでて結果を生じさせてしまった場合、結果予見義務に対する違反が問われます。
結果予見義務に違反したと判断するには、結果を予見することができたこと、つまり、結果の予見可能性がなければなりません。
結果を予見することが不可能である場合には、結果予見義務に違反したとは言えません。
結果の予見可能性があると言えるためには、具体的な(特定した)結果の発生とその結果発生に至る因果関係の基本的な部分が予見可能でなければなりません。
②結果を回避する義務
結果回避義務は、結果発生の危険性を減少させることを内容とするものです。
結果回避義務を尽くしても、結果が発生したといえる場合には、過失犯は成立しないことになります。
このように過失犯の成否を注意義務違反として結果予見義務違反及び結果回避義務違反という基準で判断する際に、問題となるのが、予見可能性をどの程度のものに限定するのか、いかなる注意義務を課すのか、といった点です。
この点について、判例や裁判例は「信頼の原則」を採用して判断しています。
「信頼の原則」というのは、被害者又は第三者が適切な行動をすることを信頼するのが相当である場合には、たとえその被害者又は第三者の不適切な行動によって結果が生じたとしても、それに対しては責任を負わないとする原則のことです。
この原則は、道路交通の場面を中心に判例によって承認されているものです。
交通整理の行われていない交差点を右折しようとした被告人が、車道中央付近でエンジンが停止したので、再び始動して発車しようとしたが、その際に左側方のみを注意して右側方に対する安全の確認を欠いたまま発車し、ゆっくり右折しようとしたとき、右側方からバイクが進行してくることに接近してはじめて気づき、慌てて被告人が急停止したものの間に合わず、バイクの運転手とぶつかり怪我を負わせた、という事案において、「自動車運転者としては、特別な事情のないかぎり、右側方からくる他の車両が交通法規を守り自車との衝突を回避するため適切な行動に出ることを信頼して運転すれば足りるのであって、本件Bの車両(=バイク)のように、あえて交通法規に違反し、自車の前面を突破しようとする車両のありうることまでも予想して右側方に対する安全を確認し、もって事故の発生を未然に防止すべき業務上の注意義務はない。」とした判例があります。(最判昭41・12・20)
信頼の原則は、信頼の対象となる被害者又は第三者の行為が適切になされれば、事故、ひいては結果の発生を回避し得ることを前提とするものです。
この原則は、自分が交通法規に違反していた場合でも、その適用が否定されるものでは必ずしもなく、被害者又は第三者が適切な行動にでることを信頼することが相当でない場合には、その適用が否定されます。
上記事例の場合にも、「信頼の原則」を適用し、過失の有無が判断される可能性があるでしょう。
交通事故を起こし、過失運転致死傷の罪に問われている、過失の有無が問題となっているなど、刑事事件化し対応にお困りの方は、交通事件にも対応する弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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