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自転車で高齢者ひき逃げ②
自転車で高齢者ひき逃げ②
京都府八幡市に住むAさんはスポーツタイプの自転車で出勤途中、左右の見通しがきかない十字路交差点を徐行せず、時速約30キロメートルで通過しようとしたところ、右方から歩いてきた高齢者Vさん(82歳)に自転車を衝突させて、Vさんを路上に仰向けに転倒させるなどしました。
Aさんは、Vさんが路上に仰向けに転倒したことには気づきましたが、「たいした怪我ではないだろう。」「このままでは出勤に遅れる。」などと思ってVさんを救護することなく現場を立ち去りました。
Vさんは近くを通りかかった人に119番通報されて病院に搬送され、肋骨などを折る怪我を負ったことが判明しました。
その後、京都府八幡警察署の捜査により、ひき逃げをした犯人がAさんであることが特定され、Aさんは過失傷害罪、道路交通法違反(救護措置義務違反、報告義務違反)で逮捕されてしまいました。
(事実を基に作成したフィクションです。)
~前回(自転車で高齢者ひき逃げ①)のおさらい~
前回の自転車で高齢者ひき逃げ①では、
・「過失」とはなんなのか
・自転車にも「過失」が認められる場合があること
・自転車に過失が認められた場合、自転車の運転手が過失傷害罪(刑法209条)、過失致死罪(刑法210条)、重過失致死傷罪(刑法211条後段)に問われる可能性がある
といったことをご説明いたしました。
本日は「ひき逃げ」つまり道路交通法の救護措置義務違反、事故報告義務違反についてご説明いたします。
~「ひき逃げ」について~
ひき逃げについては、道路交通法(以下「法」)72条1項に定められています。
すなわち、その前段では車両等の運転者の「救護措置義務」を、後段では警察官に対する「事故報告義務」を定めています。
車両等の運転者は、交通事故があった場合、負傷者の救護や道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならず(救護措置義務)、さらに、警察官に対し当該交通事故の内容(日時、場所、死傷者の数、負傷の程度等)を報告しなければならない(事故報告義務)のです。
救護義務違反の罰則は、法117条1項で「5年以下の懲役又は50万円以下の罰金」、法同条2項で「10年以下の懲役又は100万円以下の罰金」の2種類がありますが、2項は、人の死傷が当該運転者の運転に起因する場合に適用される罰則です。
つまり、過失運転致傷罪が成立する場合は、通常2項が適用されます。
そして、事故報告義務の罰則は、「3月以下の懲役又は5万円以下の罰金」です。
~自転車事故では勝手に現場を立ち去らない~
Aさんのような自転車事故を起こした場合は、とにかく「現場を勝手に立ち去らない」ことが大切です。
現場に留まり、まずは負傷者の救護活動に当たることが第一優先です。
ここで「怪我してなさそうだ。」「大丈夫そうだ。」などと勝手に判断してはなりません。
この点、判例(昭和45年4月10日)は「全く負傷していないことが明らかであるとか、負傷が軽微なため被害者が医師の診療を受けることを拒絶した場合」を除き、交通事故を起こした運転者には救護措置義務が課せられるとしています。
また、全く負傷していないことが明らかであるかどうかも、結局は、医師の診断により明らかにされることですから、運転者が「全く負傷していないことが明らか」などと判断しても、運転者が認識した事故態様等によってはやはり救護措置義務が課されることがあると考えられます。
また、急用のある場合でも勝手に現場を立ち去ってはいけません。
自ら、あるいは第三者を介して警察官に事故状況、氏名、住所等を伝え、急用がある場合はその旨伝えて警察官の指示を待ちましょう。
なお、被害者の方が善意で警察官に報告した場合でも、直ちに救護措置義務が免除されるものではなく、また、警察官が現場に到着するまでの間は現場に留まり続けることが必要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずはお気軽に0120-631-881までお電話ください。
24時間、無料法律相談、初回接見サービスの予約受付を承っております。
自転車で高齢者ひき逃げ①
自転車で高齢者ひき逃げ①
京都府八幡市に住むAさんは、スポーツタイプの自転車で出勤途中、左右の見通しがきかない十字路交差点を徐行せず、時速約30キロメートルで通過しようとしたところ、右方から歩いてきた高齢者Vさん(82歳)に自転車を衝突させて、Vさんを路上に仰向けに転倒させるなどしました。
Aさんは、Vさんが路上に仰向けに転倒したことには気づきましたが、「たいした怪我ではないだろう。」「このままでは出勤に遅れる。」などと思ってVさんを救護することなく現場を立ち去りました。
Vさんは近くを通りかかった人に119番通報されて病院に搬送され、肋骨などを折る怪我を負ったことが判明しました。
その後、京都府八幡警察署の捜査により、ひき逃げをした犯人がAさんであることが特定され、Aさんは過失傷害罪、道路交通法違反(救護措置義務違反、報告義務違反)で逮捕されてしまいました。
(事実を基に作成したフィクションです。)
~自転車も道路交通法上は「車両」~
道路交通法上、車両とは自動車、原動機付自転車、軽車両及びトロリーバスをいうとされ、軽車両とは自転車、荷車その他人若しくは動物の力により、又は他の車両に牽引され、かつ、レールによらないで運転する車(そり及び牛車を含む。)であって、身体障害者用の車いす、歩行補助車等及び小児用の車以外のものをいうとされています。
したがって、道路交通法上では、自転車=「軽車両」=「車両」であることがお分かりいただけるかと思います。
~左右の見通しがきかない場合の通行方法~
道路交通法42条では、車両等(車両又は路面電車)が左右の見通しがきかない交差点を通行する場合の徐行義務について規定しています。
道路交通法42条
車両等は、(略)及び次に掲げるその他の場合においては、徐行しなければならない。
1号
左右のみとおしがきかない交差点に入ろうとし、又は交差点内で左右のみとおしがきかない部分を通行しようとするとき(当該交差点において交通整理が行われている場合及び優先道路を通行している場合を除く。)
以上からすると、車両である自転車にも、左右の見通しがきかない交差点での徐行義務が課せられることがわかると思います。
ここで、「徐行」とは車両等が直ちに停止できるような速度で進行することをいいますから、おおよそ時速10キロメートル未満をいうのではないかと思われます。
~本件自転車事故の「過失」とは~
「過失」とは、不注意によって注意義務を怠ること、そして、「注意義務」とは、少し難しいですが、結果予見可能性を前提にした結果予見義務と結果回避可能性を前提にした結果回避義務からなると言われています。
左右の見通しがきかない交差点を通過する者(Aさん)にとって、通常、人や車両が通行してくる可能性があること、人や車両に自車を衝突させ、歩行者や車両の運転手を死傷させてしまうことを予見することは容易ですから、この場合、結果予見可能性を前提にした結果予見義務を認めることができます。
また、上記のように、左右の見通しがきかない交差点を通行する車両には徐行義務が課されていますから、Aさんがこの義務を果たすことができたといえる場合(主観的回避可能性)には(通常あると思われますが)、結果回避可能性を前提にした結果回避義務も認めることができ、「過失」を認めることができるのです。
~自転車事故で「過失」が認められると?~
自転車事故で「過失」が認められ、それによって人を死傷させた場合は過失傷害罪(刑法209条1項、30万円以下の罰金又は科料)、過失致死罪(刑法210条、50万円以下の罰金)、過失の程度が重ければ重過失致死傷罪(刑法211条後段、5年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金)が成立する可能性があります。
次回はひき逃げ(道路交通法違反(救護措置義務違反、報告義務違反))についてご説明いたします。
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人身事故を起こし、ひき逃げ
人身事故を起こし、ひき逃げ
Aさんは埼玉県川口市内で自動車を運転中、赤信号を見落として交差点に進入し、Aさんからみて右方向から青信号に従い交差点に進入してきたバイクと接触し、運転手Vさんに傷害を負わせてしまいました。
Aさんは車を停めてVさんの様子を見に行きましたが、怪我の様子を見て怖くなり、そのまま事故現場を立ち去り、帰宅しました。
次の日、Aさんの自宅に逮捕状を携えた埼玉県川口警察署の警察官が現れ、Aさんは過失運転致傷罪、救護義務違反の疑いで逮捕されてしまいました。
(フィクションです)
~Aさんは上記の罪に問われるか?~
ここ数年間で、自動車を運転し、人を死傷させる行為の厳罰化が進んでいます。
Aさんは過失運転致傷罪、救護義務違反の嫌疑で逮捕されていますが、これらの犯罪はどのような罪なのか解説したいと思います。
(過失運転致死傷罪)
過失運転致死傷罪は、自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させる犯罪です(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第5条本文)。
簡単に言えば、自動車の運転中、運転ミスにより人を死亡、あるいは傷害した場合に成立する犯罪です。
人の死傷結果につき故意がある場合は、過失運転致死傷罪の成否ではなく、殺人罪、傷害罪の成否が検討されることになります。
「自動車の運転上必要な注意」とは、自動車運転者が、自動車の各種装置を操作し、そのコントロール下において自動車を動かす上で必要な注意義務をいいます。
道路を通行する車両等は、信号機の表示する信号に従わなければならず(道路交通法7条)、ケースの場合には、Aさんに「交差点の信号の色に留意し、これに従って自動車を進行させる」注意義務があったと考えられます。
こうしたことから、Aさんには赤信号に留意すべき注意義務を怠り、漫然と交差点に進入した過失があると判断される可能性が極めて高いと思われます。
この不注意により右からやってきたバイクと衝突し、傷害を負わせてしまったのですから、この時点でAさんに過失運転致傷罪が成立する可能性は高いでしょう。
過失運転致傷罪につき、有罪が確定すると、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処せられます。
ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除されることがあります。
(救護義務違反の罪)
交通事故があったときは、車両等の運転者その他の乗務員には、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければなりません(道路交通法72条1項前段:救護義務)。
車両等(軽車両を除きます)の運転者が、その車両等の交通による人の死傷があった場合に、この人の死傷が運転者の運転に起因するものであるときに上記の義務に違反すると、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられます(道路交通法第117条2項)。
一般的に「ひき逃げ」と呼ばれる犯罪です。
Aさんは、自動車の運転者であり、その自動車の運転上必要な注意を怠ってVを傷害したのに、これを救護するなどの必要な措置を講じず、そのまま立ち去り帰宅したということなので、Aさんに救護義務違反の罪が成立する可能性は高いでしょう。
~Aさんの身柄解放活動その他弁護活動~
過失運転致傷罪の嫌疑だけであれば、逮捕されずに済むケースも多くありますが、これにひき逃げによる救護義務違反が加わると、自宅まで警察がやってきて逮捕される可能性が高まります。
また、ひき逃げによる救護義務違反という犯罪の性質上、逃亡のおそれがあると判断される可能性が高く、したがって、勾留される可能性も比較的高いと思われます。
起訴されてしまった場合には、保釈請求が可能なので、起訴された場合には、保釈保証金の準備などを行っていく必要があります。
また、Vさんと示談交渉を行うことも重要です。
Vさんと示談が成立すれば、Aさんが釈放される可能性、検察官による不起訴処分がなされる可能性も高まり、また、起訴された場合も、より軽い量刑による判決がなされることが期待できます。
加えて、後日、損害賠償請求を受けるなどの民事紛争に巻き込まれるリスクを無くすこともできます。
このように、示談を成立させることには、多くのメリットがあります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には、刑事事件に熟練した弁護士が多数在籍しており、過失運転致傷事件・救護義務違反事件の解決実績も豊富です。
ご家族が過失運転致傷事件、救護義務違反事件を起こし、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
東京都台東区で過失運転致死事件
東京都台東区で過失運転致死事件
【事件】
東京都台東区に住むAさんは,その日が休日だったため車で買い物に出ました。
見通しの良い信号付きの交差点を左折しようとしたところ,時速約40キロメートルの速度で後方から直進してきた自転車を巻き込んでしまい,自転車を運転していた男性は死亡しました。
Aさんは巻き込み確認を行ったつもりでしたが,確認時に約30メートル後方にいた自転車には気付いていませんでした。
Aさんは駆けつけた警視庁蔵前警察署の警察官によって過失運転致死罪の容疑で現行犯逮捕されました。
(フィクションです)
【過失運転致死傷罪】
過失運転致死傷罪は自動車運転死傷処罰法(正式名称:自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律)第5条に規定されている罪です。
条文は「自動車の運転上必要な注意を怠り,よって人を死傷させた者は,7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。ただし,その傷害が軽いときは,情状により,その刑を免除することができる。」となっています。
過失運転致死傷罪における自動車とは,原動機によって走行する車で,レールや架線を用いないものを意味します。
よって,自動二輪車や原動機付自転車も処罰対象になります。
自動車の運転とは,発進に始まり停止に終わるものとされています。
ただし,普通乗用自動車を運転していた者が車を道路左端に停車後,降車しようとして後方を十分確認することなく運転席ドアを開けたため後方から進行してきた自転車にドアをぶつけ,自転車に乗っていた人に傷害を負わせたという事件で,自動車の運転自体はすでに終了しており自動車運転上の過失は認められないものの,自動車の運転に付随する行為であり自動車運転業務の一環としてなされたものから傷害結果が発生したものとして業務上過失傷害罪の成立が認められた判例(東京高判平成25・6・11高刑速平成25年73頁)があります。
また,停止させる場所が不適切だったために事故につながった場合にも過失運転致死傷罪の適用が考えられます。
そして,過失運転致死傷罪が成立するためには,自動車の運転に必要な注意を怠ったこと,すなわち過失が必要です。
ここでの過失は,前方不注意やわき見運転,巻き込み確認を怠ったこと,歩行者や自転車等の飛び出しに気付かなかったこと,方向指示器(ウインカー)を点滅させずに方向転換したことなど,ちょっとした不注意でもこれにあたるとされています。
さらには,自分では注意を払ったつもりでも,別の行為をとっていたりより注意深くしていれば事故を避けることができたと裁判所が判断し,過失が認定されてしまうケースもあります。
ここでAさんの事件についてみてみましょう。
事故が起こったのは交差点を左折しているときで,このときが自動車の運転中であることに疑いはないでしょう。
Aさんは巻き込み確認をしていますが,当時約30メートル後方にいた被害者の男性には気付いていません。
もし裁判になった際は,男性に気付かなかったことが過失にあたるかどうかが争点になると考えられます。
Aさんに後続車があまりなかった場合を除いて,運転席にいる状態でサイドミラーや目視で約30メートル後方の自転車を認識することは困難とも言えそうです。
また,自転車が時速約40キロメートルという速い速度で走行してきたことも考慮されるべきでしょう。
以上の点を主張することにより,Aさんの過失の認定を回避することができるかもしれません。
今回の事件は被害者が死亡しており,公判請求され刑事裁判となる可能性も十分考えられます。
しかし,事故直後から適切な対応をとることにより,公判請求を回避したり執行猶予を得られる場合もあります。
刑事裁判にならなくてよい事件なのに裁判になってしまったり,必要以上に刑が重くなってしまわないよう,早期から交通犯罪に強い弁護士に事件を依頼して適切な弁護活動を行うことが重要です。
過失運転致死罪の被疑者となってしまった方,ご家族やご友人が警視庁蔵前警察署に逮捕されてしまって困っている方は,お早めに交通事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士にご相談ください。
京都市伏見区の人身事故
京都市伏見区の交通事故
~ケース~
Aさん(70代)は京都市伏見区内の道路で自動車を運転中,運転操作を誤り歩道を歩いていたVさんと接触しVさんに怪我をさせてしまった。
Aさんはその場で警察および救急車を呼んだ。
駆けつけた救急車によりVさんは病院に搬送され,Aさんは過失運転致傷罪の疑いで京都府伏見警察署で事情を聞かれることになった。
連絡を受けたAさんの家族は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士に初回接見サービスを依頼した。
(フィクションです)
~交通事故~
交通事故を起こしてしまった場合には多くの場合,自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(通称:自動車運転処罰法)第5条の過失運転致死傷罪となります。
しかし,大幅な速度超過や赤信号の無視などによって事故が発生した場合には第2条の危険運転致死傷罪となる場合もあります。
また,自動車を利用して故意に相手方にぶつかったというような場合には刑法の傷害罪や傷害致死罪,殺人罪となる可能性もあります。
過失運転致死傷罪の法定刑は7年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金となっています。
なお,被害者の方の怪我が軽い場合には情状により刑が免除されることもあります。
また,人身事故のみならず交通事故が発生した場合には,警察官への報告義務や危険防止措置義務,人身事故の場合には救護義務が発生します。
これらの義務を果たさずに事故現場から離れることをいわゆる「ひき逃げ」「当て逃げ」といいます。
救護義務違反の場合の法定刑は5年以下の懲役または50万円以下の罰金,事故の原因となった運転者が違反した場合には10年以下の懲役または100万円以下の罰金となります(道交法117条1項および2項)。
物損事故にかかる危険防止措置義務違反の場合は1年以下の懲役または10万円以下の罰金(道交法117条の5),警察官への報告義務違反の場合は3か月以下の懲役または5万円以下の罰金(道交法72条1項)となります。
~事故を起こしてしまったら~
人身事故に限らず交通事故を起こしてしまった場合には,逃亡するのではなくその場で警察および救急車を呼ぶことが重要です。
過失運転致傷罪では怪我が軽い場合には刑の裁量的免除が規定されていますが,あくまでも情状により免除されるに過ぎないので,ひき逃げとなってしまった場合には免除される可能性は低いでしょう。
さらに,ひき逃げの場合には救護義務違反と過失運転致傷罪の併合罪となり,事件も悪質とみなされ初犯であっても執行猶予も付かない実刑判決になってしまう可能性もあります。
自動車の運転には大きな責任が伴いますので人身事故を起こしてしまった場合,怪我が軽い場合を除いて不起訴処分となることは多くはありません。
しかし,被害者の方と示談交渉をし,治療費などの金銭的な賠償をすることによって有利な情状となり執行猶予付きの判決や怪我の程度などによっては罰金刑となる可能性もあります。
最近,高齢者の運転する乗用車による交通事故が多く発生しています。
交通事故はひき逃げでなければ逮捕されたとしても勾留されないケースも多いです。
その場合には,国選弁護人は起訴された後にしか選任することはできず,起訴後に弁護活動を開始しても実刑判決となってしまう可能性も考えられます。
そのため,人身事故を起こしてしまった場合に実刑判決とならないためには私選で弁護士を依頼することが重要です。
さらに,交通事故の場合には他の刑事事件と異なり保険会社などを通じてご自信で示談交渉が可能なこともあります。
しかしながら,ご自身で示談交渉をすすめた場合,話がこじれてしまい逆効果となってしまう場合もあります。
有効な示談交渉を進めるためには専門家である弁護士に依頼されることをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は交通事件を含む刑事事件専門の法律事務所です。
交通事件の示談交渉・弁護活動の経験豊富な弁護士が多数所属しております。
交通事故を起こしてしまった方やご家族の方が交通事故を起こしてしまった場合には0120-631-881までお気軽にご相談ください。
無免許で原付を運転し人身事故
無免許で原付を運転し人身事故
~ケース~
Aさんは20歳の大学生です。
Aさんは原動機付自転車を適法に運転することができる運転免許を受けていないのにも関わらず、大阪市中央区で運転し、路上でVにぶつかってしまい、全治3週間の怪我を負わせました。
Aさんが自ら大阪府東警察署に通報し、警察官を呼んだところ、Aさんは無免許運転過失致傷罪の疑いで現行犯逮捕されてしまいました。
Aさんの親はこれを知り、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に相談することにしました。
(フィクションです)
~無免許運転過失致傷罪~
自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(以下、「自動車運転処罰法」と呼びます)第5条は、
「自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる」
としている一方で、自動車運転処罰法第6条4項は、
「前条の罪を犯した者が、その罪を犯した時に無免許運転をしたものであるときは、10年以下の懲役に処する。」
としており、過失運転致死傷行為が無免許運転によるものである場合、法定刑が重くなります。
10年以下の懲役ですから、比較的重い犯罪ということができます。
また、罰金刑が予定されていないので、有罪判決に執行猶予がつかない場合、即、実刑となります。
Aさんは20歳なので、つい最近までは少年法の適用がありましたが、ケースの事件については成人してからの事件ですので、刑事裁判を前提とした手続きが進行することになります。
~Aさんは今後どうなる?~
留置の必要があると認められるときは、逮捕時から48時間以内に身柄が検察へ送致されます。
検察では、検察官が取調べを行います。
そして、身柄を受け取ったときから24時間以内に、かつ、逮捕時から72時間以内にAさんの勾留を請求するか、釈放するか、起訴するかを決めます。
勾留請求につき、勾留決定が出されると、10日間勾留されます。
さらにやむを得ない事由があると認められるときは、さらに最長10日間、勾留を延長されます。
検察官は、勾留の満期日までに、Aさんを起訴するか、不起訴にするか、あるいは処分を保留して釈放するかを決定します。
このように、一旦逮捕され、勾留されると、最長23日間もの間、身体拘束を受ける可能性があるのです。
~身柄解放活動を弁護士に依頼~
最長23日間大学を休むとなると、単位を落とし、留年するなどのおそれが考えられます。
また、大学に事件のことを知られると、退学、停学などの処分を受けることも考えられます。
なるべく早く留置場の外に出て、今まで通りに登校することにより、事件が発覚する可能性を抑えることができます。
そのためには、弁護士に事件解決を依頼し、身柄解放活動を行ってもらうことをおすすめします。
(勾留前の身柄解放活動)
勾留決定が出る前は、Aさんに逃亡のおそれがない、罪証隠滅のおそれがない旨を、検察官や裁判官に訴えかけ、勾留をさせないよう働きかけます。
(勾留後の身柄解放活動)
勾留後は、後述する被害者との示談交渉を通じ、釈放される可能性を高める活動をします。
被害者と示談が成立していれば、当事者間で事件が解決したものと判断され、釈放される可能性が高まります。
また、「準抗告」などの不服申し立て手続きを利用し、勾留の取消を求めることも考えられます。
(起訴後の身柄解放活動)
起訴された後は、保釈請求を行うことができます。
~被害者と示談をする~
前述しましたが、被害者と示談を成立させることにより、釈放される可能性が高まります。
また、検察官が、Aさんを起訴するか、不起訴にするかを検討する際に、示談が成立していることは有利に考慮されることが期待できます。
ただし、無免許運転過失致傷事件の起訴率は比較的高く、示談をしても不起訴処分が得られるとは限りません。
もっとも、起訴され、有罪判決を受ける場合に、示談が成立していない場合と比べて有利な量刑による判決を得られることが期待できます。
また示談締結により、後日、損害賠償請求を受けるなどの民事紛争に巻き込まれるリスクを無くすことができます。
被害者との示談交渉、身柄解放活動について、接見にやって来た弁護士と相談しましょう。
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ご家族が無免許運転過失致傷事件を起こし、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
スピード違反の人身事故で逮捕
スピード違反の人身事故で逮捕
神奈川県相模原市に住むAさんは、自動車でスピードを出したときの爽快感が忘れられず、制限速度を大きくオーバーして運転することを繰り返していました。
ある日、Aさんがいつものように制限速度オーバーで運転していると、道端から猫が飛び出してきました。
慌てて避けようとしてブレーキを踏みつつハンドルを切ったAさん。
その結果、自動車は操縦不能に陥り、歩道に乗り上げ、偶然歩いていた歩行者Vさんをひいてしまいました。
怖くなったAさんはその場から逃走しましたが、神奈川県津久井警察署の捜査の結果、Aさんの犯行であると判明し、Aさんは逮捕されました。
(フィクションです)
~Aさんに成立しうる犯罪~
制限速度を守っていても、突発的な出来事により人身事故が起こる可能性はあります。
ましてや制限速度を大きくオーバーしていれば、人身事故が起こる可能性は高まりますし、人身事故が起こった時の被害も大きくなりやすいです。
Aさんの場合、行政処分として免許停止等となるほか、以下の犯罪が成立する可能性があります。
①過失運転致死傷罪(自動車運転処罰法5条)
→7年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金
②危険運転致死傷罪(自動車運転処罰法2条2号)
→被害者負傷15年以下の懲役、被害者死亡1年以上20年以下の懲役
③救護義務違反(道路交通法72条1項前段・117条2項)
→10年以下の懲役または100万円以下の罰金
④報告義務違反(道路交通法72条1項後段・119条1項10号)
→3か月以下の懲役または5万円以下の罰金
今回のAさんの場合、少なくとも①過失運転致死傷罪は成立するでしょう。
さらに、大幅に制限速度を超えていれば、進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させたと判断され、より重い②危険運転致死傷罪が成立する可能性もあります。
また、被害者を助けずに逃げた行為については③救護義務違反となります。
加えて、事故を警察に報告しなかったことから④報告義務違反にもなります。
~刑事手続きの流れ~
逮捕されたAさんは、まずは最大で3日間の身体拘束がなされます。
そして逃亡や証拠隠滅のおそれがあるとして、検察官が勾留(こうりゅう)を請求し、裁判官が許可すれば、さらに最大で20日間の身体拘束がされます。
その後、検察官が被疑者を刑事裁判にかけると判断すれば(起訴)、刑事裁判がスタートし、保釈が認められない限り、身体拘束が続きます。
そして裁判で無罪や執行猶予とならない限り、刑罰を受けることになります。
運転の悪質さや被害の程度にもよりますが、これらの手続に関し、弁護士としては以下のような弁護活動を行うことが考えられます。
まず、検察官が勾留請求しなければ、あるいは裁判官が勾留を許可しなければ、最初の3日間で釈放されます。
そこで検察官や裁判官に対し、逃亡や証拠隠滅のおそれがないことや、身体拘束が続くことによる本人や家族などに過度の不利益が生じることを具体的事情に基づいて主張し、勾留をしないよう要請していきます。
また、起訴するか否かの判断は検察官が行いますが、検察官が罰金刑が適切と判断した場合、簡易な裁判手続で罰金刑にする略式起訴をすることもあります。
過失運転致死傷罪にとどまれば罰金刑もありえますので、本人が反省していること、被害者のケガが軽いこと、被害者と示談が締結できたことなど、本人に有利な事情があれば出来る限り主張し、略式起訴を目指していきます。
罰金刑が無理な場合も、執行猶予や、より短い懲役・禁錮を目指して弁護活動をすることになります。
~弁護士に相談を~
人身事故を起こして逮捕された場合、どのような罪が成立するのか、今後の刑事手続きはどうなるのか、取調べにはどのように受け答えしたらよいのかなど、不安点が多いと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする弁護士事務所です。
ご家族などからご依頼いただければ、拘束されている警察署等にすみやかに接見に伺います(初回接見サービス)。
仮に逮捕されていない場合には、事務所での法律相談を初回無料で行っております。
接見や法律相談では、上記の不安点などにお答えいたします。
スピード違反やそれに起因する人身事故で逮捕された、捜査を受けたといった場合には、ぜひご相談ください。
直進車と右折車の交通事故
直進車と右折車の交通事故
Aさんは、普通乗用自動車を運転して兵庫県尼崎市内の交差点を直進しようとしてたところ、Vさん運転の軽自動車が同交差点を右折してきた(Aさんから見て左折してきた)ため、これを避けようとしてハンドルを左に切りました。
しかし、Aさんの車はVさんの車と衝突してしまい、さらに交差点で信号待ちをしていた歩行者Wさんにも衝突させるなどして怪我を負わせてしまいました。
事故後、兵庫県尼崎北警察署の警察官が現場に駆け付け、Aさん、Vさんは過失運転致傷罪の被疑者として捜査を受けることになりました。
(事実を基にしたフィクションです)
~ はじめに ~
先日、滋賀県大津市内の信号交差点で、直進車と右折車が衝突し、右折車を避けようとした直進車が保育園児らの列に突っ込み、園児2名を死亡させ、14人に重軽症の怪我を負わせるという痛ましい悲惨な事故が起きたことは記憶に新しいと思います。
報道によると、交通事故に関して、直進車の運転者の方は「突然、右折してきた」「右折車をよけようとハンドルを左に切った」と話しており、直進車の運転者の方は「前をよく見ていなかった」などと話しているとのことです。
全国的にみても、交差点における「直進車と右折車」の交通事故は比較的多いかと思われます。
そこで、今回は「直進車と右折車」の交通事故に関する基本原則について確認していきたいと思います。
~ 基本的には右折車が悪い ~
交差点における直進車と右折車の交通事故においては、通常、「直進車が優先」です。
したがって、交差点における直進車と右折車の交通事故の場合、右折車の運転者に過失有りとされることが多いかと思います。
これは、道路交通法37条が、
車両等は、交差点で右折する場合において、当該交差点において直進し、又は左折しようとする車両があるときは、当該車両等の進行を妨害してはならない
としているところに根拠があります。
これを直進車の運転者側から解釈すると「右折車両が交通法規(道路交通法37条)に従って停止し、自車の通過を待つものと信頼して進行することが許されている」ということができます。
~ 例外もある ~
しかしながら、どのような場合でも右折車の運転者に過失があり、直進車の運転者には過失がないというわけではありません。
例えば、直進車の運転者が法外な速度で交差点に進入してきた場合などです。
そのような場合、右折車の運転者において、法外な速度で交差点に進入してくることまで予測して、安全を確認すべき注意義務(過失)はないとされます。
同種事例における過去の裁判例では、右折車運転者の過失を否定したもの(平成13年10月24日、東京高裁など)もあれば、肯定したもの(平成5年2月1日、仙台高裁など)もあります。
~ どうして直進者の運転者も被疑者扱い? ~
これまでご説明してきた内容からすれば、基本的に直進車の運転者は「被害者」となり得ると思います。
しかし、事例や大津市で起きた交通事故の直進車の運転者は被疑者として扱われています。
どうしてでしょうか?
それは、まず、直接に被害者を死亡させたり、怪我を負わせているのは直進車の運転者だからです。
刑事事件では、まず、結果(死亡、怪我)を発生させた直接の原因となる行為をした人に焦点を当てます。
それが、直進車の運転者だったということになります。
また、事故直後では、直進車の運転者に過失があるのか、右折車の運転手に過失があるのか証拠関係から明らかでなく不明です。
そこで、直進車の運転者も被疑者として扱われたものと考えられます。
~ AさんVさんの刑事処分、量刑は? ~
まず、Aさんについてですが、Aさんに過失が認められない限りは、不起訴処分(起訴猶予あるいは嫌疑不十分)となる可能性が高いと考えます。
次に、Vさんについてです。
まず、Vさんに過失が認められ、それによってWさんが怪我をした、つまり過失と結果との間に因果関係が認められる場合は起訴される可能性が高いでしょう。
略式起訴か正式起訴からは、Wさんの怪我の程度などの事情にかかってきます。
~ おわりに ~
今回は、実際に起きた交通事故を基に事例を作成しています。
この記事を読まれて、少しでも日頃の運転、特に交差点における運転に注意していただければ幸いです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件、少年事件を専門とする法律事務所です。
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大阪府箕面警察署管内のひき逃げ事件
大阪府箕面警察署管内のひき逃げ事件
【事件】
通勤中のAさんは、大阪府箕面市の路上を会社に向かって自動車で走行中、信号がついている交差点に進入したところで何か物に当たったような重たい音と小さな揺れを感じました。
場所は住宅街で死角も多く、Aさんはもしかしたら人をはねたかもしれないと思いましたが、会社に急いでいたためそのまま走り去りました。
そのとき信号はちょうど黄色から赤色に変わったところでした。
帰宅途中、Aさんは通勤中に物音と揺れを感じたあたりで、大阪府箕面警察署の警察官に停止を求められ、Aさんは停車しました。
警察官は、今朝この付近で人が車にはねられてけがをする事件が発生しておりその犯人を捜していること、被害者の証言と一致した車種と色の車に職務質問をしていることを告げ、何か知っていることや心当たりのあることはないかAさんに質問しました。
Aさんはもしかしたら自分かもしれないと思い、その旨を告げると警察官とともに大阪府箕面警察署に向かいました。
Aさんの証言と自動車についた傷などの状況から、警察官はAさんを過失運転致傷罪(自動車運転死傷行為処罰法第5条)および道路交通法違反(同法72条)の容疑者として捜査を行うことにしました。
(フィクションです)
【ひき逃げ】
一般にいうひき逃げとは、道路交通法の第72条に違反することをいいます。
交通事故に関係した車両等の運転者等について、道路交通法第72条には次のような義務があると定められています。
① 直ちに運転を停止する義務
② 負傷者の救護義務
③ 道路上の危険防止の措置義務
④ 警察官に、発生日時、死傷者・物の損壊の状況や事故後の措置、積載物を報告する義務
⑤ 報告を受けた警察官が必要と認めて発した場合に、警察官が到着するまで現場に留まる命令に従う義務
これらのうち②救護義務違反と④報告義務違反の場合がひき逃げとされることが多いです。
今回のケースを見れば、Aさんは被害者を救護する行為や警察に報告する行為をしていないため、②と④の義務に違反していると認められひき逃げとなると考えられます。
ひき逃げをした場合の法定刑は、
②救護義務違反の場合は10年以下の懲役又は100万円以下の罰金(事故の原因が本人に無い場合は5年以下の懲役または50万円以下の罰金)
④報告義務違反の場合は3月以下の懲役または5万円以下の罰金
となります。
①の救護義務違反と④の報告義務違反は「一個の行為」であり観念的競合とするとした判例がありますので、この場合はより重たい10年以下の懲役又は100万円以下の罰金の範囲で刑が決まります。
【過失運転致死傷罪】
過失運転致死傷罪は、自動車の運転に必要な注意を怠ったために人を死傷させた場合に成立します。
この事件の場合、被害者はけがをしたにとどまっていますので、過失運転致傷罪になります。
この罪の法定刑は7年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金です。
また、この罪は但書で被害者のけがが軽い場合はその刑を免除することができるとされています。
今回、Aさんは信号が赤色の灯火に変わった交差点に進入し、もしこのときに赤色の灯火を不注意により認識していなかったこと等の事情が認められれば、自動車運転上必要な注意を怠った(過失がある)と認められることになります。
【危険運転致傷罪】
注意しなければならないのは、今回の事件のようなケースですと、さらに重い罪に問われる可能性があるということです。
それは、危険運転致死傷罪(自動車運転死傷行為処罰法第2条)です。
この罪は、
1.アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状況で自動車を走行させる行為
2.進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為
3.進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為
4.人または車の通行を妨害する目的で走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人または車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を走行させる行為
5.赤色信号またはこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を走行させる行為
6.通行禁止道路を進行し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
のいずれかに当たる行為を行って人を死傷させた場合に成立します。
法定刑は、被害者を死亡させた場合に1年以上の有期懲役、負傷させた場合は15年以下の懲役となっています。
「重大な交通の危険を生じさせる速度」とは、判例によれば、時速20キロから30キロの速度で走行していれば、危険速度に当たるとされる場合が多いようです。
今回の場合ではAさんは赤信号の交差点に減速することなく進入しけがをさせていますので、場合によっては5.の類型に当たることも考えられます。
赤信号を殊更に無視するとは、赤色信号であることの確定的な認識がない場合であっても、信号の規制自体に従うつもりがないため、その表示を意に介することなく、たとえ赤色信号であったとしてもこれを無視する意思で進行する行為をも含(最決平20・10・16刑集62巻9号2797頁)みます。
Aさんは仕事に遅れないよう信号に従わず車を走行させていますので、危険運転致傷罪の容疑に切り替わる可能性もありそうです。
【弁護活動】
Aさんに依頼された弁護士の活動としては、まず被害者との示談を目指して活動していくことが考えられます。
示談をすることで被害感情の治まりをアピールすることができ、不起訴処分や罰金刑での事件収束、執行猶予の獲得も期待できます。
対人の交通事故を起こしてしまった方、ご家族やご友人が大阪府箕面警察署でひき逃げ事件の取り調べを受けて困っている方は、交通犯罪に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談下さい。
東京都東久留米市で示談・不起訴獲得
東京都東久留米市で示談・不起訴獲得
~ケース~
会社員のAさんは,東京都東久留米市で自動車を運転中,ふとよそ見をしていたところ,わき道から歩いて来たVさんと接触してしまった。
Vさんはその場で転倒し,全治2週間の怪我を負ってしまった。
Aさんはその場で警視庁田無警察署に通報し,救急車を呼んで事故の対応をした。
ところで,Aさんは取締役をしており,規則には刑事罰を受けた場合には取締役から外される旨が定められていた。
Aさんは事故を不起訴にできないかと弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士に相談した。
(フィクションです。)
~過失運転致傷~
今回のAさんのような交通事故は自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(通称:自動車運転処罰法)の過失運転致傷罪(第5条)となります。
過失運転致傷罪の法定刑は7年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金となっています。
また,軽傷の場合には刑の裁量的免除ができる規定がありますが,今回のケースでは全治2週間ですので軽傷というのは難しいと思われます。
そのため,Aさんが刑事罰を受けないためには事件が刑事裁判とならない,すなわち不起訴処分となるように活動する必要があります。
~不起訴処分~
刑事事件が起きた場合には警察による捜査を経て,原則的に事件は検察官に送致されます。
事件の送致を受けた検察官は事件を起訴するか不起訴とするかを決定します。
事件が起訴された場合には刑事裁判を受けることになり,ほとんどの場合に刑事罰を受けることになります。
一方で,不起訴となった場合には事件はそこで終了し刑事裁判を受けることも刑事罰を受けることもありません。
不起訴処分には事件事務規定75条2項によって全部で20種類に分類されていますが不起訴処分のほとんどは起訴猶予によるものです。
起訴猶予とできる場合としては「被疑事実が明白な場合において,被疑者の性格,年齢及び境遇,犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないとき。」とされています。
すなわち,検察官が刑事罰を科す必要がないと判断した場合に起訴猶予の不起訴処分とすることになります。
刑事罰を科す必要があるかどうかの判断は事件を担当する検察官によって異なりますが,多くの場合は,事件の態様,被疑者の前科の有無,被害弁償の情況,被害者の処罰感情などが考慮されます。
~弁護活動~
前科のない方の交通事故の場合,重大な事故でなければ被害者の方と示談が成立すれば起訴猶予となる場合も見られます。
その為,起訴猶予となるためには被害者の方と示談をすることが重要となります。
しかし,交通事故の被害者の方と面識があるというケースは非常に稀でしょう。
そのため,示談交渉をしようと思っても被害者の方の連絡先などがわからないことがほとんどだと思います。
弁護士であれば,警察や検察官から被害者の方の同意のもと,連絡先を取り次いでもらえる場合もあります。
被害者の方の連絡先を取り次いでもらえれば,示談交渉も可能となります。
示談の際には,示談書に「加害者を許す,刑事処罰を求めない」という内容の宥恕条項を盛り込んでもらうことが重要になります。
先ほど述べた通り,起訴猶予の不起訴処分には被害者の処罰感情も考慮されます。
事件の内容にもよりますが,被害者と加害者の間で事件が解決しているような場合にあえて国家が刑事罰を科す必要はないと考えられるからです。
また,今回のケースではAさんは事故直後に警察・救急車を呼んでおり報告義務・救護義務違反など(いわゆるひき逃げ)を犯していないことも重要です。
いわゆるひき逃げを犯してしまった場合には軽微な事故で示談が成立している場合であっても不起訴処分とならない場合もありますので注意が必要です。
交通事故を起こしてしまった場合にはまずは交通事故の刑事弁護に詳しい弁護士に相談されることをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は交通事件を含む刑事事件専門の法律事務所です。
交通事故を起こしてしまい,お困り・お悩みの方は0120-631-881までお気軽にご相談ください。
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