Archive for the ‘交通事故(死亡事故)’ Category

過失運転致死事件で逮捕・死亡事故の弁護活動

2020-01-16

過失運転致死事件で逮捕・死亡事故の弁護活動

自動車運転過失致死罪逮捕された場合の弁護活動等について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

【事例】
Aは,東京都千代田区内を自動車で走行中,前方の道路上に歩行者Vがいたにも関わらず,不注意により気づくのが遅れ,そのまま衝突しVを死亡させた。
なお,Aは,その場で110番および119番通報をしている。
東京都麹町警察署の警察官は,Aを過失運転致死の疑いで逮捕した。
Aの家族は,交通事件に強いと評判の弁護士に相談することにした。
(本件は事実をもとにしたフィクションです)

~人身事故における刑罰と過失行為~

過失運転致死罪は,「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」(以下,自動車運転死傷行為処罰法と略します。)に規定されている犯罪です。

一般の方にとって,「自動車運転死傷行為処罰法」は耳慣れない法律かもしれません。
現在,過失運転致死罪によって処罰される行為は,元々は刑法211条前段によって,業務上過失致死傷罪によって処罰されていました。
しかし,人身事故に対する世の中の処罰感情の高まりを受け,法定刑などを引き上げた上で,危険運転致死傷罪等とともに「自動車運転死傷行為処罰法」として括り出され,独立の法律として2014年に施行されるに至りました。

Aは,過失運転致死罪によって逮捕されています(もっとも,通常は致傷罪で逮捕後,被害者の死亡が確認された後に致死罪での捜査に切り替わることになるでしょう)。

過失運転致死罪は,自動車運転死傷行為処罰法5条本文に,「自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する」ことが規定されています。

ここでいう「自動車の運転上必要な注意を怠り」とは,一般に「過失」のことを指すと考えられています。
そして「過失」とは、簡単に言うと,悪い結果が発生することが予見できたのにを結果回避行為を怠った場合に認められます

これを本件についてみると,Aには公道上を自動車で走行する運転者として,前方に障害物や人(歩行者)が存在し,特に人に衝突した場合には死亡するという悪い結果が生じることは十分に予見可能であったと考えられます。
そして,Aには前方を注視し人(歩行者)との衝突を避けるという結果回避行為を怠ったと言えるので,Aは「過失」すなわち「自動車の運転上必要な注意を怠り」,このことにより人を死亡させたとして,過失運転致死罪が成立するといえるでしょう。

~過失運転致死罪における弁護活動~

本件は故意ではなく過失によるものとはいえ,人を死亡させてしまっているため,罰金刑で済むとは限りません。
したがって,仮に起訴されてしまったとしても,執行猶予判決を得るための弁護活動が重要になってきます。

死亡事故の場合は,遺族感情も厳しい場合が少なくないため,弁護士を介しつつも,本人による遺族への謝罪などが求められることもあり得ます。
このような場合,遺族感情を逆撫でしないためにも,弁護士と協力しつつ,遺族の方にも寄り添った弁護活動を行うことが肝要になります。

また,本件のようなケースに,他の道交法違反などが加わった場合などは,刑事事件としてより厳しい見通しとなることも考えられるため,早期の弁護士との連携がより重要になるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,過失運転致死事件などの交通事故事件(人身事故)を含む刑事事件専門の法律事務所です。
過失運転致死事件で逮捕された方のご家族は,24時間いつでも対応可のフリーダイヤル(0120-631-881)にまずはお電話ください。
担当スタッフが,弁護士による接見(面会)等,サービス内容について詳しくご説明差し上げます。

自転車での人身事故

2020-01-11

自転車での人身事故

自転車人身事故を起こした場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~ケース~
Aさんは、福岡県福岡市博多区において、スマートフォンを操作しながら自転車を走行させていた。
Aさんは、スマートフォンの画面に気をとられていたため、前方にいた歩行者Vに気付かずに、後ろから自転車をVに衝突させてしまった。
転倒によって路上に頭を強く打ち付けたVは脳挫傷を負ってしまい、事故の3日後に死亡してしまった。
この人身事故については、福岡県博多警察署により捜査が進められている。
Aさんは自分の軽率な行為によって人を死亡させてしまったことを深く後悔しており、贖罪をかねてVの遺族と示談交渉を行いたいと考えている。
(上記の事例はフィクションです)

~安全運転義務~

道路交通法70条は、安全運転の義務として「車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない。」と定めています。

自転車は、道路交通法2条1項8号に規定する「車両」のうち、「軽車両」にあたります(道交法2条1項11号)。
そのため、自転車の運転者であっても「車両等の運転者」にあたり、道交法70条による安全運転の義務が課せられます。

スマートフォンを操作しながらの自転車の運転は、ハンドルを片手で操作することになることから、「ハンドルを確実に操作」しえない状況であるといえます。
また、スマートフォンの画面を見ながら運転することになるため、前方不注視での運転になるといえ、「他人に危害を及ぼさないような…方法」とはいえないことになります。

~自転車事故で成立しうる犯罪~

上記の事例のようにスマートフォンを操作しながらの自転車の運転によって人を死亡させた場合、上記の通り、道路交通法上の安全運転義務違反が認められますので、運転をするうえで必要な注意を怠ったと評価され、過失致死罪(刑法210条)が成立することになり、50万円以下の罰金に処されることになります。

また、過失が重大であると評価された場合には重過失致死罪(刑法211条後段)が成立することになり、5年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金というより重い刑に処されることになります。

重過失とは、注意義務違反の程度が著しいことをいいます。
上記の事例のAさんは、スマートフォンを操作しながら自転車を走行させ、前方を歩いていた何ら過失の無いVを自転車で轢いています。
そのため、Aさんにも重過失致死罪の成立が認められる可能性はあるといえます。

過失致死罪と重過失致死罪では、上記の通り法定刑に大きな差があることから、Aさんとしては、弁護士を選任して、事案によっては重大な過失はなかったと主張するなど適切な弁護活動を行うことが重要になります。

~示談交渉について~

人身事故において不起訴処分などを望む場合、被害者やその遺族との間で示談を成立させることが重要になります。
被害者側との示談書の中には、加害者の処罰を求めない旨の条項(宥恕条項)を盛り込める場合があります。
そのような示談書を関係機関に提出することにより不起訴処分等の獲得を目指すことが可能です。

示談交渉については、当事者同士で行うことは極めて難しく、無理に当事者同士で示談を行おうとするとかえって被害者側との関係を悪化させてしまうおそれもあります。
そのため、弁護士を選任した上で適切な示談交渉を行っていくことが重要になってきます。

また,被害者が死亡には至らず、負傷にとどまった場合に成立する過失傷害罪(刑法209条1項)については被害者の告訴がなければ起訴できない親告罪です。
示談を成立させ,被害者が告訴を取下げてくれれば,必然的に不起訴処分を獲得することができます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には、刑事事件を専門に取り扱う弁護士が所属しています。
交通事故などで捜査を受けているが被害者と示談をしたい,不起訴処分を獲得したいなどとお考えの方は,ぜひ一度弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。

【関連リンク】
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交通事故で示談を成立させるポイント

過失運転致死事件を起こし逮捕

2019-12-07

過失運転致死事件を起こし逮捕

過失運転致死事件を起こし逮捕されたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~ケース~

Aさんは深夜、東京都新宿区内の道路において自動車を運転中、横断歩道を渡っていたVさんに気付くのが遅れ、衝突してしまいました。
Aさんは救急車を呼び、Vさんは病院に搬送されましたが、Vさんは全身を強打しており、間もなく死亡してしまいました。
Aさんは救急車と同時にかけつけた警視庁四谷警察署の警察官に、過失運転致死罪の疑いで現行犯逮捕されてしまいました。
(フィクションです)

~過失運転致死罪とは?~

自動車を運転し、人身事故を起こすと、過失運転致死傷罪の疑いをかけられる可能性があります。
一般に、交通事故を起こすと、①刑事上の責任、②民事上の責任、③行政上の責任を負うことになります。
民事上の責任とは、Vさんの遺族に損害を賠償しなければならないことを意味し、行政上の責任とは、Aさんが受けている運転免許を停止されたり、あるいは取り消されたりすることを意味します。
過失運転致死傷罪の嫌疑をかけられ、有罪判決を受ける場合などが、刑事上の責任ということができます。

過失運転致死傷罪は、自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた場合に成立します(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第5条)。
法定刑は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金となっております。
過失運転致死罪とは、上記のうち、被害者が死亡してしまった場合に成立します。
傷害するに留まった場合は、過失運転致傷罪が成立します。
両者を合わせて、過失運転致死傷罪と呼称されます。
被害者の傷害が軽いときは、情状により、刑が免除されることがありますが、死亡させてしまった場合には、この規定により免除されることはありません。

~逮捕後、Aさんはどうなるのか?~

現行犯逮捕された後は、警察署に引致され、犯罪事実の要旨、弁護人選任権があることを伝えられ、弁解を録取された後、取調べを受けることになります。

留置の必要があると認められると、逮捕時から48時間以内に身柄が検察へ送致されます。
送致を受けた検察官は、身柄を受け取ったときから24時間以内、かつ、逮捕時から72時間以内にAさんの勾留を請求するか、Aさんを釈放するかを決めます。

勾留の請求を受けた裁判官が勾留決定を出すと、10日の間勾留されることになり、さらにやむを得ない事由があると認められるときは、最長10日間、勾留が延長されます。
Aさんが勾留されている場合は、勾留の満期日までに、検察官がAさんを起訴するか、あるいは不起訴にするかを決定します。

~早期の身柄解放を実現するために、弁護士に依頼~

上記のように、勾留・勾留延長されると、捜査段階で最長23日間もの間身体拘束を受けることになります。
23日間もの間会社を無断欠勤したり、学校を欠席すると、Aさんの社会復帰後の生活にも悪影響が生じます。
弁護士に依頼して、なるべく勾留されないように、勾留されてしまった場合は、なるべく早期に釈放されるように活動してもらうことが重要です。
適切な身柄解放活動を早期に開始することが、Aさんの社会復帰への第一歩となります。

~起訴された場合~

過失運転致死事件の場合は、被害者が亡くなっていることもあり、起訴される可能性が比較的高いと思われます。
その場合であっても、保険によりVさんの損害を賠償し、真摯に反省することによって、執行猶予付き判決を獲得できる可能性が高まります。
弁護士のアドバイスを受けながら、より有利な判決を獲得するために活動していきましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を専門とする法律事務所であり、過失運転致死事件についてもご相談いただけます。
ご家族が過失運転致死事件を起こしてしまい、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

割り込みによる危険運転致死事件

2019-11-22

割り込みによる危険運転致死事件

割り込みによる危険運転致死事件について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事件】

Aさんは兵庫県川西市を通る高速道路を走行中,前を走るVさんの車が気に入らないと腹を立て,いきなりVさんの車の直前に無理矢理割り込んだ上で急に減速しました。
驚いたVさんはAさんの車に追突しないよう合わせて減速しましたが,後続車に追突され死亡しました。
Aさんは兵庫県川西警察署危険運転致死罪の容疑で逮捕され,事情を聞かれることになりました。
(フィクションです)

【危険運転致死傷罪】

危険運転致死傷罪は,自動車運転死傷処罰法第2条に定めがあります。

自動車運転死傷処罰法第2条
次に掲げる行為を行い,よって,人を負傷させた者は15年以下の懲役に処し,人を死亡させた者は1年以上の有期懲役に処する。
1 アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為
2 その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為
3 その進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為
4 人又は車の通行を妨害する目的で,走行中の自動車の直前に侵入し,その他通行中の人又は車に著しく接近し,かつ,重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
5 赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し,かつ,重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
6 通行禁止道路(道路標識若しくは道路標示により,又はその他法令の規定により自動車の通行が禁止されている道路又はその部分であって,これを通行することが人又は車に交通の危険を生じさせるものとして政令で定めるものをいう。)を進行し,かつ,重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為

対象となる「自動車」とは,原動機によりレールまたは架線を用いないで走行する車両のことをいい,自動二輪車や原動機付自転車もこれに含まれます。

上の1号から6号に掲げられた危険運転行為が故意をもって行われなければ,危険運転致死傷罪によって処罰することはできません。

Aさんは意図的にVさんの車の直前に割り込み減速することでVさんが死に至る事故の原因をつくっています。
これは第4号の規定に違反する可能性がある割り込みで,Vさんの通行を妨害する目的があったと判断された場合には危険運転致死罪の適用が考えられます。

【殺人罪】

割り込みや幅寄せなどで死亡事故が発生した時,被害者が事故によって死亡することに対して故意または未必の故意が認定されるようなケースでは,殺人罪(刑法第199条)に問われる可能性もあります。
殺人罪の法定刑は死刑または無期もしくは5年以上の懲役です。
客観的に見て,割り込みや幅寄せなどが死亡事故を引き起こす可能性の非常に高い態様であったり,または死亡事故に至る可能性が極めて高い状況でこれらの危険運転を敢えて行った場合,被害者を死亡させる故意があったと認定されることもあり得ます。

他にも,車を接近させる行為が人に対する有形力の行使と捉えられて暴行罪(刑法第208条)で立件されることもあります。
暴行罪の法定刑は2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金または拘留もしくは科料となっていますので,危険運転致死罪や殺人罪に比べると軽微な犯罪といえますが,犯罪であることに変わりはなく,もし起訴されて有罪を言い渡されてしまうと前科がつくことになります。

【危険運転致死事件の弁護活動】

割り込みや幅寄せ,その他あおり運転等で生じた死亡事故で危険運転致死罪の被疑者となってしまった場合,危険運転と考えられる行為が故意をもって行われたものではないことを示すことで無罪を主張することが考えられます。
ただし,必ずしも無罪の主張ができるわけではなく,また事案の内容によっては過失運転致死罪など他の犯罪に問われる可能性も十分にあります。
無罪主張できるかどうかも含め,早期に刑事事件に強い弁護士に相談することで今後どのような手段を取ることが可能なのか,どのような結果となる可能性があるのかを知り,選択することができます。

逆に,早期から対応できないでいると手続きがどんどん進んで取り返しのつかない結果となってしまうこともあります。
被疑事実を認める場合でも,被害者や遺族と示談を行うことなどにより執行猶予などを得られる可能性を高めることも可能な場合があります。
これも早めに行わなければ示談交渉を行うことすらままならなかったり,示談がまとまるより先に起訴されてしまったり裁判に間に合わなかったりすることが考えられます。
とにかく,人身事故を起こしてしまった場合はお早めに弁護士に相談・依頼することが重要になります。

割り込みや幅寄せなどにより人身事故を起こしてしまった方,危険運転致死罪の被疑者となってしまった方,兵庫県川西警察署で取調べを受けることになってしまった方は,お早めに刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

大阪府豊中市の死亡事故事件

2019-11-17

大阪府豊中市の死亡事故事件

大阪府豊中市死亡事故事件について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事件】

Aさんは大阪府豊中市内の道路を自動車で走行中,信号のない交差点で原動機付自転車と衝突する事故を起こし,乗っていた男性を死亡させました。
事故当時Aさんはスマホを見ながら運転しており,そのため交差点に進入してきた原動機付自転車の発見が遅れ,この死亡事故につながりました。
Aさんは大阪府豊中警察署で死亡事故を起こした過失運転致死事件の被疑者として取調べを受けることになっています。
(フィクションです)

【過失運転致死傷罪】

過失運転致死傷罪自動車運転死傷処罰法(正式名称:自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律)第5条に規定されている罪です。
条文は「自動車の運転上必要な注意を怠り,よって人を死傷させた者は,7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。ただし,その傷害が軽いときは,情状により,その刑を免除することができる」となっています。

過失運転致死傷罪における自動車とは,原動機によって走行する車で,レールや架線を用いないものを意味します。
よって,自動二輪車や原動機付自転車も過失運転致死罪の処罰対象になります。

そして,「自動車の運転」とは,発進に始まり停止に終わるものとされています。
ただし,普通乗用自動車を運転していた者が車を道路左端に停車後,降車しようとして後方を十分確認することなく運転席ドアを開けたため後方から進行してきた自転車にドアをぶつけ,自転車に乗っていた人に傷害を負わせたという事件で,自動車の運転自体はすでに終了しており自動車運転上の過失は認められないものの,自動車の運転に付随する行為であり自動車運転業務の一環としてなされたものから傷害結果が発生したものとして業務上過失傷害罪の成立が認められた判例(東京高判平成25・6・11高刑速平成25年73頁)があります。
また,停止させる場所が不適切だったために事故につながった場合にも自動車運転過失致死傷罪の適用が考えられます。

過失運転致死傷罪が成立するためには,自動車の運転に必要な注意を怠ったこと,すなわち過失が必要です。
ここでの「過失」は,前方不注意やわき見運転,巻き込み確認を怠ったこと,歩行者や自転車等の飛び出しに気付かなかったこと,方向指示器(ウインカー)を点滅させずに方向転換したことなど,ちょっとした不注意でもこれにあたるとされています。
さらには,自分では注意を払ったつもりでも,別の行為をとっていたりより注意深くしていれば事故を避けることができたと裁判所が判断し過失が認定されてしまうケースもあります。

今回のケースでは,Aさんはスマホの画面を見ながら運転しています。
事件の概要からは明らかではありませんが,たとえAさんが適切な速度で運転しており,さらに被害男性が法令に違反するような運転をしていたとしても,Aさんに過失があったと認定される可能性はかなり高いと考えられます。
今回はスマホの画面を見ていた場合ですが,他にもイヤホンで音楽を聞いていたりカーナビ等の画面を見ていた状態で事故を起こしてしまった場合などでも自動車の運転上必要な注意を怠ったとされることがあり得ます。

【死亡事故事件 弁護の方針】

今回のような死亡事故事件では被害者が死亡しており,類型として起訴される可能性が高い事案といえます。
しかし,態様によっては,死亡事故直後から適切な対応をとることにより,起訴を回避したり執行猶予を得られる場合もあります。

刑事裁判にならなくてよい事件なのに裁判になってしまったり,不当に刑が重くなってしまわないよう,早期から交通犯罪に強い弁護士に事件を依頼して適切な弁護活動を行うことが重要です。
死亡事故では被害者や遺族と示談交渉を行い,示談内容にもよりますが示談を成立させることができれば不起訴や執行猶予を得られる可能性を高めることができます。
弁護士に事件を依頼することでより円滑に示談を進められることが期待できます。

また,取調べを受けるにあたっても,弁護士から法的なアドバイスを受けることにより捜査機関に有利な調書を不当に作成されることを防ぐことも期待できます。

過失運転致死罪の被疑者となってしまった方,大阪府豊中警察署で取調べを受けることになってしまった方は,お早めに交通事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

暴走運転による危険運転致死罪の疑いで逮捕

2019-11-07

暴走運転による危険運転致死罪の疑いで逮捕

暴走運転による危険運転致死罪逮捕について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~ケース~
Aさんは、神奈川県秦野市内の県道で自動車を運転中、対面信号が赤色信号であることを認識しながら、まったくスピードを落とすことなく、時速130キロメートルで交差点に進入するなどの危険な運転を行っていました。
Aさんが上記の高速度で5分ほど暴走運転を行っていたところ、青色信号に従って交差点に進入してきたVの車の右側にノーブレーキで衝突し、右ハンドル車を運転していたVさんは即死してしまいました。
通報によって駆け付けた神奈川県秦野警察署の警察官は、Aさんの怪我の回復を待ち、危険運転致死罪の疑いで逮捕することを予定しています。
(フィクションです)

~危険運転致死傷罪とは?~

危険運転致死傷罪とはどのような犯罪でしょうか。
時速130キロメートルという明らかな制限速度違反で信号無視を繰り返す行為は、それ自体道路交通法に違反する行為ですし、ケースのような悲惨な結果を招きうる危険な行為であり、絶対に行うべきでないことは言うまでもありません。
しかし、このような危険な運転行為により実際に死傷事故が起きても、従来は自動車運転過失致死傷で罪に問われるだけでした。
こうした行為に対し厳罰を科すべきであるとの社会要請があり、「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」が成立し、その中に危険な運転行為による死傷事故を特に重く処罰する規定が盛り込まれました。
危険運転致死傷罪は、危険運転行為を行い、よって人を死傷させた場合に成立します。

~危険運転致死傷罪の類型~

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第2条1号~6号は、
・アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為(1号)
・その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為(2号)
・その進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為(3号)
・人又は車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人又は車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為(4号)
・赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為(5号)
・通行禁止道路(道路標識若しくは道路標示により、又はその他法令の規定により自動車の通行が禁止されている道路又はその部分であって、これを通行することが人又は車に交通の危険を生じさせるものとして政令で定めるものをいう。)を進行し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為(6号)

を行い、人を死傷させることを禁止しています。
被害者が傷害を負ったに留まる場合は、15年以下の懲役、死亡させてしまった場合は1年以上の懲役に処せられます。

また、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第3条1項~2項は、

・アルコール又は薬物の影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、そのアルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態に陥り、人を負傷させ、または、死亡させること
・自動車の運転に支障を及ぼすおそれがある病気として政令で定めるものの影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、その病気の影響により正常な運転が困難な状態に陥り、人を死傷させること

を禁止しています。
法定刑は、被害者が負傷した場合、12年以下の懲役、被害者が死亡した場合、15年以下の懲役となっています。
以上が、危険運転致死傷罪を定める規定です。

~Aさんに必要な弁護活動~

Aさんの場合、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第2条2号や5号といった条文に該当する危険運転致死罪が成立する可能性があります。

危険運転致死傷罪が疑われている事件でも、犯行態様によっては危険運転致死罪が成立しないことを主張することができるかもしれません。
そうした場合は弁護士に相談しながら取調べ対応等をすることになるでしょう。
今回のAさんのように、時速130キロメートルで自動車を走行させ、信号を無視し、交差点に進入するなどしていた場合においては、上記のような主張は難しいかもしれませんが、不当に重い処罰を避けるためにも、取調べには弁護士のアドバイスを受けてから臨むなどの対応が望ましいでしょう。

また、危険運転致死傷事件は悪質で重大な事件であるとして起訴される可能性も高く、さらに、実刑判決を受ける可能性も十分あります。
裁判では、車を放棄し二度と自動車を運転しないことや、保険で損害を賠償できる場合はVさんの遺族の損害が賠償される見込みであることなど、Aさんの反省や被害の賠償の度合いなどを表せる事情を主張し、より寛大な量刑による判決の獲得を目指す必要があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を専門とする法律事務所であり、危険運転致死傷事件についてもご相談いただけます。
ご家族が危険運転致死傷事件を起こし、逮捕されてしまった方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

無免許運転で原付を運転し死亡事故

2019-10-28

無免許運転で原付を運転し死亡事故

無免許運転で原付を運転した際の死亡事故について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~ケース~
Aさんは、福岡県田川市内の路上で、原動機付自転車を運転することができる免許を受けないまま原動機付自転車を運転していた際、誤ってVに接触し、転倒させてしまいました。
Aさんの通報によりVは病院に搬送されましたが、頭に重い傷害を負っており、間もなく死亡が確認されました。
事故現場にかけつけた福岡県田川警察署の警察官は、Aさんが原動機付自転車を無免許運転していたことを確認した後、無免許過失運転致死罪の疑いで現行犯逮捕しました。
(フィクションです)

~無免許過失運転致死傷罪について~

自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させると、過失運転致死傷罪が成立します(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第5条前段)。
「自動車」には、道路交通法第2条1項10号の「原動機付自転車」も含まれます(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第1条1項)。
過失運転致死傷罪の法定刑は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金であり、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除されることもあります。

もし、過失運転致死傷罪を犯した者が、罪を犯したときに無免許であった場合はどうなるのでしょうか。
この場合は、過失運転致死傷罪に留まらず、これを加重した「無免許過失運転致死傷罪」が成立することになります(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第6条4項)。
法定刑は10年以下の懲役となっており、過失運転致死傷罪の場合と異なり、罰金刑や禁錮刑が予定されていません。
したがって、有罪判決を受ける場合は、執行猶予が付かない限り、実刑判決を受けることになってしまいます。

~無免許過失運転致死罪は成立するか?~

Aさんは、原付免許等の、原動機付自転車を運転することができる免許を受けていません。
したがって、「自動車」を「無免許運転」していたことになります。
ケースでは明らかではありませんが、裁判所によって、原動機付自転車の運転上必要な注意を怠り、よってVを死亡させたと判断された場合には、無免許過失運転致死罪につき有罪判決がなされることになると思われます。

~Aさんに必要な弁護活動~

無免許過失運転致死傷罪の起訴率は統計上も極めて高く、平成29年の「検察統計調査 被疑事件の罪名別起訴人員,不起訴人員及び起訴率の累年比較」によれば、起訴率は約80.8%となっています。
特に、Aさんの場合、Vが死亡している死亡事故であることも相まって、起訴される可能性は高いと思われます。
そのため、起訴されたあと、執行猶予付判決を獲得することが重要な到達目標になるかと思われます。
もちろん、Vが予測不可能な行動をとったために死亡事故が起き、原動機付自転車の運転上必要な注意を怠った事実がないなど、過失運転致死罪が成立しない場合には、無免許過失運転致死罪により起訴されることを阻止しなければなりません。

無免許運転の場合であっても、「自賠責保険」や「自動車保険」に加入していれば、Vに生じた損害を賠償できる場合もあります。
このケースの場合は、公判で保険によりVの遺族の損害が賠償される見込みであることなどの事情があればそういった事情を主張し、より軽い量刑による判決を求めることになるでしょう。
また、原動機付自転車を処分する、あるいは運転免許を取得する用意があることなどを主張し、二度と無免許運転をしないことを明らかにすることも重要です。
弁護士のアドバイスを受けながら、より有利な量刑による判決の獲得に向けて活動していきましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を専門とする法律事務所であり、無免許過失運転致死傷事件についてもご相談いただけます。
ご家族が死亡事故を起こして無免許過失運転致死傷事件の被疑者となりお困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

危険運転致死事件と裁判員裁判

2019-08-09

危険運転致死事件と裁判員裁判

~ケース~
Aさんは、日頃のストレスを発散するために、法定速度60キロの東京都府中市の一般道路にて、時速約100キロで自動車を走行させていた。
Aさんの運転する自動車は、カーブに進入する際にも減速をしなかったため、カーブを曲がりきることが出来ず、そのまま歩道に乗り上げ歩行中のVさんに衝突した。
Vさんは事故後すぐに救急車で病院に運ばれたが、事故から数時間後に死亡してしまった。
Aさんは、事故後すぐに、通行人の通報によって駆け付けた警視庁府中警察署の警察官に逮捕され、後日Aさんは危険運転致死罪で起訴された。
その後、Aさんの公判は裁判員裁判になることとなった。
(上記のケースはフィクションです)

~危険運転致死罪について~

危険運転致死傷罪は、これまで過失犯として刑法上の業務上過失致死罪によって処罰されていた悪質な危険運転行為による死傷事件について、故意犯として重く処罰するものです。
危険運転致死傷罪は、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律という特別法において規定されており、①正常な運転が困難になるほどの飲酒・薬物使用運転、②制御困難なほどの高速度での運転、③車を制御する技能を有しないでする運転、④人や車の通行を妨害する目的でに著しく接近するなどし、かつ重大な交通の危険を生じさせる速度での危険な運転、⑤赤信号等を殊更に無視し、かつ重大な交通の危険を生じさせる速度での運転、⑥通行禁止道路の進行し、かつ重大な危険を生じさせる速度での運転で人に怪我をさせたり死亡させたりした場合に成立します。
危険運転致死傷罪が成立する場合、死亡事故なら1年以上20年以下の有期懲役、負傷事故なら15年以下の懲役という極めて重い刑が科されます。

上記事例の場合、Aさんは法定速度60キロの一般道路を時速約100キロで自動車を走行させ、カーブを曲がり切れずに歩行者と衝突していることから、その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させ、Vを死亡させたといえることから危険運転致死罪が成立する可能性があります。

~裁判員裁判について~

裁判員法2条1項2号は「裁判所法第26条第2項第2号に掲げる事件であって、故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪に係るもの」を裁判員裁判の対象としています。
危険運転致死罪は、危険運転自体が故意行為であり、これによって被害者を死亡させた行為を処罰する規定なので、故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪に該当し、裁判員裁判対象事件となります。

裁判員裁判とは、通常の職業裁判官のみで行われる裁判とは異なり、原則として一般市民の裁判員6人と職業裁判官3人による合議で行われる裁判です。
裁判員裁判では、一般市民である裁判員も、事実の認定、法令の適用、量刑に至るまで判断することになります。

また、裁判員裁判では、一般市民が参加していることから、公判を通じた法廷での被告人の態度や発言、立ち振る舞いに至るまでの全てが、裁判員の量刑判断に影響する可能性があります。
そのため、裁判員裁判においては、検察側の過大な求刑に対しては、裁判員に対し冷静な対応を求めるなど、裁判員に配慮した弁護活動が必要となります。

ただし、裁判員裁判の対象はあくまで1審のみであり、2審(控訴審)以降は職業裁判官のみ(つまり通常の刑事裁判と同じ)の構成による裁判が行われます。
もっとも、裁判員裁判の結論は2審(控訴審)以降でも重視される傾向があり、1審の裁判員裁判における弁護活動が極めて重要であるといえます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件専門の法律事務所であり、危険運転致死事件裁判員裁判も取り扱う弁護士が多数在籍しています。
0120-631-881にて初回接見サービス、無料相談を24時間受け付けておりますので、お気軽にお電話ください。

自転車で死亡事故

2019-07-30

自転車で死亡事故

~ケース~
Aさんは、福岡市南区の歩道において自転車を運転中、時速15キロメートルほどの速度でよそ見運転をしていたところ、歩道に隣接した建物から歩道に出てくる歩行者に気付かず、ノーブレーキで衝突してしまいました。
被害者は転倒し頭を打ち、病院に搬送されましたが間もなく死亡しました。
その後、Aさんは通報によって駆け付けた福岡県南警察署の警察官に逮捕されました。
(フィクションです)

~Aさんに成立する罪名は?~

最近では、自転車による重大な交通事故がしばしば報道されており、警察なども、自転車の交通ルール順守を呼びかけています。
自転車は「車両」ではありますが、「自動車」ではないので、過失運転致死傷罪自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第5条)の適用はありません。
したがって、刑法上の①重過失致死傷罪、②過失致死罪の成否が検討されることになります。

「過失」とは、不注意により犯罪事実を認識・認容することなく一定の作為・不作為を行うことをいいます。
「不注意」とは、注意義務違反をいい、犯罪構成要件該当の事実、とくに結果の発生を認識、予見し、これを回避するため必要適切な措置を講ずべき義務に違反することをいいます。

~Aさんに認められる注意義務違反~

(速度の点)
まず、歩道において時速15キロメートルも出している点が気にかかります。
道路交通法第17条1項本文により、「車両は、歩道又は路側帯と車道の区別のある道路においては、車道を通行しなければならない」とされているので、Aさんは原則として車道を通行しなければなりません。

道路標識等により歩道を通行できる場合であっても、道路交通法第63条の4第2項により、当該歩道の中央から車道寄りの部分又は普通自転車通行指定部分を「徐行」しなければなりません(普通自転車通行指定部分については、当該普通自転車通行指定部分を通行し、又は通行しようとする歩行者がないときは、「歩道の状況に応じた安全な速度と方法」で進行することができます)。
「徐行」とは、車両等が直ちに停止することができる速度をいいます(道路交通法2条20号)。
自転車の場合は時速4から5キロメートルといわれています。

仮にAさんが歩道を適法に自転車で通行できるものとして、普通自転車通行指定部分が無かったとした場合には、「徐行義務」があります。
時速15キロメートルは、自転車にしては比較的高速度といえ、少なくとも「直ちに」自転車を停止させることのできる速度にはあたらないでしょう。

(よそ見運転をしている点)
自転車の運転中は、進行方向における歩行者に注意して運転する注意義務があると認められるでしょう。
よそ見運転は、上記の注意義務に違反しているということができます。

上記をまとめると、Aさんは前方の歩行者の有無に留意し、自転車を進行させる義務があったのにも関わらず、歩道上において、漫然と自転車を時速15キロメートルで進行させた過失により被害者と接触、転倒させ、死亡させたものということができるでしょう。

~過失致死罪と重過失致死傷罪~

過失致死罪に留まれば、法定刑は50万円以下の罰金ですが、重過失致死罪の適用が検討されている場合は、罪が重くなります。
「重過失」とは、注意義務違反の程度が著しいことをいいます。

今回のケースにおいては、前方あるいは建物や角から出てくる歩行者に留意したり、徐行するように努めることによって、被害者と接触することを回避できたと考えられます。
「前方の歩行者に留意すること」は建物の出入り口や歩行者の歩行速度により変わってきますが、「歩道で徐行すること」は、自転車の運転者がわずかな注意を払えば実現できることです。
このような観点からは、過失致死罪に留まらず、重過失致死罪が成立する可能性も視野に入れなければなりません。
重過失致死罪の法定刑は5年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金です。

~示談交渉を弁護士に依頼~

ケースの事件が刑事手続きとして進行する場合、検察官が最終的にAさんを起訴するか、あるいは不起訴にするかを決めます。
この際に、被害者と示談が成立していると、Aさんに有利に考慮されることが期待できます。
また、起訴された場合についても最終的な量刑に示談締結の有無は影響してくる可能性が高いです。
是非、弁護士に示談交渉について相談してみましょう。

また、重過失死傷罪を疑われている際には、Aさんの運転や現場の状況、被害者の歩行を専門的に検討することで、重過失致傷罪の適用が不適当であると主張することも考えられますから、弁護士に相談して損はないでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を専門とする法律事務所です。
自転車人身事故を起こしてしまい、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

飲酒運転で危険運転致死事件

2019-07-20

飲酒運転で危険運転致死事件

~ケース~
Aさんは神戸市須磨区内の居酒屋でアルコールを飲んだ後、乗ってきた自動車に乗り帰路につきました。
Aさんは酒に酔っていたこともあって運転への集中力が低下しており、道路を横断するVに気付かず、ノーブレーキでVに衝突してしまいました。
Aさんは自ら兵庫県須磨警察署に通報し、Vは救急車で病院に搬送されましたが、間もなく死亡が確認されました。
Aさんは呼気検査を受け、呼気1リットルにつき0.35ミリグラムのアルコールが検出されたので、危険運転致死罪の疑いで現行犯逮捕されました。(フィクションです)。

~酒気帯び運転の罪~

身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態で車両等(軽車両を除く)を運転すると、「酒気帯び運転の罪」が成立します。
法定刑は3年以下の懲役又は50万円以下の罰金となります。(道路交通法第117条の2の2第3号)。
「政令で定める程度」とは、「血液1ミリリットルにつき0.3ミリグラム又は呼気1リットルにつき0.15ミリグラム」です(道路交通法施行令第44条の3)。

Aさんは呼気1リットルにつき0.25ミリグラムのアルコールが検出される状態で自動車を運転していたのですから、酒気帯び運転の罪は逃れられないでしょう。
もっとも、Aさんは酒を飲んで運転への集中力が低下していたというので、正常な運転が困難であったとして、後述する危険運転致死罪が成立する可能性も高いと思われます。
この場合、酒気帯び運転についても危険運転致死罪の中に含まれるため、危険運転致死罪と別に酒気帯び運転に問われることがありません。

~過失運転致死罪~

過失運転致死罪は自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死亡させる犯罪です。
「自動車の運転上必要な注意」とは、自動車運転者が、自動車の各種装置を操作し、そのコントロール下において自動車を動かす上で必要な注意義務のことをいいます。

ケースのAさんには、左右から横断する歩行者の有無及びその安全を確認しながら自動車を進行させる注意義務があったといえるでしょう。
これを怠った結果Vと衝突し、よってVを死亡させてしまったと評価できるならば、Aさんに過失運転致死罪が成立します。
過失運転致死罪の法定刑は7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金となります(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律5条)。
この罪も、より重い危険運転致死罪が成立する場合は別途問われることはありません。

~危険運転致死罪~

飲酒運転により人を死傷させた場合は、「アルコールの影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させ、よって、人を死亡させた」者については「危険運転致死」の罪が成立します。
裁判で有罪が確定すると1年以上の有期懲役(20年以下)に処されます(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律2条1号)。
また、危険運転致死罪については「アルコール又は薬物の影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、そのアルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態に陥り、人を負傷させた者は12年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は15年以下の懲役に処する。」(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律3条)という条文もあることから、飲酒運転し始めたときから「アルコールの影響により正常な運転が困難な状態」でなくとも認められる可能性があります。

Aさんは居酒屋でアルコールを飲んで、運転への集中力が低下しており、アルコールの影響により正常な運転が困難な状態となったとされる可能性があります。
この状態で自動車を走行させVさんを死亡させており、危険運転致死罪に問われる可能性が高いです。

~身柄解放活動~

Aさんが勾留されず、起訴もされなければAさんの社会復帰も円滑に進みますが、近年は酒気帯び運転中の事故に大変厳しく、勾留・勾留延長の決定がなされ、さらに起訴される可能性も充分考えられます。
勾留されてしまった場合には、準抗告などの不服申し立て手続きを行い、Aさんの釈放を目指す活動が考えられますが、準抗告が功を奏さず身柄拘束が続き、起訴されてしまった場合には、「保釈」を目指すことになります。
「保釈」とは、保釈保証金の納付を条件として、被告人に対する勾留の執行を停止して、その身柄拘束を解く裁判及びその執行を意味します。
保釈金の額は、犯罪の性質・情状、証拠の証明力、被告人の性質・資産を考慮し、被告人の出頭を保証するに足りる相当な金額が定められます。

~公判~

危険運転致死罪として起訴された場合、裁判員裁判となり、裁判官だけでなく一般市民から選ばれる裁判員による裁判となります。
被害者の遺族との示談が成立していること、あるいは保険により被害者の損害が遺族に賠償される見込みがあることなどを主張し、より軽い量刑の判決の獲得を目指します。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が飲酒運転で死亡事故を起こしてしまった方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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