Archive for the ‘交通事故(死亡事故)’ Category

遅刻を免れるために信号無視をして死亡ひき逃げ事故を起こした事例①

2025-06-25

遅刻を免れるために信号無視をして死亡ひき逃げ事故を起こした事例①

車が人に追突した人身事故

信号無視による死亡事故について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

Aさんは寝坊してしまい仕事に遅刻しそうだったため、赤信号を無視して車を運転していました。
京都府綾部市の交差点に赤信号で侵入したAさんは、横断歩道を横断中の歩行者Vさんを車でひいてしまいました。
AさんはVさんを車でひいたことを認識しながらも、Vさんの救護や警察署へ事故の報告をすることなく、職場に向かいました。
数時間後、Aさんは、Aさんが起こした事故がニュースで報道されていることを知りました。
報道によると、VさんはAさんによる事故が原因で亡くなってしまったようです。
(事例はフィクションです。)

過失運転致死罪

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(以下「自動車運転処罰法」)第5条では、過失運転致死罪が規定されています。

自動車運転処罰法第5条
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

交通事故で人を死亡させてしまった場合には、過失運転致死罪が成立することが多いでしょう。
過失運転致死罪を大まかに説明すると、運転をするうえで払うべき注意を怠り、事故を起こして人を死亡させると成立する犯罪です。

信号無視による死亡事故過失運転致死罪は成立するのでしょうか。

車を運転をする場合には、進行方向の信号を確認することや周囲に歩行者などがいないかを確認する必要があるといえます。
ですので、不注意により赤信号や歩行者の存在を見落としてしまい事故を起こして人を死亡させてしまったのであれば、過失運転致死罪が成立すると考えられます。

ですが、今回の事例のAさんのように、赤信号だと知っていながら信号無視をした場合には、不注意による事故だとはいえませんので、過失運転致死罪は成立しないと考えられます。

ですので、不注意などの過失により信号を見落としてしまった場合の死亡事故では過失運転致死罪が、故意に信号無視をして死亡事故を起こした場合には過失運転致死罪ではなく別の犯罪が成立する可能性があるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、無料法律相談を行っています。
信号無視による死亡事故を起こしてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

モペットを無免許で運転し事故を起こした事例④

2025-06-18

モペットを無免許で運転し事故を起こした事例④

逮捕

モペットによる無免許運転事故について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

京都市下京区に住むAさんは無免許であるにもかかわらず運転免許証が必要なモペットを運転していました。
自宅近くの交差点で赤信号を見落とし、Aさんは横断歩道を横断中の歩行者のVさんを轢いてしまいました。
Aさんはすぐに救急と警察に電話し、Vさんは病院へ搬送されました。
搬送後、Vさんの死亡が確認され、Aさんは京都府下京警察署の警察官に無免許過失運転致死罪の疑いで逮捕されました。
(事例はフィクションです。)

無免許過失運転致死罪と量刑

前々回のコラムで解説したように、無免許過失運転致死罪の法定刑は、10年以下の拘禁刑です。(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第6条4項)

拘禁刑は懲役刑と禁錮刑が一本化されたものです。
6月1日から懲役刑や禁錮刑は廃止され拘禁刑となります。
拘禁刑は刑法第12条2項、3項にて、「拘禁刑は、刑事施設に拘置する。(2項)」「拘禁刑に処せられた者には、改善更生を図るため、必要な作業を行わせ、又は必要な指導を行うことができる。(3項)と規定されています。
拘禁刑も懲役刑や懲役刑と同様に刑務所に収容されることになります。

無免許過失運転致死罪の法定刑は10年以下の拘禁刑ですから、有罪になれば執行猶予付き判決を得ない限り刑務所に行くことになります。

無免許過失運転致死罪と執行猶予

執行猶予3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金の言渡しを受けたときは、情状により付されることがあります。(刑法第25条1項)
繰り返しになりますが、無免許過失運転致死罪の法定刑は10年以下の拘禁刑ですから、執行猶予付き判決を得ることは容易ではないでしょう。

無免許過失運転致死罪と示談

Aさんが反省しVさんの遺族に謝罪と賠償を行いたいと思っていても、Vさんの遺族にとってAさんは大切な家族の命を奪った相手ですから、加害者であるAさんが直接、Vさんの遺族に謝罪と賠償を申し入れても断られてしまったり、連絡をとることすら拒絶されてしまう可能性が高いと思われます。
弁護士がAさんとVさんの遺族の間に入ることで、Vさんの遺族にAさんの謝罪の気持ちと賠償を受け取ってもらえる可能性があります。
また、謝罪と賠償と並行して示談交渉を行うことで、示談を締結できるかもしれません。

示談を締結することで執行猶予付き判決の獲得に有利にはたらく場合があります。
また、示談を締結することで、民事裁判での損害賠償請求を防げる可能性があります。

弁護士が代理人となって示談交渉を行うことで、新たなトラブルの発生などを防げる可能性がありますから、示談交渉などを行う際は、弁護士に相談をすることが望ましいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では初回接見サービス無料法律相談を行っています。
モペット死傷事故を起こしてしまった方、交通事故示談でお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

モペットを無免許で運転し事故を起こした事例③

2025-06-11

モペットを無免許で運転し事故を起こした事例③

逮捕

モペットによる無免許運転事故について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

京都市下京区に住むAさんは無免許であるにもかかわらず運転免許証が必要なモペットを運転していました。
自宅近くの交差点で赤信号を見落とし、Aさんは横断歩道を横断中の歩行者のVさんを轢いてしまいました。
Aさんはすぐに救急と警察に電話し、Vさんは病院へ搬送されました。
搬送後、Vさんの死亡が確認され、Aさんは京都府下京警察署の警察官に無免許過失運転致死罪の疑いで逮捕されました。
(事例はフィクションです。)

逮捕されたらどうなるの?

逮捕されると72時間以内に勾留の判断がなされます。
勾留期間は最長で20日間にも及びますので、その間は会社の無断欠勤が続いてしまい解雇などの何らかの処分に付されるなど、現在の生活に悪影響が生じる可能性があります。

釈放に向けた弁護活動

勾留は送致を受けた検察官が請求を行い、請求を受けた裁判官が決定することでなされます。
ですので、検察官が勾留請求をしない場合や裁判官が勾留請求を却下した場合には、釈放されることになります。

勾留は、罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある場合に、定まった住所を有していなかったり、証拠隠滅や逃亡をすると疑うのに相当な理由がある場合になされます。(刑事訴訟法第60条1項)
居住地がある方がほとんどだと思いますので、検察官や裁判官に証拠隠滅や逃亡のおそれがあると判断されないようにすることがポイントになります。

弁護士は検察官と裁判官それぞれに勾留請求に対する意見書を提出することができます。
意見書を通じて、検察官や裁判官に納得してもらえるような根拠をもとにAさんが逃亡や証拠隠滅を行わないことを訴えることで、釈放を認めてもらえる可能性があります。

勾留されたら

勾留された場合でも釈放を求めることは可能です。
弁護士が裁判所に対して準抗告の申し立てを行うことで、釈放が認められる可能性があります。

準抗告を申し立てた場合には、勾留の決定を判断した裁判官とは異なる裁判官が判断することになります。
一度勾留が決まってしまっている以上、釈放を認めてもらうことは厳しいと思われますが、釈放の可能性が全くないわけではありません。
実際に、多数の事件で弊所の弁護士が準抗告の申し立てを行うことで釈放が認められています。
ですので、勾留されてしまったからといって諦めずに、刑事事件に精通した弁護士に相談をすることが望ましいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービスを行っています。
早期に弁護士に相談をすることで、勾留を阻止したり早期釈放を実現できる可能性があります。
ご家族がモペットによる死傷事故などで逮捕された方は、刑事事件・交通事件に強い、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

モペットを無免許で運転し事故を起こした事例②

2025-06-04

モペットを無免許で運転し事故を起こした事例②

逮捕

モペットによる無免許運転事故について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

京都市下京区に住むAさんは無免許であるにもかかわらず運転免許証が必要なモペットを運転していました。
自宅近くの交差点で赤信号を見落とし、Aさんは横断歩道を横断中の歩行者のVさんを轢いてしまいました。
Aさんはすぐに救急と警察に電話し、Vさんは病院へ搬送されました。
搬送後、Vさんの死亡が確認され、Aさんは京都府下京警察署の警察官に無免許過失運転致死罪の疑いで逮捕されました。
(事例はフィクションです。)

過失運転致死罪

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第5条
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

過失運転致死罪は簡単に説明すると、運転するうえで必要な注意を怠り事故を起こした結果、人を死亡させてしまった場合に成立する犯罪です。
法定刑は過失運転致傷罪と同じ、7年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金です。
自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第5条では、「傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。」と規定していますが、死亡している以上、傷害が軽いとはいえませんので、過失運転致死罪が成立した場合に刑が免除されることはないでしょう。

今回の事例では、Aさんが赤信号を見落としてしまったことでVさんをモペットで轢いて死亡させてしまったようです。
自分の進行方向の信号の色に注意することは運転するうえで必要な行為だといえますから、信号の確認を怠ったAさんは運転上必要な注意を怠ったといえ、Aさんに過失運転致死罪が成立する可能性があるといえます。

モペットでも過失運転致死罪は成立するの?

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律1条1項
この法律において「自動車」とは、道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第二条第一項第九号に規定する自動車及び同項第十号に規定する原動機付自転車をいう。

前回のコラムで解説したように、モペットの多くは一般原動機付自転車に該当します。
原動機付自転車は自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律が規定する「自動車」に該当しますから、モペット過失運転致死罪の対象となります。

無免許過失運転致死罪

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第6条4項
前条の罪を犯した者が、その罪を犯した時に無免許運転をしたものであるときは、十年以下の拘禁刑に処する。

前条とは、同法第5条の過失運転致傷罪過失運転致死罪の規定を指します。
ですので、過失運転致傷罪過失運転致死罪にあたる罪を犯した人が同時に無免許運転もしていた場合には、10年以下の拘禁刑に科されることになります。

Aさんは無免許運転だったようですから、Aさんには過失運転致死罪よりも法定刑が重い、無免許過失運転致死罪が成立すると考えられます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービス無料法律相談を行っています。
無免許モペットを運転した方、モペット交通事故を起こした方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

モペットを無免許で運転し事故を起こした事例①

2025-05-28

モペットを無免許で運転し事故を起こした事例①

逮捕

モペットによる無免許運転事故について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

京都市下京区に住むAさんは無免許であるにもかかわらず運転免許証が必要なモペットを運転していました。
自宅近くの交差点で赤信号を見落とし、Aさんは横断歩道を横断中の歩行者のVさんを轢いてしまいました。
Aさんはすぐに救急と警察に電話し、Vさんは病院へ搬送されました。
搬送後、Vさんの死亡が確認され、Aさんは京都府下京警察署の警察官に無免許過失運転致死罪の疑いで逮捕されました。
(事例はフィクションです。)

モペットと運転免許証

モペットとは、ペダル付き電動バイクを指します。
モペットはペダルが付いていることから、自転車と同じだと思われる方もいるかもしれませんが、自転車とは「ペダル又はハンド・クランクを用い、かつ、人の力により運転する二輪以上の車」(道路交通法第2条1項11号の2)をいいますので、原動機を用いることでペダルをこがずに自走することができるモペットは自転車には該当しません。
モペットは原動機を用いて自走することが可能ですから、原動機付自転車に該当するでしょう。

道路交通法第84条1項では、「自動車及び一般原動機付自転車(以下「自動車等」という。)を運転しようとする者は、公安委員会の運転免許(以下「免許」という。)を受けなければならない。」と規定しています。
一般原動機付自転車とは、特定小型原動機付自転車を除いた原動機付自転車を指します。
ある特定の基準を全て満たす原動機付自転車は特定小型原動機付自転車に分類されるのですが、モペットの場合は基準を満たさない場合が多く、一般的なモペットは一般原動機付自転車に該当すると考えられます。
道路交通法第84条1項が規定するように、一般原動機付自転車を運転する場合には運転免許証が必要になります。
ですので、特定小型原動機自転車に該当しないモペットを運転する場合には、運転免許証を取得する必要があります。

モペットと無免許運転

Aさんは運転免許証が必要なモペット無免許であるにもかかわらず、運転していたようです。
Aさんの行為は無免許運転にあたり、たとえ事例のような事故を起こしていなかったとしても、道路交通法違反に問われる可能性が高いでしょう。

無免許運転により道路交通法違反で有罪になった場合には、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科されます。(道路交通法第117条の2の2第1項1号)

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービス無料法律相談を行っています。
無免許運転による道路交通法違反の法定刑は3年以下の懲役又は50万円以下の罰金ですので、決して科される刑罰が軽い犯罪だとはいえません。
弁護士に相談をすることで少しでも良い結果を得られる可能性がありますから、無免許運転で捜査を受けている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

バイク仲間のオフ会で帰宅途中にオフ会参加者をバイクで轢いてしまい、殺人罪の容疑をかけられている事例④

2025-05-21

バイク仲間のオフ会で帰宅途中にオフ会参加者をバイクで轢いてしまい、殺人罪の容疑をかけられている事例④

車が人に追突した人身事故

バイクで事故を起こし殺人罪の容疑をかけられている事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

バイクを趣味に持つAさんは、京都府福知山市にあるお店で行われるバイク仲間のオフ会に参加していました。
オフ会中にAさんはオフ会に参加していたVさんとトラブルになってしまったのですが、他のオフ会参加者による仲介によって暴力沙汰には発展しませんでした。
夜も更けてきて各々帰宅することになり、Aさんはスマートフォンで帰宅ルートを確認しながらバイクを運転しお店の駐車場を出ようとしたところ、帰宅するために駐車場内を歩いていたVさんをはねてしまいました。
事故の目撃者による通報で救急隊と警察官が駆け付け、Aさんは過失運転致傷罪の疑いで逮捕されました。
その後、Vさんの死亡が確認され、Aさんは殺人罪の疑いで捜査を受けることになりました。
Vさんとトラブルになった際に、AさんがVさんに対して「お前なんか殺してやる!バイクで轢いたらお前なんてすぐに殺せるんだからな」と発言していたことが問題視されたようです。
(事例はフィクションです。)

逮捕と身体拘束

逮捕後は勾留の判断が行われ勾留が決定すると、最長で20日間勾留されることになります。
勾留満期を迎えても釈放されずに起訴された場合には、更に身体拘束が続くことになります。

今回の事例ではAさんは殺人罪の疑いをかけられています。
殺人罪の法定刑は死刑又は無期若しくは5年以上の懲役ですから、Aさんが殺人罪で有罪になってしまった場合には重い刑罰が科されることが予想されます。
Aさんが科される刑罰から逃げるために逃亡や証拠隠滅をするのではないかと疑われる可能性が高く、Aさんが身体拘束を受ける期間が長期化する可能性が非常に高いと考えられます。

勾留と釈放

勾留は検察官が裁判官に請求します。
検察官が勾留請求を行う前であれば、弁護士が検察官に意見書を提出して勾留請求をしないように求めることができます。
弁護士の主張が認められ勾留を請求しなければ、Aさんは釈放されることになります。

勾留請求をされた場合には、裁判官がまだ勾留の判断を行っていないのであれば、裁判官に意見書を提出して勾留を決定しないように求めることができます。
勾留請求が却下され勾留が決定しない場合には、Aさんは釈放されます。

前回のコラムで解説したように、殺人罪での起訴を防ぐためにも取調べ対策が重要になってきます。
勾留期間中は連日にわたって取調べを受けることも少なくなく、心身ともに不調をきたしてしまっても不思議ではありません。
心身に不調をきたした状態で取調べを受けることで、捜査官の誘導に乗り、言われるがまま自身に不利な供述をしてしまう可能性があります。
Aさんにとって不利な証拠の作成を防いだり、Aさん自身の心身を守るためにも早期釈放を目指すことが望ましいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービスを行っています。
数々の刑事事件で早期釈放を実現させてきた弁護士による身柄開放活動で、早期釈放が認められるかもしれません。
ご家族が逮捕された方は、お早めに、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

バイク仲間のオフ会で帰宅途中にオフ会参加者をバイクで轢いてしまい、殺人罪の容疑をかけられている事例③

2025-05-07

バイク仲間のオフ会で帰宅途中にオフ会参加者をバイクで轢いてしまい、殺人罪の容疑をかけられている事例③

車が人に追突した人身事故

バイクで事故を起こし殺人罪の容疑をかけられている事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

バイクを趣味に持つAさんは、京都府福知山市にあるお店で行われるバイク仲間のオフ会に参加していました。
オフ会中にAさんはオフ会に参加していたVさんとトラブルになってしまったのですが、他のオフ会参加者による仲介によって暴力沙汰には発展しませんでした。
夜も更けてきて各々帰宅することになり、Aさんはスマートフォンで帰宅ルートを確認しながらバイクを運転しお店の駐車場を出ようとしたところ、帰宅するために駐車場内を歩いていたVさんをはねてしまいました。
事故の目撃者による通報で救急隊と警察官が駆け付け、Aさんは過失運転致傷罪の疑いで逮捕されました。
その後、Vさんの死亡が確認され、Aさんは殺人罪の疑いで捜査を受けることになりました。
Vさんとトラブルになった際に、AさんがVさんに対して「お前なんか殺してやる!バイクで轢いたらお前なんてすぐに殺せるんだからな」と発言していたことが問題視されたようです。
(事例はフィクションです。)

殺人罪での起訴を防ぐ

前々回のコラムで解説したように、今回の事例のAさんは、Vさんを殺すつもりはなく、Aさんがスマートフォンに気を取られて周囲の確認がおろそかになったことによって起きた事故であったようですから、殺人罪ではなく過失運転致死罪が成立する可能性があります。
過失運転致死罪の法定刑は7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第5条)であり、殺人罪の法定刑は死刑又は無期若しくは5年以上の懲役(刑法第199条)です。
殺人罪では死刑や無期懲役刑が規定されていますから、かなり科される刑罰の重い犯罪だといえます。

過失運転致死罪殺人罪では殺人罪の方が科される刑罰が重くなりますから、今回の事例では殺人罪で起訴されることを防ぐことが重要になるでしょう。

取調べの対策

殺人罪での起訴を防ぐためにはどうすればいいのでしょうか。
殺人罪での起訴を防ぐための防御活動の一つとして取調べ対策が挙げられます。

前回のコラムで解説したように、殺人罪が成立するためには殺人罪の故意、つまり、人を殺す意思が必要です。
今回の事例ではAさんはVさんとトラブルになった際に「殺してやる」と発言しているものの、実際にAさんはVさんを殺すつもりはなく、事故はAさんの不注意によって偶然起きてしまいました。
ですので、Aさんは殺人罪の故意について否定していく必要があるでしょう。

取調べではAさんの供述を基に供述調書が作成されます。
この供述調書は裁判で重要な証拠となりますので、Vさんへの殺意を認める調書が作成されてしまった場合にはAさんに多大な不利益を及ぼす可能性が非常に高いです。
Aさんが頑なに殺人罪の容疑を認めない場合には、捜査官が認めるように圧をかけてきたり、供述を誘導してくることもあるでしょう。
一度、認めの調書を作成されてしまうと内容を覆すことは容易ではありませんから、やっていないことについては否認を貫くことが必要になってきます。
また、自分では認めているつもりはなくとも、話しの捉え方によっては認めているように捉えられてしまう可能性があります。
不利になる供述調書の作成を防ぐためにも、弁護士と事前に取調べ対策を行い、供述すべき内容やそうでない内容の整理やどのように供述するのかを考えておくことが重要になってくるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービス無料法律相談を行っています。
刑事事件に精通した弁護士と取調べ対策を行うことで、不利な状況に陥ることを防げるかもしれません。
殺人罪過失運転致死罪などでお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

バイク仲間のオフ会で帰宅途中にオフ会参加者をバイクで轢いてしまい、殺人罪の容疑をかけられている事例②

2025-04-30

バイク仲間のオフ会で帰宅途中にオフ会参加者をバイクで轢いてしまい、殺人罪の容疑をかけられている事例②

車が人に追突した人身事故

バイクで事故を起こし殺人罪の容疑をかけられている事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

バイクを趣味に持つAさんは、京都府福知山市にあるお店で行われるバイク仲間のオフ会に参加していました。
オフ会中にAさんはオフ会に参加していたVさんとトラブルになってしまったのですが、他のオフ会参加者による仲介によって暴力沙汰には発展しませんでした。
夜も更けてきて各々帰宅することになり、Aさんはスマートフォンで帰宅ルートを確認しながらバイクを運転しお店の駐車場を出ようとしたところ、帰宅するために駐車場内を歩いていたVさんをはねてしまいました。
事故の目撃者による通報で救急隊と警察官が駆け付け、Aさんは過失運転致傷罪の疑いで逮捕されました。
その後、Vさんの死亡が確認され、Aさんは殺人罪の疑いで捜査を受けることになりました。
Vさんとトラブルになった際に、AさんがVさんに対して「お前なんか殺してやる!バイクで轢いたらお前なんてすぐに殺せるんだからな」と発言していたことが問題視されたようです。
(事例はフィクションです。)

殺人罪

前回のコラムでは、今回の事例では過失運転致死罪が成立する可能性があると解説しました。
ではなぜ、Aさんは殺人罪の疑いで捜査を受けることになったのでしょうか。

刑法第199条
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。

殺人罪は刑法第199条で規定されており、法定刑は死刑又は無期若しくは5年以上の懲役です。

殺人罪を簡潔に表すと、人を殺すと成立する犯罪です。
ですが、人を殺したからといって必ずしも殺人罪が成立するわけではありません。
例えば、車を運転中に歩行者に気づかずに車で轢いて死亡させてしまった場合に殺人罪が成立する可能性は極めて低いと考えられます。
では、どうして今回の事例では殺人罪で捜査されているのでしょうか。

殺人罪が成立するためには、人を殺す意思が必要になります。
先ほど例示した車で人を轢き死亡させてしまった場合は、運転手が歩行者に気づいていなかったことで起きた事故ですので、運転手に歩行者を殺す意思があったとは考えにくいです。
ですので、運転手に殺人罪の故意、つまり人を殺す意思がなかったと考えられ、殺人罪は成立しないと考えられます。

一方で今回の事例では、事故直前にAさんとVさんがトラブルになっており、AさんはVさんに対して、「お前なんか殺してやる!バイクで轢いたらお前なんてすぐに殺せるんだからな」と発言しています。
AさんとVさんとの間でトラブルがあったこと、「殺してやる」と発言していたことから、AさんにVさんを殺す意思があったと判断される可能性があります。
事例では、AさんにVさんを殺す意思があったと判断されてしまい、殺人罪で捜査を受けることになったのでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所刑事事件に精通した法律事務所です。
刑事事件の豊富な弁護経験をもつ弁護士による弁護活動で少しでも良い結果を得られる可能性があります。
刑事事件でお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

バイク仲間のオフ会で帰宅途中にオフ会参加者をバイクで轢いてしまい、殺人罪の容疑をかけられている事例①

2025-04-23

バイク仲間のオフ会で帰宅途中にオフ会参加者をバイクで轢いてしまい、殺人罪の容疑をかけられている事例①

車が人に追突した人身事故

バイクで事故を起こし殺人罪の容疑をかけられている事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

バイクを趣味に持つAさんは、京都府福知山市にあるお店で行われるバイク仲間のオフ会に参加していました。
オフ会中にAさんはオフ会に参加していたVさんとトラブルになってしまったのですが、他のオフ会参加者による仲介によって暴力沙汰には発展しませんでした。
夜も更けてきて各々帰宅することになり、Aさんはスマートフォンで帰宅ルートを確認しながらバイクを運転しお店の駐車場を出ようとしたところ、帰宅するために駐車場内を歩いていたVさんをはねてしまいました。
事故の目撃者による通報で救急隊と警察官が駆け付け、Aさんは過失運転致傷罪の疑いで逮捕されました。
その後、Vさんの死亡が確認され、Aさんは殺人罪の疑いで捜査を受けることになりました。
Vさんとトラブルになった際に、AさんがVさんに対して「お前なんか殺してやる!バイクで轢いたらお前なんてすぐに殺せるんだからな」と発言していたことが問題視されたようです。
(事例はフィクションです。)

過失運転致傷罪

過失運転致傷罪過失運転致死罪は、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第5条で「自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。」と規定されています。

大まかに説明すると、バイクなどを運転するうえで払うべき注意を怠って事故を起こし人にけがを負わせると過失運転致傷罪が、死なせてしまうと過失運転致死罪が成立します。

今回の事例では、警察官が駆け付けた際にはVさんの死亡が確認されていなかったため、Aさんは過失運転致傷罪の疑いで逮捕されたのでしょう。
運転をするうえで周囲の確認に注意を配る必要がありますから、Aさんはスマートフォンでマップを確認することで周囲の確認がおろそかになってしまったのであれば運転上必要な注意を怠ったと考えられます。
VさんはAさんが起こした事故により亡くなっていますから、Aさんに過失運転致死罪が成立する可能性があります。

ではなぜAさんは殺人罪の疑いで捜査を受けているのでしょうか。
次回のコラムでは殺人罪について解説します。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービスを行っています。
交通事故や刑事事件などで逮捕された方、捜査を受けている方は、お気軽に、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

車の運転中にイノシシに当たったと思い確認せずに帰宅し、後日、ひき逃げの疑いで逮捕された事例③

2025-04-16

車の運転中にイノシシに当たったと思い確認せずに帰宅し、後日、ひき逃げの疑いで逮捕された事例③

ひき逃げ

ひき逃げ事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

Aさんは職場から帰宅するために、千葉県市南房総市内の山道を車で走行していました。
途中で車に衝撃を感じたものの、イノシシにでも当たったのだろうと思い、車を停めて確認することもなく帰宅しました。
実は、Aさんの車に当たったのはイノシシではなく事故現場近くに住むVさんであり、Vさんは事故から1時間後に病院へ搬送され、死亡が確認されました。
翌日、千葉県館山警察署の警察官がAさん宅に訪れ、Aさんは道路交通法違反ひき逃げ)、過失運転致死罪の疑いで逮捕されました。
Aさんは「人ではなくイノシシだと思っていた。」として道路交通法違反の容疑を否認しています。
(事例はフィクションです。)

逮捕と釈放

事例のAさんは事故の翌日に逮捕されたようです。
Aさんは仕事もあり早く家に帰りたいのですが、家に帰ることはできるのでしょうか。

逮捕後、72時間以内に勾留の判断が行われます。
勾留の判断は検察官からの請求を受けて裁判官が行いますので、検察官が勾留請求をしなかったり、裁判官が勾留請求を却下した場合には、勾留されずに釈放されることになります。
勾留期間は最長で20日間にも及びますから、早期釈放を目指すうえで勾留阻止に向けた身柄開放活動は重要になってきます。

先ほど述べたように、勾留は検察官が請求し、裁判官が判断を下します。
ですので、検察官に勾留請求をしないように求めたり、裁判官に勾留を決定しないように求めることで、釈放を認めてもらえる可能性があります。

刑事訴訟法第60条1項
裁判所は、被告人が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある場合で、左の各号の一にあたるときは、これを勾留することができる。
一 被告人が定まつた住居を有しないとき。
二 被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
三 被告人が逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき。

刑事訴訟法第60条1項では、勾留について規定しています。
条文によると、被告人が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があるうえで、居住地が定まっていなかったり証拠隠滅や逃亡を疑うのに相当な理由がある場合には、勾留をすることができます。
ですので、勾留を阻止するためには、証拠隠滅や逃亡のおそれがないことを主張していく必要があると考えられます。

今回の事例では、Aさんはひき逃げを疑われていますから、逃亡のおそれがあると判断される可能性が高く、勾留が決定してしまう可能性があるといえます。
逃亡のおそれがないと判断してもらうためにも、Aさんの親族がAさんの監督を約束していることなどを弁護士が検察官や裁判官に主張することで、Aさんの釈放が認められるかもしれません。

繰り返しになりますが、勾留は逮捕後72時間以内に判断されます。
ですので、勾留阻止は時間との勝負になります。
釈放を認めてもらうためには入念な準備が必要になりますから、ひき逃げなどでご家族が逮捕された場合には、お早めに弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
初回接見サービスのご予約は、0120ー631ー881までご連絡ください。

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