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空き地で交通違反・交通事故

2019-06-15

空き地で交通違反・交通事故

京都府城陽市に住むAさんはお酒を飲んだ後,駐車スペースを空けるため,空き地において軽自動車を運転したところ,たまたま近くを通りかかった京都府城陽警察署のパトカーに呼び止められました。
Aさんは,警察官から呼気検査を受けたところ,呼気1リットルにつき0.2mgのアルコールが検出されました。
そして,Aさんは,道路交通法違反(酒気帯び運転の罪)の被疑者として警察官から赤切符の交付を受けました。
Aさんとしては,「空き地であれば酒気帯び運転しても問題ない」と考えていましたが,警察官からは「私道でも交通違反になることがある」と言われてしまいました。
(フィクションです)

~ はじめに ~

自動車を運転する道は必ずしも公道だけに限らず,私道の場合もあります。
そして,そこが道路交通法上の「道路」と認められる場合である場合は,たとえ「私道」であっても道路交通法の適用を受けるのです。
そこで,今回は,道路交通法の基本中の基本である「道路」の意義を中心に解説したいと思います。

~ 道路交通法上の「道路」の意義 ~

道路交通法2条1項1号で「道路」とは,「道路法第2条第1項に規定する道路,道路運送法第2条第8項に規定する自動車道及び一般交通の用に供するその他の場所をいう」とされています。
「道路法第2条第1項に規定する道路」とは,①高速自動車国道,②一般国道,③都道府県道,④市町村道をいいます。
なお,都市高速道路は,都道府県道又は市町村道のいずれかに当たります。
「道路運送法第2条第8項に規定する自動車道」とは,専ら自動車の交通の用に供することを目的として設けられた道で道路法による道路以外のものをいい,「一般自動車道」と「専用自動車道」に分けられます。
「一般自動車道」とは,専用自動車道以外の自動車道をいい,「専用自動車道」とは,自動車運送事業者(自動車運送事業を経営 する者をいう。以下同じ。)が専らその事業用自動車(自動車運送事業者がその自動車運送事業の用に供する自動車をいいます。

~ 一般交通の用に供するその他の場所 ~

では,最後の「一般交通の用に供するその他の場所」とはどのような場所をいうのでしょうか?
「一般交通の用に供するその他の場所」とは,不特定の人や車両が自由に通行できる場所をいい,公道であるか私道であるかを問わないとされています。
そして,交通実務では,次の3点から「一般交通の用に供するその他の場所」かどうかを判断しています。

①一般交通の用に供されていると客観的に識別できること
②当該道路が反復,継続して利用されていること
③公開されていること

これらの要素が満たされた場所であれば,「私道」,「空地」,「広場」,「海辺」,「公開中の公園の道路」,「学校の構内の道路」,「神社の境内」等を問わず,道路交通法上の「道路」とされます。

~ 「道路」であるとどうなるの? ~

「道路」であると認められる場合は,道路交通法に基づく罰則を科される可能性が出てきます。
ちなみに,Aさんは酒気帯び運転をした疑いが高いわけですが,酒気帯び運転について定めた道路交通法65条1項は,まず,「何人も,酒気を帯びて運転してはならない」と規定し,さらに「運転」の意義については,道路交通法2条1項17号で「『道路』において,車両又は路面電車(以下,車両等という)をその本来の用い方に従って用いることをいう。」とされています。
したがって,「空き地,駐車場では絶対に交通違反にはならない」などという認識は誤りですから注意しましょう。

* 人身事故の場合は? *
仮に,「道路」では場所で,人身事故を起こした場合はどうでしょうか?
この場合,道路交通法の適用とありませんが,過失により人に怪我をさせたり死亡させた場合は,「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」に規定される過失運転致死傷罪に問われる可能性があります。
同罪の罰則は「7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金」です。

~ おわりに ~

道路交通法は,「道路」における危険を防止し,その他交通の安全と円滑を図り,及び道路の交通に起因する障害の防止に資することを目的としています。
したがって,道路交通法を理解することは「道路」意義を理解するといっていいほど「道路」の意義は重要です。
皆さんも,日頃運転している道が「道路」なのか否か少し気に留めてみてはいかがでしょうか?

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直進車と右折車の交通事故

2019-06-10

直進車と右折車の交通事故

Aさんは、普通乗用自動車を運転して兵庫県尼崎市内の交差点を直進しようとしてたところ、Vさん運転の軽自動車が同交差点を右折してきた(Aさんから見て左折してきた)ため、これを避けようとしてハンドルを左に切りました。
しかし、Aさんの車はVさんの車と衝突してしまい、さらに交差点で信号待ちをしていた歩行者Wさんにも衝突させるなどして怪我を負わせてしまいました。
事故後、兵庫県尼崎北警察署の警察官が現場に駆け付け、Aさん、Vさんは過失運転致傷罪の被疑者として捜査を受けることになりました。
(事実を基にしたフィクションです)

~ はじめに ~

先日、滋賀県大津市内の信号交差点で、直進車と右折車が衝突し、右折車を避けようとした直進車が保育園児らの列に突っ込み、園児2名を死亡させ、14人に重軽症の怪我を負わせるという痛ましい悲惨な事故が起きたことは記憶に新しいと思います。
報道によると、交通事故に関して、直進車の運転者の方は「突然、右折してきた」「右折車をよけようとハンドルを左に切った」と話しており、直進車の運転者の方は「前をよく見ていなかった」などと話しているとのことです。
全国的にみても、交差点における「直進車と右折車」の交通事故は比較的多いかと思われます。
そこで、今回は「直進車と右折車」の交通事故に関する基本原則について確認していきたいと思います。

~ 基本的には右折車が悪い ~

交差点における直進車と右折車の交通事故においては、通常、「直進車が優先」です。
したがって、交差点における直進車と右折車の交通事故の場合、右折車の運転者に過失有りとされることが多いかと思います。
これは、道路交通法37条が、

車両等は、交差点で右折する場合において、当該交差点において直進し、又は左折しようとする車両があるときは、当該車両等の進行を妨害してはならない

としているところに根拠があります。
これを直進車の運転者側から解釈すると「右折車両が交通法規(道路交通法37条)に従って停止し、自車の通過を待つものと信頼して進行することが許されている」ということができます。

~ 例外もある ~

しかしながら、どのような場合でも右折車の運転者に過失があり、直進車の運転者には過失がないというわけではありません。
例えば、直進車の運転者が法外な速度で交差点に進入してきた場合などです。
そのような場合、右折車の運転者において、法外な速度で交差点に進入してくることまで予測して、安全を確認すべき注意義務(過失)はないとされます。
同種事例における過去の裁判例では、右折車運転者の過失を否定したもの(平成13年10月24日、東京高裁など)もあれば、肯定したもの(平成5年2月1日、仙台高裁など)もあります。

~ どうして直進者の運転者も被疑者扱い? ~

これまでご説明してきた内容からすれば、基本的に直進車の運転者は「被害者」となり得ると思います。
しかし、事例や大津市で起きた交通事故の直進車の運転者は被疑者として扱われています。
どうしてでしょうか?

それは、まず、直接に被害者を死亡させたり、怪我を負わせているのは直進車の運転者だからです。
刑事事件では、まず、結果(死亡、怪我)を発生させた直接の原因となる行為をした人に焦点を当てます。
それが、直進車の運転者だったということになります。

また、事故直後では、直進車の運転者に過失があるのか、右折車の運転手に過失があるのか証拠関係から明らかでなく不明です。
そこで、直進車の運転者も被疑者として扱われたものと考えられます。

~ AさんVさんの刑事処分、量刑は? ~

まず、Aさんについてですが、Aさんに過失が認められない限りは、不起訴処分(起訴猶予あるいは嫌疑不十分)となる可能性が高いと考えます。

次に、Vさんについてです。
まず、Vさんに過失が認められ、それによってWさんが怪我をした、つまり過失と結果との間に因果関係が認められる場合は起訴される可能性が高いでしょう。
略式起訴か正式起訴からは、Wさんの怪我の程度などの事情にかかってきます。

~ おわりに ~

今回は、実際に起きた交通事故を基に事例を作成しています。
この記事を読まれて、少しでも日頃の運転、特に交差点における運転に注意していただければ幸いです。

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大阪府箕面警察署管内のひき逃げ事件

2019-06-05

大阪府箕面警察署管内のひき逃げ事件

【事件】
通勤中のAさんは、大阪府箕面市の路上を会社に向かって自動車で走行中、信号がついている交差点に進入したところで何か物に当たったような重たい音と小さな揺れを感じました。
場所は住宅街で死角も多く、Aさんはもしかしたら人をはねたかもしれないと思いましたが、会社に急いでいたためそのまま走り去りました。
そのとき信号はちょうど黄色から赤色に変わったところでした。
帰宅途中、Aさんは通勤中に物音と揺れを感じたあたりで、大阪府箕面警察署の警察官に停止を求められ、Aさんは停車しました。
警察官は、今朝この付近で人が車にはねられてけがをする事件が発生しておりその犯人を捜していること、被害者の証言と一致した車種と色の車に職務質問をしていることを告げ、何か知っていることや心当たりのあることはないかAさんに質問しました。
Aさんはもしかしたら自分かもしれないと思い、その旨を告げると警察官とともに大阪府箕面警察署に向かいました。
Aさんの証言と自動車についた傷などの状況から、警察官はAさんを過失運転致傷罪(自動車運転死傷行為処罰法第5条)および道路交通法違反(同法72条)の容疑者として捜査を行うことにしました。
(フィクションです)

【ひき逃げ】

一般にいうひき逃げとは、道路交通法の第72条に違反することをいいます。
交通事故に関係した車両等の運転者等について、道路交通法第72条には次のような義務があると定められています。

① 直ちに運転を停止する義務
② 負傷者の救護義務
③ 道路上の危険防止の措置義務
④ 警察官に、発生日時、死傷者・物の損壊の状況や事故後の措置、積載物を報告する義務
⑤ 報告を受けた警察官が必要と認めて発した場合に、警察官が到着するまで現場に留まる命令に従う義務

これらのうち②救護義務違反と④報告義務違反の場合がひき逃げとされることが多いです。

今回のケースを見れば、Aさんは被害者を救護する行為や警察に報告する行為をしていないため、②と④の義務に違反していると認められひき逃げとなると考えられます。
ひき逃げをした場合の法定刑は、

②救護義務違反の場合は10年以下の懲役又は100万円以下の罰金(事故の原因が本人に無い場合は5年以下の懲役または50万円以下の罰金
④報告義務違反の場合は3月以下の懲役または5万円以下の罰金

となります。
①の救護義務違反と④の報告義務違反は「一個の行為」であり観念的競合とするとした判例がありますので、この場合はより重たい10年以下の懲役又は100万円以下の罰金の範囲で刑が決まります。

【過失運転致死傷罪】

過失運転致死傷罪は、自動車の運転に必要な注意を怠ったために人を死傷させた場合に成立します。
この事件の場合、被害者はけがをしたにとどまっていますので、過失運転致傷罪になります。
この罪の法定刑は7年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金です。
また、この罪は但書で被害者のけがが軽い場合はその刑を免除することができるとされています。
今回、Aさんは信号が赤色の灯火に変わった交差点に進入し、もしこのときに赤色の灯火を不注意により認識していなかったこと等の事情が認められれば、自動車運転上必要な注意を怠った(過失がある)と認められることになります。

【危険運転致傷罪】

注意しなければならないのは、今回の事件のようなケースですと、さらに重い罪に問われる可能性があるということです。
それは、危険運転致死傷罪(自動車運転死傷行為処罰法第2条)です。
この罪は、

1.アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状況で自動車を走行させる行為
2.進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為
3.進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為
4.人または車の通行を妨害する目的で走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人または車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を走行させる行為
5.赤色信号またはこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を走行させる行為
6.通行禁止道路を進行し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為

のいずれかに当たる行為を行って人を死傷させた場合に成立します。
法定刑は、被害者を死亡させた場合に1年以上の有期懲役、負傷させた場合は15年以下の懲役となっています。
「重大な交通の危険を生じさせる速度」とは、判例によれば、時速20キロから30キロの速度で走行していれば、危険速度に当たるとされる場合が多いようです。

今回の場合ではAさんは赤信号の交差点に減速することなく進入しけがをさせていますので、場合によっては5.の類型に当たることも考えられます。
赤信号を殊更に無視するとは、赤色信号であることの確定的な認識がない場合であっても、信号の規制自体に従うつもりがないため、その表示を意に介することなく、たとえ赤色信号であったとしてもこれを無視する意思で進行する行為をも含(最決平20・10・16刑集62巻9号2797頁)みます。
Aさんは仕事に遅れないよう信号に従わず車を走行させていますので、危険運転致傷罪の容疑に切り替わる可能性もありそうです。

【弁護活動】

Aさんに依頼された弁護士の活動としては、まず被害者との示談を目指して活動していくことが考えられます。
示談をすることで被害感情の治まりをアピールすることができ、不起訴処分や罰金刑での事件収束、執行猶予の獲得も期待できます。

対人の交通事故を起こしてしまった方、ご家族やご友人が大阪府箕面警察署ひき逃げ事件の取り調べを受けて困っている方は、交通犯罪に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談下さい。

過失運転致死罪から殺人罪へ

2019-05-31

過失運転致死罪から殺人罪へ

Aさん(45歳)は、埼玉県蕨市を通っている一般道において車を時速60メートルで運転していたところ、携帯電話に脇見をして前方を左から右へ横断中のVさん(78歳)に自車を衝突させてその場に転倒させてしまいました。
Aさんは、車が少し浮いたような感じだったことから「Vさんに乗り上げたかもしれない」とは思いましたが、「Vさんが死んでも、誰も見てないし見つかりはしない」と思い、車から降りてVさんの様子を確認することなくその場を後にしました(Vさんはその後死亡)。
そうしたところ、Aさんは、埼玉県蕨警察署過失運転致死罪で逮捕され、その後、殺人罪に切り替え起訴されてしまいました。
Aさんは「殺すつもりはなかった」などと話しています。
(フィクションです)

~ 過失運転致死罪と殺人罪 ~

まず始めに、過失運転致死罪殺人罪について簡単にご紹介いたします。

= 過失運転致死罪 =

過失運転致死罪は「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(以下、法律)」という法律の第5条に規定されています。

法律5条
自動車の運転上必要な注意義務を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。
ただし、傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

この条文の「必要な注意義務を怠り」という部分が「過失」にあたります。
自動車運転者としては、前方左右をよく確認しながら運転することが求められますから、今回のAさんは「携帯電話を脇見したこと」が「過失」に当たると判断され逮捕されてしまったのでしょう。

= 殺人罪 =

殺人罪は刑法199条に規定されています。

刑法199条
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。

交通事故といえば、過失運転致死罪のほか過失運転致傷罪、危険運転致死傷罪などの罪名を思い浮かべる方も多い方とは思いますが、事案によっては刑法に規定されている罪名も適用されることは十分あり得ます。
今回はVさんが死亡しているので殺人罪で起訴されていますが、怪我など傷害を負わせた場合は「傷害罪(刑法204条)」、その結果、人を死亡させた場合は「傷害致死罪(刑法205条)」が適用されます。

~ なぜ、殺人罪?? ~

では、なぜ、Aさんは殺人罪で起訴されてしまったのでしょうか?
この点に関しては、過失運転致死罪は「過失犯」と殺人罪は「故意犯」という罪の性質の違いが大きく影響しています。
過失とは、不注意によって、結果(本件の場合、Vさんの「死」)発生に対する認識、認容しなかったこと、反対に、故意とは、結果(本件の場合、Vさんの「死」)発生に対する認識、認容があることをいいます。
殺人罪の場合、故意は殺意とも言われます。
したがって、過失運転致死罪殺人罪との分水嶺は「殺意」の有無にありそうです。

~ 殺意の認定は難しい ~

殺意とは,要は「人の内心」ですから,本人が語らなければ殺意があったかどうか認定することは難しくなります。
刑事実務では,加害者の供述のほかに、被害者の受傷の部位、受傷の程度、犯行道具の有無・内容、犯行態様、犯行に至るまでの経緯、犯行時の加害者の言動、犯行後の言動などの要素から殺意を認定するとしています。

しかし、交通事故に関しては、さらに認定が難しいと思われます。
なぜなら、交通事故の場合、「明らかに車を走らせる場所ではない場所で、特定人の歩行者めがけて車を走らせて衝突させ、歩行者を死亡させた」などという明らかに殺意が認められるケースは稀だからです。

~ 過失運転致死罪から殺人罪は稀 ~

したがって、過失運転致傷罪から殺人罪に切り替えられて起訴されるケースは極めて稀といっていいでしょう。
しかし、その可能性が全くないかといえばそうではありません。
交通事故の場合、事故現場にどういう痕跡が残されていたかも重要です。
例えば、事故現場にブレーキ痕が全く残っていなかったという場合は「殺意」有りとの認定に傾くでしょうし、反対に残っていた場合は「殺意」なしの認定に傾きます。

いずれにしても、過失運転致死罪の法定刑と殺人罪との法定刑とには大きな開きがありますから、殺意の認定には慎重な検討が求められます。

また、裁判でも明らかにしていく必要があるでしょう。

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埼玉県蕨警察署までの初回接見費用:37,300円)

バイクで飲酒運転

2019-05-26

バイクで飲酒運転

神奈川県茅ケ崎市に住むAさんは、高校時代の友人と飲み会をすることになり、バイクで居酒屋に向かいました。
久しぶりに会った友人との飲み会は大いに盛り上がり、Aさんはかなり酔っぱらってフラフラな状態でした。
その後、飲み会が終わり、解散することになりました。
フラフラな状態のAさんを見て友人は、「バイク置いてタクシーで帰れよ」と言いました。
それに対しAさんは、「近くだからバイク押して帰る」などと言いながら、バイクを押して帰っていきました。
Aさんは、途中でバイクを押すことに疲れ、バイクを運転してしまいました。
しかし、フラフラな状態のAさんは、案の定、バランスを崩して転倒。
歩道にバイクごと乗り上げ、歩行者とぶつかりケガをさせてしまいました。
Aさんもケガをしたことから、歩行者とともに救急車で病院に運ばれました。
翌日、Aさんの入院する病院に神奈川県茅ケ崎警察署の警察官が訪れ、もう少し回復したら取調べをする旨を言い残し、帰っていきました。
Aさんはどうなってしまうのでしょうか。
(フィクションです)

~バイクの飲酒運転もダメ、ゼッタイ~

飲酒運転で人を死傷させたニュースを見ると、自動車を運転して事故を起こしたケースが多いと思います。
しかし、当然ながらバイク・原付での飲酒運転も禁止されており、事故を起こした際には自動車の飲酒運転の場合と同じ法律が適用されます。
条文を見てみましょう。

——————

道路交通法
第65条1項
何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。

第117条の2
次の各号のいずれかに該当する者は、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
第1号 第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等を運転した者で、その運転をした場合において酒に酔つた状態(アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態をいう。以下同じ。)にあつたもの

第117条の2の2
次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
第3号 第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等(軽車両を除く。次号において同じ。)を運転した者で、その運転をした場合において身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態にあつたもの

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(自動車運転処罰法)
第2条
次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は1年以上の有期懲役に処する。
第1号 アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為

第3条
アルコール又は薬物の影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、そのアルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態に陥り、人を負傷させた者は12年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は15年以下の懲役に処する。

第5条
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。
ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

——————

飲酒運転には、罪が軽い順に以下のような罪が成立する可能性があります。

①酒気帯び運転の罪(道路交通法第65条1項、第117条の2の2第3号)
②酒酔い運転の罪(道路交通法65条1項、第117条の2第1号)
③過失運転致傷罪(自動車運転処罰法5条)+①または②
④自動車運転処罰法3条の危険運転致死傷罪
⑤自動車運転処罰法2条1号の危険運転致死傷罪

①と②は事故を起こしていなくても飲酒運転をした時点で成立し、免許取消しや免許停止にもなるでしょう。
①はろれつが回らなかったり、千鳥足になっているなど、正常な運転が出来ない恐れがある場合で、そこまでではないが飲酒はしているという場合が②です。

さらに人をケガさせたり、死亡させた場合には、③④⑤が成立する可能性が出てきます。
③は、飲酒運転をしているが、事故の直接の原因が飲酒運転以外にある場合(たとえばわき見運転やスピード違反)に成立します。

④と⑤は事故の直接の原因が飲酒運転にある場合です。
⑤は最初から正常な運転が困難な状態で運転した場合を規定しています。
④は正常な運転に支障が生じるおそれがあるにとどまる状態で運転をはじめ、やがて正常な運転が困難な状態に陥って事故を起こした場合を規定しています。
⑤の方がより悪質なので、より重い刑罰が定められています。

~逮捕・懲役の可能性も~

今回のAさんのような場合にどの条文が適用されるかの判断は難しいところです。
実際には、より詳しい事情もふまえて判断されることになりますが、居酒屋を出た時やバイクを乗る時にフラフラだったことを考えれば、一番重い⑤の危険運転致傷罪が成立する可能性も否定できません。

そして警察はAさんの回復を待ってAさんを逮捕するかもしれません。
その後、刑事裁判を受けて、懲役刑を受ける可能性もあるでしょう。

自動車での飲酒運転はもちろん、バイク・原付の飲酒運転で交通事故を起こした場合も、一度弁護士に相談されるとよいでしょう。
弁護士であれば、それぞれの事案に応じた今後の見通しや、取調べの受け方についてアドバイスすることができます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事弁護を専門とする弁護士による法律相談が初回無料となっております。
ぜひ0120-631-881までご連絡ください。
神奈川県茅ケ崎警察署までの初回接見費用:37,600円

東京都東久留米市で示談・不起訴獲得

2019-05-21

東京都東久留米市で示談・不起訴獲得

~ケース~
会社員のAさんは,東京都東久留米市で自動車を運転中,ふとよそ見をしていたところ,わき道から歩いて来たVさんと接触してしまった。
Vさんはその場で転倒し,全治2週間の怪我を負ってしまった。
Aさんはその場で警視庁田無警察署に通報し,救急車を呼んで事故の対応をした。
ところで,Aさんは取締役をしており,規則には刑事罰を受けた場合には取締役から外される旨が定められていた。
Aさんは事故を不起訴にできないかと弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士に相談した。
(フィクションです。)

~過失運転致傷~

今回のAさんのような交通事故自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(通称:自動車運転処罰法)の過失運転致傷罪(第5条)となります。
過失運転致傷罪の法定刑は7年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金となっています。
また,軽傷の場合には刑の裁量的免除ができる規定がありますが,今回のケースでは全治2週間ですので軽傷というのは難しいと思われます。
そのため,Aさんが刑事罰を受けないためには事件が刑事裁判とならない,すなわち不起訴処分となるように活動する必要があります。

~不起訴処分~

刑事事件が起きた場合には警察による捜査を経て,原則的に事件は検察官に送致されます。
事件の送致を受けた検察官は事件を起訴するか不起訴とするかを決定します。
事件が起訴された場合には刑事裁判を受けることになり,ほとんどの場合に刑事罰を受けることになります。
一方で,不起訴となった場合には事件はそこで終了し刑事裁判を受けることも刑事罰を受けることもありません。

不起訴処分には事件事務規定75条2項によって全部で20種類に分類されていますが不起訴処分のほとんどは起訴猶予によるものです。
起訴猶予とできる場合としては「被疑事実が明白な場合において,被疑者の性格,年齢及び境遇,犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないとき。」とされています。
すなわち,検察官が刑事罰を科す必要がないと判断した場合に起訴猶予の不起訴処分とすることになります。
刑事罰を科す必要があるかどうかの判断は事件を担当する検察官によって異なりますが,多くの場合は,事件の態様,被疑者の前科の有無,被害弁償の情況,被害者の処罰感情などが考慮されます。

~弁護活動~

前科のない方の交通事故の場合,重大な事故でなければ被害者の方と示談が成立すれば起訴猶予となる場合も見られます。
その為,起訴猶予となるためには被害者の方と示談をすることが重要となります。
しかし,交通事故の被害者の方と面識があるというケースは非常に稀でしょう。
そのため,示談交渉をしようと思っても被害者の方の連絡先などがわからないことがほとんどだと思います。
弁護士であれば,警察や検察官から被害者の方の同意のもと,連絡先を取り次いでもらえる場合もあります。
被害者の方の連絡先を取り次いでもらえれば,示談交渉も可能となります。

示談の際には,示談書に「加害者を許す,刑事処罰を求めない」という内容の宥恕条項を盛り込んでもらうことが重要になります。
先ほど述べた通り,起訴猶予の不起訴処分には被害者の処罰感情も考慮されます。
事件の内容にもよりますが,被害者と加害者の間で事件が解決しているような場合にあえて国家が刑事罰を科す必要はないと考えられるからです。

また,今回のケースではAさんは事故直後に警察・救急車を呼んでおり報告義務・救護義務違反など(いわゆるひき逃げ)を犯していないことも重要です。
いわゆるひき逃げを犯してしまった場合には軽微な事故で示談が成立している場合であっても不起訴処分とならない場合もありますので注意が必要です。
交通事故を起こしてしまった場合にはまずは交通事故の刑事弁護に詳しい弁護士に相談されることをお勧めします。

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事務所での法律相談は初回1時間無料です)

ひき逃げ,当て逃げの弁護方針は?

2019-05-16

ひき逃げ,当て逃げの弁護方針は?

東京都杉並区に住むAさんは,ひき逃げ事故を起こしたとして警視庁杉並警察署に,過失運転致傷罪,道路交通法違反の容疑で逮捕されました。
逮捕の知らせを受けたAさん妻は,交通事件に強い弁護士にAさんとの接見を依頼しました。
(フィクションです)

~ ひき逃げと当て逃げの違い ~

ひき逃げ」は,①車両等(軽車両を除く)の運転者が,当該車両等の交通による人の死傷があった場合(交通事故のうち人身事故があった場合)において,直ちに車両等の運転を停止して,負傷者を救護し,道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない(以下,救護義務)にもかかわらず,救護義務を果たさなった場合,あるいは,②①の場合において,人の死傷が当該運転者の運転に起因するものであるのに,救護義務を果たさなかった場合に成立する犯罪です(道路交通法72条1置く)。
①の法定刑は5年以下の懲役又は50万円以下の罰金(道路交通法117条1項),②は10年以下の懲役又は100万円以下の罰金(117条2項)です。

* ①と②の違い *
①と②との法定刑は大きく違います。
なぜ,このように違いがあるかというと,②の場合は「人の死傷が当該運転者の運転に起因」した場合の救護義務違反の規定で,①の場合よりも悪質であるからです。
これが①と②の大きな違いです。
例えば,道路脇の影から子供が突然飛び出し(当該車が適法に走っていた際のスピードの制動距離範囲内に飛び込んできた),怪我を負わせたあるいは死亡させたとします。
この場合,通常,子供の死傷が「当該運転者の運転に起因」したとは認められません。
よって,この場合,救護義務違反をすれば①が適用されることになります。
言い方を変えれば,自己に過失なく人を死傷させた場合でも救護義務は発生しますから注意が必要です。

* 同時に処理される罪 *
よく,ひき逃げと同時に処理される罪として過失運転致死傷罪7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金),危険運転致傷罪(15年以下の懲役),危険運転致死罪(1年以上の有期懲役)などがあります。
危険運転致死傷罪には罰金刑がありませんから,同時に起訴されれば,ひき逃げでも懲役刑を選択されます。
過失運転致死傷罪で罰金刑を選択された場合は,ひき逃げでも罰金刑が選択されますが,①の場合,150万円(100万円+50万円)以下の罰金,②の場合,200万円(100万円+100万円)以下の範囲ので刑が科されます。

当て逃げ」は,交通事故のうち物損事故があった場合において,当該交通事故に係る車両等の運転手等が救護義務を果たさなかった場合に成立する犯罪です。法定刑は1年以下の懲役又は10万円以下の罰金(道路交通法117条の5第1号)です。 

~ ひき逃げ,当て逃げの弁護方針 ~

ひき逃げの場合も当て逃げの場合も,交通事故を起こしたなどたことの認識(「人を怪我させた死亡させた」,人を怪我させたかもしれない,死亡させたかもしれない」など)がなければ成立しません。
そこで,運転者本人から交通事故に至るまでの経緯,交通事故の状況等を詳しくお聴き取りをする必要が出てくる場合もございます。

また,上記のとおり,運転者本人の運転に起因するかどうかで法定刑が異なりますから,客観的証拠から事故の状況を詳しく検討する必要が出てくる場合もございます。
ひき逃げ当て逃げいずれの場合も,被害者への謝罪,被害弁償が必要である点はいうまでもありません(罪を認める場合)。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,ひき逃げ当て逃げなどの交通事故・刑事事件専門の法律事務所です。
ひき逃げ当て逃げを起こしお困りの方は,まずは0120-631-881までお気軽にお電話ください。
警視庁杉並警察署までの初回接見費用:35,200円)

過失運転致死罪で逮捕・交通事件における弁護活動

2019-05-11

過失運転致死罪で逮捕・交通事件における弁護活動

Aは福岡県直方市において、自車を運転しながら、所有しているスマートフォンを操作したことで、前方の確認を怠り、停止していたV車に追突し、これによりVは死亡した。
福岡県直方警察署の警察官は、Aを過失運転致死罪の疑いで逮捕した。
Aの家族は、人身事故などの交通事件に強いと評判の弁護士に相談することにした。
(本件は事実を基にしたフィクションです。)

~スマートフォン等によるながら運転で死亡事故~

Aは、自車をV車に追突させ、Vを死亡させたことによって過失運転致死罪で逮捕されてしまっています。
自動車運転死傷行為等処罰法5条本文は、「自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する」と、過失運転致傷罪とともに過失運転致死罪も定めています。
過失運転致死罪は、元々同様の条文が刑法211条2項によって規定されていたものです。
交通事故被害者家族の署名運動などを契機に交通事件に対する厳罰化の世論の高まりもあり、現在では自動車運転死傷行為等処罰法として立法された(2014年に施行)、特別法によって処罰が規定されています。

過失運転致死罪にいう「必要な注意を怠り」とは過失のことであり、自動車の運転上尽くすべき注意義務を尽くさずこれに違反して、人を死亡させてしまった場合に、過失運転致死罪の適用が問題となります。
近年では、携帯電話からより多機能なスマートフォンの所有率が急増し、いわゆる「ながら運転」による交通事故事件も増加傾向にあるといわれています。
本件も含めスマホの操作等に気を取られ、前方注視の義務を怠った場合に過失が認められることには争いがないことがほとんどでしょう。

~交通事件における刑事弁護活動~

交通事件において弁護士としては、刑事裁判を回避する不起訴を目指しつつ、起訴された場合には執行猶予を得るための弁護活動を行っていくことが考えられます。
もっとも、本件では死亡という結果を引き起こしてしまっている以上、被害者の処罰感情も高く、結果の重大性から起訴は避けられない可能性もあります(この点については、被害者側の過失なども考慮されることになると思われます)。

ただ、本件のようなスマートフォンの操作等によるながら運転による事故も、過失の態様は様々といえます。
例えば、身につけていたり車内に置いていたりしたスマホが床に落ちてしまい、これを拾おうとして前方不注視により事故を起こしてしまった場合と、スマホに入っているアプリ等でゲームをしながら運転していたために事故を起こしてしまった場合とでは過失の態様が大きく異なります。
裁判例(大阪高判平30年10月4日等)にも、スマートフォンには、小さい画面に意識を集中させ、旧来の携帯電話よりも画面の確認が不可欠になるため、意識を奪われやすいという特徴があり、(上記の後者の例のような場合には)運転者が積極的にながら運転を選択したという点で非難の程度が高い旨を指摘するものがあります。
したがって、弁護士としては、情状面においても、過失の態様について詳しく被疑者・被告人から聞き取り、場合によっては自ら調査するなどの弁護活動が重要となってきます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、過失運転致死事件などの人身事故も含む刑事事件専門の法律事務所です。
刑事事件において逮捕されてしまった場合、弁護士による素早い接見(面会)と事件に対する経緯の聞き取りなどが肝要です。
過失運転致死事件で逮捕された方のご家族は、24時間対応のフリーダイヤル(0120-631-881)までお問い合わせください。
刑事事件専門の弁護士が迅速な弁護活動を行うためにも、お早目のお電話をお待ちしております。

京都市左京区内の酒気帯び運転事件

2019-05-06

京都市左京区内の酒気帯び運転事件

~ケース~
Aさんは京都市左京区にある居酒屋でアルコールを飲んだ後、そのまま運転してきた自動車を運転して帰路につきました。
帰宅途中、京都府下鴨警察署のパトカーに停止を求められたので、酒気帯びが発覚するとまずいと思い、スピードを上げて逃走しました。
結局、パトカーに追いつかれて止められたのですが、Aさんからアルコールの臭いがするので、警察官は呼気検査を行いました。
検査の結果、呼気1リットルにアルコールが0.35ミリグラム含まれていることが判明したので、Aさんは酒気帯び運転の疑いで現行犯逮捕され、京都府下鴨警察署で取調べを受けています。
(フィクションです)

~酒気帯び運転の罪について解説~

道路交通法第65条1項は、酒気を帯びて車両等を運転することを禁止しています。
これに違反して車両等(軽車両は除かれます)を運転し、その運転をした場合において身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態にあった場合に、酒気帯び運転の罪が成立します。
酒気帯び運転の法定刑は3年以下の懲役又は50万円以下の罰金です(道路交通法第117条の2の2第3号)。

「政令で定めるアルコールの程度」は、血液1ミリリットルにつき0.3ミリグラム又は呼気1リットルにつき0.15ミリグラムです(道路交通法施行令第44条の3)。

Aさんは、警察官による呼気検査の結果、呼気1リットルにアルコールが0.35ミリグラム含まれている状態で自動車を運転したことが判明しました。
このような状況では、酒気帯び運転の罪が成立する可能性は極めて高いと思われます。

~逮捕されたのはなぜか?~

刑事手続は任意捜査が原則であり、逮捕などの強制の処分はあくまでも例外的な措置です。
したがって、現行犯であっても、逃亡や罪証隠滅のおそれがないのに逮捕をすると、違法な逮捕となります。
Aさんが逮捕された理由は、パトカーの停止の求めに応じず、スピードを上げて逃走したことにより、逃亡のおそれがあると判断されたからであると考えられます。

~ちなみに呼気検査を拒否するとどうなるか?~

酒気帯び運転などを見極めるための呼気検査を拒否すると、呼気検査拒否、妨害罪で検挙される場合があります。
呼気検査拒否、妨害罪はその名の通り、道路交通法第67条3項の規定による警察官の検査を拒み、又は妨げる犯罪です。
法定刑は3月以下の懲役又は50万円以下の罰金です。
もちろん犯罪なので、酒気帯び運転ではなく、呼気検査拒否、妨害罪で現行犯逮捕されることも考えられます。
さらに、鑑定処分許可令状や身体検査令状を請求され、強制的に採血されることもあります。
採血の結果が、酒気帯び運転を行ったことを立証する証拠となります。
むやみに呼気検査を拒否することは、無用なリスクを生むため、得策ではないでしょう。

~逮捕されたAさんはどうなる?~

逮捕されてしまえば、警察署に引致され、取調べを受けます。
釈放されない場合には、逮捕時から48時間以内に検察へ身柄が送致され、検察官の取調べを受けます。
検察官は、身柄を受け取った時から24時間以内にAさんの勾留を請求するか、釈放するか、あるいは起訴するかを決めます。
勾留請求をされた場合、裁判官がAさんを勾留するかどうかを決めます。
勾留請求が却下されれば、釈放されますが、勾留決定が出されれば最長10日間、勾留延長がなされればさらに最長10日間身体拘束をされます。
逮捕され、勾留、勾留延長されると、捜査段階で最長23日間外に出られない、ということになります。

~身柄解放活動を弁護士に依頼~

上記のように逮捕後に長期間勾留されると、職場復帰などに悪影響が生じます。
23日間も無断欠勤をすると、勤務先から懲戒処分を受け、解雇されることも十分考えられます。
したがって、逮捕されてしまった場合には、まず勾留をさせないこと、勾留されてしまった場合には、勾留決定に対する不服申し立て、保釈請求などを通じ、なるべく早く外に出られるよう活動することが大切です。

身柄解放活動には、刑事手続に関する高度な知識を要します。
したがって、弁護士に身柄解放活動を依頼し、なるべく早くAさんが外に出られるよう動いてもらうのが適切です。
弁護士は法律の専門家でありますから、疑問に思ったことを尋ねることもできます。
依頼した弁護士はAさんの利益のために活動する、心強い存在となるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を専門に扱う法律事務所であり、酒気帯び運転事件の解決実績も豊富です。
ご家族、ご友人が酒気帯び運転事件を起こし逮捕されてしまった方は、お気軽にご相談ください。

初回接見サービスのご依頼は0120-631-881まで。
京都府下鴨警察署までの初回接見費用:35,000円

神戸市長田区のスピード違反

2019-05-01

神戸市長田区のスピード違反

~ケース~
神戸市長田区在住のAさんはある日,出産間近の妻が陣痛を訴えたため,急いで妻を病院に連れて行くために一般道路を時速110km程度の速度で走行した。
その際,法定上限速度は時速60kmであったため,道路に設置してあったオービスが作動した。
後日,オービスによって撮影された写真からAさんはスピード違反をした道路交通法違反の疑いで兵庫県長田警察署によって呼び出しを受けた。
(フィクションです)

~オービス~

オービスとは正式には自動速度違反取締装置といい,公道上の特定の場所に設置されています。
オービスが作動すると当該車両の速度を記録し,ナンバープレートおよび運転手の撮影が行われます。
基本的には一発免停となる非反則行為の違反のみを取締対象としており,一般道路では時速30km,高速道路では時速40km以上のスピード違反(速度超過)の際に作動します。
オービスによって撮影されると,数日から遅くとも30日以内に警察から当該車両の所有者に出頭通知が送付されます。

このオービスによる撮影は,車両の運転者を無断で撮影しているのでプライバシーの侵害に当たるのではないかと指摘されています。
また,助手席に同乗している違反者ではない者も同時に撮影されるため,同様にプライバシーの侵害に当たると指摘されています。
加えて,オービスが作動した現場には通常警察官はおらず,違反者は後日,呼出しを受けた際に初めて弁明の機会が与えられるので,警察官による取り締まりに比べて,被疑者の防御権が著しく制限されていると指摘されています。

プライバシーの侵害について,昭和44年12月24日の最高裁判所大法廷判決を踏まえ,「犯罪が現に行われ」「証拠を確保する必要性および緊急性があり」「方法が合理的である」場合には本人の同意がなくとも警察官による容貌の撮影が許容されるとしています。
オービスによる取り締まりは,最高速度超過という「犯罪が現に行われ」ており,その場で撮影しなければ走り去ってしまうため「証拠を確保する必要性および緊急性があり」,「合理的な方法」による撮影であるから,プライバシー権の侵害とはならないとされています。

~赤切符の場合~

一発免停となるスピード違反(速度超過)の場合,反則金のみで事件終了とはならず,刑罰の対象となります。
スピード違反(速度超過)で起訴された場合,6ヵ月以下の懲役または10万円以下の罰金となります(道路交通法118条)。
しかし,今回のケースでは,Aさんは陣痛を訴えた妻を病院に連れていくためにやむを得ず高速で道路を走行したのですから,正当防衛または緊急避難が成立しないでしょうか。
それぞれ条文を確認してみましょう

刑法36条(正当防衛)
1.急迫不正の侵害に対して,自己又は他人の権利を防衛するため,やむを得ずにした行為は,罰しない。

刑法37条(緊急避難)
1.自己又は他人の生命,身体,自由又は財産に対する現在の危難を避けるため,やむを得ずにした行為は,これによって生じた害が避けようとした害の程度を超えなかった場合に限り,罰しない。
ただし,その程度を超えた行為は,情状により,その刑を減軽し,又は免除することができる。

正当防衛は,急迫不正の侵害に対して防衛行為を行った場合には罰しないという規定になります。
不正とは違法であることをいいますので,今回のケースでは違法な侵害行為があったとはいえませんので正当防衛を主張することは難しいでしょう。

しかし,緊急避難であれば現在の危難に不正であることは求められていません。
Aさんの妻が陣痛を訴えたことは,身体に対する現在の危難であるといえるでしょう。
そして,その現在の危難を避けるため,やむを得ずスピード違反(速度超過)をしたことになりますので緊急避難が成立するように思われます。
しかし,緊急避難の成立は正当防衛の成立よりも要件が厳格であり,緊急避難を主張しても簡単には認めてもらえません。
そこで,刑事事件の弁護経験が豊富な弁護士に相談し,緊急避難の成立を正しく主張してもらうことで,認めてもらえる確率を上げていくことをおすすめいたします。
また,緊急避難が認められない場合でも,弁護士に主張してもらうことで,過剰避難として刑の免除や減軽を求めていくこともできるでしょう。
まずは刑事事件の弁護経験の豊富な弁護士に相談されることをおすすめします。

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