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人身事故を起こし、ひき逃げ

2019-08-19

人身事故を起こし、ひき逃げ

Aさんは埼玉県川口市内で自動車を運転中、赤信号を見落として交差点に進入し、Aさんからみて右方向から青信号に従い交差点に進入してきたバイクと接触し、運転手Vさんに傷害を負わせてしまいました。
Aさんは車を停めてVさんの様子を見に行きましたが、怪我の様子を見て怖くなり、そのまま事故現場を立ち去り、帰宅しました。
次の日、Aさんの自宅に逮捕状を携えた埼玉県川口警察署の警察官が現れ、Aさんは過失運転致傷罪救護義務違反の疑いで逮捕されてしまいました。
(フィクションです)

~Aさんは上記の罪に問われるか?~

ここ数年間で、自動車を運転し、人を死傷させる行為の厳罰化が進んでいます。
Aさんは過失運転致傷罪救護義務違反の嫌疑で逮捕されていますが、これらの犯罪はどのような罪なのか解説したいと思います。

(過失運転致死傷罪)
過失運転致死傷罪は、自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させる犯罪です(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第5条本文)。
簡単に言えば、自動車の運転中、運転ミスにより人を死亡、あるいは傷害した場合に成立する犯罪です。
人の死傷結果につき故意がある場合は、過失運転致死傷罪の成否ではなく、殺人罪、傷害罪の成否が検討されることになります。

自動車の運転上必要な注意」とは、自動車運転者が、自動車の各種装置を操作し、そのコントロール下において自動車を動かす上で必要な注意義務をいいます。
道路を通行する車両等は、信号機の表示する信号に従わなければならず(道路交通法7条)、ケースの場合には、Aさんに「交差点の信号の色に留意し、これに従って自動車を進行させる」注意義務があったと考えられます。
こうしたことから、Aさんには赤信号に留意すべき注意義務を怠り、漫然と交差点に進入した過失があると判断される可能性が極めて高いと思われます。
この不注意により右からやってきたバイクと衝突し、傷害を負わせてしまったのですから、この時点でAさんに過失運転致傷罪が成立する可能性は高いでしょう。
過失運転致傷罪につき、有罪が確定すると、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処せられます。
ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除されることがあります。

(救護義務違反の罪)
交通事故があったときは、車両等の運転者その他の乗務員には、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければなりません(道路交通法72条1項前段:救護義務)。
車両等(軽車両を除きます)の運転者が、その車両等の交通による人の死傷があった場合に、この人の死傷が運転者の運転に起因するものであるときに上記の義務に違反すると、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられます(道路交通法第117条2項)。
一般的に「ひき逃げ」と呼ばれる犯罪です。

Aさんは、自動車の運転者であり、その自動車の運転上必要な注意を怠ってVを傷害したのに、これを救護するなどの必要な措置を講じず、そのまま立ち去り帰宅したということなので、Aさんに救護義務違反の罪が成立する可能性は高いでしょう。

~Aさんの身柄解放活動その他弁護活動~

過失運転致傷罪の嫌疑だけであれば、逮捕されずに済むケースも多くありますが、これにひき逃げによる救護義務違反が加わると、自宅まで警察がやってきて逮捕される可能性が高まります。
また、ひき逃げによる救護義務違反という犯罪の性質上、逃亡のおそれがあると判断される可能性が高く、したがって、勾留される可能性も比較的高いと思われます。
起訴されてしまった場合には、保釈請求が可能なので、起訴された場合には、保釈保証金の準備などを行っていく必要があります。

また、Vさんと示談交渉を行うことも重要です。
Vさんと示談が成立すれば、Aさんが釈放される可能性、検察官による不起訴処分がなされる可能性も高まり、また、起訴された場合も、より軽い量刑による判決がなされることが期待できます。
加えて、後日、損害賠償請求を受けるなどの民事紛争に巻き込まれるリスクを無くすこともできます。
このように、示談を成立させることには、多くのメリットがあります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には、刑事事件に熟練した弁護士が多数在籍しており、過失運転致傷事件救護義務違反事件の解決実績も豊富です。
ご家族が過失運転致傷事件救護義務違反事件を起こし、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

息子が共同危険行為を行い逮捕

2019-08-14

息子が共同危険行為を行い逮捕

~ケース~
16歳のAくんは、原付に乗って暴走族の集会に参加し、横浜市戸塚区内の道路上において、他のバイク、原付運転者と共に、集団で蛇行、一定の区間内を周回するなどの運転を行っていたところ、駆け付けた神奈川県戸塚警察署の警察官に共同危険行為の禁止違反の疑いで現行犯逮捕されてしまいました。
Aくんの親は息子の逮捕を知り、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に相談することにしました。
(フィクションです)

~共同危険行為の禁止とは~

道路交通法第68条は、
①二人以上の自動車又は原動機付自転車の運転者は、
②道路において二台以上の自動車又は原動機付自転車を連ねて通行させ、又は並進させる場合において、
③共同して、
④著しく道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく他人に迷惑を及ぼすこととなる行為
を行うことを禁止しています。
暴走族の暴走行為にしばしば適用されます。

これに違反し、有罪が確定すると、2年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられますが、Aくんは20歳未満の少年なので、原則として、少年法の定める少年保護事件として手続きが進行することになります。

~Aくんの逮捕後はどうなるか?~

少年保護事件であっても、捜査段階においては刑事訴訟法の適用があるので、成人と同じように逮捕・勾留されうる点では同じです。
逮捕され、留置の必要があると認められるときは、逮捕時から48時間以内にAくんの身柄を検察に送致します。
検察官は、身柄を受け取ったときから24時間以内、かつ、逮捕時から72時間以内に、Aくんの勾留を請求するか、Aくんを釈放するかを決めることになります。

~成人の刑事手続きと大きく異なる点~

成人の事件の場合は、検察官に被疑者を起訴するか、あるいは不起訴にするかを決定する裁量が与えられていますが、少年保護事件においては、「全件送致主義」が採られているため、検察官が犯罪の嫌疑があるものと思料するときは、原則としてこれを家庭裁判所に送致しなければなりません。
また、犯罪の嫌疑がない場合であっても、家庭裁判所の審判に付すべき事由(虞犯少年である場合など)があると思料される場合には、やはり家庭裁判所に送致されることになります。

Aくんには、暴走族との付き合いをうかがわせる事情があるので、虞犯少年として扱われる可能性が十分考えられます。
以上のことから、成人の刑事手続きにおける「起訴猶予処分の獲得に向けた活動」に相当する弁護活動は想定されません(もちろん、非行事実そのものの存否が争われる場合は、非行事実がないことを主張することになります)。

~家庭裁判所に送致された後~

家庭裁判所に送致されると、裁判官と会い、「観護措置」をとるかどうかについて検討されることになります。
観護措置が決定されると、少年鑑別所に収容され2週間、更新されると最長4週間、さらに更新できる場合には最長8週間身体拘束を受けることになります。
少年鑑別所では、Aくんの社会調査の他、行動観察などの鑑別が行われます。

~審判~

審判が開かれると、保護処分(少年院送致、保護観察処分、児童自立支援施設又は児童養護施設送致)、不処分などの決定がなされます。
Aくんの年齢を考慮すると、児童自立支援施設、児童養護施設送致の処分がなされる可能性は低いと思われます。
Aくんになされる可能性が考えられる処分は、少年院送致、保護観察処分、不処分ということになります。
また、直ちに何らかの決定を行うことが適切でないと判断された場合は、中間的に、少年を相当な期間、家庭裁判所調査官の観察に付する「試験観察処分」が行われることも考えられます。

~Aくんの周囲を見直し、有利な処分の獲得を目指す~

Aくんが今後も暴走族との付き合いを続ける場合や、両親の監護態勢に問題があると判断されると、少年院に送致される可能性も考えられます。
より負担の少ない処分を獲得するためには、Aくんが社会に戻っても改善更正しうることを、家庭裁判所に納得してもらわなければなりません。
弁護士の助言を受けながら、Aくんに深く内省を促し、さらに、Aくんの交友関係、両親の監護態勢などの環境を見直していきましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を専門とする法律事務所です。
息子様が共同危険行為の禁止に違反し、逮捕されてしまった方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

危険運転致死事件と裁判員裁判

2019-08-09

危険運転致死事件と裁判員裁判

~ケース~
Aさんは、日頃のストレスを発散するために、法定速度60キロの東京都府中市の一般道路にて、時速約100キロで自動車を走行させていた。
Aさんの運転する自動車は、カーブに進入する際にも減速をしなかったため、カーブを曲がりきることが出来ず、そのまま歩道に乗り上げ歩行中のVさんに衝突した。
Vさんは事故後すぐに救急車で病院に運ばれたが、事故から数時間後に死亡してしまった。
Aさんは、事故後すぐに、通行人の通報によって駆け付けた警視庁府中警察署の警察官に逮捕され、後日Aさんは危険運転致死罪で起訴された。
その後、Aさんの公判は裁判員裁判になることとなった。
(上記のケースはフィクションです)

~危険運転致死罪について~

危険運転致死傷罪は、これまで過失犯として刑法上の業務上過失致死罪によって処罰されていた悪質な危険運転行為による死傷事件について、故意犯として重く処罰するものです。
危険運転致死傷罪は、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律という特別法において規定されており、①正常な運転が困難になるほどの飲酒・薬物使用運転、②制御困難なほどの高速度での運転、③車を制御する技能を有しないでする運転、④人や車の通行を妨害する目的でに著しく接近するなどし、かつ重大な交通の危険を生じさせる速度での危険な運転、⑤赤信号等を殊更に無視し、かつ重大な交通の危険を生じさせる速度での運転、⑥通行禁止道路の進行し、かつ重大な危険を生じさせる速度での運転で人に怪我をさせたり死亡させたりした場合に成立します。
危険運転致死傷罪が成立する場合、死亡事故なら1年以上20年以下の有期懲役、負傷事故なら15年以下の懲役という極めて重い刑が科されます。

上記事例の場合、Aさんは法定速度60キロの一般道路を時速約100キロで自動車を走行させ、カーブを曲がり切れずに歩行者と衝突していることから、その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させ、Vを死亡させたといえることから危険運転致死罪が成立する可能性があります。

~裁判員裁判について~

裁判員法2条1項2号は「裁判所法第26条第2項第2号に掲げる事件であって、故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪に係るもの」を裁判員裁判の対象としています。
危険運転致死罪は、危険運転自体が故意行為であり、これによって被害者を死亡させた行為を処罰する規定なので、故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪に該当し、裁判員裁判対象事件となります。

裁判員裁判とは、通常の職業裁判官のみで行われる裁判とは異なり、原則として一般市民の裁判員6人と職業裁判官3人による合議で行われる裁判です。
裁判員裁判では、一般市民である裁判員も、事実の認定、法令の適用、量刑に至るまで判断することになります。

また、裁判員裁判では、一般市民が参加していることから、公判を通じた法廷での被告人の態度や発言、立ち振る舞いに至るまでの全てが、裁判員の量刑判断に影響する可能性があります。
そのため、裁判員裁判においては、検察側の過大な求刑に対しては、裁判員に対し冷静な対応を求めるなど、裁判員に配慮した弁護活動が必要となります。

ただし、裁判員裁判の対象はあくまで1審のみであり、2審(控訴審)以降は職業裁判官のみ(つまり通常の刑事裁判と同じ)の構成による裁判が行われます。
もっとも、裁判員裁判の結論は2審(控訴審)以降でも重視される傾向があり、1審の裁判員裁判における弁護活動が極めて重要であるといえます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件専門の法律事務所であり、危険運転致死事件裁判員裁判も取り扱う弁護士が多数在籍しています。
0120-631-881にて初回接見サービス、無料相談を24時間受け付けておりますので、お気軽にお電話ください。

東京都台東区で過失運転致死事件

2019-08-04

東京都台東区で過失運転致死事件

【事件】
東京都台東区に住むAさんは,その日が休日だったため車で買い物に出ました。
見通しの良い信号付きの交差点を左折しようとしたところ,時速約40キロメートルの速度で後方から直進してきた自転車を巻き込んでしまい,自転車を運転していた男性は死亡しました。
Aさんは巻き込み確認を行ったつもりでしたが,確認時に約30メートル後方にいた自転車には気付いていませんでした。
Aさんは駆けつけた警視庁蔵前警察署の警察官によって過失運転致死罪の容疑で現行犯逮捕されました。
(フィクションです)

【過失運転致死傷罪】

過失運転致死傷罪自動車運転死傷処罰法(正式名称:自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律)第5条に規定されている罪です。
条文は「自動車の運転上必要な注意を怠り,よって人を死傷させた者は,7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。ただし,その傷害が軽いときは,情状により,その刑を免除することができる。」となっています。

過失運転致死傷罪における自動車とは,原動機によって走行する車で,レールや架線を用いないものを意味します。
よって,自動二輪車や原動機付自転車も処罰対象になります。

自動車の運転とは,発進に始まり停止に終わるものとされています。
ただし,普通乗用自動車を運転していた者が車を道路左端に停車後,降車しようとして後方を十分確認することなく運転席ドアを開けたため後方から進行してきた自転車にドアをぶつけ,自転車に乗っていた人に傷害を負わせたという事件で,自動車の運転自体はすでに終了しており自動車運転上の過失は認められないものの,自動車の運転に付随する行為であり自動車運転業務の一環としてなされたものから傷害結果が発生したものとして業務上過失傷害罪の成立が認められた判例(東京高判平成25・6・11高刑速平成25年73頁)があります。
また,停止させる場所が不適切だったために事故につながった場合にも過失運転致死傷罪の適用が考えられます。

そして,過失運転致死傷罪が成立するためには,自動車の運転に必要な注意を怠ったこと,すなわち過失が必要です。
ここでの過失は,前方不注意やわき見運転,巻き込み確認を怠ったこと,歩行者や自転車等の飛び出しに気付かなかったこと,方向指示器(ウインカー)を点滅させずに方向転換したことなど,ちょっとした不注意でもこれにあたるとされています。
さらには,自分では注意を払ったつもりでも,別の行為をとっていたりより注意深くしていれば事故を避けることができたと裁判所が判断し,過失が認定されてしまうケースもあります。

ここでAさんの事件についてみてみましょう。
事故が起こったのは交差点を左折しているときで,このときが自動車の運転中であることに疑いはないでしょう。
Aさんは巻き込み確認をしていますが,当時約30メートル後方にいた被害者の男性には気付いていません。
もし裁判になった際は,男性に気付かなかったことが過失にあたるかどうかが争点になると考えられます。
Aさんに後続車があまりなかった場合を除いて,運転席にいる状態でサイドミラーや目視で約30メートル後方の自転車を認識することは困難とも言えそうです。
また,自転車が時速約40キロメートルという速い速度で走行してきたことも考慮されるべきでしょう。
以上の点を主張することにより,Aさんの過失の認定を回避することができるかもしれません。

今回の事件は被害者が死亡しており,公判請求され刑事裁判となる可能性も十分考えられます。
しかし,事故直後から適切な対応をとることにより,公判請求を回避したり執行猶予を得られる場合もあります。
刑事裁判にならなくてよい事件なのに裁判になってしまったり,必要以上に刑が重くなってしまわないよう,早期から交通犯罪に強い弁護士に事件を依頼して適切な弁護活動を行うことが重要です。

過失運転致死罪の被疑者となってしまった方,ご家族やご友人が警視庁蔵前警察署に逮捕されてしまって困っている方は,お早めに交通事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士にご相談ください。

自転車で死亡事故

2019-07-30

自転車で死亡事故

~ケース~
Aさんは、福岡市南区の歩道において自転車を運転中、時速15キロメートルほどの速度でよそ見運転をしていたところ、歩道に隣接した建物から歩道に出てくる歩行者に気付かず、ノーブレーキで衝突してしまいました。
被害者は転倒し頭を打ち、病院に搬送されましたが間もなく死亡しました。
その後、Aさんは通報によって駆け付けた福岡県南警察署の警察官に逮捕されました。
(フィクションです)

~Aさんに成立する罪名は?~

最近では、自転車による重大な交通事故がしばしば報道されており、警察なども、自転車の交通ルール順守を呼びかけています。
自転車は「車両」ではありますが、「自動車」ではないので、過失運転致死傷罪自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第5条)の適用はありません。
したがって、刑法上の①重過失致死傷罪、②過失致死罪の成否が検討されることになります。

「過失」とは、不注意により犯罪事実を認識・認容することなく一定の作為・不作為を行うことをいいます。
「不注意」とは、注意義務違反をいい、犯罪構成要件該当の事実、とくに結果の発生を認識、予見し、これを回避するため必要適切な措置を講ずべき義務に違反することをいいます。

~Aさんに認められる注意義務違反~

(速度の点)
まず、歩道において時速15キロメートルも出している点が気にかかります。
道路交通法第17条1項本文により、「車両は、歩道又は路側帯と車道の区別のある道路においては、車道を通行しなければならない」とされているので、Aさんは原則として車道を通行しなければなりません。

道路標識等により歩道を通行できる場合であっても、道路交通法第63条の4第2項により、当該歩道の中央から車道寄りの部分又は普通自転車通行指定部分を「徐行」しなければなりません(普通自転車通行指定部分については、当該普通自転車通行指定部分を通行し、又は通行しようとする歩行者がないときは、「歩道の状況に応じた安全な速度と方法」で進行することができます)。
「徐行」とは、車両等が直ちに停止することができる速度をいいます(道路交通法2条20号)。
自転車の場合は時速4から5キロメートルといわれています。

仮にAさんが歩道を適法に自転車で通行できるものとして、普通自転車通行指定部分が無かったとした場合には、「徐行義務」があります。
時速15キロメートルは、自転車にしては比較的高速度といえ、少なくとも「直ちに」自転車を停止させることのできる速度にはあたらないでしょう。

(よそ見運転をしている点)
自転車の運転中は、進行方向における歩行者に注意して運転する注意義務があると認められるでしょう。
よそ見運転は、上記の注意義務に違反しているということができます。

上記をまとめると、Aさんは前方の歩行者の有無に留意し、自転車を進行させる義務があったのにも関わらず、歩道上において、漫然と自転車を時速15キロメートルで進行させた過失により被害者と接触、転倒させ、死亡させたものということができるでしょう。

~過失致死罪と重過失致死傷罪~

過失致死罪に留まれば、法定刑は50万円以下の罰金ですが、重過失致死罪の適用が検討されている場合は、罪が重くなります。
「重過失」とは、注意義務違反の程度が著しいことをいいます。

今回のケースにおいては、前方あるいは建物や角から出てくる歩行者に留意したり、徐行するように努めることによって、被害者と接触することを回避できたと考えられます。
「前方の歩行者に留意すること」は建物の出入り口や歩行者の歩行速度により変わってきますが、「歩道で徐行すること」は、自転車の運転者がわずかな注意を払えば実現できることです。
このような観点からは、過失致死罪に留まらず、重過失致死罪が成立する可能性も視野に入れなければなりません。
重過失致死罪の法定刑は5年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金です。

~示談交渉を弁護士に依頼~

ケースの事件が刑事手続きとして進行する場合、検察官が最終的にAさんを起訴するか、あるいは不起訴にするかを決めます。
この際に、被害者と示談が成立していると、Aさんに有利に考慮されることが期待できます。
また、起訴された場合についても最終的な量刑に示談締結の有無は影響してくる可能性が高いです。
是非、弁護士に示談交渉について相談してみましょう。

また、重過失死傷罪を疑われている際には、Aさんの運転や現場の状況、被害者の歩行を専門的に検討することで、重過失致傷罪の適用が不適当であると主張することも考えられますから、弁護士に相談して損はないでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を専門とする法律事務所です。
自転車人身事故を起こしてしまい、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

京都市伏見区の人身事故

2019-07-25

京都市伏見区の交通事故

~ケース~
Aさん(70代)は京都市伏見区内の道路で自動車を運転中,運転操作を誤り歩道を歩いていたVさんと接触しVさんに怪我をさせてしまった。
Aさんはその場で警察および救急車を呼んだ。
駆けつけた救急車によりVさんは病院に搬送され,Aさんは過失運転致傷罪の疑いで京都府伏見警察署で事情を聞かれることになった。
連絡を受けたAさんの家族は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士初回接見サービスを依頼した。
(フィクションです)

~交通事故~

交通事故を起こしてしまった場合には多くの場合,自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(通称:自動車運転処罰法)第5条の過失運転致死傷罪となります。
しかし,大幅な速度超過や赤信号の無視などによって事故が発生した場合には第2条の危険運転致死傷罪となる場合もあります。
また,自動車を利用して故意に相手方にぶつかったというような場合には刑法の傷害罪や傷害致死罪,殺人罪となる可能性もあります。

過失運転致死傷罪の法定刑は7年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金となっています。
なお,被害者の方の怪我が軽い場合には情状により刑が免除されることもあります。

また,人身事故のみならず交通事故が発生した場合には,警察官への報告義務や危険防止措置義務,人身事故の場合には救護義務が発生します。
これらの義務を果たさずに事故現場から離れることをいわゆる「ひき逃げ」「当て逃げ」といいます。
救護義務違反の場合の法定刑は5年以下の懲役または50万円以下の罰金,事故の原因となった運転者が違反した場合には10年以下の懲役または100万円以下の罰金となります(道交法117条1項および2項)。
物損事故にかかる危険防止措置義務違反の場合は1年以下の懲役または10万円以下の罰金(道交法117条の5),警察官への報告義務違反の場合は3か月以下の懲役または5万円以下の罰金(道交法72条1項)となります。

~事故を起こしてしまったら~

人身事故に限らず交通事故を起こしてしまった場合には,逃亡するのではなくその場で警察および救急車を呼ぶことが重要です。
過失運転致傷罪では怪我が軽い場合には刑の裁量的免除が規定されていますが,あくまでも情状により免除されるに過ぎないので,ひき逃げとなってしまった場合には免除される可能性は低いでしょう。
さらに,ひき逃げの場合には救護義務違反と過失運転致傷罪の併合罪となり,事件も悪質とみなされ初犯であっても執行猶予も付かない実刑判決になってしまう可能性もあります。

自動車の運転には大きな責任が伴いますので人身事故を起こしてしまった場合,怪我が軽い場合を除いて不起訴処分となることは多くはありません。
しかし,被害者の方と示談交渉をし,治療費などの金銭的な賠償をすることによって有利な情状となり執行猶予付きの判決や怪我の程度などによっては罰金刑となる可能性もあります。

最近,高齢者の運転する乗用車による交通事故が多く発生しています。
交通事故はひき逃げでなければ逮捕されたとしても勾留されないケースも多いです。
その場合には,国選弁護人は起訴された後にしか選任することはできず,起訴後に弁護活動を開始しても実刑判決となってしまう可能性も考えられます。
そのため,人身事故を起こしてしまった場合に実刑判決とならないためには私選で弁護士を依頼することが重要です。

さらに,交通事故の場合には他の刑事事件と異なり保険会社などを通じてご自信で示談交渉が可能なこともあります。
しかしながら,ご自身で示談交渉をすすめた場合,話がこじれてしまい逆効果となってしまう場合もあります。
有効な示談交渉を進めるためには専門家である弁護士に依頼されることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は交通事件を含む刑事事件専門の法律事務所です。
交通事件の示談交渉・弁護活動の経験豊富な弁護士が多数所属しております。
交通事故を起こしてしまった方やご家族の方が交通事故を起こしてしまった場合には0120-631-881までお気軽にご相談ください。

飲酒運転で危険運転致死事件

2019-07-20

飲酒運転で危険運転致死事件

~ケース~
Aさんは神戸市須磨区内の居酒屋でアルコールを飲んだ後、乗ってきた自動車に乗り帰路につきました。
Aさんは酒に酔っていたこともあって運転への集中力が低下しており、道路を横断するVに気付かず、ノーブレーキでVに衝突してしまいました。
Aさんは自ら兵庫県須磨警察署に通報し、Vは救急車で病院に搬送されましたが、間もなく死亡が確認されました。
Aさんは呼気検査を受け、呼気1リットルにつき0.35ミリグラムのアルコールが検出されたので、危険運転致死罪の疑いで現行犯逮捕されました。(フィクションです)。

~酒気帯び運転の罪~

身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態で車両等(軽車両を除く)を運転すると、「酒気帯び運転の罪」が成立します。
法定刑は3年以下の懲役又は50万円以下の罰金となります。(道路交通法第117条の2の2第3号)。
「政令で定める程度」とは、「血液1ミリリットルにつき0.3ミリグラム又は呼気1リットルにつき0.15ミリグラム」です(道路交通法施行令第44条の3)。

Aさんは呼気1リットルにつき0.25ミリグラムのアルコールが検出される状態で自動車を運転していたのですから、酒気帯び運転の罪は逃れられないでしょう。
もっとも、Aさんは酒を飲んで運転への集中力が低下していたというので、正常な運転が困難であったとして、後述する危険運転致死罪が成立する可能性も高いと思われます。
この場合、酒気帯び運転についても危険運転致死罪の中に含まれるため、危険運転致死罪と別に酒気帯び運転に問われることがありません。

~過失運転致死罪~

過失運転致死罪は自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死亡させる犯罪です。
「自動車の運転上必要な注意」とは、自動車運転者が、自動車の各種装置を操作し、そのコントロール下において自動車を動かす上で必要な注意義務のことをいいます。

ケースのAさんには、左右から横断する歩行者の有無及びその安全を確認しながら自動車を進行させる注意義務があったといえるでしょう。
これを怠った結果Vと衝突し、よってVを死亡させてしまったと評価できるならば、Aさんに過失運転致死罪が成立します。
過失運転致死罪の法定刑は7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金となります(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律5条)。
この罪も、より重い危険運転致死罪が成立する場合は別途問われることはありません。

~危険運転致死罪~

飲酒運転により人を死傷させた場合は、「アルコールの影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させ、よって、人を死亡させた」者については「危険運転致死」の罪が成立します。
裁判で有罪が確定すると1年以上の有期懲役(20年以下)に処されます(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律2条1号)。
また、危険運転致死罪については「アルコール又は薬物の影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、そのアルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態に陥り、人を負傷させた者は12年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は15年以下の懲役に処する。」(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律3条)という条文もあることから、飲酒運転し始めたときから「アルコールの影響により正常な運転が困難な状態」でなくとも認められる可能性があります。

Aさんは居酒屋でアルコールを飲んで、運転への集中力が低下しており、アルコールの影響により正常な運転が困難な状態となったとされる可能性があります。
この状態で自動車を走行させVさんを死亡させており、危険運転致死罪に問われる可能性が高いです。

~身柄解放活動~

Aさんが勾留されず、起訴もされなければAさんの社会復帰も円滑に進みますが、近年は酒気帯び運転中の事故に大変厳しく、勾留・勾留延長の決定がなされ、さらに起訴される可能性も充分考えられます。
勾留されてしまった場合には、準抗告などの不服申し立て手続きを行い、Aさんの釈放を目指す活動が考えられますが、準抗告が功を奏さず身柄拘束が続き、起訴されてしまった場合には、「保釈」を目指すことになります。
「保釈」とは、保釈保証金の納付を条件として、被告人に対する勾留の執行を停止して、その身柄拘束を解く裁判及びその執行を意味します。
保釈金の額は、犯罪の性質・情状、証拠の証明力、被告人の性質・資産を考慮し、被告人の出頭を保証するに足りる相当な金額が定められます。

~公判~

危険運転致死罪として起訴された場合、裁判員裁判となり、裁判官だけでなく一般市民から選ばれる裁判員による裁判となります。
被害者の遺族との示談が成立していること、あるいは保険により被害者の損害が遺族に賠償される見込みがあることなどを主張し、より軽い量刑の判決の獲得を目指します。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が飲酒運転で死亡事故を起こしてしまった方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

無免許で原付を運転し人身事故

2019-07-15

無免許で原付を運転し人身事故

~ケース~
Aさんは20歳の大学生です。
Aさんは原動機付自転車を適法に運転することができる運転免許を受けていないのにも関わらず、大阪市中央区で運転し、路上でVにぶつかってしまい、全治3週間の怪我を負わせました。
Aさんが自ら大阪府東警察署に通報し、警察官を呼んだところ、Aさんは無免許運転過失致傷罪の疑いで現行犯逮捕されてしまいました。
Aさんの親はこれを知り、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に相談することにしました。
(フィクションです)

~無免許運転過失致傷罪~

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(以下、「自動車運転処罰法」と呼びます)第5条は、

自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる

としている一方で、自動車運転処罰法第6条4項は、

前条の罪を犯した者が、その罪を犯した時に無免許運転をしたものであるときは、10年以下の懲役に処する。

としており、過失運転致死傷行為が無免許運転によるものである場合、法定刑が重くなります。
10年以下の懲役ですから、比較的重い犯罪ということができます。

また、罰金刑が予定されていないので、有罪判決に執行猶予がつかない場合、即、実刑となります。
Aさんは20歳なので、つい最近までは少年法の適用がありましたが、ケースの事件については成人してからの事件ですので、刑事裁判を前提とした手続きが進行することになります。

~Aさんは今後どうなる?~

留置の必要があると認められるときは、逮捕時から48時間以内に身柄が検察へ送致されます。
検察では、検察官が取調べを行います。
そして、身柄を受け取ったときから24時間以内に、かつ、逮捕時から72時間以内にAさんの勾留を請求するか、釈放するか、起訴するかを決めます。
勾留請求につき、勾留決定が出されると、10日間勾留されます。
さらにやむを得ない事由があると認められるときは、さらに最長10日間、勾留を延長されます。

検察官は、勾留の満期日までに、Aさんを起訴するか、不起訴にするか、あるいは処分を保留して釈放するかを決定します。
このように、一旦逮捕され、勾留されると、最長23日間もの間、身体拘束を受ける可能性があるのです。

~身柄解放活動を弁護士に依頼~

最長23日間大学を休むとなると、単位を落とし、留年するなどのおそれが考えられます。
また、大学に事件のことを知られると、退学、停学などの処分を受けることも考えられます。
なるべく早く留置場の外に出て、今まで通りに登校することにより、事件が発覚する可能性を抑えることができます。
そのためには、弁護士に事件解決を依頼し、身柄解放活動を行ってもらうことをおすすめします。

(勾留前の身柄解放活動)
勾留決定が出る前は、Aさんに逃亡のおそれがない、罪証隠滅のおそれがない旨を、検察官や裁判官に訴えかけ、勾留をさせないよう働きかけます。

(勾留後の身柄解放活動)
勾留後は、後述する被害者との示談交渉を通じ、釈放される可能性を高める活動をします。
被害者と示談が成立していれば、当事者間で事件が解決したものと判断され、釈放される可能性が高まります。
また、「準抗告」などの不服申し立て手続きを利用し、勾留の取消を求めることも考えられます。

(起訴後の身柄解放活動)
起訴された後は、保釈請求を行うことができます。

~被害者と示談をする~

前述しましたが、被害者と示談を成立させることにより、釈放される可能性が高まります。
また、検察官が、Aさんを起訴するか、不起訴にするかを検討する際に、示談が成立していることは有利に考慮されることが期待できます。
ただし、無免許運転過失致傷事件の起訴率は比較的高く、示談をしても不起訴処分が得られるとは限りません。
もっとも、起訴され、有罪判決を受ける場合に、示談が成立していない場合と比べて有利な量刑による判決を得られることが期待できます。

また示談締結により、後日、損害賠償請求を受けるなどの民事紛争に巻き込まれるリスクを無くすことができます。
被害者との示談交渉、身柄解放活動について、接見にやって来た弁護士と相談しましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件に熟練した弁護士が多数在籍しています。
ご家族が無免許運転過失致傷事件を起こし、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

サウナ後の飲酒運転

2019-07-10

サウナ後の飲酒運転

埼玉県入間市に住む会社員のAさんは、久しぶりに会社から連休を得たことから知人と居酒屋に食事することになりました。
Aさんは、「帰りは代行で帰ろう」と思い、自宅から車を運転し、車を居酒屋の駐車場に停めました。
そして、Aさんは、居酒屋でビール(500ミリリットルジョッキ)2杯、焼酎水割り2杯を飲みました。
Aさんは2時間くらい食事を楽しんだ後知人と別れました。
その後、Aさんは、次の日も会社が休みだったことから、「近くの温泉でサウナに入ろう」と思い、車を駐車場に停めたまま徒歩で行ける温泉施設に入り、2時間程度、サウナなどえ汗を流して施設を出ました。
そして、Aさんは、車を停めていた駐車場へ戻り、車を運転して帰宅していたところ、警邏中のパトカーに呼び止められました。
Aさんは埼玉県狭山警察署の警察官の呼気検査に応じたところ、呼気からアルコールが検出されてしまいました。
そこで、Aさんは道路交通法違反(酒気帯び運転の罪)で現行犯逮捕されてしまいました。
(フィクションです。)

~ 飲酒運転でよくある勘違い ~

体内にアルコールが残存していることを確定的に認識しながら飲酒運転することは言語道断です。
また、

1 ひと眠りしたから大丈夫
2 お風呂やサウナで汗を流したから大丈夫

などと勝手に判断して運転をすることも同様に飲酒運転とされてしまいます。
なお、1については、個人差(体型、体調等)はありますが、体重60キロの人が、ビール500ミリリットル1杯を処理できる時間の目安は「約4時間」と言われています。
さらに、睡眠時は肝臓の機能が低下し、体内のアルコール処理速度が低下すると言われていますから、処理時間についてはさらに注意する必要があります。

また、2については、体内のアルコールの大部分は肝臓で分解されますから、汗や尿などでアルコールが抜けることはほとんどありません。
繰り返しますが、ご自身では大丈夫と判断されても、呼気検査等で客観的な数値が出るなどしてしまうと飲酒運転の認識で運転したということになりかねませんから、上記の点はよく注意する必要があります。

~ 飲酒運転(酒気帯び運転と酒酔い運転) ~

ところで、飲酒運転には「酒気帯び運転」と「酒酔い運転」の2種類があります。
酒気帯び運転とは、血液1ミリリットルにつき0.3mg又は呼気1リットルにつき0.15mg以上アルコールを保有する状態で車両等(軽車両(自転車など)を除く)を運転することをいいます(法65条1項、117条の2の2第1号)。

一方で、酒酔い運転は、酒気帯び運転のように数値以上の飲酒を必要としません。
酒酔い運転とは、酒気を帯びて車両等を運転した場合で、その運転した場合に酒に酔った状態(アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態)にあった場合の運転をいいます(法65条1項、117条の2第1号)。
このことからすれば、例えば、体質的にアルコールの弱い方が、ビールをコップ1杯飲んだことにより、身体に保有するアルコールの量が上記の数値以下であっても、「酒に酔った状態」と判断されれば酒酔い運転となります。

罰則も異なります。
酒気帯び運転は「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」、酒酔い運転は「5年以下の懲役又は100万円以下の罰金」です。
酒酔い運転の方が、より、交通の危険を惹起するおそれが高いことから、罰則が重く設定されています。

~ 逮捕されたら弁護士と接見! ~

逮捕された方の中には、「今後の生活、仕事はどうなるのか?」「身柄は拘束され続けるのか?」「取調べではどんなことを話せばよいのか?」「取調べで間違ったことを話したら処分や刑が重くなるのではないか?」などと言った悩みや不安を抱えている方がおられます。
そんなときは、弊所の初回接見サービスをご予約いただき、弁護士に接見を依頼されてはどうでしょうか?
接見のご依頼を受けた弁護士は速やかに逮捕された方と面会し、アドバイスをさせていただくことで不安や悩みなどの軽減に貢献させていただきます。
また、予めお預かりしたご家族等からの伝言をお伝えすることも可能です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、飲酒運転をはじめとする刑事事件少年事件を専門とする法律事務所です。
刑事事件少年事件でお悩みの方は、まずは、0120-631-881までお気軽にお電話ください。
24時間、無料法律相談・初回接見サービスの受け付けを行っております。

スピード違反の人身事故で逮捕

2019-07-05

スピード違反の人身事故で逮捕

神奈川県相模原市に住むAさんは、自動車でスピードを出したときの爽快感が忘れられず、制限速度を大きくオーバーして運転することを繰り返していました。
ある日、Aさんがいつものように制限速度オーバーで運転していると、道端から猫が飛び出してきました。
慌てて避けようとしてブレーキを踏みつつハンドルを切ったAさん。
その結果、自動車は操縦不能に陥り、歩道に乗り上げ、偶然歩いていた歩行者Vさんをひいてしまいました。
怖くなったAさんはその場から逃走しましたが、神奈川県津久井警察署の捜査の結果、Aさんの犯行であると判明し、Aさんは逮捕されました。
(フィクションです)

~Aさんに成立しうる犯罪~

制限速度を守っていても、突発的な出来事により人身事故が起こる可能性はあります。
ましてや制限速度を大きくオーバーしていれば、人身事故が起こる可能性は高まりますし、人身事故が起こった時の被害も大きくなりやすいです。

Aさんの場合、行政処分として免許停止等となるほか、以下の犯罪が成立する可能性があります。

①過失運転致死傷罪(自動車運転処罰法5条)
→7年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金
②危険運転致死傷罪(自動車運転処罰法2条2号)
→被害者負傷15年以下の懲役、被害者死亡1年以上20年以下の懲役
③救護義務違反(道路交通法72条1項前段・117条2項)
→10年以下の懲役または100万円以下の罰金
④報告義務違反(道路交通法72条1項後段・119条1項10号)
→3か月以下の懲役または5万円以下の罰金

今回のAさんの場合、少なくとも①過失運転致死傷罪は成立するでしょう。
さらに、大幅に制限速度を超えていれば、進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させたと判断され、より重い②危険運転致死傷罪が成立する可能性もあります。

また、被害者を助けずに逃げた行為については③救護義務違反となります。
加えて、事故を警察に報告しなかったことから④報告義務違反にもなります。

~刑事手続きの流れ~

逮捕されたAさんは、まずは最大で3日間の身体拘束がなされます。
そして逃亡や証拠隠滅のおそれがあるとして、検察官が勾留(こうりゅう)を請求し、裁判官が許可すれば、さらに最大で20日間の身体拘束がされます。
その後、検察官が被疑者を刑事裁判にかけると判断すれば(起訴)、刑事裁判がスタートし、保釈が認められない限り、身体拘束が続きます。
そして裁判で無罪や執行猶予とならない限り、刑罰を受けることになります。

運転の悪質さや被害の程度にもよりますが、これらの手続に関し、弁護士としては以下のような弁護活動を行うことが考えられます。

まず、検察官が勾留請求しなければ、あるいは裁判官が勾留を許可しなければ、最初の3日間で釈放されます。
そこで検察官や裁判官に対し、逃亡や証拠隠滅のおそれがないことや、身体拘束が続くことによる本人や家族などに過度の不利益が生じることを具体的事情に基づいて主張し、勾留をしないよう要請していきます。

また、起訴するか否かの判断は検察官が行いますが、検察官が罰金刑が適切と判断した場合、簡易な裁判手続で罰金刑にする略式起訴をすることもあります。
過失運転致死傷罪にとどまれば罰金刑もありえますので、本人が反省していること、被害者のケガが軽いこと、被害者と示談が締結できたことなど、本人に有利な事情があれば出来る限り主張し、略式起訴を目指していきます。

罰金刑が無理な場合も、執行猶予や、より短い懲役・禁錮を目指して弁護活動をすることになります。

~弁護士に相談を~

人身事故を起こして逮捕された場合、どのような罪が成立するのか、今後の刑事手続きはどうなるのか、取調べにはどのように受け答えしたらよいのかなど、不安点が多いと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする弁護士事務所です。
ご家族などからご依頼いただければ、拘束されている警察署等にすみやかに接見に伺います(初回接見サービス)。
仮に逮捕されていない場合には、事務所での法律相談を初回無料で行っております。
接見や法律相談では、上記の不安点などにお答えいたします。
スピード違反やそれに起因する人身事故逮捕された、捜査を受けたといった場合には、ぜひご相談ください。

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