(事例紹介)阪神高速で逆走・急停止 道路交通法違反で逮捕

2023-01-19

(事例紹介)阪神高速で逆走・急停止 道路交通法違反で逮捕

~事例~

大阪府内の高速道路で逆走などの危険な運転を繰り返したとされる男が現行犯逮捕されました。
警察によりますと、午前10時15分ごろ、阪神高速東大阪線の上り車線で「急停車や車線変更を繰り返している」と目撃者から通報がありました。
その後も同様の通報が相次ぎ、11時前には阪神高速松原線の下り車線で「逆走している」という情報が入りました。
紺色の普通乗用車ということで、パトカーが先回りして発見しましたが、停止の呼びかけに応じず逆走したり、加速・減速を繰り返したりしながら、阪神高速堺線の堺出口から一般道に逃走したということです。
(略)
運転していたのは、自称・奈良市内居住の40代の男で、道路交通法違反の疑いで現行犯逮捕されました。
(略)
(※2022年12月20日17:55YAHOO!JAPANニュース配信記事より引用)

~高速道路での逆走~

今回取り上げた事例では、男性が阪神高速逆走などの危険な運転を繰り返し、道路交通法違反の容疑で現行犯逮捕されたと報道されています。
道路交通法では、以下のようにして車両が道路を通行する際の方向について定めています。

道路交通法17条
第4項 車両は、道路(歩道等と車道の区別のある道路においては、車道。以下第九節の二までにおいて同じ。)の中央(軌道が道路の側端に寄つて設けられている場合においては当該道路の軌道敷を除いた部分の中央とし、道路標識等による中央線が設けられているときはその中央線の設けられた道路の部分を中央とする。以下同じ。)から左の部分(以下「左側部分」という。)を通行しなければならない。
第5項 車両は、次の各号に掲げる場合においては、前項の規定にかかわらず、道路の中央から右の部分(以下「右側部分」という。)にその全部又は一部をはみ出して通行することができる。この場合において、車両は、第一号に掲げる場合を除き、そのはみ出し方ができるだけ少なくなるようにしなければならない。
第1号 当該道路が一方通行(道路における車両の通行につき一定の方向にする通行が禁止されていることをいう。以下同じ。)となつているとき。
第2号 当該道路の左側部分の幅員が当該車両の通行のため十分なものでないとき。
第3号 当該車両が道路の損壊、道路工事その他の障害のため当該道路の左側部分を通行することができないとき。
第4号 当該道路の左側部分の幅員が六メートルに満たない道路において、他の車両を追い越そうとするとき(当該道路の右側部分を見とおすことができ、かつ、反対の方向からの交通を妨げるおそれがない場合に限るものとし、道路標識等により追越しのため右側部分にはみ出して通行することが禁止されている場合を除く。)。
第5号 勾配の急な道路のまがりかど附近について、道路標識等により通行の方法が指定されている場合において、当該車両が当該指定に従い通行するとき。

つまり、道路交通法第17条第4項において、原則として車両は道路の左側を通行すると定められており、右側通行ができるのは、道路交通法第17条第5項に定められている例外のみということになっています。
ですから、道路交通法第17条第5項に定められているような例外に当てはまらないのにも関わらず、道路を右側通行=逆走すれば、この道路交通法第17条第4項に違反するということになるのです。
道路交通法第17条第4項に違反してしまうと、「3月以下の懲役又は5万円以下の罰金」となる可能性が出てきます(道路交通法第119条第1項第6号)。

今回の事例では、男性が阪神高速逆走しているところを通報によって臨場した警察官らも目撃しているようです。
当然、阪神高速などの高速道路もこの道路交通法の対象となりますから、阪神高速での逆走行為道路交通法第17条第4項に違反することとなります。
報道によると、この逆走行為などによってけが人などはいないようですが、もしもこれらの行為によって交通事故が起こり死傷者が出た場合、道路交通法違反に加え、危険運転致死傷罪や過失運転致死傷罪などが成立することが考えられます。

道路交通法違反というと、単なる交通違反のように思えるかもしれませんが、こうした逆走行為なども道路交通法違反として刑事事件になります。
刑事手続については分からないことも多いと思いますので、ご自身やご家族が当事者となったら、早めに専門家である弁護士に相談されることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回無料の法律相談を受け付けています。
逆走行為などによって道路交通法違反事件の捜査を受けることになった、刑事事件の当事者になって困っているといったケースのご相談が可能です。
まずはお気軽にお問い合わせください。

Copyright(c) 2016 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 All Rights Reserved.