名古屋の危険運転致死傷事件 示談の弁護士

2014-11-14

名古屋の危険運転致死傷事件 示談の弁護士

トラックを運転していたAさんは、名古屋駅の近くにある笹島交差点において、赤信号を認識したにもかかわらず、時速60キロのスピードのままで交差点に進入しました。
その際、横断歩道を横断中だった小学生2人と衝突し、一人が死亡、もう一人は全治1週間のケガを負いました。
Aさんは、危険運転致死傷罪の容疑で愛知県警中村警察署現行犯逮捕されました。
Aさんの弁護士は、名古屋高等裁判所に控訴しましたが、棄却判決が出されました。
(フィクションです)

~危険運転致死事件の判例紹介~

今回の事例は、平成26年3月26日に東京高等裁判所が下した控訴審判決をもとに作成しています。
地名や警察署名、逮捕を除いては、判決文記載の事案と全く同じ状況です。

今回Aさんが問われている罪は、「危険運転致死傷罪」です。
これは、自動車運転死傷行為処罰法という法律の中で規定されています(平成26年3月当時は、まだ刑法という法律で定められていました)。
この罪は、自動車運転死傷行為処罰法で定める危険な状態で車を運転し、人を死傷させた場合に成立する犯罪です。
今回のケースでは、Aさんが赤信号を無視して交差点に進入し、小学生2人を死傷させています。
こうした運転態様が、法で定められる危険運転にあたるかどうかが問題になります。
裁判では、Aさんが「赤信号を殊更に無視し、かつ重大な危険を生じさせる速度で自動車を運転」していたかが、主な争点となりました。

参考にした実際の判決文を読むと、

・交差点侵入時の速度は約59.2キロメートル
・被告人が赤信号を認識したのは、横断歩道等から約87.3メートル手前

であることから、被告人が赤信号を認識した時点で直ちにブレーキをかけていれば、少なくとも横断歩道の手前で停止することができたと書かれています。
また、赤信号を認識したにもかかわらず、減速することなくあえて従前の速度のまま進行しているという事実も指摘しています。
これらの状況から、被告人は赤信号を殊更に無視し、かつ時速約60キロメートルという重大な危険を生じさせる速度で自動車を運転していたと認定しました。

簡単にまとめると以上の通りです。
被告人には、危険運転致死傷罪で有罪判決が言い渡されました。
そして、懲役6年の刑に処せられるようです。

なお、この判決文の中では、被害弁償の見込みがあることなどから、もう少し刑を軽くしてもらいたいという被告人側からの主張について触れられている部分があります。
しかし、裁判所は、小学生2人を死傷させたという事案の悪質さを指摘し、被害弁償などの事情は量刑に影響しないと判断しました。

もっとも、被害弁償など被害者との示談には、様々な内容があります。
例えば、示談の内容として被害者に加害者を許す意思(宥恕の意思)を示してもらえる場合があります。
また、嘆願書と言って、被害者が加害者に対する処罰を軽くするよう望んでいる旨を表示する文書を作成してもらえることもあります。
ですから、今回の事件ももう少し被告人に有利な形で示談を成立させることができていれば、量刑を軽くすることができたかもしれません。
人身事故事件などで、効果的な示談を成立させるためには、交通事故・交通違反事件に強く示談交渉が得意な弁護士に相談することがとても大切です。

愛知名古屋弁護士ノリタケ法律事務所は、24時間365日交通事故・交通違反事件に関する相談をお待ちしております。
危険運転致死傷罪で逮捕された、示談してほしいという方は、いつでもお気軽にご相談下さい。

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