危険運転致死事件と裁判員裁判

2019-08-09

危険運転致死事件と裁判員裁判

~ケース~
Aさんは、日頃のストレスを発散するために、法定速度60キロの東京都府中市の一般道路にて、時速約100キロで自動車を走行させていた。
Aさんの運転する自動車は、カーブに進入する際にも減速をしなかったため、カーブを曲がりきることが出来ず、そのまま歩道に乗り上げ歩行中のVさんに衝突した。
Vさんは事故後すぐに救急車で病院に運ばれたが、事故から数時間後に死亡してしまった。
Aさんは、事故後すぐに、通行人の通報によって駆け付けた警視庁府中警察署の警察官に逮捕され、後日Aさんは危険運転致死罪で起訴された。
その後、Aさんの公判は裁判員裁判になることとなった。
(上記のケースはフィクションです)

~危険運転致死罪について~

危険運転致死傷罪は、これまで過失犯として刑法上の業務上過失致死罪によって処罰されていた悪質な危険運転行為による死傷事件について、故意犯として重く処罰するものです。
危険運転致死傷罪は、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律という特別法において規定されており、①正常な運転が困難になるほどの飲酒・薬物使用運転、②制御困難なほどの高速度での運転、③車を制御する技能を有しないでする運転、④人や車の通行を妨害する目的でに著しく接近するなどし、かつ重大な交通の危険を生じさせる速度での危険な運転、⑤赤信号等を殊更に無視し、かつ重大な交通の危険を生じさせる速度での運転、⑥通行禁止道路の進行し、かつ重大な危険を生じさせる速度での運転で人に怪我をさせたり死亡させたりした場合に成立します。
危険運転致死傷罪が成立する場合、死亡事故なら1年以上20年以下の有期懲役、負傷事故なら15年以下の懲役という極めて重い刑が科されます。

上記事例の場合、Aさんは法定速度60キロの一般道路を時速約100キロで自動車を走行させ、カーブを曲がり切れずに歩行者と衝突していることから、その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させ、Vを死亡させたといえることから危険運転致死罪が成立する可能性があります。

~裁判員裁判について~

裁判員法2条1項2号は「裁判所法第26条第2項第2号に掲げる事件であって、故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪に係るもの」を裁判員裁判の対象としています。
危険運転致死罪は、危険運転自体が故意行為であり、これによって被害者を死亡させた行為を処罰する規定なので、故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪に該当し、裁判員裁判対象事件となります。

裁判員裁判とは、通常の職業裁判官のみで行われる裁判とは異なり、原則として一般市民の裁判員6人と職業裁判官3人による合議で行われる裁判です。
裁判員裁判では、一般市民である裁判員も、事実の認定、法令の適用、量刑に至るまで判断することになります。

また、裁判員裁判では、一般市民が参加していることから、公判を通じた法廷での被告人の態度や発言、立ち振る舞いに至るまでの全てが、裁判員の量刑判断に影響する可能性があります。
そのため、裁判員裁判においては、検察側の過大な求刑に対しては、裁判員に対し冷静な対応を求めるなど、裁判員に配慮した弁護活動が必要となります。

ただし、裁判員裁判の対象はあくまで1審のみであり、2審(控訴審)以降は職業裁判官のみ(つまり通常の刑事裁判と同じ)の構成による裁判が行われます。
もっとも、裁判員裁判の結論は2審(控訴審)以降でも重視される傾向があり、1審の裁判員裁判における弁護活動が極めて重要であるといえます。

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