過失運転致死事件で逮捕・死亡事故の弁護活動

2020-01-16

過失運転致死事件で逮捕・死亡事故の弁護活動

自動車運転過失致死罪逮捕された場合の弁護活動等について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

【事例】
Aは,東京都千代田区内を自動車で走行中,前方の道路上に歩行者Vがいたにも関わらず,不注意により気づくのが遅れ,そのまま衝突しVを死亡させた。
なお,Aは,その場で110番および119番通報をしている。
東京都麹町警察署の警察官は,Aを過失運転致死の疑いで逮捕した。
Aの家族は,交通事件に強いと評判の弁護士に相談することにした。
(本件は事実をもとにしたフィクションです)

~人身事故における刑罰と過失行為~

過失運転致死罪は,「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」(以下,自動車運転死傷行為処罰法と略します。)に規定されている犯罪です。

一般の方にとって,「自動車運転死傷行為処罰法」は耳慣れない法律かもしれません。
現在,過失運転致死罪によって処罰される行為は,元々は刑法211条前段によって,業務上過失致死傷罪によって処罰されていました。
しかし,人身事故に対する世の中の処罰感情の高まりを受け,法定刑などを引き上げた上で,危険運転致死傷罪等とともに「自動車運転死傷行為処罰法」として括り出され,独立の法律として2014年に施行されるに至りました。

Aは,過失運転致死罪によって逮捕されています(もっとも,通常は致傷罪で逮捕後,被害者の死亡が確認された後に致死罪での捜査に切り替わることになるでしょう)。

過失運転致死罪は,自動車運転死傷行為処罰法5条本文に,「自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する」ことが規定されています。

ここでいう「自動車の運転上必要な注意を怠り」とは,一般に「過失」のことを指すと考えられています。
そして「過失」とは、簡単に言うと,悪い結果が発生することが予見できたのにを結果回避行為を怠った場合に認められます

これを本件についてみると,Aには公道上を自動車で走行する運転者として,前方に障害物や人(歩行者)が存在し,特に人に衝突した場合には死亡するという悪い結果が生じることは十分に予見可能であったと考えられます。
そして,Aには前方を注視し人(歩行者)との衝突を避けるという結果回避行為を怠ったと言えるので,Aは「過失」すなわち「自動車の運転上必要な注意を怠り」,このことにより人を死亡させたとして,過失運転致死罪が成立するといえるでしょう。

~過失運転致死罪における弁護活動~

本件は故意ではなく過失によるものとはいえ,人を死亡させてしまっているため,罰金刑で済むとは限りません。
したがって,仮に起訴されてしまったとしても,執行猶予判決を得るための弁護活動が重要になってきます。

死亡事故の場合は,遺族感情も厳しい場合が少なくないため,弁護士を介しつつも,本人による遺族への謝罪などが求められることもあり得ます。
このような場合,遺族感情を逆撫でしないためにも,弁護士と協力しつつ,遺族の方にも寄り添った弁護活動を行うことが肝要になります。

また,本件のようなケースに,他の道交法違反などが加わった場合などは,刑事事件としてより厳しい見通しとなることも考えられるため,早期の弁護士との連携がより重要になるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,過失運転致死事件などの交通事故事件(人身事故)を含む刑事事件専門の法律事務所です。
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