Archive for the ‘交通事故(死亡事故)’ Category
岐阜県の追突事故事件 被害者の弁護士
岐阜県の追突事故事件 被害者の弁護士
Xさんは、普通自動車を運転中、多治見市内の信号交差点で中型貨物自動車を運転していたYと追突しました。
本件追突事故でXさんは死亡し、Yさんは岐阜県警多治見警察署に現行犯逮捕されました。
同署によると、本件追突事故の原因は、Yさんが過労のため居眠り運転をし、赤信号やXさんの車両に気付かなかったことだそうです。
今回は平成20年10月29日の仙台地方裁判所第一民事部の判決を参考にしています。
地名や警察署名に関しては、修正してあります。
~交通事故事件の被害を受けた場合には・・・~
愛知名古屋弁護士ノリタケ法律事務所に寄せられる交通事故に関する法律相談の多くは、加害者の方からの相談です。
例えば、「死亡事故を起こしてしまった、前科を避けたい」「酒気帯び運転で逮捕された、早く釈放してもらいたい」などといった内容です。
弊所は、「刑事事件専門」の弁護士事務所と銘打っていますから、多くの方が「加害者側にしか付かない」と思っているようです。
しかしながら、必ずしもそうではありません。
例えば、交通事故事件で加害者から被害者側に示談交渉を持ち掛けられた場合です。
そうした場合、加害者の代理人として任意保険会社の人が、示談交渉の席に着くことがほとんどです。
一方で被害者側の示談交渉は、被害者自身あるいはその家族が自ら行わなければなりません。
多数の示談交渉の経験がある保険会社と示談交渉の経験がない被害者では、交渉力に格段の差があることは火を見るよりも明らかです。
実際にも保険会社に言いくるめられ、納得のいかない示談をさせられてしまったというケースは、多々あるようです。
交通事故事件で刑事事件専門の弁護士が被害者側に付くのは、まさにこうした場合です。
示談交渉力が十分でない被害者に代わって、示談交渉を行うのです。
刑事事件専門の弁護士は、日頃から容疑者(被疑者)・被告人の刑事責任を軽くするために多数の示談交渉を行っています。
したがって、交通事故事件における加害者側の思惑を熟知しています。
多数の示談経験に裏付けされた示談交渉力に加え、日常業務から得られる情報量の多さは、刑事事件専門弁護士の大きな強みです。
愛知名古屋弁護士ノリタケ法律事務所は、被害者側での示談交渉にも対応できます。
追突事故事件などで大きな被害を受けてしまった方は、ぜひご相談下さい。
お電話の際は、「ブログを見た」とおっしゃっていただけるとスムーズです。
名古屋の人身事故事件 勾留を争う弁護士
名古屋の人身事故事件 勾留を争う弁護士
Aさんは、高速道路を車で走行中、車を制御できなくなり、減速することなくガードレールに衝突しました。
同乗していた友人Vさんは、この交通事故で即死しました。
Aさんを逮捕した愛知県警千種警察署によると、事故の原因はAさんのスピードの出しすぎだということです。
今回は平成27年1月11日の日刊スポーツ電子版を参考に作成しました。
~人身事故で勾留されてしまったら・・・~
交通事故・交通違反事件で逮捕された後、72時間を超えて身柄拘束が必要な場合は、勾留という手続きがとられます。
交通事故・交通違反事件の容疑者(被疑者)が勾留されると、逮捕期間に加えさらに10日間身柄拘束されることになります。
そして、「やむを得ない事由」がある場合には、10日の勾留期間がさらに最大10日間延長される可能性もあります。
したがって、交通事故・交通違反事件で逮捕された場合、最長23日間にわたって身柄拘束される可能性があるということになります。
今回は、こうした長期間にわたる身柄拘束を回避する方法として、「勾留処分を争う弁護活動」をご紹介します。
◆勾留請求を争う
勾留処分は、検察官による勾留請求がきっかけとなります。
検察官は、逮捕後勾留する必要があるかどうか判断して、必要であれば裁判所へ勾留請求することになります。
勾留処分の回避を目指す場合、弁護士はまず勾留請求自体させないよう検察官へ働きかけます。
◆準抗告を行う
裁判所によって勾留処分がなされてしまった場合、弁護士は勾留処分をやめるよう「準抗告」を行います。
準抗告とは、勾留・保釈・押収などの裁判所の判断について,裁判所に対してその取消しまたは変更を求めることです。
愛知名古屋弁護士ノリタケ法律事務所が担当した事件でも、勾留処分後に取り消しが認められたケースがあります。
愛知名古屋弁護士ノリタケ法律事務所は、勾留にも強い弁護士事務所です。
人身事故事件でお困りの方は、ぜひご相談下さい。
名古屋の危険運転致死事件 裁判員裁判の弁護士
名古屋の危険運転致死事件 裁判員裁判の弁護士
Aさんは、酒の影響により正常な運転が困難な状態で車を運転し、車の後方を歩いていたVさんと衝突してしまいました。
愛知県警東警察署は、Aさんを危険運転致死罪の容疑で現行犯逮捕しました。
Aさんは、コンビニで酒を買い飲酒したあと、車で店を出るところでした。
今回は平成22年7月2日大阪地方裁判所堺支部判決を参考にしています。
~交通事故事件における裁判員裁判~
今回取り上げたのは、危険運転致死罪が問題になった事案で裁判員裁判の形式で行われた刑事裁判です。
裁判員裁判とは、職業裁判官と有権者の中から選ばれた裁判員によって被告人を裁くという裁判制度です。
裁判員裁判の対象となる犯罪は、「法定刑に死刑か無期懲役・無期禁錮が規定されている犯罪または故意の犯罪行為で被害者を死亡させる犯罪」です。
例えば、殺人罪や強盗致傷罪、傷害致死罪、強姦致傷罪などがあります。
危険運転致死罪も「故意の犯罪行為で被害者を死亡させる犯罪」にあたりますから、裁判員裁判の対象事件です。
今回取り上げた大阪地裁判決も、危険運転致死罪で被告人に懲役7年の実刑判決が言い渡された事案です。
裁判員裁判の最大の特徴は、一般市民が有罪・無罪の決定および量刑判断に関わる点です。
この点から裁判員裁判では、以下のことが言えます。
例えば、一般市民から選ばれる裁判員は、職業裁判官と異なり、豊富な裁判経験や法律知識を有していません。
そのため、弁護士は、裁判員に対して法律用語を噛み砕いて簡単な言葉で説明し、ある事情がどうして被告人に有利に働くのかを丁寧に説明する必要があります。
さらに、裁判員裁判では量刑が重くなる傾向があるとも言われています。
2010年4月20日発行の読売新聞(WEB版)によると、この傾向は特に殺人や性犯罪で見られたそうです。
同記事に掲載されている刑事裁判官のコメントで、
「裁判員は、被害者の状況を自分に置き換えて受け止める人が多く、生命にかかわる犯罪や性犯罪では、やや量刑が重くなりつつあるのではないか」
と指摘されています。
とすると、危険運転致死罪も「生命にかかわる犯罪」ですから、同様の傾向が当てはまるのではないかと考えられます。
したがって、裁判員裁判では特に刑事事件専門の弁護士を選任し、万全の弁護活動を受けることが重要になります。
交通事故・交通違反事件でも刑事裁判では、刑事事件専門の弁護士に頼るのが一番です。
愛知名古屋弁護士ノリタケ法律事務所は、裁判員裁判を扱った経験もあります。
危険運転致死事件など裁判員裁判対象事件でお困りの方は、ぜひ弊所の弁護士にお任せ下さい。
名古屋の自転車事故事件 示談の弁護士
名古屋の自転車事故事件 示談の弁護士
名古屋市名東区在住Aさんは、自転車で自宅近くの信号交差点を赤信号を無視して渡るところでした。
時速30キロから40キロほどのスピードで走っていたところ、横断歩道を青信号で渡ってきた歩行者と衝突してしまいました。
本件事故で歩行者は死亡し、Aさんは愛知県警名東警察署に重過失致死罪の容疑で現行犯逮捕されました。
今回は東京地裁平成19年4月11日判決を参考にしています。
地名、警察署名は、修正してあります。
~自転車事故で示談をする!!~
今回のテーマは、「自転車を加害者とする交通事故事件」です。
交通事故事件というと、イメージとして、自動車運転手が加害者になっていることが多いように思われます。
確かに、実際の裁判例を見ても、ほとんどの交通事故裁判で被告人となるのは、自動車の運転手です。
しかし、交通事故事件の中には、自転車に乗っている人が加害者となり、重大な被害を生じさせているケースもあります。
東京地裁平成19年判決は、まさにこうした自転車側が加害者となった交通事故事件の一例です。
東京地裁平成19年判決の事案は、上記に記載した事案と同じです。
この交通事故事件で加害者となった人には、民事上の法的責任として、およそ5400万円の損害賠償金の支払いが命じられました。
そして、刑事責任として、重過失致死罪により禁錮2年の実刑判決が言い渡されました(もっとも、被告人は控訴しています)。
さて、このような自転車事故を始めとする交通事故事件で早期円満解決を図るためには、示談を成立させることが重要です。
今回取り上げた事案の加害者は、およそ5400万円の損害賠償と禁錮2年の実刑判決という非常に重い法的責任を科せられるに至りました。
しかし、もし被害者との間で示談を成立させることができていれば、死亡事故という事案の特殊性を考慮しても、
・被害者に対する損害賠償額を減少させられた
・執行猶予付きの判決を得られた
などの可能性があります。
示談には、当事者間の話し合いで事件を解決に導こうとする意図があります。
示談の有無やその内容が当然に裁判官や検察官などを拘束するわけではありませんが、刑事責任や民事責任の判断においてかなり考慮されると言えます。
愛知名古屋弁護士ノリタケ法律事務所では、交通事故事件を始めとする多くの刑事事件で示談を成立させてきました。
弊所にお任せいただければ、示談に強い交通事故・交通違反事件に精通した弁護士が、万全の示談交渉を展開することができます。
ぜひご相談下さい。
お電話の際は、「ブログを見た」とおっしゃっていただけるとスムーズです。
愛知の酒酔い運転死亡事故事件 任意保険と弁護士
愛知の酒酔い運転死亡事故事件 任意保険と弁護士
Aさんは酒酔い運転の状態で車を運転していたところ、歩行者2名を次々とはねてしまいました。
しかし、歩行者らを救護することもなく、そのまま走り去ったのでした。
愛知県警一宮警察署は、Aさんを危険運転致死罪及びひき逃げの疑いで逮捕しました。
今回は平成15年7月23日の宇都宮地方裁判所判決を参考にしました。
~法的な責任と任意保険の関係~
今回取り上げたのは、車の酒酔い運転をした結果、14歳の子ども2名を死亡させた人身事故の事案です。
検察官の求刑は、懲役7年6ヶ月でした。
しかし、最終的には刑期を2年短縮した「懲役5年6ヶ月」の実刑判決が言い渡されました。
この判決で減刑理由の一つに挙げられたのが、「無制限の任意保険に加入しており、相応の賠償が可能であること」です。
今回は、法的な責任と任意保険の関係性について書きたいと思います。
人身事故を始めとする交通事故のケースでは、任意保険に加入しておくと安心なことがたくさんあります。
例えば、交通事故加害者の民事責任が問題になる場面です。
被害者に対する賠償金の支払いにおいては、任意保険に入っていないと賠償金を支払いきれない可能性が高いでしょう。
こうした、加害者の民事責任と任意保険との関係については、多くの方が既にご存知だと思います。
では、前述のように任意保険に加入していることが加害者の刑事責任にも影響してくるということは、ご存知だったでしょうか?
任意保険に加入しているということは、損害賠償金を支払えるというだけでなく、刑罰を軽くすることにもつながるのです。
任意保険に加入する際は、あまり意識することがないかもしれませんが、ぜひ知っておいてほしいと思います。
交通事故後、一日でも早く元の生活を取り戻すためにも、やはり任意保険には加入しておくべきでしょう。
愛知名古屋弁護士ノリタケ法律事務所は、依頼者に対する刑が少しでも軽くなるように尽力します。
酒酔い運転、人身死亡事故、ひき逃げなどでお困りの方は、ぜひご相談下さい。
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名古屋の過失運転致死傷事件 勾留後の弁護士
名古屋の過失運転致死傷事件 勾留後の弁護士
大型トラック運転手のAさんは、危険物を入れたドラム缶を過積載した状態で、トラックを運転していました。
その途中、Aさんの前方不注意が原因で先行車と衝突しそうになったにもかかわらず、ドラム缶の転倒などをおそれ、適切な停止措置をとりませんでした。
Aさんのトラックが先行者と激しく衝突した結果、2名が死亡1名が重傷を負いました。
Aさんは過失運転致死傷罪の疑いで愛知県警熱田警察署に逮捕され、現在も勾留中です。
今回は平成20年9月9日神戸地方裁判所判決を参考にしています。
~過失運転致死傷事件で勾留~
今回取り上げた事案の被害者は、3名に上り、うち2名は死亡、1名は安静加療1週間を要するケガをしました。
日常的に業務として車を運転しているトラック運転手が、景色に気を取られて先行車両に気付かず時速約50キロのスピードで追突したという事実は、想像しただけでぞっとします。
また同運転手は、先行車両に気付いた後も、急停止すれば積載物が毀損し賠償責任を問われることから、適切なブレーキ操作を怠っていたそうです。
さて、この裁判では、被告人に対して禁錮5年の実刑判決が言い渡されました。
それとともに、「未決勾留日数中30日をその刑に算入する」とされています。
以下では、この文章が意味する内容について解説したいと思います。
過失運転致死罪などで逮捕・勾留された場合、被疑者段階での勾留を被疑者勾留と言います。
一方、起訴後に容疑者(被疑者)の地位が被告人に変わった時には、被告人勾留と言われるようになります。
そして、未決勾留とは、裁判所によって判決が下されるまでの勾留のことを言います。
以上より、未決勾留日数とは、判決が下されるまでの被疑者勾留日数と被告人勾留日数を合算したものということができます。
刑法21条では、「未決勾留の日数は、その全部又は一部を本刑に算入することができる」とされています。
つまり、未決勾留されていた日数の全部または一部に相当する期間分、懲役刑や禁錮刑の期間を短縮することができるのです。
したがって「未決勾留日数中30日をその刑に算入する」とは、被告人に対して言い渡された禁錮5年の刑のうち、30日分はそれまでの未決勾留分によって代替するという意味になります。
この判決文から少なくとも被告人は、逮捕後判決が下されるまで30日以上にわたって勾留されていたということがわかります。
犯行の悪質性や結果の重大性を考えれば、このような長期にわたって勾留されることもやむを得なかったかもしれません。
しかし、交通事故・交通違反事件に強い弁護士に依頼していれば、もっと短い勾留期間で済んだ可能性があります。
過失運転致死事件などで、勾留されてしまっている方や勾留されそうな方は、ぜひご相談下さい。
愛知名古屋弁護士ノリタケ法律事務所は、交通事故・交通違反事件にも精通しています。
安心してお任せ下さい。
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岐阜の危険運転致死事件 交通事故の弁護士
岐阜の危険運転致死事件 交通事故の弁護士
Aさんは、岐阜地方裁判所多治見支部で行われた刑事裁判で、懲役11年の有罪判決を言い渡されました。
罪名は、危険運転致死罪です。
同裁判では、制限速度時速40キロの道路を時速155キロで走行したところ、車両を制御できなくなり対向車と衝突する事故を起こし、3名を死亡させたことの刑事責任が問題となりました。
※今回は平成18年1月25日の静岡地方裁判所刑事1部の判決を参考にしました。
~危険運転致死罪とは・・・~
危険運転致死罪とは、法律で定められる一定の危険な運転行為によって人を死亡させる罪のことをいいます。
現在危険運転致死罪が規定されている自動車運転処罰法によると、危険な運転とは、以下の8つです。
・アルコールや薬物の影響で正常な運転が困難な状態での運転
・アルコールや薬物の影響で正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で運転
・進行を制御することが困難な高速度での運転
・進行を制御する技能を有しないでの運転
・人や車の進行を妨害する目的で、通行中の人や車に接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度での運転
・赤信号やこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度での運転
・通行禁止道路を進行し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度での運転
・運転に支障を及ぼすおそれがある病気として政令で定めるものの影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態での運転
今回取り上げた事件は、上から3つ目の黒点に該当する危険運転の例です。
上記8つの危険運転のうち、いずれかを行った上で、人を死亡させた場合、20年以下または15年以下の懲役刑に処せられます。
この罪に問われる場合、犯行態様の悪質性・危険性や刑の重さゆえに、不起訴処分や執行猶予判決の獲得が難しい可能性が高いです。
また、逮捕・勾留される可能性も高いでしょう。
ですから、危険運転致死罪で容疑者・被告人になってしまった方は、厳しい状況下におかれることを覚悟しなければなりません。
しかし、そのような状況でも弁護士は、容疑者・被告人の味方です。
不起訴処分や執行猶予判決獲得の可能性が低くとも、その実現に向けて全力で弁護活動に取り組みます。
また実刑判決の獲得が出来ない場合でも、少しでも減刑されるよう手段を尽くします。
さらに、頻繁に保釈請求するなどして、被告人の釈放を手助けすることもできます。
危険運転致死罪でお困りの方は、ぜひ弁護士を利用していただきたいと思います。
愛知名古屋弁護士ノリタケ法律事務所は、危険運転致死罪の弁護実績もあります。
重い刑事責任に問われるからこそ、刑事事件専門の弁護士事務所に依頼する価値があります。
交通事故・交通違反事件にも強い弊所に、ぜひご相談下さい。
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名古屋の死亡事故事件 刑事裁判の弁護士
名古屋の死亡事故事件 刑事裁判の弁護士
Aさんは、酒気帯びの状態で車を運転していたところ、スピードの出しすぎでカーブを曲がり切れず自損事故を起こしてしまいました。
この事故で同乗していた男女2名が、死亡しました。
愛知県警中村警察署は、危険運転致死の疑いでAさんを取り調べています。
今回の事件は、平成20年1月17日松山地方裁判所刑事部の判決を参考にしています。
~危険運転致死罪か業務上過失致死罪か~
今回は、自損事故により同乗者2名を死亡させた被告人に対して危険運転致死罪が成立するか、業務上過失致死罪が成立するかが争われた事案を取り上げます。
まず始めに、危険運転致死罪と業務上過失致死罪の違いについて説明します。
危険運転致死罪とは、法律で定められた一定の危険な運転により人を死亡させる犯罪のことです。
この罪は、現在、自動車運転処罰法に規定され、危険運転の態様によって20年以下または15年以下の懲役刑に処せられます。
一方で業務上過失致死罪とは、業務上必要な注意を怠ったことにより人を死亡させる犯罪のことです。
法定刑は、5年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金です。
平成19年以前は、自動車による人身死亡事故の場合、危険運転致死罪が成立するときを除いて業務上過失致死罪が成立すると考えられていました。
しかし、現在は、自動車運転処罰法に規定されている過失運転致死罪として処罰されることになります。
今回の事件は、平成18年に発生しているため、業務上過失致死罪の方が問題となっています。
ご注意ください。
さて今回の事案で問題となる危険運転致死罪と業務上過失致死罪では、大きく法定刑が異なります。
そのため、被告人に対してどちらの罪を認めるのかが、裁判の中で激しく争われました。
検察官は、制御不能なほどの高速度で車を運転したこと(危険運転の一つ)が事故の原因であるとして、危険運転致死罪の適用を主張しました。
一方で弁護人は、事故当時は時速100キロも出ておらず、制御不能ではなかったとして業務上過失致死罪の適用を求めました。
裁判所が認定した事実によると、被告人は制限速度が時速50キロの道路を時速約80キロで運転していました。
もっとも、現場は緩やかなカーブで、時速約80キロで走行しても制御不能な状態に陥るとは認めがたい状況でした。
また、被告人が時速約80キロで走行した時間は、非常に短いということです。
以上から、裁判所は
「本件車両は、事故当時、いまだ進行を制御することが困難な状態に陥っていたとは認めがたい」
として、危険運転致死罪の適用を否定しました。
結果、被告人には、業務上過失致死罪が成立するとされ、懲役4年の実刑判決が言い渡されました。
人身事故の事実に争いがない場合でも、成立する犯罪を争うことで刑を軽くすることができる場合があります。
人身事故でお困りの方は、弁護士に相談してみることをお勧めします。
愛知名古屋弁護士ノリタケ法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の弁護士事務所です。
刑事裁判の弁護人もお任せ下さい。
名古屋の危険運転幇助事件 共犯者の弁護士
名古屋の危険運転幇助事件 共犯者の弁護士
運送会社勤務のAさんとBさんは、危険運転致死傷幇助罪の疑いで、名古屋地方検察庁から呼び出しを受けました。
担当検察官によると、AさんとBさんは、同僚のCさんがアルコールの影響で正常な運転が困難な状態であることを知りながら車を運転させ人を死傷させたそうです。
本日の午後から、順次取調べを行っていく予定です。
(フィクションです)
~危険運転致死傷幇助罪とは・・・~
今回は、平成25年4月15日の最高裁判所判決を取り上げます。
この事案は、上記の事案と同様、アルコールの影響で正常な運転が困難であることを知りながら、車を運転させ人を死傷させたことに対する刑事責任が問題になったものです。
こうした行為は、危険運転致死傷幇助罪として罰せられます。
裁判で認定された事実によると、被告人の2人は、飲酒運転をしていた者の先輩でした。
事件当日も3人で酒を飲んだ後、次の目的の店が開店するまで時間があったため、3人でドライブをすることにしたそうです。
被告人らは、運転手を務めた者が運転前からかなりの酩酊状態であることを認識していました。
しかし、同人が飲酒運転することを申し出た際、それを阻止することなく、頷くなどして了解を与えたということです。
その結果、対向車2台と順次衝突し、死者2名・負傷者4名という甚大な被害を生じさせる事故につながってしまいました。
被告人らは、運転手が飲酒運転するのを黙認していただけでは、危険運転致死傷幇助罪にあたらないと主張しました。
しかし、最高裁は、
・被告人らと運転手の関係性
・本件飲酒運転につき了解を求めるに至った経緯及び状況
・被告人らの応答態度
・被告人らは運転手の酩酊状態を認識していた
・飲酒運転に了解を与え、その後も黙認し続けた
ことを指摘し、被告人らの主張を退けました。
これにより、被告人らに対する有罪判決が確定しました。
近年、飲酒運転をした本人だけでなく、酒を飲ませた者や車を提供した者など、周りの人をも罰するよう法律が改正されました。
このことからもわかるように、現在は飲酒運転を撲滅するために、飲酒運転をする本人だけでなくその周りの人も取り締まるようになっています。
自分がやらなければいいではありません。
周りの人にも飲酒運転させないように注意しましょう。
愛知名古屋弁護士ノリタケ法律事務所は、危険運転致死傷幇助罪でお困りの方の力になります。
まずは、お電話下さい。
お電話の際は、「ブログを見た」とおっしゃっていただけるとスムーズです。
名古屋の過失運転致死事件 控訴の弁護士
名古屋の過失運転致死事件 控訴の弁護士
名古屋市中村区在住のAさんは、過失運転致死の容疑で愛知県警守山警察署に逮捕されました。
同署によると、Aさんは、前方不注意及び速度超過が原因で、道路を横断していた歩行者をはね死亡させたそうです。
一審の名古屋地方裁判所は、過失運転致死罪でAさんに禁錮1年の実刑判決を言い渡しました。
(フィクションです)
~過失運転致死事件で控訴する~
Aさんは、名古屋地方裁判所で禁錮1年の実刑判決を言い渡されてしまいました。
Aさんがこの判決に対して不満を持っている場合、今度は高等裁判所で二回目の裁判をしてもらうことができます。
これを「控訴」と言います。
つまり、控訴とは、第一審の判決に対して不服がある場合に、上級裁判所の救済を求める不服申立て制度のことです。
刑事事件の場合、民事事件の場合と異なり、第二審は、全て高等裁判所で行われますので注意が必要です。
ちなみに、もし高等裁判所の判決に不服があれば、最後に最高裁判所で三回目の裁判を受けることができます。
この場合、最高裁判所で裁判を受けたい人は、「上告」という手続きを取ることになります。
「控訴」や「上告」をまとめて「上訴」と言います。
これらの上訴手続を行うためには、法律で定められている条件を満たすことが必要です。
今回は、「控訴」するケースについて解説します。
■控訴権があること
控訴できるのは、控訴する権利が与えられている人のみです。
控訴する権利が与えられているのは、例えば次の人です。
・被告人
・検察官
・第一審の弁護人
・被告人の法定代理人
など
■控訴期間内であること
控訴できるのは、第一審判決が下された翌日から14日以内に限られています。
この期間を経過すると、控訴は受け付けられません。
■控訴理由があること
控訴するには、法律で定められた控訴するに足りる理由が認められなければなりません。
例えば、「量刑不当」「事実誤認」などが挙げられます。
今回の事例でAさんが控訴するとすれば、
・禁錮1年の実刑判決は重すぎる
・前方不注意をしていなかった、速度は適正だった
などという主張をすれば、控訴理由になるでしょう。
ちなみに、第一審の弁護人と控訴審の弁護人を変更することは、被告人の自由です。
第一審の弁護人に不満がある場合は、心機一転弁護士を変えてみてもいいかもしれません。
愛知名古屋弁護士ノリタケ法律事務所は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
控訴をお考えの方は、ぜひご相談下さい。
きっとお力になれると思います。
お電話の際は、「ブログを見た」とおっしゃっていただけるとスムーズです。