Archive for the ‘交通事故(人身事故)’ Category
過失運転致傷の疑いで逮捕された場合にとるべき行動
今回は、人身事故を起こし、過失運転致傷の疑いで逮捕されてしまった被疑者や親族がとるべき行動について、弁護士法人あいち刑総合法律事務所が解説いたします。
~ケース~
Aさんは、自動車をバックさせて駐車しようとしていた際、後方確認が十分にできておらず、Aさんの自動車の後ろにいた小学1年生のVを轢過し、死亡させてしまいました。
駆け付けた警察官により、Aさんは過失運転致傷の疑いで現行犯逮捕され、近く被疑事実を過失運転致死に切り替えて捜査が行われる方針です。
Aさんの家族は逮捕を知って大変驚き、どうするべきか途方に暮れています。(フィクションです)
~過失運転致死傷罪について解説~
過失運転致死傷罪は、自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた場合に成立します(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第5条)。
法定刑は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金となっております。
過失運転致死罪は、上記のうち、被害者が死亡してしまった場合に成立します。
傷害するに留まった場合は、過失運転致傷罪が成立します。
両者を合わせて、過失運転致死傷罪と呼称されます。
被害者の傷害が軽いときは、情状により、刑が免除されることがありますが、死亡させてしまった場合には、この規定により免除されることはありません。
Aさんは自動車を後退させる際、後方の歩行者の有無に注意し、適切に自動車を操作すべきであったにもかかわらず、後方確認が不十分であったため、後ろにいたVを轢過してしまい、死亡させています。
上記の事実関係によれば、Aさんに過失運転致死罪が成立する可能性は高いと考えられます。
~AさんやAさんの家族は何をするべきか?~
Aさんは現行犯逮捕されてしまったので、釈放されなければ1~3日間外に出ることができません。
また、検察に送致された後、検察官によって勾留請求がなされ、裁判官によって勾留決定がなされると、10日間勾留されることになります。
さらに、やむを得ない事由があると認められると、最長10日間、勾留が延長されてしまいます。
身体拘束を受けた状態では、自身に有利な活動をみずから行うことはほぼ不可能です。
また、身体拘束が長期化すると、会社や学校を無断欠勤、無断欠席することになってしまいます。
さらに、身体拘束自体がもたらす心身への悪影響も無視できません。
逮捕されてしまった場合には、すぐに弁護士を呼び、接見を受けて今後の善後策(早期の身柄解放を目指す活動、不起訴処分の獲得を目指す活動、有利な判決の獲得を目指す活動など)を立てる必要があります。
AさんやAさんの家族に心当たりのある弁護士がいれば、その弁護士に接見を依頼することが考えられます。
Aさんに弁護士の知り合いがいなくても、警察官や検察官、裁判官に当番弁護士を要請すれば、1回だけ無料で接見を受けることができます。
当番弁護士は、Aさんの家族も要請することができるので、Aさん以外の方であっても、Aさんのために活動することができます。
当番弁護士としての接見は1回だけですが、当番弁護士を私選弁護人として選任すれば、今後もサポートを受けることができます。
いずれにしても、逮捕されてしまった場合には早期に弁護士の接見を受けることが重要です。
国選弁護人という制度もありますが、ケースの段階では逮捕された段階(勾留決定がなされていない)なので、利用することはできません。
逮捕直後からすぐに弁護活動を開始するためには、当番弁護士、私選弁護人を利用することになります。
人身事故を起こし、過失運転致傷の疑いで逮捕されてしまった場合には、速やかに弁護士の接見を受け、有利な事件解決を目指すためのアドバイスを受けましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が過失運転致傷の疑いで逮捕されてしまった方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
地方公務員を目指す大学生が人身事故を起こし取調べ
今回は、地方公務員を目指している大学生が人身事故を起こしてしまった場合の弁護活動につき、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
~ケース~
Aさんは、県道を自動車にて走行中、道路を横断している歩行者Vに気付かず、慌ててブレーキをかけましたが、Vと衝突してしまいました。
Vは衝突した際の衝撃で転倒し、怪我を負った模様です。
Aさんはすぐに警察、救急車を呼び、Vを救護しましたが、Vの容態は不明です。
後程、Aさんは警察に連れて行かれ、取調べを受けましたが、両親が身元引受人となって自宅に帰ることができました。
Aさんは今後どうなるのでしょうか。(フィクションです)
~Aさんに成立しうる犯罪は?~
ケースの場合、過失運転致傷罪(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第5条)の成否が問題となるでしょう。
※自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律
(過失運転致死傷)
第五条 自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。
自動車を運転中、運転操作を誤ったり、よそ見をしていたなどの理由で、被害者に怪我を負わせてしまう場合が典型例といえます。
Aさんは道路を横断するVの存在に注意し、事故を起こして怪我をさせることのないように自動車を操作すべきであったにもかかわらず、Vの存在に気付かず、これと衝突して怪我を負わせてしまっています。
上記の事実関係によれば、Aさんに過失運転致傷罪が成立する可能性は十分ありえるということができるでしょう。
~今後の捜査~
Aさんは逮捕されず、自宅に帰ることができたので、在宅で捜査を受けることになるでしょう。
この場合は、警察へ何度か出頭し、取調べを受けたり、実況見分に協力する、という期間が続くと思われます。
警察での捜査が節目を迎えると、事件が検察へ送致されることになります。
検察では、検察官の取調べを受けることになります。
そして、最終的に検察官がAさんを起訴するか、あるいは不起訴とするかを決定します。
在宅捜査の場合であっても、呼出しを正当な理由なく拒否すると、逃亡のおそれがあると判断され、逮捕されてしまうことがあります。
逮捕、勾留されると、捜査段階において最長23日間もの身体拘束を受けるので、Aさんの社会生活に及ぼす悪影響は計り知れません。
逮捕されるリスクを考えると、呼出しには応じた方がよいでしょう。
呼び出された日程に差し支えがあれば、かならず捜査機関にその旨を話し、出頭する日程を調整しましょう。
~Aさんが注意すべきこと~
Aさんは大学で地方公務員を目指して勉強しているとのことですが、地方公務員法第16条は、地方公務員の任用にあたり、欠格条項を設けています。
同法同条第1号によれば、「禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者」は、「条例で定める場合を除くほか、職員となり、又は競争試験若しくは選考を受けることができない」とされています。
ところで、過失運転致傷罪の法定刑には「禁錮以上の刑」が含まれています(前記参照)。
もし起訴され、禁錮刑を言い渡されてしまうと、当分の間、地方公務員になることができなくなってしまいます。
Aさんは大学で地方公務員を目指し勉学に励んできたのですから、ケースの事件によって進路の実現を諦めざるを得ない事態が生じることは回避したいところです。
もし、①不起訴処分を獲得できた場合や、②起訴された場合であっても、罰金刑に留まった場合には、前記の欠格条項に該当しないので、引き続き進路の実現に向けて注力することができます。
Vの怪我の状況にもよりますが、もし比較的軽傷であれば、Vと示談をするなどの弁護活動を尽くすことにより、不起訴処分や罰金刑に留まる判決を獲得できる可能性もあります。
ケースのような事件を起こしてしまった場合は、まず刑事事件に詳しい弁護士と相談し、今後の弁護活動についてアドバイスを受けましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
過失運転致傷事件を起こしてしまい、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
飲酒運転で人身事故
飲酒運転と人身事故について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
Aさんは,飲酒酩酊状態で車を運転し,道路を横断していたVさんをはねて怪我をさせました。Aさんは通報で駆け付けた警察官に道路交通法違反(酒気帯び運転)及び過失運転致傷罪の容疑で現行犯逮捕されてしまいました。逮捕の知らせを受けたAさんの家族は早期釈放のため、弁護士にAさんとの接見を依頼しました。にもかかわらずそのまま逃走したひき逃げ事故を起こしました。
~酒気帯び運転の罪~
Aさんは酒気帯び運転の罪で逮捕されました。
酒気帯び運転の罪に関する規定は,道路交通法および同法施行令に規定されています。
第65条1項
何人も,酒気を帯びて車両等を運転してはならない。
第117条の2の2
次の各号のいずれかに該当する者は,3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
第3号 第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等(軽車両を除く)を運転した者で,その運転した場合いおいて身体に政令で定める程度以上に アルコールを保有する状態にあったもの
同法施行令44条の3
法第117条の2の2第3号の政令で定める身体に保有するアルコールの程度は,血液1ミリリットルにつき0.3ミリグラム又は呼気1リットルにつき0.15ミリグラムとする。
つまり,酒気帯び運転とは,血液1ミリリットルにつき0.3mg又は呼気1リットルにつき0.15mg以上アルコールを保有する状態で車両等(自転車等の軽車両を除く)を運転することをいいます。
そして,酒気帯び運転の罪では,3年以下の懲役又は50万円以下の罰金を科されるおそれがあります。
なお、酒気帯び運転に似ている運転として酒酔い運転というのも道路交通法に規定されています。
第117条の2 次の各号のいずれかに該当する者は,5年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
第1項 第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等を運転した者で,その運転した場合において酒に酔った状態(アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態をいう。)にあったもの
酒気帯び運転の罪は「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」であるのに対し,酒酔い運転の罪は、より重い「5年以下の懲役又は100万円以下の罰金」です。
酒酔い運転は,酒気帯び運転よりも一般的に強く酔った状態なので、重い刑罰が定められているのです。
ただし、酒気帯び運転と違い,酒酔い運転の罪の場合,「酒に酔った状態(アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態)」とだけ記載されており、具体的なアルコールの数値までは定められていません。
平均的な酒の強さの人であれば酒気帯び運転にしかならない,あるいは酒気帯び運転にすらならないアルコールの数値であっても,酒に弱い人であれば,刑罰の重い酒酔い運転に該当してしまう可能性もあるので注意が必要です。
~過失運転致傷罪と本件の量刑~
また、Aさんは過失運転致傷罪でも逮捕されています。
過失運転致傷罪は、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(以下、「自動車運転死傷行為処罰法」と言います。)5条に規定されています。
自動車運転致死傷行為処罰法5条
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。
人を死傷させた場合には、酒気帯び運転や酒酔い運転の罪とは別途、過失運転致傷罪にも問われることになるわけです。
また、さらにひどく酔って運転し人身事故を起こしたケースでは、危険運転致死傷罪に問われる可能性もあります。
近年は飲酒運転やそれに関する交通事故では量刑(判決で下される刑罰の重さ)が非常に厳しくなる傾向にあります。
今後どうのような展開になってしまうのか、ご不安が大きいと思いますので、ぜひ弁護士にご相談いただければと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,酒気帯び運転などの交通違反をはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
あなたやご家族が交通事故などを起こしてお困りの方は,まずは
0120-631-881までお電話ください。無料法律相談,初回接見サービスを24時間体制で受け付けております。
交通事件での身体拘束
交通事件での身体拘束の可能性について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
ある朝、警視庁西新井警察署の警察官が東京都足立区にあるAさん宅を訪れました。
Aさんは、先日の交通事故の件で話が聞きたいと警察官から言われ、西新井警察署に連れて行かれました。
お昼ごろ、Aさんの妻に連絡があり、「ご主人をひき逃げ事件の件で逮捕しました。」と言われ、妻はまさか逮捕されるとは思っておらず大変驚いています。
このままAさんの身体拘束が続くのかどうか心配になったAさんの妻は、すぐに対応してくれる弁護士をネットで探すことにしました。
(フィクションです。)
刑事事件での身体拘束
あなたが罪を犯したと疑われた場合、捜査機関によってあなたの身柄が拘束されることがあります。
すべての事件において、被疑者・被告人が身体拘束を強いられるわけではありません。
人の身体の自由を一定期間奪うわけですから、法律に定められている要件を満たす場合にのみ、被疑者・被告人の身柄を拘束することが許されるのです。
捜査段階では、まず、「逮捕」という身体拘束を伴う強制処分があります。
これは、被疑者の取調べを目的として、被疑者の意思に反して、身体・行動の自由という重要な権利利益を侵害する処分です。
ですので、この処分を実施するためには、法律、ここでは刑事訴訟法と呼ばれるものですが、それに定められている要件を満たしていることが前提となります。
逮捕には、①通常逮捕、②現行犯逮捕、③緊急逮捕の3種類があります。
ここでは、①通常逮捕の要件について説明します。
通常逮捕とは、事前に裁判官が発行する逮捕令状に基づいて、被疑者を逮捕するもので、これが逮捕の原則的な形態です。
逮捕の要件は、①逮捕の理由、および、②逮捕の必要性です。
①逮捕の理由とは、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があることです。
そして、②逮捕の必要性というのは、被疑者が逃亡するおそれや罪証隠滅するおそれがある場合をいいます。
検察官または司法警察員が逮捕状の請求を行い、その請求を受けて、裁判官が逮捕の理由と逮捕の必要性を審査し、逮捕状を発布するか、請求を却下するかを判断します。
逮捕に引き続いて行われ得る身体拘束を伴う強制処分として、「勾留」というものがあります。
勾留は、比較的長期間の身体拘束を伴うものです。
勾留は、起訴前の勾留(「被疑者勾留」ともいいます。)と起訴後の勾留(「被告人勾留」ともいいます。)とに分けられます。
被疑者勾留の要件は、①犯罪の嫌疑、②勾留の理由、③勾留の必要性、の3つです。
①犯罪の嫌疑の要件とは、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があることをいいます。
②勾留の理由については、住居不定、罪証隠滅のおそれ、逃亡のおそれ、のいずれかに該当する場合にあるものと判断されます。
そして、②勾留の理由がある場合であっても、被疑者を勾留することにより得られる利益と、これによって生じる不利益を比較してつり合いがとれないようなときは、被疑者を勾留することは許されません。
これを③勾留の必要性(もしくは相当性)といいます。
検察官が勾留を請求し、裁判官が勾留の要件を満たしているかどうかを判断します。
被疑者勾留の期間は、原則、検察官が勾留請求をした日から10日間です。
ただし、検察官が勾留延長の請求をし、それを裁判官が認めた場合には、最大で更に10日間となります。
被疑者が起訴されると、勾留も被疑者勾留から被告人勾留へと切り替わります。
勾留されている被疑者が起訴された場合、当然に被告人勾留が開始されます。
被告人勾留の要件は、被疑者勾留のそれと同じです。
ただし、勾留期間は起訴の日から2か月で、裁判所は、特に継続の必要があるときは、勾留期間を1か月ごとに更新することができます。
以上のように、刑事事件において身体拘束は絶対ではありませんが、要件を満たす場合には長期間の身体拘束を余儀なくされることがあります。
交通事件での身体拘束の可能性
交通に関する刑事事件、例えば、無免許運転や飲酒運転による道路交通法違反や、人身事故による過失運転致死傷や危険運転致死傷事件を起こした場合、通常の刑事事件と同様に、先に述べたように身柄が拘束される可能性があります。
単純な無免許運転や飲酒運転の場合、多くが現行犯逮捕となりますが、逃亡のおそれも罪証隠滅のおそれもないと判断され、その後釈放されるケースが多いでしょう。
人身事故を起こした場合については、過失運転致死傷に該当するケースであり被害がそこまで大きくないのであれば、勾留されずに釈放となる可能性が高いでしょう。
一方、危険運転致死傷に該当するような重大な事故の場合や、ひき逃げ事件では、被疑者の身柄を確保して捜査を継続する必要がある判断される傾向にあります。
特に、ひき逃げ事件については、いったん現場から逃走しているため、逃亡のおそれが高いと判断されるからです。
しかしながら、長期の身体拘束は、退学や懲戒解雇といった過度な不利益を被疑者・被告人に課すものであるため、不当不要な身体拘束は避けなければなりません。
そのため、逮捕された場合や、逮捕されそうな場合には、早期に弁護士に相談し、身柄解放に向けて動いてもらいましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
ご家族が刑事事件・少年事件で逮捕されて対応にお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談・初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。
交通事犯で逮捕、保釈で釈放
交通事犯で逮捕され、保釈で釈放を目指す場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
兵庫県神戸市垂水区で人身事故を起こしたAさんは、兵庫県垂水警察署に逮捕されました。
Aさんは、飲酒運転により人身事故を起こしており、警察は危険運転致死傷の適用も視野に入れて捜査をしているようです。
Aさんは、接見に来た弁護士に釈放の可能性について聞いています。
(フィクションです。)
交通事犯で逮捕されたら
交通事犯については、全体として厳罰化の傾向にあります。
交通事犯というのは、一般に、自動車運転に係る犯罪のことを意味し、道路交通法違反、過失運転致死傷罪や危険運転致死傷罪などの犯罪のことをいいます。
交通事犯は、単純な無免許運転や飲酒運転(酒気帯び運転、酒酔い運転)のような被害者のいないものから、過失運転致死傷罪や危険運転致傷罪などの被害者がいるものと、その態様は様々です。
そのため、交通事犯で逮捕された場合、その後の身体拘束についても、その態様に軽重に比例する傾向にあります。
単純な無免許運転や飲酒運転、スピード違反、被害の程度が比較的軽微である人身事故であれば、逮捕後に勾留されずに釈放される可能性はあります。
勾留というのは、逮捕後に引き続き被疑者の身柄を比較的長期間拘束する裁判とその執行のことをいいます。
検察官からの勾留請求を受けて、裁判官が勾留の要件を充たしているかどうかを検討し、勾留の決定をするかどうかを判断します。
勾留の要件には、①勾留の理由、そして、②勾留の必要性、の2つがあります。
①勾留の理由とは、罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があること、そして、定まった住居を有しないこと、罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があること、あるいは、逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があること、のいずれかに該当することです。
これらの理由がある場合であっても、被疑者を勾留することにより得られる利益が極めて弱い場合や、被疑者が勾留によって被る不利益が著しく大きい場合には、勾留の実質的な相当性(必要性)を欠くとして、勾留は認められません。
交通事犯においては、死亡事故等、被害が重大な場合を除いては、身体拘束がなされることが比較的少ないことが特徴です。
ただ、危険運転致死傷罪に当たるような事故を起こした場合には、逮捕後に勾留となる可能性は高まります。
捜査段階での釈放が困難な場合には、起訴後に保釈を利用して釈放されることを目指します。
保釈で釈放を目指す
一定額の保釈保証金を納付することを条件として、被告人に対する勾留の執行を停止し、その身柄拘束を解く裁判及びその執行を「保釈」といいます。
保釈は、起訴された段階から請求することが出来ますが、起訴前の被疑者勾留では請求することは出来ません。
保釈には、以下の3つの種類があります。
1.権利保釈(必要的保釈)
裁判所は、権利保釈の除外事由に該当しない場合には、保釈請求があったときは、原則として保釈を許可しなければなりません。
除外事由は、以下の通りです。
①被告人が、死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁固に当たる罪を犯したものであるとき。
②被告人が、前に、死刑又は無期若しくは長期10年を超える懲役若しくは禁固に当たる罪につき有罪の宣告を受けたことがあるとき。
③被告人が常習として長期3年以上の懲役又は禁錮に当たる罪を犯したものであるとき。
④被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由のあるとき。
⑤被告人が、被害者その他事件の審判に必要な知識を有すると認められる者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させる行為をすると疑うに足りる相当な理由があるとき。
⑥被告人の氏名又は住居が分からないとき。
2.裁量保釈(任意的保釈)
裁判所は、上の権利保釈の除外事由がある場合であっても、適当と認めるときは、職権で保釈を許可することが出来ます。
3.義務的保釈
裁判所は、勾留による拘禁が不当に長くなったときは、請求により、又は職権により、保釈を許可しなければなりません。
危険運転致死傷罪という重い罪であっても、単独犯であり組織的な背景がないことが多いですから、罪証隠滅のおそれはそれほど高いものではなく、保釈が認められる可能性はあります。
交通事犯で逮捕され、捜査段階での釈放が困難な場合には、起訴後すぐに保釈を請求し、保釈が認められるよう事前に準備しておくことが必要があります。
交通事犯で逮捕され、早期釈放をお望みであれば、刑事事件に強い弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、交通事犯を含めた刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
無料法律相談・初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。
無免許飲酒運転でひき逃げ
無免許飲酒運転でひき逃げした事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
大阪府大阪市都島区の交差点で、横断中の歩行者をひいて逃走したとして、大阪府都島警察署は、車を運転していたAさんを逮捕しました。
事件後、現場から少し離れた駐車場で車を止め、車内で寝ていたAさんを発見し、呼気検査をしたところ、基準値を超えるアルコールが検出されました。
また、Aさんは免停中であることが発覚し、警察は、Aさんが、無免許のうえ、酒を飲んで車を運転し、横断していた被害者をひき逃げした疑いで、捜査を進めています。
(フィクションです。)
無免許飲酒運転でひき逃げした場合
無免許運転かつ飲酒運転でひき逃げをした、という上の事例のようなケースでは、どのような罪が成立するのでしょうか。
1.飲酒運転
道路交通法第65条第1項は、「何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。」と規定しており、身体にアルコールを保有したまま車両等を運転することは禁止されています。
そして、一定程度以上のアルコールを身体に保有したまま車両等を運転する行為は、刑事罰の対象となります。
■酒気帯び運転■
血中アルコール濃度が一定量に達しているかどうか、という形式的な基準で判断されます。
その基準とは、「呼気1リットルあたりのアルコール濃度が0.15ミリグラム以上」です。
酒気帯び運転の法定刑は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金です。
■酒酔い運転■
酒酔い運転は、アルコール濃度の検知値には関係なく、「アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態」で車両等を運転した場合に成立します。
具体的には、直線を真っすぐ歩けるか、呂律が回っているか等といった点から判断されます。酒酔い運転の法定刑は、5年以下の懲役または100万円以下の罰金と、酒気帯び運転の法定刑よりも重くなっています。
2.人身事故
■過失運転致死傷■
通常、人身事故を起こした場合、「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」(以下、「自動車運転処罰法」といいます。)で規定される「過失運転致死傷罪」が適用されます。
この罪は、「自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた」場合に成立します。
前方不注意や巻き込み確認を怠ったこと等の不注意によって相手を死亡させた場合には、過失運転致死傷罪が適用されます。
過失運転致死傷罪の法定刑は、7年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金です。
■危険運転致死傷■
ところが、飲酒運転で人身事故を起こした場合、より重い罪が成立する可能性があります。
それは、「危険運転致死傷罪」です。
危険運転致死傷罪は、「アルコールの影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させ」、「よって、人を負傷させた」場合に成立します。
この場合の法定刑は、人を負傷させた場合は15年以下の懲役、人を死亡させた場合は1年以上の有期懲役と、かなり重くなります。
また、「アルコールの影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、そのアルコールの影響により正常な運転が困難な状態に陥り、人を負傷させ」た場合は12年以下の懲役、人を死亡させた場合は15年以下の懲役が科される可能性があります。
危険運転致死傷罪が適用される場合、道路交通法違反(酒気帯び運転、酒酔い運転)は危険運転致死傷罪に吸収されるため、別個には成立しません。
3.無免許運転
■無免許運転■
道路交通法第64条第1項で、「何人も、第84条第1項の規定による公安委員会の運転免許を受けないで、自動車又は原動機付自転車を運転してはならない。」と規定し、無免許運転を禁止しています。
無免許運転の法定刑は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金です。
■無免許運転による加重■
自動車運転処罰法第6条は、「第2条(危険運転致死傷)の罪を犯した者が、その罪を犯した時に無免許運転をしたものであるときは、6月以上の有期懲役に処する。」と規定しています。
また、第3条(準危険運転致死傷罪)の罪を犯した者が、その罪を犯した時に無免許運転をした者であるときは、人を負傷させた場合は15年以下の懲役、人を死亡させた場合は6月以上の有期懲役と加重されます。
更に、第5条(過失運転致死傷)を犯した者が、無免許運転をしたときは、10年以下の懲役と刑が加重されます。
4.ひき逃げ
■救護義務違反■
道路交通法第72条第1項前段は、「交通事故があったといは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。」と規定しています。
これを「救護義務」といい、これに反して現場から逃走する行為を「ひき逃げ」と呼びます。
救護義務違反の法定刑は、5年以下の懲役または50万円以下の罰金ですが、人身事故が、「人の死傷が当該運転者の運転に起因する」ものである場合に救護義務に違反した場合は、10年以下の懲役または100万円以下の罰金となります。
■過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱■
自動車処罰法第4条は、アルコールの影響によりその走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で自動車を運転した者が、運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた場合において、その運転の時にアルコールの影響の有無又は程度が発覚することを免れる目的で、更にアルコールを摂取すること、その場を離れて身体に保有するアルコールの濃度を減少させることその他その影響の有無又は程度が発覚することを免れるべき行為をしたときは、12年以下の懲役に処すると規定しています。
この罪を犯した者が、無免許運転であった場合には、刑は15年以下の懲役に加重されます。
無免許運転かつ飲酒運転でひき逃げをした場合で、成立し得る罪としては、次の4つのケースが考えられます。
①道路交通法違反(酒気帯び運転、または酒酔い運転)、無免許過失運転致死傷、道路交通法違反(救護義務違反)の3罪。
②無免許危険運転致死傷、道路交通法違反(救護義務違反)の2罪。
③無免許準危険運転致死傷、道路交通法違反(救護義務違反)の2罪。
④無免許過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱、道路交通法違反(救護義務違反)の2罪。
いずれの場合も、実刑の可能性が高く、弁護人は、被害者との示談成立、被告人の反省の態度や再発防止措置が講じられている等の被告人に有利な事情を示し、できる限り刑が軽くなるように弁護することになるでしょう。
また、危険運転致死が成立する場合には、裁判員裁判の対象となりますので、裁判員裁判に向けた公判準備を行う必要もあります。
交通事故を起こし対応にお困りの方は、早期に弁護士に相談することをお勧めします。
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交通事件で逮捕:弁護士との接見
交通事件で逮捕された場合の弁護士との接見について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
東京都八王子市の交差点で、車を右折した際に、直進してきたバイクと接触する事故をおこしたAさん。
事故後、すぐに救急車を呼び、バイクの運転手は病院に運ばれましたが、幸いにも怪我の程度は軽く済みました。
現場に駆け付けた警視庁南大沢警察署の警察官は、Aさんに事故当時について詳しく話を聞いていましたが、Aさんの飲酒運転を疑い、呼気検査をしました。
すると、基準値以上のアルコールが検出されたため、警察官は、道路交通法違反(酒気帯び運転)と過失運転致傷の疑いでAさんを逮捕しました。
Aさんは、警察から弁護人を選任でき、弁護士と接見できるとの説明を受け、交通事件にも対応する弁護士との接見を希望しています。
(フィクションです。)
弁護士との接見
Aさんは、刑事事件の被疑者として警察に逮捕されました。
犯罪を犯した疑いがあり、捜査の対象とされている人を「被疑者」と呼びます。
すべての交通事件が犯罪に該当するわけではありませんが、無免許運転や飲酒運転、人身事故を起こした場合などは、犯罪が成立する可能性があり、刑事事件の手続に基づいて、犯罪が成立するのか否か、成立するのであればどのような刑罰を科すべきか、という点について検討されることになります。
捜査段階では、警察をはじめとする捜査機関が、犯罪があると考えるときに、被疑者を特定・発見し、必要な場合には被疑者の身柄を確保するとともに、証拠を収集・保全します。
捜査機関は、逮捕・勾留、捜索・差押えなどの強制処分を行うことができ、それに比べると、被疑者は、刑事事件の一当事者としては弱い立場にあると言えます。
そのため、法律は、充分な防御ができるよう被疑者に様々な権利を保障しています。
今回は、被疑者の権利の一つである「接見交通権」について説明します。
被疑者には、弁護人の援助を受ける権利(「弁護人選任権」といいます。)が保障されています。
憲法は、被告人について、常に弁護人選任権があるとしており、被疑者についても、身柄の拘束を受けたときの弁護人選任権を認めています。
さらに、刑事訴訟法は、身体拘束の有無にかかわらず、被疑者にも弁護人選任権があることを規定しています。
そのため、被疑者となった場合には、いつでも弁護人を選任し、不当な捜査活動から自身の権利・利益を保護し、公判に向けた準備を十分に行うことができます。
被疑者が逮捕・勾留により身体拘束を受けている場合には、外界とのコンタクトが制限された環境に身を置くことになり、身体的にも精神的にもかなりの苦痛を強いられてしまいます。
身体拘束を受けているときには、家族や恋人、そして弁護人からの支援が特に必要不可欠となります。
身体拘束を受けている被疑者は、外部の者との面会や書類・物のやりとりを行うことができます。
これを「接見交通権」といいます。
接見交通は、家族らとの接見交通と弁護士との接見交通とで保障される内容が少し異なります。
被疑者の逃亡や罪証隠滅を防ぐために、家族らとの接見交通は制限されています。
面会には、必ず立会人がおり、時間もだいたい20分に限られています。
逃亡や罪証隠滅のおそれがあると疑うに足りる相当な理由があるときは、裁判官が家族らとの面会を禁止する「接見禁止」決定を行うこともあります。
一方、弁護人(弁護人になろうとする弁護士も含めて)との面会には立会人はいませんし、時間的制限もありません。
書類や物のやりとりをすることもできます。
裁判官が接見禁止とした場合であっても、弁護人は被疑者と面会することができます。
弁護人との面会では、取調べ対応についてのアドバイスといった法的支援のほかにも、家族らからの伝言を伝えたりすることもできますので、特に接見禁止に付されている場合には、弁護士との面会は、被疑者の精神的な支えともなります。
突然の逮捕で身柄が拘束された被疑者は、今後の流れや見込まれる処分、取調べの対応方法など、様々な点において分からず、とてつもない不安を抱えています。
その不安を少しでも早く和らげるためにも、弁護士との接見は重要です。
弊所では、逮捕・勾留された方のもとに赴き接見を行う「初回接見サービス」を提供しています。
逮捕直後は、ご家族の方であっても被疑者と面会することはできませんし、捜査機関から事件について詳しいことを教えてもらえないことも多いため、被疑者だけではなく、その家族もまた不安に苛まれています。
そのような場合には、弊所にご相談ください。
最短、ご依頼いただいた日に刑事事件専門の弁護士が留置先に赴き、逮捕・勾留されている方との接見を行い、事件について伺った上で、今後の流れや見通し、取調べ対応についてのアドバイス、ご家族からの伝言やご家族への伝言を承ります。
接見後には、事件についてや今後の対応方法など、ご家族に向けた接見の報告を行います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
ご家族の突然の逮捕でお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談・初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。
無免許運転でひき逃げ
無免許運転でひき逃げした場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
東京都杉並区の交差点で横断中の自転車とぶつかる人身事故を起こしたAさんは、無免許の発覚を恐れ、そのまま車を発進させて現場から逃走しました。
後続車のドライブレコーダーからAさんの身元が特定されたため、警視庁高井戸警察署は、Aさんをひき逃げ事件の容疑者として逮捕しました。
(フィクションです。)
無免許運転でひき逃げした場合
無免許運転を行い、人身事故を起こしたにもかかわらず、被害者を救助することなく立ち去った場合には、いかなる罪に問われ、どのような刑罰を受ける可能性があるのでしょうか。
1.無免許運転
まずは、無免許運転それ自体について、どのような罪に問われるのかについて説明します。
無免許運転とは、通常、公安委員会の運転免許を受けずに自動車や原動機付自転車を運転することをいいます。
道路交通法第64条は、無免許運転を禁止しており、それに違反した場合の法定刑は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金です。
無免許運転は、交通反則通告制度の対象外であるため、反則金の納付をもって処理される行政処分で済ますことはできません。
2.人身事故
自動車等の運転中に事故を起こし、人に怪我を負わせたり、死亡させてしまった場合には、通常、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(以下、「自動車運転処罰法」といいます。)の過失運転致傷罪、あるいは危険運転致死傷罪に問われます。
ただし、それらの罪を犯した者が事故時に無免許であった場合、刑が加重されます。
過失運転致死傷罪に問われる場合であれば、法定刑が7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金となるのに対して、その罪を犯した時に無免許運転をしていた場合には、10年以下の懲役と加重されます。
自動車運転処罰法が無免許運転による加重規定を置いているため、無免許運転で人身事故を起こした場合には、無免許運転それ自体に対する罪である道路交通法違反は別個に成立しません。
3.ひき逃げ
人身事故を起こしたにもかかわらず、被害者を救護することなく現場から逃走することを、一般に「ひき逃げ」と呼びます。
現在、「ひき逃げ罪」なる罪を規定する法律はありませんが、道路交通法第72条は、交通事故があった場合には、運転者等は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置をとることを義務付けています。
この義務を「救護義務」といい、ひき逃げに当たる行為は、救護義務違反となります。
救護義務違反の法定刑は、5年以下の懲役又は50万円以下の罰金です。
しかし、人身事故が「人の死傷が当該運転者の運転に起因するもの」である場合に、救護義務に違反したときは、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金となります。
過失運転致死傷罪や危険運転致死傷罪に問われる場合は、運転者の運転に起因するものとなります。
Aさんに問われる罪は、無免許運転過失致傷罪と道路交通法違反(救護義務違反)の2つです。
これら2罪は、「併合罪」の関係にあります。
「併合罪」は、確定裁判を経ていない2個以上の罪で、有期懲役・禁錮については、最も重い罪について定めた刑の長期にその2分の1を加えたものを長期とします。
ただし、各刑の長期の合計を超えることはできません。
懲役刑を言い渡す場合、無免許過失運転致傷の法定刑が10年以下の懲役で、救護義務違反のそれが10年以下の懲役で、どちらも同じですから、長期10年にその2分の1である5年を加えて15年以下の範囲で懲役刑が決められます。
となれば、起訴されて有罪となれば、実刑判決が言い渡される可能性も考えられるため、できる限り早く弁護士に相談し、弁護を依頼されるのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、交通事件を含めた刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
刑事事件・少年事件を起こし対応にお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談・初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。
交通事件:略式起訴と公判請求
略式起訴と公判請求について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
飲食店で酒を飲んだ後、「少しぐらい大丈夫だろう。」と思い、Aさんは会社の駐車場に停めていた車に乗って帰宅することにしました。
ところが、兵庫県尼崎市の交差点で左折した際に、右側から横断していた自転車に気付くのが遅れ、自転車と接触してしまいました。
幸い、自転車の運転者はかすり傷で済みましたが、兵庫県尼崎南警察署の警察官には飲酒運転が発覚し、過失運転死傷と道路交通法違反で在宅で捜査されることになりました。
警察からは、「検察に事件を送ったが、起訴されるかもしれない。」と言われており、不安になったAさんは交通事件にも対応する弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)
交通事件の流れ
交通事故を起こした場合や、飲酒運転、無免許運転といった一定の交通ルールに違反した場合には、運転者は刑事上の責任を問われることがあります。
この場合、運転者は事件の被疑者として警察や検察の取調べを受けます。
捜査段階での事件を最終的に処理するのは、検察官です。
検察官は、捜査を遂げた結果、被疑者を起訴するかどうかを決めます。
交通事件では、例えば、過失運転致傷罪に問われるようなケースで、被害者の怪我の程度が軽く、被害者への対応も適切に行われており、被害者の処罰感情もないような場合には、検察官が起訴しないとする決定をすることがあります。
しかしながら、被害の程度が軽いとは言えない場合や、人身事故を起こしていない場合でも重大な事故に繋がりかねない飲酒運転や無免許運転については、起訴される可能性が高いでしょう。
起訴には、通常の起訴と簡易な手続による起訴とがあります。
通常の起訴とは、「公判請求」と呼ばれるもので、検察官が、裁判所に対して特定の犯罪事実について特定の被告人に対する実体的審理及び有罪の判決を求める意思表示のことをいいます。
公判が請求されると、被告人は、公開の法廷において、検察官と弁護人が提出した証拠に基づいて、罪を犯したことが合理的な疑いを超えて証明されたかどうか、有罪であるとすればどのような刑罰を科すべきかについて審理されることになります。
一方、簡易な手続による起訴には、「略式起訴」と呼ばれるものがあります。
検察官が簡易裁判所に対して略式手続を行い略式命令を出すよう求めるものです。
略式手続というのは、簡易裁判所が、原則として、検察官の提出した資料のみに基づいて、公判を開かずに、略式命令により罰金又は科料を科す手続のことです。
略式手続は、事件が比較的軽微であり、被告人にとって公判出頭の必要がなく、また迅速な裁判が期待できるといった被告人の利益となることや、簡易手続が訴訟経済にも益することなどがその趣旨であると言われています。
略式手続の特徴としては、
・略式命令の請求(略式起訴)は、公訴の提起と同時に書面でしなければならない。
・被疑者が略式手続によることについて異議がないことを書面で明らかにしなければならない。
・検察官による略式命令の請求と同時に、必要な書類や証拠物も裁判所に提出しなければならない。
・略式命令では、100万円以下の罰金又は科料を科すことができる。
といった点があります。
簡略化された手続で事件が処理されるため、被疑者の公判請求の負担を回避できるといったメリットがあります。
交通事件においては、悪質かつ重大ではない場合、例えば、被害が比較的軽い、初犯である、人身事故を起こしていない単純な酒気帯び運転や無免許運転といった罰金・科料に相当する事件では、略式起訴されることが多くなっています。
しかしながら、罰金・科料が相当でない事件、危険運転致死傷罪やひき逃げ事件、飲酒運転や無免許運転での人身事故などは、略式起訴ではなく公判請求される可能性が高いでしょう。
交通事件でも、その内容によっては不起訴となる場合もあれば、起訴されることもあります。
また、起訴される場合でも、略式起訴で略式手続に付されるか、公判請求され公開の法廷で審理されるのかによっても、その後の流れが違ってきます。
どのような対応をすべきかについては、弁護士に相談されるのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、交通事件にも対応する刑事事件専門の法律事務所です。
無料法律相談・初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。
危険運転(殊更赤無視)で裁判員裁判②
危険運転(殊更赤無視)で裁判員裁判となった場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
大阪府河内長野市の信号機で交通整理されている交差点に、目の前の信号が赤であるにもかかわらず同交差点を直進し、歩行者用の信号機が青に変わったことを確認して横断道路を横断中の歩行者をはねて死亡させたとして、大阪府河内長野警察署は車を運転していたAさんを危険運転致死の容疑で逮捕しました。
(フィクションです。)
裁判員裁判とは
危険運転致死罪は、裁判員裁判の対象事件となります。
裁判員裁判とは、国民の中から選ばれた裁判員6名と裁判官3名が、被告人が有罪であるか無罪であるか、有罪である場合にはいかなる刑を科すかを判断する制度です。
裁判員裁判の対象となる事件は、
①死刑又は無期の懲役若しくは禁錮に当たる事件、
②故意の犯罪により人を死亡させた事件(①に当たるものを除く)
です。
危険運転致死罪は、故意犯(故意に一定の危険な運転行為をし、その結果、人を死亡させる罪)であるため、②に該当します。
これに対し、過失運転致死罪は、故意の犯罪ではありませんから、①②のいずれにも当てはまらず、裁判員裁判対象事件ではありません。
裁判員裁判の流れ
裁判員裁判は、通常の裁判とは異なる流れとなります。
通常の裁判では、法廷に裁判官・検察官・弁護人・被告人が出席したうえで、公開の法廷で議論が進められます。
これに対し、裁判員裁判では、実際の裁判が開かれる前に、公判前整理手続という手続きが行われます。
公判前整理手続とは、裁判員に実際に審理をしてもらう前に、裁判官・検察官・弁護人の三者により、本件事件の争点や、実際に裁判に提出する証拠を整理する手続きです。
このような手続の中で、事件の争点や、重要な事実が整理され、裁判員には、最初から争点や判断の対象が提示されるようになっています。
公判前整理手続を経た事件の場合、この手続きが終結した後には、特別の事情がない限り新たな証拠の提出が許されなくなります。
Aさんの事件で、弁護側が主張すると考えられる点として、自動車側の対面信号が赤であったと明確に認識していなかったため、危険運転致死罪ではなく過失運転致死罪が成立する、というようなものが考えられます。
弁護人は、検察官が提示する証拠を精査した上で、被告人が赤信号を見落としていたという可能性が否定できないことを立証していきます。
危険運転致死罪と過失運転致死罪は、その法定刑が大きく異なるため、成立する罪によってその後の生活にも大きな影響を及ぼしかねません。
裁判員裁判は、通常の裁判と異なる流れとなるため、裁判員裁判が見込まれる事件では、刑事事件に強い弁護士に弁護を依頼されるのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に取り扱っており、裁判員裁判を経験した弁護士も多数所属しております。
ご家族が裁判員裁判対象の事件を起こしてしまいお困りの方は、弊所の弁護士にご相談ください。
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