Archive for the ‘交通事故(人身事故)’ Category

高速道路でのスピード違反で人身事故

2020-02-15

高速道路でのスピード違反で人身事故

今回は、スピード違反で危険運転致死傷罪に問われた事件の弁護活動につき、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~
Aさんは大阪府和泉市内の、制限速度が時速80キロメートルの高速道路において、自動車を時速200キロメートルで走行させていたところ、左カーブを曲がり切れず、対向車線に飛び出してしまいました。
さらに、対向車線を走っていた車の右横部分に衝突してしまい、衝突した車に乗っていたVさんら5名のうち3名が死亡、2名が重傷を負いました。
Aさんも重傷を負い、病院に搬送されました。
大阪府和泉警察署は、Aさんの回復を待って、危険運転致死傷罪の疑いで逮捕する方針です。(フィクションです)

~Aさんに成立する「危険運転致死傷罪」とは?~

制限速度を120キロもオーバーするスピード違反をして事故を起こしたAさん。
危険運転致死傷罪に問われる可能性が高いです。

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第2条2号は、「その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為」を行い、「人を負傷させた者」15年以下の懲役に処し、「人を死亡させた者」1年以上の有期懲役(上限は余罪がなければ20年)に処するとしています。

上記の運転を行うことによって、被害者に傷害を負わせた場合が危険運転致傷罪、被害者を死亡させた場合が危険運転致死罪、両方を合わせて危険運転致死傷罪といいます。

時速80キロメートル制限の高速道路において、時速200キロメートルで走行すると、正しくハンドルを操作してカーブを曲がることが著しく困難になることは明らかです。
これにより対向車線に飛び出してVらの乗車する車に衝突し、同人らを死傷させてしまったAさんに危険運転致死傷罪が成立する可能性は極めて高いと思われます。

~Aさんが逮捕されていないのはなぜか~

犯罪をしたと疑われている人(被疑者)を逮捕するためには、「逮捕の必要性(罪証隠滅、逃亡のおそれ)」が必要です。
明らかに逮捕の必要性がないのに、被疑者を逮捕することは違法です。

Aさんはケースの事故で重傷を負っているため、逃亡したり、証拠を隠したりするなどのおそれがないと判断されたものと思われます。
また、逮捕・勾留する場合においては、被疑者を拘束できる時間に限りがあります(捜査段階で最長23日間)。
Aさんが取調べに応じられない状態であるのに逮捕したところで、必要な事情を聞きだすことができまないまま、タイムリミットが来てしまう可能性があります。

治療の必要性から、退院させて留置場に入れることができないといった事情も考えられますので、Aさんを事故直後の段階で逮捕しなかったのは、妥当であると考えられます。

~逮捕後はどうなるか?~

Aさんが取調べや留置場での生活に耐えられる状態まで回復した後、逮捕される可能性があるでしょう。

逮捕・勾留されると、先述の通り、捜査段階で最長23日間、身体拘束をされます。
このうち、最初の3日間を逮捕期間、その後の20日間を勾留期間と呼びます。

ケースの事件は、捜査上のミスや、事実認定に用いる証拠に問題がない限り、実刑判決となる可能性が高いでしょう。

さらに、危険運転致死罪裁判員裁判の対象事件となります。
さらに、裁判員がいることによる心理的な負担もあります。
このような手続に対応するには、弁護士のサポートを受けることが大切です。

~裁判に向けた対応~

今回のケースでは、被害者が多く、120キロもオーバーしていたという悪質性もあるので、かなり長期間の懲役刑を言い渡されることも想定されます。

まずは、事件を起こしてしまったことを真摯に反省しなければなりません。
また、Vさんらの遺族に謝罪し、生じさせた損害を賠償する必要もあります。
Aさんがきちんと任意保険にも入っていれば、保険により上記の損害を賠償できる場合があります。

Aさんが「真摯な反省」をしているかどうかを判断するために、捜査時の供述が考慮される場合もあります。
捜査段階で被害者を侮辱したり、自身の行為を正当化するような供述をしていると、裁判で反省の弁を述べても、信用されなくなるかもしれません。
自ら反省文を作成しておくといった対応も重要となるかもしれません。

捜査段階でAさんが行わなければならないことはたくさんあります。
弁護士のサポートを受けながら、事件解決を目指していきましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
あなたやご家族が交通事故を起こしてしまった場合は、ぜひ無料法律相談・出張法律相談初回接見サービスをご利用ください。

ながら運転で人身事故

2020-02-10

ながら運転で人身事故

ながら運転人身事故を起こした場合ついて弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~今回のケース~
大阪市在住のAさん(30歳)は、いつも車で会社に通勤しています。
ある日、Aさんは運転中にスマホゲームをしていたために、横断歩道を渡っているVさん(50歳)に気付かず、人身事故を起こしてしまいました。
Vさんは足の骨を折るなどの怪我を負いました。
Aさんは後日、大阪府阿倍野警察署取調べを受けに来るようにとの連絡を受けました。
Aさんは今後どうなってしまうのか心配になり、取調べ前に交通事故に強い弁護士に相談することにしました。

~道路交通法違反~

ながら運転をした場合、以下のように道路交通法自動車運転死傷行為処罰法に違反することになるでしょう。

まず、道路交通法の第71条5の5では、当該自動車等が停止しているときを除き、スマートフォンなどの携帯電話の使用やカーナビを注視することを禁止しています。
(傷病者の救護や公共の安全の維持のためなど緊急やむを得ない場合を除くとされています)
いわゆる「ながら運転」が禁止されているわけです。

さらに道路交通法が改正され、2019年12月1日よりながら運転厳罰化されたので注意が必要です。

・交通の危険は生じていないが、通話をしたり画面に注視していた場合
改正前は「5万円以下の罰金」でしたが、改正後は「6月以下の懲役又は10万円以下の罰金」と厳罰化されています。

・交通の危険が生じた場合
ながら運転により実際に交通事故を起こすなど交通の危険を生じさせた場合には、改正前は「3月以下の懲役又は5万円以下の罰金」でしたが、改正後は「1年以下の懲役または30万円以下の罰金」に厳罰化されています。
また、違反点数も高くなっており、一発で免許停止の処分が下されます。

~自動車運転死傷行為処罰法違反にも~

さらに、ながら運転によって、物損だけでなく相手にケガをさせたり死亡させる人身事故を起こした場合には、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律過失運転致死傷罪が成立する可能性があります。

第5条(過失運転致死傷罪)
「自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる」

相手が死亡したか、あるいはどのくらいのケガをしたか、携帯電話をどのように操作していたかなどによりますが、ながら運転人身事故を起こすと、長期間の懲役刑に服さなければならなくなる可能性もありますので注意が必要です。

~弁護士の対応~

交通事故を起こしてしまった方は、一度、交通事故に強い弁護士に相談することをおすすめします。
一般人の方では、どの法律に該当するかを判断することは極めて困難です。
弁護士は、このような交通事故への経験と知識が豊富なため、事件の状況を整理し、道路交通法「交通の危険」が生じたのか、あるいは携帯電話を使用できる「緊急やむをえない場合」にあたらないか、などを判断することが可能です。

また、いち早く弁護士に依頼することで、被害者の方と示談交渉を迅速に進めることができます。
示談が成立すれば、検察官が不起訴処分などの軽い処分を下すように促すことができます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では刑事事件に強い弁護士が無料法律相談初回接見サービスをおこなっております。
無料法律相談や初回接見サービスのご予約はフリーダイヤル0120-631-881にて24時間受け付けておりますので、交通事件など刑事事件でお困りの方はお気軽にお問い合わせください。

無免許運転で前方の車に追突

2020-01-31

無免許運転で前方の車に追突

無免許運転での交通事故について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~今回のケース~
埼玉県戸田市に在住のAさん(30歳)は長年、無免許のまま軽乗用車を運転していました。
ある日戸田市内で、Aさんは前方不注意のために、自分の前を走っていたVさん(25歳)の車に後ろから追突してしまいました。
Vさんは、全身むち打ちになるなどの全治5か月の怪我を負ってしまいました。
Aさんは、無免許過失運転致傷罪の疑いで埼玉県蕨警察署の警察官に逮捕されてしまいました。
(フィクションです)

~問題となる条文~

今回、問題となる条文をひとつずつ確認していきます。

〇道路交通法 第64条1項 無免許運転等の禁止
「何人も、~公安委員会の運転免許を受けないで~、自動車又は原動機付自転車を運転してはいけない」

無免許運転道路交通法で禁止されており、これに違反し、起訴されて有罪判決が確定すると、「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」が科せられます。
事故を起こしていなくても罰せられる可能性があるわけです。

上記の刑事罰に加え、免許の取消や欠格期間(免許の再取得を禁止する期間)の決定といった行政処分が下されることになります。

〇自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律
 第5条 過失運転致死傷罪
「自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる」

アルコールや薬物の影響を強く受けた状態での運転や、制御困難な高速度での運転といった同法第2条(危険運転致死傷罪)に該当するような行為ではなく、単なる不注意によって人を死傷させた場合は、過失運転致死傷罪にあたる可能性が極めて高いです。

今回のケースでは、Aさんは前方不注意によってVさんの車に衝突し、Vさんは怪我を負ったので、Aさんには過失運転致傷罪が適用されるでしょう。

〇同法 第6条4項 無免許運転による加重
「前条の罪を犯した者が、その罪を犯した時に無免許運転をしたものであるときは、10年以下の懲役に処する」

前条、つまり第5条(過失運転致死傷)の罪を犯した者が無免許だった場合は、刑が「7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金」から「10年以下の懲役」に変わることになります。

今回のケースのAさんも無免許で運転していたため、同法第6条4項が適用され、法定刑が重くなります。

~過失運転致傷罪における弁護士の対応~

過失運転致傷罪のような故意(罪を犯す意思)のない犯罪(過失犯)は、故意犯に比べて逮捕・勾留といった身体拘束を受ける可能性が低いとされています。
そこで、まずは交通事件に詳しい弁護士のいる法律事務所に相談に行くことをおすすめします。
また、身体拘束を受けてしまった場合でも、自分のところへ弁護士を派遣してもらうよう、ご家族の方から弁護士に依頼をすることをおすすめします。

弁護士は、事故を起こしてしまった方と、事件の状況を整理し、警察や相手方への今後の対応について話合うことが出来ます。
また、早いうちから弁護士に依頼をすれば、相手方との示談交渉を早急に行うことができ、刑罰も罰金刑で済むなど、事故を起こしてしまった方にとって納得のいく解決へ向かう可能性が上がります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では刑事事件に強い弁護士が無料法律相談初回接見サービスをおこなっております。
無料法律相談や初回接見サービスのご予約は、フリーダイヤル0120-631-881にて24時間受け付けております。
交通事故を含め、刑事事件でお困りの方はお気軽にお問い合わせください。

酒気帯び運転で人身事故を起こし逮捕

2020-01-26

酒気帯び運転で人身事故を起こし逮捕

酒気帯び運転人身事故を起こして逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~ケース~
神奈川県横浜市旭区に住むAさんは、居酒屋でアルコールを飲んだ後、会社から乗ってきた自動車に乗って帰路につきました。
Aさんはいつも飲酒運転を行っており、少し飲んだくらいであれば問題なく運転できると考え、自動車を運転してしまったのです。
しかし、交差点を左折する際に、自動車の左側部の死角の確認を怠り、死角にいた自転車を巻き込んでしまい、自転車に乗っていたVを死亡させてしまいました。
Aさんは自ら救急車を呼びましたが、駆け付けた神奈川県旭警察署警察官により、酒気帯び運転過失運転致傷罪の疑いで現行犯逮捕されてしまいました。
過失運転致傷罪については、過失運転致死の容疑に切り替えられる予定です。(フィクションです)

~酒気帯び運転について~

酒気帯び運転とは、身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態で、車両等(軽車両は除かれます)を運転する犯罪です(道路交通法第117条の2の2第3号)。
法定刑は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金となっています。

「政令で定める程度」は、道路交通法施行令第44条の3によると、「血液一ミリリットルにつき〇・三ミリグラム又は呼気一リットルにつき〇・一五ミリグラム」とされています。
飲酒運転が疑われると、通常、警察官により呼気検査が行われます。
ケースでは、呼気検査の結果、上記の基準値以上のアルコールがAさんの呼気から検出されたものと思われます。
Aさんはこのような状態で自動車を運転したのですから、Aさんの行為が酒気帯び運転を構成する可能性は極めて高いでしょう。

~過失運転致死傷罪について~

過失運転致死傷罪は、自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させる犯罪です(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第5条本文)。
被害者が傷害を負うに留まった場合に過失運転致傷罪死亡した場合に過失運転致死罪が成立することになります。

Aさんは、自動車を運転中、交差点を左折するにあたり、左側の死角における歩行者や自転車の有無を確認する義務があったと考えられますが、Aさんはこれを怠り、Vを死亡させてしまいました。
上記は「自動車の運転上必要な注意を怠った」結果、Vを死亡させたものと評価される可能性が高いと思われます。
過失運転致死罪の法定刑は7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金となっております。

また、Aさんが深く酔っていれば、アルコールの影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為をしたことになり、これによって人を死傷させた場合は危険運転致死傷罪となってしまう可能性もあります(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律2条1項)。
法定刑も重くなり、人を負傷させた場合は15年以下の懲役死亡させた場合は1年以上の有期懲役となります。

~逮捕後はどうなるか~

逮捕・勾留されると、捜査段階において最長23日間もの間、身体拘束を受けることになります。
23日間もの間外に出られないと、Aさんの身体や、社会生活に大きな悪影響を及ぼすことが予想されます。
そのため、弁護士に依頼し、一刻も早く留置場拘置所の外に出ることが必要です。

~起訴されてしまった場合の弁護活動~

近年は、飲酒運転中の人身事故に対し厳しい視線が寄せられており、起訴される可能性が高いと思われます。
起訴されてしまった場合は、なるべく軽い判決を目指して、弁護活動を行っていく必要があります。

特に、危険運転致死罪とはならないように、飲酒量はそれほどでもなかった、運転に支障は生じていなかったことなどを主張していく必要があります。
酒を断つ、自動車を処分する、免許を返納することも真剣に検討する必要があるでしょう。

また、Aさんの保険から、Vの損害が賠償される見込みであることを主張することも重要です。
執行猶予付き判決を獲得し、猶予期間中に問題を起こさずにいれば刑罰を受けずに済みます。
まずは、接見にやってきた弁護士と相談し、事件解決に向けて行動していきましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所であり、ケースの事件についてもご相談いただけます。
ご家族が飲酒運転中過失運転致死傷事件を起こしてしまい、お困りの方は、是非ご相談ください。

過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪で逮捕

2020-01-06

過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪で逮捕

過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪逮捕されたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

Aさんは、京都市右京区にある道路で飲酒状態で自動車を運転していたところ、信号待ちしていたVさんが運転する自動車に対して後方から追突しました。
しかし、Aさんは、警察に飲酒運転がばれるのが怖くなり、現場から逃走しました。
後日、Vさんは加療約2週間の怪我を負ったことが判明しました。
また、追突したのはAさんが運転する車ということも判明し、Aさんは、京都府右京警察署過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪、道路交通法違反(ひき逃げ)の疑いで逮捕されました。
Aさんの家族は、刑事事件に強い弁護士に初回接見を依頼しました。
(事実を元にしたフィクションです。)

~ 過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪 ~

過失運転致(死)傷アルコール等影響発覚免脱罪は、「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(以下、法律)」という法律が新設された際(施行日は平成26年5月20日)に設けられた罪で、法律の4条に規定されています。

法律4条
アルコール又は薬物の影響によりその走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で自動車を運転した者が、運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた場合において、その運転の時のアルコール又は薬物の影響の有無又は程度が発覚することを免れる目的で、更にアルコール又は薬物を摂取すること、その場を離れて身体に保有するアルコール又は薬物の濃度を減少させることその他その影響の有無又は程度が発覚することを免れるべき行為をしたときは、12年以下の懲役に処する。

以上を箇条書きにしてまとめると、過失運転致(死)傷アルコール等影響発覚免脱罪

(行為者):アルコール又は薬物の影響によりその走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で自動車を運転した者
(条 件):運転上必要な注意義務を怠り、よって人を死傷させた場合
(行 為):アルコール又は薬物の有無又は程度が発覚することを免れるべき行為

をした場合に成立し得る犯罪ということになります。

アルコール又は薬物の影響によりその走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態」とは、正常な運転が「困難」な状態には至っていませんが、アルコール等の影響で自動車を運転するのに必要な注意力、操作能力が相当程度低下して危険な状態のことをいいます。
例えば、道路交通法の酒気帯び運転程度のアルコール濃度(血中アルコール0.3mg/ml、呼気中アルコール濃度0.15mg/l)が体内にあればこれに当たり得ると言われています。

運転上必要な注意義務を怠り、よって人を死傷させた場合」とは、過失、つまり、不注意によって交通事故を起こし、その結果、人を死傷させた場合(法律7条の過失運転致傷罪が成立する場合)をいいます。
不注意の代表として「脇見」があります。
脇見によって交通事故を起こした場合はこの過失運転致死傷罪が成立します。

アルコール又は薬物の有無又は程度が発覚することを免れるべき行為」の例として、法律4条に

・更にアルコール又は薬物を摂取すること
・その場を離れて身体に保有するアルコール又は薬物の濃度を減少させること

が挙げられています。
しかし、これらは「その(アルコール、薬物の)影響の有無又は程度が発覚することを免れるべき行為」の例示に過ぎません。
その他の行為でも「その(アルコール、薬物の)影響の有無又は程度が発覚することを免れるべき行為」に当たることがあります。

~ 道路交通法(ひき逃げ) ~

交通事故を起こした場合は、加害者、被害者に関係なく、相手方を救護する義務、警察官に事故内容を報告する義務を負います。
これらの義務を尽くさなかった場合は、救護義務違反、事故報告義務違反の罪に問われます。
一般的に、両者を併せて「ひき逃げ」と言われています。

交通事故を起こしたら、まずは現場にとどまり、相手方を救護することから始めましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を専門に扱う法律事務所です。
刑事事件少年事件でお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。
無料法律相談、初回接見サービスのお申込みを24時間受け付けております。

ながら運転での交通事故

2020-01-01

ながら運転での交通事故

ながら運転での交通事故について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

Aさんは、神戸市中央区で乗用車を運転中、車に取り付けられたカーナビ操作に気を取られ、前方で赤色信号待ちをして停止していたVさん運転の車に自車を衝突させ、Vさんに加療約1週間を要するむち打ちの傷害を負わせる交通事故を起こしてしまいました。
Aさんはその場で110番通報し、通報により駆けつけた兵庫県神戸水上警察署の警察官に過失運転致傷罪の疑いで事情を聞かれることになりました。
Aさんは事情聴取後、今後の事件の見通しのことが気になって交通事故に詳しい弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

~ ながら運転と交通事故 ~

2019年12月1日から改正道路交通法が施行され、ながら運転に対する罰則などが強化されました。
ちなみに、カーナビ画面を操作しながら車を運転することもながら運転に当たり(正確には、画面表示用装置の注視に当たり)、1年以下の懲役又は30万円以下の罰金の罰則が設けられています(ただし、道路における交通の危険を生じさせた場合に限ります)。
また、改正前は反則行為として交通反則通告制度により処理されていましたが、改正後は通常の刑事手続きで処理されることにも注意が必要です。

ところで、ながら運転交通事故を起こしてしまった場合はもはや道路交通法は適用されません。
この場合、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(通称:自動車運転処罰法)が適用されます。
なぜならこの法律5条に交通事故を起こした場合の規定が設けられているからです。

自動車運転処罰法第5条
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。
ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

~ 交通事故を起こしてしまった際の弁護活動 ~

交通事故を起こして逮捕・勾留により身柄を拘束された場合は、早期釈放に努めることになるでしょう。
ご依頼を受けた段階で活動が異なりますが、ご依頼が最も早ければ、

・検察官に勾留請求しないように意見書を提出する
・裁判官に勾留請求を却下するように求める意見書を提出する

といった活動が考えられます。
検察官が勾留請求をしない場合,裁判官が勾留請求を却下した場合には勾留されずに釈放されます。
仮に勾留が認められた場合には勾留に対する準抗告の申し立てを行うことになるでしょう。
これが認められれば釈放されます。

そのほか交通事故の被害者への対応も弁護活動のメインの1つとなることが考えられます。
保険に加入されている場合、通常、直接被害側と示談交渉するのは保険会社でしょう。
その場合、弁護士は保険会社とやり取りして必要な書類を取り寄せるなどします。
ただし、自賠責保険のみ加入されている場合、傷害の損害額が120万円を超える場合は自己負担となります。
その場合は、弁護士が直接被害者側と示談交渉する必要があります。

交通事故を起こして刑事事件となってしまった場合、上記のような弁護活動を中心に、適切な活動を行っていく必要があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、交通事故をはじめとする刑事事件少年事件専門の法律事務所です。
刑事事件少年事件でお困りの方は、まずは0120-631-881までお気軽にお電話ください。
無料法律相談、初回接見サービスを24時間体制で受け付けております。
無料相談や初回接見サービス後のご報告では、刑事事件専門の弁護士が事件の見通しや、刑事手続の説明の他、弁護士費用などについてご納得いただけるまでご説明させていただきます。
どうぞ、お気軽にご相談ください。

無免許運転で原付を運転し死亡事故

2019-10-28

無免許運転で原付を運転し死亡事故

無免許運転で原付を運転した際の死亡事故について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~ケース~
Aさんは、福岡県田川市内の路上で、原動機付自転車を運転することができる免許を受けないまま原動機付自転車を運転していた際、誤ってVに接触し、転倒させてしまいました。
Aさんの通報によりVは病院に搬送されましたが、頭に重い傷害を負っており、間もなく死亡が確認されました。
事故現場にかけつけた福岡県田川警察署の警察官は、Aさんが原動機付自転車を無免許運転していたことを確認した後、無免許過失運転致死罪の疑いで現行犯逮捕しました。
(フィクションです)

~無免許過失運転致死傷罪について~

自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させると、過失運転致死傷罪が成立します(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第5条前段)。
「自動車」には、道路交通法第2条1項10号の「原動機付自転車」も含まれます(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第1条1項)。
過失運転致死傷罪の法定刑は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金であり、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除されることもあります。

もし、過失運転致死傷罪を犯した者が、罪を犯したときに無免許であった場合はどうなるのでしょうか。
この場合は、過失運転致死傷罪に留まらず、これを加重した「無免許過失運転致死傷罪」が成立することになります(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第6条4項)。
法定刑は10年以下の懲役となっており、過失運転致死傷罪の場合と異なり、罰金刑や禁錮刑が予定されていません。
したがって、有罪判決を受ける場合は、執行猶予が付かない限り、実刑判決を受けることになってしまいます。

~無免許過失運転致死罪は成立するか?~

Aさんは、原付免許等の、原動機付自転車を運転することができる免許を受けていません。
したがって、「自動車」を「無免許運転」していたことになります。
ケースでは明らかではありませんが、裁判所によって、原動機付自転車の運転上必要な注意を怠り、よってVを死亡させたと判断された場合には、無免許過失運転致死罪につき有罪判決がなされることになると思われます。

~Aさんに必要な弁護活動~

無免許過失運転致死傷罪の起訴率は統計上も極めて高く、平成29年の「検察統計調査 被疑事件の罪名別起訴人員,不起訴人員及び起訴率の累年比較」によれば、起訴率は約80.8%となっています。
特に、Aさんの場合、Vが死亡している死亡事故であることも相まって、起訴される可能性は高いと思われます。
そのため、起訴されたあと、執行猶予付判決を獲得することが重要な到達目標になるかと思われます。
もちろん、Vが予測不可能な行動をとったために死亡事故が起き、原動機付自転車の運転上必要な注意を怠った事実がないなど、過失運転致死罪が成立しない場合には、無免許過失運転致死罪により起訴されることを阻止しなければなりません。

無免許運転の場合であっても、「自賠責保険」や「自動車保険」に加入していれば、Vに生じた損害を賠償できる場合もあります。
このケースの場合は、公判で保険によりVの遺族の損害が賠償される見込みであることなどの事情があればそういった事情を主張し、より軽い量刑による判決を求めることになるでしょう。
また、原動機付自転車を処分する、あるいは運転免許を取得する用意があることなどを主張し、二度と無免許運転をしないことを明らかにすることも重要です。
弁護士のアドバイスを受けながら、より有利な量刑による判決の獲得に向けて活動していきましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を専門とする法律事務所であり、無免許過失運転致死傷事件についてもご相談いただけます。
ご家族が死亡事故を起こして無免許過失運転致死傷事件の被疑者となりお困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

京都市山科区でひき逃げ

2019-10-23

京都市山科区でひき逃げ

京都市山科区ひき逃げについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事件】
Aさんは京都市山科区内を自動車で走行中,歩道から飛び出してきた自転車に乗っていた男子中学生をはね,全治2カ月のけがをさせてしまいました。
事故が京都府山科警察署に発覚することを恐れたAさんは,そのまま車を走らせ逃走しました。
現場付近の店舗に設置されていた監視カメラの映像等からAさんの車が割り出され,Aさんは京都府山科警察署ひき逃げ事件の被疑者として取調べを受けることになりました。
(フィクションです)

【ひき逃げ】

ひき逃げとは,人の死傷を伴う交通事故の際に,事故を引き起こした車両等の運転者が,直ちに停止して負傷者を救護する義務や捜査機関等に事故を報告する義務を無視してその場から立ち去ることをいいます。

道路交通法第72条第1項は「交通事故があったときは,当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員は,直ちに車両等の運転を停止して,負傷者を救護し,道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。この場合において、当該車両等の運転者(運転者が死亡し、又は負傷したためやむを得ないときは、その他の乗務員。以下次項において同じ。)は、警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署(派出所又は駐在所を含む。以下次項において同じ。)の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置を報告しなければならない。」と規定しています。

これはひき逃げの際に問題となる救護義務と危険防止義務,報告義務を定めたもので,このうち,運転者が当該車両等の事故に関して救護義務・危険防止義務の違反をした場合の法定刑は,5年以下の懲役または50万円の罰金(道路交通法第117条第1項)となっています。
また,死傷の原因がひき逃げした者にある場合には10年以下の懲役または100万円以下の罰金が法定刑となっています(道路交通法第117条第2項)。
また,報告義務に違反した場合には,3月以下の懲役又は5万円以下の罰金となります(道路交通法119条10号)。
これらは道路交通法による処罰類型ですが,事故の原因が運転者の過失による場合は別に過失運転致死傷罪に問われる可能性もあります。

【過失運転致死傷罪】

過失運転致死傷罪自動車運転死傷処罰法(正式名称:自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律)第5条に規定されている罪です。
条文は「自動車の運転上必要な注意を怠り,よって人を死傷させた者は,7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。ただし,その傷害が軽いときは,情状により,その刑を免除することができる。」となっています。

過失運転致死傷罪における自動車とは,原動機によって走行する車で,レールや架線を用いないものを意味します。
よって,自動二輪車や原動機付自転車も処罰対象になります。

自動車の運転とは,発進に始まり停止に終わるものとされています。
ただし,普通乗用自動車を運転していた者が車を道路左端に停車後,降車しようとして後方を十分確認することなく運転席ドアを開けたため後方から進行してきた自転車にドアをぶつけ,自転車に乗っていた人に傷害を負わせたという事件で,自動車の運転自体はすでに終了しており自動車運転上の過失は認められないものの,自動車の運転に付随する行為であり自動車運転業務の一環としてなされたものから傷害結果が発生したものとして業務上過失傷害罪の成立が認められた判例(東京高判平成25・6・11高刑速平成25年73頁)があります。

また,停止させる場所が不適切だったために事故につながった場合にも過失運転致傷罪の適用が考えられます。

過失運転致死傷罪が成立するためには,自動車の運転に必要な注意を怠ったこと,すなわち過失が必要です。

過失運転致傷罪のいう「過失」は,前方不注意やわき見運転,巻き込み確認を怠ったこと,歩行者や自転車等の飛び出しに気付かなかったこと,方向指示器(ウインカー)を点滅させずに方向転換したことなど,ちょっとした不注意でもこれにあたるとされています。
さらには,自分では注意を払ったつもりでも,別の行為をとっていたりより注意深くしていれば事故を避けることができたと裁判所が判断し過失が認定されてしまうケースもあります。

【ひき逃げ事件の弁護方針】

ひき逃げで道路交通法違反や過失運転致傷罪などの被疑者となってしまった場合,事案にもよりますが起訴される可能性は高いです。
加えて,事件現場から逃亡を図っていることから,逃亡のおそれありとして逮捕されるケースも多いです。

弁護士の活動としては,逃亡のおそれや罪証隠滅のおそれがないことを主張し早期の身体拘束状態からの解放を目指すことが考えられます。
また,被害者と示談を成立させることができれば,不起訴や執行猶予を獲得できる可能性を高めることができます。
刑事事件に強い弁護士に事件を依頼することによって,示談を円滑に行うことが期待できます。

弁護士から逮捕・勾留中の被疑者に法的なアドバイスを提供することで,被疑者として取調べを受ける際,被疑者としての権利行使に関する知識を持ちながら取調べに対応することも可能です。
ひき逃げで逮捕されてしまった方,過失運転致死傷罪の被疑者となってしまった方,京都府山科警察署で取調べを受けることになってしまった方は,お早めに刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

神戸市垂水区で人身事故

2019-10-18

神戸市垂水区で人身事故

神戸市垂水区での人身事故について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事件】
神戸市垂水区に住むAさんは,神戸市垂水区内の居酒屋で同僚と飲んだ後,帰宅するため車を走行させました。
この時Aさんはビールをジョッキで2杯,焼酎のお湯割りを3杯飲んでかなり酔っていましたが,車の運転に自信があったAさんはタクシーや運転代行を利用せずに自分で運転をしていました。
5分ほど車を走らせていたところで道を渡ろうとしていた歩行者を発見しましたが,アルコールの影響で認識が遅れ,その歩行者をはねて全治4カ月の重傷を負わせる人身事故を起こしてしまいました。
この人身事故の一部始終を見ていた通行人によって通報を受けた兵庫県垂水警察署の警察官によって,Aさんは道路交通法違反と危険運転致傷罪の疑いで取調べを受けることになりました。
(フィクションです)

【危険運転致死傷罪】

危険運転致死傷罪は,自動車運転死傷処罰法第2条に定めがあります。

自動車運転死傷処罰法第2条
次に掲げる行為を行い,よって,人を負傷させた者は15年以下の懲役に処し,人を死亡させた者は1年以上の有期懲役に処する。
1 アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為
2 その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為
3 その進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為
4 人又は車の通行を妨害する目的で,走行中の自動車の直前に侵入し,その他通行中の人又は車に著しく接近し,かつ,重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
5 赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し,かつ,重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
6 通行禁止道路(道路標識若しくは道路標示により,又はその他法令の規定により自動車の通行が禁止されている道路又はその部分であって,これを通行することが人又は車に交通の危険を生じさせるものとして政令で定めるものをいう。)を進行し,かつ,重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為

上の1号から6号に掲げられた危険運転行為が故意をもって行われなければ危険運転致死傷罪によって処罰することはできません。
例えば,自動車を運転するに当たり,自分が酩酊していて正常な運転が困難な状態にあることの認識がなければなりません。
Aさんは自身の運転技術に自信をもっており,事故を起こすことなどないと考えています。
しかし他方ではかなり酔っている自覚もあり,現場のブレーキ痕や飲酒の度合いなどと併せて先述の1号違反として危険運転致傷罪に問われる可能性は十分にあります。

【自動車運転死傷処罰法違反におけるその他の罪】

飲酒をして自動車を運転し人身事故を起こした場合では,他にも以下のような罪に問われる可能性があります。

準酩酊運転致死傷罪,いわゆる準危険運転致死傷罪(第3条第1項)は,事故時に意識を失っていたなどして危険運転の故意が認められない場合であっても,アルコール等の影響により走行中に正常な運転ができない状態に陥る危険性を予め認識しており,運転中アルコール等の影響で正常な運転ができない状態に陥り事故を起こした場合に成立する罪です。
法定刑は負傷させた場合で12年以下の懲役,死亡させた場合は15年以下の懲役です。

アルコールや薬物の影響により走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で自動車を運転し,運転上必要な注意を怠り人を死傷させた場合で,運転時のアルコールや薬物の影響の発覚を免れるなどの目的でそのまま現場から離れるなどした場合は,過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪(第4条)として12年以下の懲役となります。

【危険運転致死傷事件の弁護活動】

ここまで見てきたように,アルコールを摂取して酔った状態で運転をして人身事故や死亡事故を起こした場合,重い法定刑が規定された罪に当たることがあります。
そのときは起訴されると正式裁判となり,長期に及ぶ身体拘束を受けたり,執行猶予の付かない懲役の実刑判決が言い渡される可能性もあります。

だからこそ,人身事故や死亡事故を起こして捜査が開始された場合は,早急に刑事事件に強い弁護士に事件を依頼することをお勧めします。
弁護士に依頼することで,事故に至った経緯や動機,状況などを調査し,早期の身体拘束からの解放,不起訴処分,執行猶予の獲得,情状酌量による刑の減軽など,依頼者の状況や事件に応じた適切な弁護活動を展開していきます。

人身事故・死亡事故を起こしてしまった方,危険運転致死傷罪の被疑者となってしまった方,兵庫県垂水警察署で取調べを受けることになってしまった方は,刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

自動車で人身事故を起こし逮捕

2019-09-18

自動車で人身事故を起こし逮捕

Aさんは、深夜、東京都世田谷区内の公道において自動車を運転中、道路を横断しているVに気付かず、これに接触し、全治1か月の傷害を負わせてしまいました。
Aさんは救急車を呼びましたが、救急車と一緒に駆け付けた警視庁世田谷警察署の警察官により、過失運転致傷罪の疑いで現行犯逮捕されてしまいました。
(フィクションです)

~自動車で人身事故を起こすとどうなるか?~

自動車を運転中に人身事故を起こすと、①民事上の責任(被害者や遺族への損害賠償)、②行政上の責任(免許停止、取消などの行政処分)に加え、③刑事上の責任を負うことになります。
今回は、ケースの交通事故に関し、刑事上の責任について解説したいと思います。

自動車で人身事故を起こした場合に成否が検討される犯罪類型として、過失運転致死傷罪、危険運転致死傷罪、無免許運転過失致死傷罪などが挙げられますが、今回は過失運転致傷罪の嫌疑がかけられています。
過失運転致傷罪とはどのような犯罪類型なのでしょうか。

(過失運転致死傷罪について解説)
過失運転致死傷罪は、自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させる犯罪です。
法定刑は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金となっています。
ただし、傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除されることがあります。
被害者が死亡した場合には「過失運転致死罪」、傷害を負ったに留まる場合は、「過失運転致傷罪」に問われることになります。

「自動車の運転上必要な注意」とは、自動車運転者が、自動車の各種装置を操作し、そのコントロール下において自動車を動かす上で必要な注意義務をいいます。
ケースのAさんには、自動車を進行させるに当たり、道路を横断する歩行者の有無に留意すべき注意義務があったと考えられます(道路交通法38条参照)。
上記の注意義務に違反し、道路を横断するVの存在に気付かず、自動車を進行させた過失があると判断された場合、「自動車の運転上必要な注意を怠った」と判断される可能性が極めて高いと思われます。
これによりVと接触し、傷害を負わせたということなので、Aさんに過失運転致傷罪が成立する可能性はかなり高いと思われます。

~人身事故を起こして逮捕…Aさんの今後は?~

現行犯逮捕された後は、警察署に引致され、犯罪事実の要旨、弁護人選任権があることを伝えられ、弁解を録取された後、取調べを受けることになります。
留置の必要があると認められると、逮捕時から48時間以内に身柄が検察へ送致されます。
送致を受けた検察官は、身柄を受け取ったときから24時間以内、かつ、逮捕時から72時間以内にAさんの勾留を請求するか、Aさんを釈放するかを決めます。
勾留の請求を受けた裁判官が勾留決定を出すと、10日の間勾留されることになり、さらにやむを得ない事由があると認められるときは、最長10日間、勾留が延長されます。
Aさんが勾留されている場合は、勾留の満期日までに、検察官がAさんを起訴するか、あるいは不起訴にするかを決定します。

~人身事故で早期の身柄解放を求める~

過失運転致傷事件の場合は、事故を起こしても適切に通報して実況見分などに応じていれば逮捕されずに済むことも多いです。
もし逮捕されてしまった場合であっても、勾留が付かずに釈放される可能性も十分考えられます。
身柄を拘束されたまま事件が進行するのと、在宅で事件が進行するのとでは、Aさんの負担が大きく違ってきます。
家族が身元引受人になるなどして、逮捕直後は、身体拘束が長期化しないように活動することが重要です。

~示談を行い人身事故事件を有利に解決する~

前述の通り、捜査の最終段階において、検察官がAさんを起訴するか、あるいは不起訴にするかを決めることになります。
不起訴処分を獲得できれば、前科が付かずに済みます。
不起訴処分を獲得できる可能性を高めるために、Vと示談をすることを強くおすすめします。

また、示談を成立させたことにより、上記の民事上の責任を果たしたことになるので、後日、民事紛争に巻き込まれるリスクを無くすことができます。
示談交渉は、Aさん本人でもできますが、法律的に有効な示談にならないリスクがあり、そもそも身体拘束中はVと接触することもできません。
法律の専門家である弁護士に、Vとの間に立ってもらって、交渉を進めることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所であり、ケースのような過失運転致傷事件の解決実績も豊富です。
ご家族が過失運転致傷事件を起こし、逮捕されてしまった方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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