無免許運転で原付を運転し死亡事故

2019-10-28

無免許運転で原付を運転し死亡事故

無免許運転で原付を運転した際の死亡事故について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~ケース~
Aさんは、福岡県田川市内の路上で、原動機付自転車を運転することができる免許を受けないまま原動機付自転車を運転していた際、誤ってVに接触し、転倒させてしまいました。
Aさんの通報によりVは病院に搬送されましたが、頭に重い傷害を負っており、間もなく死亡が確認されました。
事故現場にかけつけた福岡県田川警察署の警察官は、Aさんが原動機付自転車を無免許運転していたことを確認した後、無免許過失運転致死罪の疑いで現行犯逮捕しました。
(フィクションです)

~無免許過失運転致死傷罪について~

自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させると、過失運転致死傷罪が成立します(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第5条前段)。
「自動車」には、道路交通法第2条1項10号の「原動機付自転車」も含まれます(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第1条1項)。
過失運転致死傷罪の法定刑は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金であり、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除されることもあります。

もし、過失運転致死傷罪を犯した者が、罪を犯したときに無免許であった場合はどうなるのでしょうか。
この場合は、過失運転致死傷罪に留まらず、これを加重した「無免許過失運転致死傷罪」が成立することになります(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第6条4項)。
法定刑は10年以下の懲役となっており、過失運転致死傷罪の場合と異なり、罰金刑や禁錮刑が予定されていません。
したがって、有罪判決を受ける場合は、執行猶予が付かない限り、実刑判決を受けることになってしまいます。

~無免許過失運転致死罪は成立するか?~

Aさんは、原付免許等の、原動機付自転車を運転することができる免許を受けていません。
したがって、「自動車」を「無免許運転」していたことになります。
ケースでは明らかではありませんが、裁判所によって、原動機付自転車の運転上必要な注意を怠り、よってVを死亡させたと判断された場合には、無免許過失運転致死罪につき有罪判決がなされることになると思われます。

~Aさんに必要な弁護活動~

無免許過失運転致死傷罪の起訴率は統計上も極めて高く、平成29年の「検察統計調査 被疑事件の罪名別起訴人員,不起訴人員及び起訴率の累年比較」によれば、起訴率は約80.8%となっています。
特に、Aさんの場合、Vが死亡している死亡事故であることも相まって、起訴される可能性は高いと思われます。
そのため、起訴されたあと、執行猶予付判決を獲得することが重要な到達目標になるかと思われます。
もちろん、Vが予測不可能な行動をとったために死亡事故が起き、原動機付自転車の運転上必要な注意を怠った事実がないなど、過失運転致死罪が成立しない場合には、無免許過失運転致死罪により起訴されることを阻止しなければなりません。

無免許運転の場合であっても、「自賠責保険」や「自動車保険」に加入していれば、Vに生じた損害を賠償できる場合もあります。
このケースの場合は、公判で保険によりVの遺族の損害が賠償される見込みであることなどの事情があればそういった事情を主張し、より軽い量刑による判決を求めることになるでしょう。
また、原動機付自転車を処分する、あるいは運転免許を取得する用意があることなどを主張し、二度と無免許運転をしないことを明らかにすることも重要です。
弁護士のアドバイスを受けながら、より有利な量刑による判決の獲得に向けて活動していきましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を専門とする法律事務所であり、無免許過失運転致死傷事件についてもご相談いただけます。
ご家族が死亡事故を起こして無免許過失運転致死傷事件の被疑者となりお困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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