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【事例紹介】電動キックボードの無免許運転でひき逃げ事故を起こした事例①

2024-02-21

【事例紹介】電動キックボードの無免許運転でひき逃げ事故を起こした事例①

電動キックボードに乗る男性

無免許電動キックボードを運転し、ひき逃げ事故を起こしたとして、無免許過失運転致傷罪道路交通法違反の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

無免許で電動キックボードに乗って歩行者と衝突し、大けがをさせたまま逃げたとして、愛知県警は8日、(中略)容疑者(44)を自動車運転死傷処罰法違反(無免許危険運転致傷)と道路交通法違反(ひき逃げ)の疑いで逮捕した。ひき逃げ容疑は認める一方、「免許が必要だと思っていなかった」と一部を否認しているという。
中署によると、(中略)容疑者は2月3日午後5時10分ごろ、同市中区栄4丁目の路上で電動キックボードを無免許で運転。一方通行を危険な速度で逆走し、路上を横断していた同市東区の自営業男性(47)とぶつかり、そのまま逃げた疑いがある。男性は鎖骨が折れるなどの重傷を負った。
(中略)
県警によると、(中略)容疑者が乗っていた電動キックボードは、最高速度が時速25キロに達し、緑色のランプもないなど新分類に該当せず、免許が必要だった。
(2月9日 朝日新聞デジタル 「電動キックボードでひき逃げ容疑 逮捕の男「免許不要だと思った」」より引用)

電動キックボードと無免許運転

道路交通法第64条1項
何人も、第八十四条第一項の規定による公安委員会の運転免許を受けないで(中略)、自動車又は一般原動機付自転車を運転してはならない。

電動キックボードは原動機付自転車に該当します。
原動機付自転車、いわゆる原付バイクを運転する際は免許が必要ですから、原付と同じ分類である電動キックボードを運転する際にも当然、免許が必要になります。
しかし、原動機付自転車を細分化すると、一般原動機付自転車と特定小型原動機付自転車、特例特定小型原動機付自転車の3分類に分けることができ、特定小型原動機付自転車、特例特定小型原動機付自転車の2分類に限って免許がなくても運転できることになっています。
どういったものが特定小型原動機付自転車や特例特定小型原動機付自転車に分類されるかは、車体の大きさや最高速度などで判断されています。

電動キックボードというと免許が不要なイメージもありますが、特定小型原動機付自転車、特例特定小型原動機付自転車に該当する電動キックボードのみ免許が不要ですので、一般原動機付自転車に該当する電動キックボードについては免許が必要になります。
特定小型原動機付自転車は最高速度が時速20キロメートル以下である必要がありますし、特例特定小型原動機付自転車に関しては最高速度が時速6キロメートル以下でなくてはなりません。
今回の事例の容疑者が運転していたとされている電動キックボードは最高速度が時速25キロメートルに達するとのことですので、一般原動機付自転車に分類されるでしょう。
一般原動機付自転車は免許が必要ですので、事例の電動キックボードを運転する際には免許が必要であったと考えられます。

無免許運転は道路交通法で禁止されていますから、無免許運転をした場合には道路交通法違反が成立することになります。
今回の事例でも、一般原動機付自転車に分類される電動キックボード無免許で運転したのであれば、道路交通法違反が成立する可能性があります。

無免許運転による道路交通法違反の法定刑は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金です。(道路交通法第117条2の2)

無免許過失運転致傷罪

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第5条
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第6条4項
前条の罪を犯した者が、その罪を犯した時に無免許運転をしたものであるときは、十年以下の懲役に処する。

過失運転致傷罪は、簡単に説明すると、運転するにおいて払うべき注意を払わずに事故を起こしてけがを負わせた場合に成立する犯罪です。
過失運転致傷罪では、けがの程度が軽い場合には、刑が免除されることがあります。

無免許過失運転致傷罪は、無免許運転過失運転致傷罪にあたる行為をした際に成立する犯罪です。
過失運転致傷罪では刑の免除についての規定がありましたが、無免許過失運転致傷罪には免除の規定はありません。
また、無免許過失運転致傷罪には罰金刑の規定がなく有罪になれば懲役刑が科されることになるわけですから、過失運転致傷罪よりもはるかに重い刑罰が規定されていることがうかがえます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービス無料法律相談を行っています。
交通事故に精通した弁護士に相談をすることで、不起訴処分執行猶予付き判決を獲得できるかもしれません。
無免許過失運転致傷罪電動キックボードなどの事故でお困りの方は、お気軽に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

次回のコラムではひき逃げについて解説します。

【事例紹介】スケートボードで人にけがを負わせ、重過失傷害罪で書類送検された事例

2024-02-08

【事例紹介】スケートボードで人にけがを負わせ、重過失傷害罪で書類送検された事例

取調べを受ける男性

心斎橋筋商店街をスケートボードで走行し、人にけがを負わせたとして、重過失傷害罪の容疑で書類送検された事例について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

大阪・ミナミの心斎橋筋商店街をスケートボードで走行し、ぶつかった歩行者の女性に重傷を負わせたとして、大阪府警南署は7日、(中略)重過失傷害容疑で地検に書類送検した。事故前も友人と、人通りの多い同商店街でスケボー走行を繰り返し、警察官から数十回注意されていた。(中略)
発表では、(中略)商店街をスケボーで走行中、スピードの出し過ぎで止まりきれず、衝突した30歳代女性に左足骨折の重傷を負わせた疑い。(中略)
道路交通法は「交通の頻繁な道路」でのスケボー走行を禁止しているが、同商店街周辺では深夜にスケボーで走る人が多いという。
(2月8日 読売新聞オンライン 「商店街をスケボー走行、女性に重傷負わせた疑いで高校生を書類送検…警察官から事故前に数十回注意」より引用)

スケートボードと法律

オリンピックの種目に選ばれるなど、近年人気が高まっているスケートボードですが、スケートボードに関する悪いニュースも時々目にします。
社会問題にもなりつつあるスケートボードですが、スケートボードに関する法律はあるのでしょうか。

道路交通法第76条4項
何人も、次の各号に掲げる行為は、してはならない。
1号 道路において、酒に酔つて交通の妨害となるような程度にふらつくこと。
2号 道路において、交通の妨害となるような方法で寝そべり、すわり、しやがみ、又は立ちどまつていること。
3号 交通のひんぱんな道路において、球戯をし、ローラー・スケートをし、又はこれらに類する行為をすること。

道路交通法第76条4項3号では、交通のひんぱんな道路で球技やローラースケート、それらに類した行為をすることを禁止しています。
スケートボードはローラースケートに類した行為だと考えられますので、交通のひんぱんな道路でスケートボードに乗ることは禁止されていることになります。

交通のひんぱんな道路でスケートボードを走行して道路交通法違反で有罪になった場合は、5万円以下の罰金が科されることになります。(道路交通法第120条1項10号)
5万円以下の罰金と聞くと罪が軽く感じますが、罰金刑では前科が付いてしまいますので、前科が付くことで今の生活や将来に悪影響を及ぼしてしまう可能性があります。
また、交通のひんぱんな道路といえるかどうかは、事案によって異なります。
ですので、交通のひんぱんな道路でスケートボードを走行したとして道路交通法違反の容疑をかけられた場合には、早期に弁護士に相談をして今後の見通しを確認することが望ましいでしょう。

スケートボードと事故

では、スケートボードで事故を起こし、人にけがを負わせた場合には、罪に問われるのでしょうか。

スケートボードで事故を起こし、人にけがを負わせた場合には、今回の事例のように重過失傷害罪に問われてしまう可能性があります。

刑法第211条
業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、五年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。

重過失傷害罪は、簡単に説明すると、けがをさせる可能性が高い行為を行ってけがをさせた場合など、けがを負わせるつもりはなかったが、重大な過失によりけがを負わせた際に成立します。

今回の報道では、容疑者がスケートボードで心斎橋筋商店街を走行し女性に衝突してけがを負わせたとされています。
報道によれば、事件以前から警察官から数十回にわたって注意されていたようですし、いつ誰が通行するかわからない商店街でスケートボードに乗る行為は人とぶつかってけがを負わしてしまう可能性があることは予測できたでしょう。
ですので、実際に容疑者がスケートボードで心斎橋筋商店街を走行していたのであれば、重大な過失があったと判断される可能性があり、容疑者に重過失傷害罪が成立するおそれがあると考えられます。

また、重過失傷害罪の法定刑は五年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金であり、重過失傷害罪で有罪になった場合には、懲役刑が下されてしまう可能性もあります。

スケートボードで事故を起こしたら弁護士に相談を

スケートボードで事故を起こしても重い罪に問われることはないと思っている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、今回の事例で報道されているように、スケートボードでけがを負わせたことで重過失傷害罪に問われる可能性があります。
繰り返しになりますが、重過失傷害罪は有罪になると懲役刑が科される可能性もあり、決して刑罰の軽い犯罪だとはいえません。
ですので、スケートボードで事故を起こし、人にけがを負わせた場合には、できる限り早い段階で弁護士に相談をすることが望ましいといえます。

刑法では、重過失傷害罪とは別に過失傷害罪も規定されています。
過失傷害罪の法定刑は、30万円以下の罰金又は科料です。(刑法第209条1項)
重過失傷害罪過失傷害罪を比較すると、明らかに重過失傷害罪の方が科される罪が重いことがわかります。
また、過失傷害罪親告罪(刑法第209条2項)ですので、被害者に告訴を取り下げてもらうことができれば刑罰が科されることはありません。
重過失傷害罪過失傷害罪の違いを簡単に説明すると、過失の程度の差です。
弁護士による弁護活動で、過失が重大ではないと主張することで、重過失傷害罪ではなく、過失傷害罪での成立を目指せるかもしれません。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、無料法律相談を行っています。
スケートボードなどで事故を起こした場合など、交通事件や刑事事件でお困りの方は、お気軽に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

【事例紹介】モペットの無免許運転で事故 無免許危険運転致傷罪の容疑で書類送検②

2024-01-31

【事例紹介】モペットの無免許運転で事故 無免許危険運転致傷罪の容疑で書類送検②

取調べを受ける男性

前回に引き続き、モペット無免許で運転し、赤信号無視で事故を起こしたとして、無免許危険運転致傷罪の容疑で書類送検された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

原付き運転免許が必要なペダル付き原動機付き自転車(モペット)を無免許で運転し、赤信号を無視して自転車の女性にけがをさせたとして、警視庁は(中略)男(24)=東京都新宿区=を自動車運転死傷処罰法違反(無免許危険運転致傷)などの疑いで書類送検し、発表した。
(中略)
男の送検容疑は、(中略)新宿区大久保2丁目の都道で無免許でモペットを運転し、赤信号を無視して時速25キロで交差点に進入。自転車に乗った70代女性に衝突し、頭部打撲など8週間のけがをさせた疑いがある。
モペットは、見た目は自転車に似ているが、法律上は原付きバイクと同じ扱いだ。原付き免許、ナンバープレート、自賠責保険への加入、ヘルメットが必要だが、男はいずれもなかったという。(後略)
(2024年1月18日 「無免許でモペット乗り、赤信号無視 女性をけがさせた疑いで書類送検」より引用)

赤信号無視と見落とし

赤信号で交差点に進入して起こしてけがを負わせた事故でも、赤信号を故意に無視したのか、それとも赤信号を見落としてしまったのかで成立する罪が大きく変わる可能性があります。
例えば、赤信号を故意に無視した場合には、前回のコラムで解説した危険運転致傷罪が成立する可能性があります。

一方で、赤信号を故意に無視したのではなく、見落としてしまった、つまり過失があった場合には、危険運転致傷罪ではなく過失運転致傷罪が成立する可能性があります。
過失運転致傷罪は自動車運転処罰法第5条に規定されており、大まかに説明すると、運転中に周囲の確認を怠ったなどの過失によって人にけがをさせてしまった場合に成立します。
不注意によって赤信号を見落としてしまった場合などには、この過失運転致傷罪が成立する可能性が高く、法定刑は7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金ですので、危険運転致傷罪よりも科される刑罰が軽く規定されています。
また、過失運転致傷罪では、けがの程度が軽い場合には刑を免除される場合があります。

このように危険運転致傷罪過失運転致傷罪では、刑罰の重さがかなり異なります。
ですので、故意に赤信号を無視したのでない場合には、そのことを主張していく必要があります。

交通事件では、刑事事件と同様に取調べを受けることになります。
上記のような主張は取調べですることになるのですが、警察官や検察官はあなたの味方になってくれるわけではありませんので、話しを聞いてもらえないどころか、赤信号を無視したととれる内容の供述をするように誘導してくる可能性があります。
自分の言い分を聞いてもらえない状態が続くとかなりのストレスになりますし、不安にもなるでしょう。
自分に限って供述の誘導に乗ることはないと思っていても、ストレスや疲れで判断能力が鈍り、誘導に乗ってしまうことがあります。
取調べで作成される供述調書は裁判で重要な証拠として扱われますので、赤信号を故意に無視した内容の供述調書が作成されてしまった場合は、たとえ事実に反していたとしても、内容を覆すことは容易ではありませんので、裁判の際に窮地に立たされる可能性がかなり高くなってしまいます。
そういった事態を避けるためにも、取調べ前に準備を行っておくことが重要です。

取調べの準備といっても何をどうすればいいのかわからない方がほとんどでしょう。
ですので、取調べ前に弁護士に相談をすることをおすすめします。
刑事事件や交通事件の経験豊富な弁護士であれば、取調べの際にどういった内容のことが聞かれるのかをある程度予測することができます。
その予測を基に、供述する内容をあらかじめ考えておくことで、取調べに落ち着いて挑むことができる可能性があります。

また、事案によっては、供述した方がいい内容や黙秘した方がいい内容があります。
供述すべき内容なのか、そうでない内容なのかは事案によって異なりますので、警察の捜査を受けている場合には、弁護士に一度、相談をすることが望ましいでしょう。

取調べでどういった対応を取るかによって、危険運転致傷罪過失運転致傷罪のどちらが成立するのかが変わってくる可能性があります。
ですので、赤信号無視による危険運転致傷罪の容疑をかけられている際は、できる限り早い段階で弁護士に相談をすることを強くおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件、交通事件に精通した法律事務所です。
経験豊富な弁護士と取調べ対策を行うことで、不利な状況に陥ることを防いだり、執行猶予付き判決などの良い結果を得られる可能性があります。
交通事件でも、取調べの対策を練っておくことはかなり重要ですので、取調べでご不安な方、危険運転致傷罪などの容疑をかけられている方は、お気軽に、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

【事例紹介】モペットの無免許運転で事故 無免許危険運転致傷罪の容疑で書類送検①

2024-01-24

【事例紹介】モペットの無免許運転で事故 無免許危険運転致傷罪の容疑で書類送検①

赤信号を無視して走る車

モペット無免許で運転し、赤信号無視で事故を起こしたとして、無免許危険運転致傷罪の容疑で書類送検された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

原付き運転免許が必要なペダル付き原動機付き自転車(モペット)を無免許で運転し、赤信号を無視して自転車の女性にけがをさせたとして、警視庁は(中略)男(24)=東京都新宿区=を自動車運転死傷処罰法違反(無免許危険運転致傷)などの疑いで書類送検し、発表した。
(中略)
男の送検容疑は、(中略)新宿区大久保2丁目の都道で無免許でモペットを運転し、赤信号を無視して時速25キロで交差点に進入。自転車に乗った70代女性に衝突し、頭部打撲など8週間のけがをさせた疑いがある。
モペットは、見た目は自転車に似ているが、法律上は原付きバイクと同じ扱いだ。原付き免許、ナンバープレート、自賠責保険への加入、ヘルメットが必要だが、男はいずれもなかったという。(後略)
(2024年1月18日 「無免許でモペット乗り、赤信号無視 女性をけがさせた疑いで書類送検」より引用)

モペットと原動機付自転車

モペットは自転車と違い、モーターなどでペダルをこがずに自走することが可能なようです。
ですので、モペットは道路交通法上の原動機付自転車に分類されており、自転車のような見た目をしていますが原付バイクと同様の扱いになります。
ですので、自転車の運転には免許は不要ですが、原動機付自転車にあたるモペットの場合は運転をする際に免許が必要になります。

モペットと事故

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(以下、「自動車運転処罰法」と言います。)では、自動車による事故で人にけがを負わせたり、人を亡くならせた場合に成立する犯罪などを規定しています。

今回の事例では、容疑者がモペット無免許で運転し、赤信号を無視して女性にけがを負わせたとして無免許危険運転致傷罪の容疑で書類送検されたようです。
無免許危険運転致傷罪は、自動車運転処罰法で規定されており、危険運転致傷罪にあたる行為を無免許で行った場合に成立します。

危険運転致傷罪は、自動車運転処罰法第2条、第3条で規定されています。
アルコールや薬物の影響で正常な運転ができない場合や制御できないほどのスピードで運転する行為などが危険運転致傷罪の対象となっています。
今回の事例では赤信号無視が問題になっているようですが、赤信号無視についても上記の場合と同様に危険運転致傷罪の対象です。

自動車運転処罰法第2条7号
赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為

自動車運転処罰法第2条では危険運転致傷罪を規定していますので、上記の自動車運転処罰法第2条7号の行為をして人にけがを負わせると、危険運転致傷罪が成立することになります。
自動車運転処罰法第2条7号を簡単に説明すると、赤信号を無視して事故が起こるような危険性のあるスピードで運転する行為を規定しています。

今回の事例は、この自動車運転処罰法第2条7号の行為にあたるのでしょうか。

報道によると、容疑者は赤信号を無視して時速25キロで交差点に進入したようです。
時速25キロで歩行者や自転車にぶつかれば人にけがを負わせたり死亡させてしまう危険性があるといえます。
ですので、時速25キロは重大な交通の危険を生じさせる速度だと判断される可能性があります。
今回の事例で容疑者が赤信号を無視して時速25キロで交差点に進入し、自転車に乗っていた女性にけがを負わせたのであれば、危険運転致傷罪が成立する可能性があります。

無免許危険運転致傷罪

自動車運転処罰法第6条では無免許危険運転による加重処罰を規定しています。

赤信号無視による危険運転致傷罪の法定刑は15年以下の懲役(自動車運転処罰法第2条)なのですが、無免許運転だった場合には6月以上の有期懲役(自動車運転処罰法第6条1項)になります。
赤信号無視の場合の無免許危険運転致傷罪には刑の上限が規定されておらず、通常の危険運転致傷罪に比べてより刑罰が重く規定されていることになります。
ですので、無免許運転の場合に有罪になると、無免許運転ではない同種事案に比べて、より重い刑罰が科されることになります。

また、無免許過失運転致傷罪の法定刑は10年以下の懲役です。(自動車運転処罰法第6条4項)
懲役刑しか規定されていない時点で、無免許過失運転致傷罪もかなり刑罰の重い罪だといえるのですが、赤信号無視の場合の無免許危険運転致傷罪よりも科される刑罰は軽く規定されています。

書類送検

書類送検とは、事件が検察庁に送られたことを指します。
ですので、書類送検で事件が終わることはなく、これから検察官によって起訴、不起訴の判断がされます。
起訴された場合には裁判が行われることになりますので、書類送検後も気を抜かずに取調べなどを受ける必要があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービス無料法律相談を行っています。
交通事件に精通した弁護士に相談をすることで、より良い結果を得られるかもしれません。
モペットなどの運転で捜査を受けている方は、お気軽に、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

次回のコラムでは、危険運転致傷罪と取調べについて解説します。

自転車も青切符導入か⁈来年度の国会で法改正案提出へ

2024-01-03

自転車も青切符導入か⁈来年度の国会で法改正案提出へ

自転車

事例

警察庁は21日、軽微な交通違反で「青切符」を交付して反則金を納付させる交通反則通告制度に、新たに自転車を加える道路交通法改正案を2024年の通常国会に提出する方針を明らかにした。対象は16歳以上とし、警察官の指導・警告に従わずに違反行為を継続したり、歩行者らの通行を妨げたりした場合に青切符で取り締まる。危険性の高い酒酔い運転などは、刑事罰を科す手続きに入る「赤切符」(交通切符)で摘発する。
警察庁によると、自転車の交通違反への対応は現在、指導・警告か赤切符での取り締まりに限られる。(後略)
(12月21日 毎日新聞デジタル 「自転車に「青切符」導入へ 16歳以上、指導・警告に従わないと摘発」より引用)

青切符とは

青切符とは、「交通反則告知書」のことをいい、青切符を受け取った場合は反則金を納付しなければなりません。

現状、自転車交通反則通告制度の対象外ですので、自転車の運転で青切符を交付されることはありません。
しかし、交通反則通告制度自転車を加える道路交通法改正案を来年度の通常国会に提出する方針とのことですので、今後は自転車での運転でも青切符を交付される可能性があります。

自転車と軽車両

道路交通法では、自転車は軽車両に分類されます。(道路交通法第2条1項11号)
また、道路交通法第2条1項8号では、自動車、原動機付自転車、軽車両、トロリーバスを車両として規定していますので、軽車両である自転車は道路交通法上では、車両として扱われることになります。
自転車は車両に分類されている以上、自転車を運転する場合には道路交通法で規定されている交通ルールを守る必要があります。

自転車と交通ルール

年齢制限がなく免許も不要なため、日々、多くの人が乗っている自転車ですが、交通ルールを知らずに運転していらっしゃる方もいるのではないでしょうか。
そこで、今回は自転車の交通ルールをいくつかご紹介します。

① 車道の左側の走行

道路交通法第17条1項(一部省略)
車両は、歩道又は路側帯と車道の区別のある道路においては、車道を通行しなければならない。ただし、道路外の施設又は場所に出入するためやむを得ない場合において歩道等を横断するとき、又は第四十七条第三項若しくは第四十八条の規定により歩道等で停車し、若しくは駐車するため必要な限度において歩道等を通行するときは、この限りでない。

道路交通法第17条4項(一部省略)
車両は、道路の中央から左の部分を通行しなければならない。

道路交通法第18条1項(一部省略)
車両は、車両通行帯の設けられた道路を通行する場合を除き、自動車及び一般原動機付自転車にあつては道路の左側に寄つて、特定小型原動機付自転車及び軽車両にあつては道路の左側端に寄つて、それぞれ当該道路を通行しなければならない。ただし、追越しをするとき、第二十五条第二項若しくは第三十四条第二項若しくは第四項の規定により道路の中央若しくは右側端に寄るとき、又は道路の状況その他の事情によりやむを得ないときは、この限りでない。

自転車は車両に該当しますので、原則、自転車を運転する場合には、車道の左端を走行する必要があります。

② 踏切の通過

道路交通法第33条(一部省略)
1項 車両等は、踏切を通過しようとするときは、踏切の直前で停止し、かつ、安全であることを確認した後でなければ進行してはならない。ただし、信号機の表示する信号に従うときは、踏切の直前で停止しないで進行することができる。
2項 車両等は、踏切を通過しようとする場合において、踏切の遮断機が閉じようとし、若しくは閉じている間又は踏切の警報機が警報している間は、当該踏切に入つてはならない。

自転車で踏切を通行する際は、一時停止して安全を確認する必要がありますし、遮断機が閉じたり閉じようとしている場合には通行してはいけません。

③ ライトの点灯

道路交通法第52条1項(一部省略)
車両等は、夜間、道路にあるときは、政令で定めるところにより、前照灯、車幅灯、尾灯その他の灯火をつけなければならない。政令で定める場合においては、夜間以外の時間にあつても、同様とする。

夜間、自転車を運転する際は、ライトを点灯させる必要があります。

④ 酒酔い運転の禁止

道路交通法第117条の2(一部省略)
次の各号のいずれかに該当する者は、五年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
1項1号 第六十五条第一項の規定に違反して車両等を運転した者で、その運転をした場合において酒に酔つた状態にあつたもの

道路交通法第65条1項では飲酒運転を禁止しています。
また、道路交通法において、飲酒運転は酒気帯び運転と酒酔い運転にわけられます。

酒気帯び運転とは、政令で定める以上のアルコールを保有した状態で運転する行為を指します。
また、酒酔い運転とは、アルコールの影響により、正常な運転ができない状態で運転する行為をいいます。
道路交通法第117条の2第1項1号が規定する車両等には軽車両である自転車も含まれますので、正常な運転ができないほどにお酒に酔った状態で自転車を運転してはいけませんし、酒酔い運転をした場合には懲役刑が科されるおそれがあります。

自転車と道路交通法違反

普段何気なく乗っている自転車ですが、自転車が軽車両に分類される以上、道路交通法で定められたルールを守りながら走行する必要があります。
来年度の通常国会で交通反則通告制度自転車を加える道路交通法改正案を提出予定とのことですので、法改正が行われた際には、今まで以上に取り締まりが厳しくなることが予想されます。
今回紹介した条文以外にも、道路交通法では様々な自転車の交通ルールが定められています。
今後、道路交通法違反の罪に問われたり、青切符を受領しないためにも、今のうちから自転車の交通ルールを順守するように心がけることが大切です。

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自転車による事故で警察の捜査を受けている方、その他交通事件でお困りの方は、お気軽に、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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15歳の少年が電動キックボードを運転し犯罪に? 問われる罪とは

2023-11-29

15歳の少年が電動キックボードを運転し犯罪に? 問われる罪とは

電動キックボードに乗る男性

15歳の少年らが電動キックボードのシェアリングサービスを利用して電動キックボードを運転していたとされている事例を基に、16歳未満の者の電動キックボードの運転や16歳未満の者への電動キックボードの提供について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

16歳未満の運転が禁止されている電動キックボードに、15歳の少年らが乗車し、警察が捜査していることがわかった。
捜査関係者によると2023年9月、電動キックボードのシェアリングサービス会社「(中略)」が「16歳未満に貸し出していたことがわかった」などと警察に申告した。
電動キックボードは2023年7月から、16歳以上なら運転免許なしで乗れるようになったが、7月以降、複数の15歳の少年が(中略)を利用して乗っていたという。
(中略)の利用者は専用アプリで身分証明書を提出するが、少年らはマイナンバーカードを提出していたという。
(中略)
警察は、道交法違反の疑いなども視野に捜査している。
(11月10日 FNNプライムオンライン 「“16歳未満禁止”の電動キックボードに15歳少年らが乗車…シェアリングサービス会社が申告、警察が捜査」より引用)

電動キックボードと法律

電動キックボードは道路交通法で規定されている原動機付自転車に該当します。
今年7月の道路交通法改正により、原動機付自転車の中でも免許が必要な一般原動機付自転車、免許が不要な特定小型原動機付自転車特例特定小型原動機付自転車の3つの区分に分けられることになりました。
特定小型原動機付自転車特例特定小型原動機付自転車に該当する電動キックボードは免許が不要であり、基準を満たせば歩道を走行することができるものもありますが、電動キックボード原動機付自転車に該当する以上、道路交通法上の車両として扱われます。
ですので、道路交通法などの法で定められた交通ルールを守らないと、道路交通法違反などの罪が成立することになります。

特定小型原動機付自転車特例特定小型原動機付自転車に該当する電動キックボードの運転は、16歳以上であれば免許の所持に関係なく誰でも運転することができますが、16歳未満である場合には、電動キックボードを運転することができません。

今回の事例では、15歳の少年が電動キックボードを運転していたようです。
15歳の少年や電動キックボードを貸し出した電動キックボードのシェアリングサービス会社は罪に問われるのでしょうか。

電動キックボードの運転と年齢

道路交通法第64条の2
1項 十六歳未満の者は、特定小型原動機付自転車を運転してはならない。
2項 何人も、前項の規定に違反して特定小型原動機付自転車を運転することとなるおそれがある者に対し、特定小型原動機付自転車を提供してはならない。

道路交通法では、16歳未満の場合に特定小型原動機付自転車を運転してはいけないと規定しています。
上記条文では特例特定小型原動機付自転車の運転については触れていないので特例特定小型原動機付自転車であれば運転できるんじゃないのかと思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、特定小型原動機付自転車のうち、最高速度が時速6キロメートル以下などの基準を満たすものについて特例特定小型原動機付自転車として定めていますので、特例特定小型原動機付自転車特定小型原動機付自転車に分類されます。
ですので、特例特定小型原動機付自転車に該当する電動キックボードに関しても16歳未満の運転は禁止されています。

道路交通法で16歳未満は特定小型原動機付自転車を運転してはいけないと定められている以上、16歳未満の者が電動キックボードを運転した場合には、道路交通法違反が成立します。
また、電動キックボードを運転する者が16歳未満だと知りながら、電動キックボードを提供した者も道路交通法違反の罪に問われることになります。
16歳未満の者が電動キックボードを運転した場合または16歳未満の者に電動キックボードを提供した場合に、道路交通法違反で有罪になると、6月以下の懲役又は10万円以下の罰金が科されます。(道路交通法第118条1項2号、3号)

今回の事例では、15歳の少年らが電動キックボードに乗車していたと報道されています。
上記のとおり、電動キックボードについて16歳未満の者が運転することを道路交通法では禁止していますから、実際に少年らが電動キックボードを運転していたのであれば道路交通法違反の罪に問われる可能性があります。
また、電動キックボードのシェアリングサービス会社は、少年らのマイナンバーカードを確認したうえで電動キックボードを貸し出していた報道されているようですので、実際に15歳の少年らに電動キックボードを貸し出していたのであれば、16歳未満の者への電動キックボードの提供により、道路交通法違反が成立する可能性があります。

交通事件などの刑事事件では、罰金刑であっても刑罰を受けた場合には、前科が付くことになります。
前科が付くことにより、進学就職活動転職活動などに悪影響を及ぼしてしまうことも少なくありません。
犯罪を犯すと必ずしも刑罰を科され、前科が付くわけではありません。
刑事事件では、起訴猶予により不起訴処分を得られる場合があります。

起訴猶予とは、簡単に説明すると、犯罪に当たる行為はしているが起訴はしないということです。
略式命令による罰金刑も含め、起訴されなければ刑罰を科されることはありませんし、前科もつきません。
ですので、前科を避けるためには、不起訴処分の獲得に向けた弁護活動が重要になります。

弁護士は検察官に対して、処分交渉をすることができます。
この処分交渉で、悪質性は低いことや再犯防止に努めていることなどを検察官に訴え、不起訴処分を求めることで、不起訴処分を得られる可能性があります。
ですので、不起訴処分の獲得を目指す場合には、弁護士に相談をすることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、交通事件をはじめとする刑事事件に精通した法律事務所です。
数多くの事件で不起訴処分を獲得してきた経験豊富な弁護士に相談をすることで、不起訴処分を獲得できるかもしれません。
電動キックボードなどの道路交通法違反事件でお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

(事例紹介)電動キックボードでひき逃げした事例②~過失運転致傷罪~

2023-09-20

(事例紹介)電動キックボードでひき逃げした事例②~過失致傷罪~

前回のコラムに引き続き、電動キックボードで歩行者をひき逃げしたとして、道路交通法違反の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

電動キックボードで歩行者をひき逃げしたとして、警視庁池袋署は、道交法違反(ひき逃げ)などの疑いで、埼玉県吉川市、(中略)容疑者(23)を再逮捕した。捜査関係者への取材で分かった。調べに対し「当たってはいないが、女性が転倒したのは私が原因だと思う」と容疑を一部否認している。
再逮捕容疑は、(中略)電動キックボードを運転中、東京都豊島区東池袋の歩道で、商業施設から出てきた60代の女性と衝突し、肋骨(ろっこつ)骨折などの重傷を負わせたが、立ち去ったとしている。
(中略)容疑者が乗っていた電動キックボードはレンタルしたもので、歩道を走行できない機種だった。(後略)
(9月11日 産経新聞 THE SANKEI NEWS  「電動キックボードでひき逃げ 女を再逮捕 警視庁」より引用)

電動キックボードと過失致傷罪

今回の事例では、容疑者が運転する電動キックボードが被害者に衝突し、被害者が肋骨を骨折したと報道されています。
電動キックボードで人にけがを負わせた場合には、罪に問われるのでしょうか。

車で事故を起こし、人にけがを負わせると過失運転致傷罪が成立する場合があります。

過失運転致傷罪は、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(以下「自動車運転処罰法」といいます)第5条で、「自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。」と規定されています。

原動機付自転車は、車と同様に自動車運転処罰法が規定する「自動車」に該当します。(自動車運転処罰法第1条1項)
前回のコラムで解説したように、電動キックボード原動機付自転車にあたりますので、電動キックボードであっても、運転上必要な注意を怠って人にけがを負わせた場合には、過失運転致傷罪が成立する可能性があります。

では今回の事例では過失運転致傷罪は成立するのでしょうか。

今回の事例では、容疑者が歩道を電動キックボードで走行し、被害者と衝突したと報道されています。
一部の電動キックボード歩道の走行を許可されていますが、容疑者が運転していた電動キックボード歩道の走行を禁止されていました。
歩道の走行を禁止されている以上、容疑者が運転していた電動キックボード歩道を走行すると事故の危険性があったのだと考えられますので、容疑者が歩道の走行を認められていない電動キックボード歩道を走行する行為は、歩道は走行しないといった運転上必要な注意を怠っていたと判断される可能性があります。
今回の事例では、被害者は肋骨を骨折するけがを負っていますので、容疑者の運転によりけがを負ったのであれば、過失運転致傷罪が成立するかもしれません。

過失運転致傷罪と示談

今回の事例では、被害者が肋骨を骨折するという大けがを負っています。
被害者が重症であり、禁止されている歩道を走行していることから、悪質であると判断されるおそれがあり、裁判になってしまう可能性が考えられます。
過失運転致傷罪の法定刑は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金ですので、裁判になってしまうと懲役刑が科される可能性があり、刑務所に行かなければならなくなってしまうおそれがあります。

刑事事件では示談を締結すると科される罪が軽くなると聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
これは交通事故の場合も例外ではなく、事故被害者と示談を締結することで、科される罪が軽くなる場合があります。

示談交渉をするには、相手の連絡先を知る必要があります。
交通事故の場合、被害者の連絡先を知らないことがほとんどでしょうから、警察官などを通じて連絡先を手に入れることになります。
しかし、連絡先を教えてもらえるように警察官に頼んでも、被害者保護や証拠隠滅の観点から、加害者には連絡先を教えてもらえないことがあります。
警察官に連絡先の入手を断られてしまっても、再度弁護士が依頼することで教えてもらえる場合がありますので、示談交渉を考えている方は、弁護士に相談をすることが望ましいでしょう。

また、連絡先を教えてもらえた場合であっても、加害者本人が被害者に直接示談交渉をすることで、被害者の処罰感情が激化し、トラブルを生んでしまうおそれがあります。
弁護士が代わりに示談交渉を行うことで、そういったトラブルを回避できる可能性がありますので、示談交渉を行う際は、事前に弁護士に相談をした方がいいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービス無料法律相談を行っています。
示談を締結することで、執行猶予付き判決の獲得や不起訴処分を獲得できる場合があります。
弁護士が代理人となって示談交渉をすることで、円滑に示談を締結できる場合がありますので、示談を考えている方、示談交渉でお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

(事例紹介)電動キックボードでひき逃げした事例①~道路交通法違反~

2023-09-15

電動キックボードでひき逃げした事例①~道路交通法違反~

電動キックボードで歩行者をひき逃げしたとして道路交通法違反の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

電動キックボードで歩行者をひき逃げしたとして、警視庁池袋署は、道交法違反(ひき逃げ)などの疑いで、埼玉県吉川市、(中略)容疑者(23)を再逮捕した。捜査関係者への取材で分かった。調べに対し「当たってはいないが、女性が転倒したのは私が原因だと思う」と容疑を一部否認している。
再逮捕容疑は、(中略)電動キックボードを運転中、東京都豊島区東池袋の歩道で、商業施設から出てきた60代の女性と衝突し、肋骨(ろっこつ)骨折などの重傷を負わせたが、立ち去ったとしている。
(中略)容疑者が乗っていた電動キックボードはレンタルしたもので、歩道を走行できない機種だった。(後略)
(9月11日 産経新聞 THE SANKEI NEWS  「電動キックボードでひき逃げ 女を再逮捕 警視庁」より引用)

ひき逃げ

事故を起こした場合は、けが人の救護と警察署への報告を行わなければなりません。(道路交通法第72条1項)
けが人の救護や警察署への事故の報告を行わない行為をひき逃げといい、ひき逃げを行った場合には、道路交通法違反が成立する可能性があります。

けが人を救護せず道路交通法違反で有罪になると、5年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科されます。(道路交通法第117条1項)
また、被害者のけがが加害者の運転によるもので、加害者が被害者の救護をしなかった場合には、道路交通法違反で有罪になると、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科されます。(道路交通法第117条2項)
そして、事故の報告をせずに道路交通法違反で有罪になった場合は、3月以下の懲役又は5万円以下の罰金が科されます。(道路交通法第119条1項17号)

電動キックボードとひき逃げ

電動キックボードは、一般的な原動機付自転車特定小型原動機付自転車特例特定小型原動機付自転車の3つに分かれます。
一般的な原動機付自転車は運転をするのに免許が必要になりますが、特定小型原動機付自転車特例特定小型原動機付自転車免許がなくても運転をすることができます
また、特例特定小型原動機付自転車の基準を全て満たしている場合には、電動キックボードで一部の歩道を走行することが可能です。

歩道の走行が可能であったり、免許が不要な電動キックボードであっても、原動機付自転車に該当しますので、道路交通法では「車両」に該当します。(道路交通法第2条1項8号)
ですので、電動キックボードで事故を起こした場合に、けが人の救護や事故の報告をしない場合には、ひき逃げになりますし、道路交通法違反が成立してしまいます。

今回の事例では、容疑者が電動キックボードで事故を起こし、被害者にけがを負わせたが立ち去ったと報道されています。
容疑者が実際に、被害者の救護や警察への事故の報告を行っていないのであれば、ひき逃げにあたり、容疑者に道路交通法違反が成立するおそれがあります。

ひき逃げと釈放

今回の事例では道路交通法違反の容疑で再逮捕されたと報道されています。
再逮捕の場合も刑事事件の流れは1回目の逮捕と同様です。
ですので、再逮捕であっても逮捕後72時間以内勾留するかどうかの判断が行われることになります。
弁護士は勾留が決まるまでの逮捕後72時間の間であれば、意見書を検察官や裁判官に提出することができます。

今回の事例ではひき逃げでの再逮捕だと報道されています。
ひき逃げということは、事件現場から逃走しているということですので、逃亡のおそれがあると判断されて釈放が認められづらい可能性があります。
ですが、弁護士が家族などの監督により逃亡のおそれがないことなどを主張することで、釈放が認められる可能性があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件に精通した法律事務所です。
刑事事件の豊富な弁護経験を持つ弁護士による弁護活動で、釈放を実現できるかもしれません。
意見書の提出は逮捕後72時間以内にする必要がありますので、ご家族が逮捕された方は、お早めに弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

今回の事例では、電動キックボードでもひき逃げになる可能性があると解説しました。
実は今回の事例では、ひき逃げによる道路交通法違反の他に、過失運転致傷罪が成立する可能性があります。
次回のコラムでは、キックボードと過失運転致傷罪について解説します。

(事例紹介)電動キックボードの飲酒運転で書類送検②

2023-08-09

(事例紹介)電動キックボードの飲酒運転で書類送検②

前回のコラムに引き続き、酒気帯びの状態で電動キックボードを運転したとして、道路交通法違反の容疑で書類送検された事例を基に、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

東京都豊島区の区道で7日、酒を飲んで電動キックボードを運転したとして、警視庁は男子大学生(19)を道路交通法違反(酒気帯び運転)容疑で書類送検する方針を固めた。(中略)
池袋署によると、同区西池袋5丁目の区道で7日午前0時ごろ、大学生の電動キックボードが停車中のタクシーに追突。タクシーに乗客はなく、男性運転手にもけがはなかった。
警察官が駆けつけ、呼気検査で基準値を超えるアルコール成分が検出された。(後略)
(7月11日 朝日新聞デジタル 「酒飲んで電動キックボード運転容疑、書類送検へ 7月から免許不要に」より引用)

電動キックボードでと酒気帯び運転、酒酔い運転

前回のコラムで解説したように、お酒を飲んで電動キックボードを運転した場合には、酒気帯び運転などの道路交通法違反が成立する可能性があります。

また、お酒の影響で正常な運転ができない状態での運転を酒酔い運転といいます。
酒酔い運転での道路交通法違反の法定刑は5年以下の懲役又は100万円以下の罰金になります。(道路交通法第117条の2第1項1号)であり、酒気帯び運転3年以下の懲役又は50万円以下の罰金(道路交通法第117条の2の2第1項第3号)に比べると、酒酔い運転ではかなり刑罰が重くなっていることがわかります。

酒気帯び運転酒酔い運転の違いは、正常な運転をできないおそれがあったのかどうかです。
つまり、アルコールにより正常な運転ができないおそれがある状態であったと判断されれば酒酔い運転が成立する可能性が高いですし、そのような状態であったと判断するには合理的な疑いが残ると判断されれば酒気帯び運転が成立する可能性が高くなります。
電動キックボードであっても酒酔い運転が成立してしまう可能性がありますので、注意が必要です。

取調べと酒酔い運転成立の回避

刑事事件の裁判では、取調べで作成される供述調書が証拠として使用されます。
この供述調書は裁判だけでなく、検察官が起訴・不起訴の判断や起訴罪名を決定する際にも使用されるなど、とても重要な証拠になります。
取調べ対策をしっかりと行い、不利な証拠の作成を防ぐことで、酒酔い運転での起訴を避けられる可能性があります。

電動キックボードだからといって、罪に問われないことや、科される刑罰が軽くなるようなことはありません。
ですので、電動キックボードでの飲酒運転の場合も、事件を軽く捉えずに、早い段階から弁護士に相談をして取調べ対策を行うなど、事件早期からしっかりと対策を行っておくことが重要です。

取調べでは、供述する内容を事前に考えておくことで、不利になるような供述をしてしまうことを防げる可能性があります。
今回の事例では、タクシーに衝突したとされている事故の状況や原因、飲んだお酒の量などを聴かれるでしょう。
弁護士は取調べで聴かれるであろう内容をある程度予測することができますし、黙秘すべき内容や供述すべき内容のアドバイスなども行います。
少しでも科される刑罰を軽くするためにも、事前に弁護士に相談をしてから、取調べに挑みましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、酒気帯び運転などの飲酒運転の弁護活動に精通した法律事務所です。
取調べ対策などをしっかりと行うことで、少しでも科される刑罰を軽くできる可能性があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービス無料法律相談を行っています。
取調べ対応でご不安な方や酒気帯び運転などの飲酒運転電動キックボードによる交通違反事件でお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

(事例紹介)電動キックボードの飲酒運転で書類送検

2023-08-02

(事例紹介)電動キックボードの飲酒運転で書類送検

電動キックボード酒気帯び運転をしたとして、道路交通法違反の容疑で書類送検された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

東京都豊島区の区道で7日、酒を飲んで電動キックボードを運転したとして、警視庁は男子大学生(19)を道路交通法違反(酒気帯び運転)容疑で書類送検する方針を固めた。(中略)
池袋署によると、同区西池袋5丁目の区道で7日午前0時ごろ、大学生の電動キックボードが停車中のタクシーに追突。タクシーに乗客はなく、男性運転手にもけがはなかった。
警察官が駆けつけ、呼気検査で基準値を超えるアルコール成分が検出された。(後略)
(7月11日 朝日新聞デジタル 「酒飲んで電動キックボード運転容疑、書類送検へ 7月から免許不要に」より引用)

電動キックボードと免許

令和5年7月1日の法改正より、原動機付自転車は、運転免許証が必要な一般原動機付自転車特定小型原動機付自転車特例特定小型原動機付自転車の3類型に分類されました。
今回の事例で事故を起こしたとされている電動キックボードは、原動機付自転車に該当し、最高速度や出力、車体の大きさなどによって、一般原動機付自転車特定小型原動機付自転車特例特定小型原動機付自転車の3類型に細かく分類されることになります。

原動機付自転車の中でも、車体が長さ190cm以下、幅60cm以下で、自転車道で他の車両の通行を妨げず、運転に高い技能を有しないもので、以下の基準を満たすものを特定小型原動機付自転車といいます。
・定格出力が0.6キロワット以下の電動機を用いていること
・最高速度が時速20kmであること
・走行中に最高速度の設定を変更できないこと
・AT機構がとられていること
・最高速度表示灯が付いていること

また、特定小型原動機付自転車の中でも、以下のいずれかに該当し、他の車両を牽引していない場合は、特例特定小型原動機付自転車に該当します。
・歩道等を通行する間は、最高速度表示灯を点滅させていること
・最高速度表示灯を点滅させている間は、時速6kmを超える速度を出せないこと
・サイドカーが付いていないこと
・ブレーキが操作しやすい位置にあること
・車体から鋭く尖った部分が飛び出していないこと

一般的な原動機付自転車の運転は免許が必要ですが、特定小型原動機付自転車特例特定小型原動機付自転車の場合には免許は不要です。
ですので、電動キックボードの運転の場合も、特定小型原動機付自転車特例特定小型原動機付自転車に区分される電動キックボードについては、免許は必要ありませんので、16歳以上であればだれでも運転することができます。

電動キックボードと酒気帯び運転

免許が必要ない特定小型原動機付自転車特例特定小型原動機付自転車に区分される電動キックボード酒気帯び運転をした場合は、罪に問われるのでしょうか。
結論から言うと、電動キックボード酒気帯び運転道路交通法違反が成立します。

道路交通法第2条第1項第8号では、自動車、原動機付自転車、軽車両及びトロリーバスを車両として定義しています。
前述したように、原動機付き自転車は、一般原動機付自転車特定小型原動機付自転車特例特定小型原動機付自転車のことをいいますので、免許が必要な一般原動機付自転車はもちろんのこと、免許が不要な特定小型原動機付自転車特例特定小型原動機付自転車車両扱いとなります。
つまり、どの区分の電動キックボードであっても、電動キックボードは道路交通法上の車両に該当することになります。

道路交通法第65条第1項では、「何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。」としています。
つまり、車両に該当する電動キックボードを酒気を帯びた状態で運転することは、道路交通法で禁止されていることになります。

今回の事例では、容疑者が電動キックボードで事故を起こし、警察官による呼気検査で基準値を超えるアルコール成分が検出されたとされています。
電動キックボードでの酒気帯び運転は道路交通法で禁止されていますので、今回の事例では、道路交通法違反が成立する可能性が高いです。

電動キックボードでの酒気帯び運転と刑事罰

酒気帯び運転の法定刑は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金です。(道路交通法第117条の2の2第1項第3号)
さらに、酒酔い運転(アルコールの影響で正常な運転ができないおそれがある状態での運転)の場合には、酒気帯び運転よりも重い、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金になります。(道路交通法第117条の2第1項1号)
電動キックボードでの酒気帯び運転酒酔い運転であっても、有罪になれば上記のように刑罰が科されることになります。

電動キックボードによっては運転をするのに免許が不要な場合もあり、交通ルールを守る意識が希薄になってしまうかもしれません。
ですが、前述したように電動キックボードは道路交通法上では車両として扱われますので、交通ルールを守らない場合には、道路交通法違反などが成立してしまう可能性があります。
また、免許が不要な電動キックボードであるからと言って罪が軽くなるようなことはありませんので、電動キックボードによる運転で道路交通法違反などの容疑をかけられた場合には、交通事故や交通違反事件に精通した弁護士に相談をすることが望ましいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、交通事故・交通違反事件に精通した法律事務所です。
電動キックボードの運転で、道路交通法違反などの容疑をかけられた方は、お気軽に、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
初回接見サービス無料法律相談のご予約は、0120ー631ー881までお電話ください。

次回のコラムでは、弁護活動についてご紹介します。

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