【事例紹介】スケートボードで人にけがを負わせ、重過失傷害罪で書類送検された事例

2024-02-08

【事例紹介】スケートボードで人にけがを負わせ、重過失傷害罪で書類送検された事例

取調べを受ける男性

心斎橋筋商店街をスケートボードで走行し、人にけがを負わせたとして、重過失傷害罪の容疑で書類送検された事例について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

大阪・ミナミの心斎橋筋商店街をスケートボードで走行し、ぶつかった歩行者の女性に重傷を負わせたとして、大阪府警南署は7日、(中略)重過失傷害容疑で地検に書類送検した。事故前も友人と、人通りの多い同商店街でスケボー走行を繰り返し、警察官から数十回注意されていた。(中略)
発表では、(中略)商店街をスケボーで走行中、スピードの出し過ぎで止まりきれず、衝突した30歳代女性に左足骨折の重傷を負わせた疑い。(中略)
道路交通法は「交通の頻繁な道路」でのスケボー走行を禁止しているが、同商店街周辺では深夜にスケボーで走る人が多いという。
(2月8日 読売新聞オンライン 「商店街をスケボー走行、女性に重傷負わせた疑いで高校生を書類送検…警察官から事故前に数十回注意」より引用)

スケートボードと法律

オリンピックの種目に選ばれるなど、近年人気が高まっているスケートボードですが、スケートボードに関する悪いニュースも時々目にします。
社会問題にもなりつつあるスケートボードですが、スケートボードに関する法律はあるのでしょうか。

道路交通法第76条4項
何人も、次の各号に掲げる行為は、してはならない。
1号 道路において、酒に酔つて交通の妨害となるような程度にふらつくこと。
2号 道路において、交通の妨害となるような方法で寝そべり、すわり、しやがみ、又は立ちどまつていること。
3号 交通のひんぱんな道路において、球戯をし、ローラー・スケートをし、又はこれらに類する行為をすること。

道路交通法第76条4項3号では、交通のひんぱんな道路で球技やローラースケート、それらに類した行為をすることを禁止しています。
スケートボードはローラースケートに類した行為だと考えられますので、交通のひんぱんな道路でスケートボードに乗ることは禁止されていることになります。

交通のひんぱんな道路でスケートボードを走行して道路交通法違反で有罪になった場合は、5万円以下の罰金が科されることになります。(道路交通法第120条1項10号)
5万円以下の罰金と聞くと罪が軽く感じますが、罰金刑では前科が付いてしまいますので、前科が付くことで今の生活や将来に悪影響を及ぼしてしまう可能性があります。
また、交通のひんぱんな道路といえるかどうかは、事案によって異なります。
ですので、交通のひんぱんな道路でスケートボードを走行したとして道路交通法違反の容疑をかけられた場合には、早期に弁護士に相談をして今後の見通しを確認することが望ましいでしょう。

スケートボードと事故

では、スケートボードで事故を起こし、人にけがを負わせた場合には、罪に問われるのでしょうか。

スケートボードで事故を起こし、人にけがを負わせた場合には、今回の事例のように重過失傷害罪に問われてしまう可能性があります。

刑法第211条
業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、五年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。

重過失傷害罪は、簡単に説明すると、けがをさせる可能性が高い行為を行ってけがをさせた場合など、けがを負わせるつもりはなかったが、重大な過失によりけがを負わせた際に成立します。

今回の報道では、容疑者がスケートボードで心斎橋筋商店街を走行し女性に衝突してけがを負わせたとされています。
報道によれば、事件以前から警察官から数十回にわたって注意されていたようですし、いつ誰が通行するかわからない商店街でスケートボードに乗る行為は人とぶつかってけがを負わしてしまう可能性があることは予測できたでしょう。
ですので、実際に容疑者がスケートボードで心斎橋筋商店街を走行していたのであれば、重大な過失があったと判断される可能性があり、容疑者に重過失傷害罪が成立するおそれがあると考えられます。

また、重過失傷害罪の法定刑は五年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金であり、重過失傷害罪で有罪になった場合には、懲役刑が下されてしまう可能性もあります。

スケートボードで事故を起こしたら弁護士に相談を

スケートボードで事故を起こしても重い罪に問われることはないと思っている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、今回の事例で報道されているように、スケートボードでけがを負わせたことで重過失傷害罪に問われる可能性があります。
繰り返しになりますが、重過失傷害罪は有罪になると懲役刑が科される可能性もあり、決して刑罰の軽い犯罪だとはいえません。
ですので、スケートボードで事故を起こし、人にけがを負わせた場合には、できる限り早い段階で弁護士に相談をすることが望ましいといえます。

刑法では、重過失傷害罪とは別に過失傷害罪も規定されています。
過失傷害罪の法定刑は、30万円以下の罰金又は科料です。(刑法第209条1項)
重過失傷害罪過失傷害罪を比較すると、明らかに重過失傷害罪の方が科される罪が重いことがわかります。
また、過失傷害罪親告罪(刑法第209条2項)ですので、被害者に告訴を取り下げてもらうことができれば刑罰が科されることはありません。
重過失傷害罪過失傷害罪の違いを簡単に説明すると、過失の程度の差です。
弁護士による弁護活動で、過失が重大ではないと主張することで、重過失傷害罪ではなく、過失傷害罪での成立を目指せるかもしれません。

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スケートボードなどで事故を起こした場合など、交通事件や刑事事件でお困りの方は、お気軽に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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