Archive for the ‘交通事故(死亡事故)’ Category

愛知の酒酔い運転死亡事故事件 任意保険と弁護士

2015-01-06

愛知の酒酔い運転死亡事故事件 任意保険と弁護士

Aさんは酒酔い運転の状態で車を運転していたところ、歩行者2名を次々とはねてしまいました。
しかし、歩行者らを救護することもなく、そのまま走り去ったのでした。
愛知県警一宮警察署は、Aさんを危険運転致死罪及びひき逃げの疑いで逮捕しました。

今回は平成15年7月23日の宇都宮地方裁判所判決を参考にしました。

~法的な責任と任意保険の関係~

今回取り上げたのは、車の酒酔い運転をした結果、14歳の子ども2名を死亡させた人身事故の事案です。
検察官の求刑は、懲役7年6ヶ月でした。
しかし、最終的には刑期を2年短縮した「懲役5年6ヶ月」の実刑判決が言い渡されました。
この判決で減刑理由の一つに挙げられたのが、「無制限の任意保険に加入しており、相応の賠償が可能であること」です。

今回は、法的な責任と任意保険の関係性について書きたいと思います。
人身事故を始めとする交通事故のケースでは、任意保険に加入しておくと安心なことがたくさんあります。
例えば、交通事故加害者の民事責任が問題になる場面です。
被害者に対する賠償金の支払いにおいては、任意保険に入っていないと賠償金を支払いきれない可能性が高いでしょう。
こうした、加害者の民事責任と任意保険との関係については、多くの方が既にご存知だと思います。

では、前述のように任意保険に加入していることが加害者の刑事責任にも影響してくるということは、ご存知だったでしょうか?
任意保険に加入しているということは、損害賠償金を支払えるというだけでなく、刑罰を軽くすることにもつながるのです。
任意保険に加入する際は、あまり意識することがないかもしれませんが、ぜひ知っておいてほしいと思います。
交通事故後、一日でも早く元の生活を取り戻すためにも、やはり任意保険には加入しておくべきでしょう。

愛知名古屋弁護士ノリタケ法律事務所は、依頼者に対する刑が少しでも軽くなるように尽力します。
酒酔い運転人身死亡事故ひき逃げなどでお困りの方は、ぜひご相談下さい。
お電話の際は、「ブログを見た」とおっしゃっていただけるとスムーズです。

名古屋の過失運転致死傷事件 勾留後の弁護士

2015-01-05

名古屋の過失運転致死傷事件 勾留後の弁護士

大型トラック運転手のAさんは、危険物を入れたドラム缶を過積載した状態で、トラックを運転していました。
その途中、Aさんの前方不注意が原因で先行車と衝突しそうになったにもかかわらず、ドラム缶の転倒などをおそれ、適切な停止措置をとりませんでした。
Aさんのトラックが先行者と激しく衝突した結果、2名が死亡1名が重傷を負いました。
Aさんは過失運転致死傷罪の疑いで愛知県警熱田警察署逮捕され、現在も勾留中です。

今回は平成20年9月9日神戸地方裁判所判決を参考にしています。

~過失運転致死傷事件で勾留~

今回取り上げた事案の被害者は、3名に上り、うち2名は死亡、1名は安静加療1週間を要するケガをしました。
日常的に業務として車を運転しているトラック運転手が、景色に気を取られて先行車両に気付かず時速約50キロのスピードで追突したという事実は、想像しただけでぞっとします。
また同運転手は、先行車両に気付いた後も、急停止すれば積載物が毀損し賠償責任を問われることから、適切なブレーキ操作を怠っていたそうです。

さて、この裁判では、被告人に対して禁錮5年の実刑判決が言い渡されました。
それとともに、「未決勾留日数中30日をその刑に算入する」とされています。
以下では、この文章が意味する内容について解説したいと思います。

過失運転致死罪などで逮捕・勾留された場合、被疑者段階での勾留を被疑者勾留と言います。
一方、起訴後に容疑者(被疑者)の地位が被告人に変わった時には、被告人勾留と言われるようになります。
そして、未決勾留とは、裁判所によって判決が下されるまでの勾留のことを言います。
以上より、未決勾留日数とは、判決が下されるまでの被疑者勾留日数と被告人勾留日数を合算したものということができます。

刑法21条では、「未決勾留の日数は、その全部又は一部を本刑に算入することができる」とされています。
つまり、未決勾留されていた日数の全部または一部に相当する期間分、懲役刑や禁錮刑の期間を短縮することができるのです。
したがって「未決勾留日数中30日をその刑に算入する」とは、被告人に対して言い渡された禁錮5年の刑のうち、30日分はそれまでの未決勾留分によって代替するという意味になります。

この判決文から少なくとも被告人は、逮捕後判決が下されるまで30日以上にわたって勾留されていたということがわかります。
犯行の悪質性や結果の重大性を考えれば、このような長期にわたって勾留されることもやむを得なかったかもしれません。
しかし、交通事故・交通違反事件に強い弁護士に依頼していれば、もっと短い勾留期間で済んだ可能性があります。
失運転致死事件などで、勾留されてしまっている方や勾留されそうな方は、ぜひご相談下さい。

愛知名古屋弁護士ノリタケ法律事務所は、交通事故・交通違反事件にも精通しています。
安心してお任せ下さい。
お電話の際は、「ブログを見た」とおっしゃっていただけるとスムーズです。

岐阜の危険運転致死事件 交通事故の弁護士

2014-12-25

岐阜の危険運転致死事件 交通事故の弁護士

Aさんは、岐阜地方裁判所多治見支部で行われた刑事裁判で、懲役11年の有罪判決を言い渡されました。
罪名は、危険運転致死罪です。
同裁判では、制限速度時速40キロの道路を時速155キロで走行したところ、車両を制御できなくなり対向車と衝突する事故を起こし、3名を死亡させたことの刑事責任が問題となりました。

※今回は平成18年1月25日の静岡地方裁判所刑事1部の判決を参考にしました。

~危険運転致死罪とは・・・~

危険運転致死罪とは、法律で定められる一定の危険な運転行為によって人を死亡させる罪のことをいいます。
現在危険運転致死罪が規定されている自動車運転処罰法によると、危険な運転とは、以下の8つです。

・アルコールや薬物の影響で正常な運転が困難な状態での運転
・アルコールや薬物の影響で正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で運転
・進行を制御することが困難な高速度での運転
・進行を制御する技能を有しないでの運転
・人や車の進行を妨害する目的で、通行中の人や車に接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度での運転
・赤信号やこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度での運転
・通行禁止道路を進行し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度での運転
・運転に支障を及ぼすおそれがある病気として政令で定めるものの影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態での運転

今回取り上げた事件は、上から3つ目の黒点に該当する危険運転の例です。
上記8つの危険運転のうち、いずれかを行った上で、人を死亡させた場合、20年以下または15年以下の懲役刑に処せられます。

この罪に問われる場合、犯行態様の悪質性・危険性や刑の重さゆえに、不起訴処分執行猶予判決の獲得が難しい可能性が高いです。
また、逮捕・勾留される可能性も高いでしょう。
ですから、危険運転致死罪で容疑者・被告人になってしまった方は、厳しい状況下におかれることを覚悟しなければなりません。

しかし、そのような状況でも弁護士は、容疑者・被告人の味方です。
不起訴処分執行猶予判決獲得の可能性が低くとも、その実現に向けて全力で弁護活動に取り組みます。
また実刑判決の獲得が出来ない場合でも、少しでも減刑されるよう手段を尽くします。
さらに、頻繁に保釈請求するなどして、被告人の釈放を手助けすることもできます。
危険運転致死罪でお困りの方は、ぜひ弁護士を利用していただきたいと思います。

愛知名古屋弁護士ノリタケ法律事務所は、危険運転致死罪の弁護実績もあります。
重い刑事責任に問われるからこそ、刑事事件専門の弁護士事務所に依頼する価値があります。
交通事故・交通違反事件にも強い弊所に、ぜひご相談下さい。
お電話の際は、「ブログを見た」とおっしゃっていただけるとスムーズです。

名古屋の死亡事故事件 刑事裁判の弁護士

2014-12-24

名古屋の死亡事故事件 刑事裁判の弁護士

Aさんは、酒気帯びの状態で車を運転していたところ、スピードの出しすぎでカーブを曲がり切れず自損事故を起こしてしまいました。
この事故で同乗していた男女2名が、死亡しました。
愛知県警中村警察署は、危険運転致死の疑いでAさんを取り調べています。

今回の事件は、平成20年1月17日松山地方裁判所刑事部の判決を参考にしています。

~危険運転致死罪か業務上過失致死罪か~

今回は、自損事故により同乗者2名を死亡させた被告人に対して危険運転致死罪が成立するか、業務上過失致死罪が成立するかが争われた事案を取り上げます。
まず始めに、危険運転致死罪業務上過失致死罪の違いについて説明します。
危険運転致死罪とは、法律で定められた一定の危険な運転により人を死亡させる犯罪のことです。
この罪は、現在、自動車運転処罰法に規定され、危険運転の態様によって20年以下または15年以下の懲役刑に処せられます。
一方で業務上過失致死罪とは、業務上必要な注意を怠ったことにより人を死亡させる犯罪のことです。
法定刑は、5年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金です。

平成19年以前は、自動車による人身死亡事故の場合、危険運転致死罪が成立するときを除いて業務上過失致死罪が成立すると考えられていました。
しかし、現在は、自動車運転処罰法に規定されている過失運転致死罪として処罰されることになります。
今回の事件は、平成18年に発生しているため、業務上過失致死罪の方が問題となっています。
ご注意ください。

さて今回の事案で問題となる危険運転致死罪と業務上過失致死罪では、大きく法定刑が異なります。
そのため、被告人に対してどちらの罪を認めるのかが、裁判の中で激しく争われました。
検察官は、制御不能なほどの高速度で車を運転したこと(危険運転の一つ)が事故の原因であるとして、危険運転致死罪の適用を主張しました。
一方で弁護人は、事故当時は時速100キロも出ておらず、制御不能ではなかったとして業務上過失致死罪の適用を求めました。

裁判所が認定した事実によると、被告人は制限速度が時速50キロの道路を時速約80キロで運転していました。
もっとも、現場は緩やかなカーブで、時速約80キロで走行しても制御不能な状態に陥るとは認めがたい状況でした。
また、被告人が時速約80キロで走行した時間は、非常に短いということです。
以上から、裁判所は
「本件車両は、事故当時、いまだ進行を制御することが困難な状態に陥っていたとは認めがたい」
として、危険運転致死罪の適用を否定しました。
結果、被告人には、業務上過失致死罪が成立するとされ、懲役4年の実刑判決が言い渡されました。

人身事故の事実に争いがない場合でも、成立する犯罪を争うことで刑を軽くすることができる場合があります。
人身事故でお困りの方は、弁護士に相談してみることをお勧めします。

愛知名古屋弁護士ノリタケ法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の弁護士事務所です。
刑事裁判の弁護人もお任せ下さい。

名古屋の危険運転幇助事件 共犯者の弁護士

2014-12-23

名古屋の危険運転幇助事件 共犯者の弁護士

運送会社勤務のAさんとBさんは、危険運転致死傷幇助罪の疑いで、名古屋地方検察庁から呼び出しを受けました。
担当検察官によると、AさんとBさんは、同僚のCさんがアルコールの影響で正常な運転が困難な状態であることを知りながら車を運転させ人を死傷させたそうです。
本日の午後から、順次取調べを行っていく予定です。
(フィクションです)

~危険運転致死傷幇助罪とは・・・~

今回は、平成25年4月15日の最高裁判所判決を取り上げます。
この事案は、上記の事案と同様、アルコールの影響で正常な運転が困難であることを知りながら、車を運転させ人を死傷させたことに対する刑事責任が問題になったものです。
こうした行為は、危険運転致死傷幇助罪として罰せられます。

裁判で認定された事実によると、被告人の2人は、飲酒運転をしていた者の先輩でした。
事件当日も3人で酒を飲んだ後、次の目的の店が開店するまで時間があったため、3人でドライブをすることにしたそうです。
被告人らは、運転手を務めた者が運転前からかなりの酩酊状態であることを認識していました。
しかし、同人が飲酒運転することを申し出た際、それを阻止することなく、頷くなどして了解を与えたということです。
その結果、対向車2台と順次衝突し、死者2名・負傷者4名という甚大な被害を生じさせる事故につながってしまいました。

被告人らは、運転手が飲酒運転するのを黙認していただけでは、危険運転致死傷幇助罪にあたらないと主張しました。
しかし、最高裁は、
・被告人らと運転手の関係性
・本件飲酒運転につき了解を求めるに至った経緯及び状況
・被告人らの応答態度
・被告人らは運転手の酩酊状態を認識していた
・飲酒運転に了解を与え、その後も黙認し続けた
ことを指摘し、被告人らの主張を退けました。
これにより、被告人らに対する有罪判決が確定しました。

近年、飲酒運転をした本人だけでなく、酒を飲ませた者や車を提供した者など、周りの人をも罰するよう法律が改正されました。
このことからもわかるように、現在は飲酒運転を撲滅するために、飲酒運転をする本人だけでなくその周りの人も取り締まるようになっています。
自分がやらなければいいではありません。
周りの人にも飲酒運転させないように注意しましょう。

愛知名古屋弁護士ノリタケ法律事務所は、危険運転致死傷幇助罪でお困りの方の力になります。
まずは、お電話下さい。
お電話の際は、「ブログを見た」とおっしゃっていただけるとスムーズです。

名古屋の過失運転致死事件 控訴の弁護士

2014-12-16

名古屋の過失運転致死事件 控訴の弁護士

名古屋市中村区在住のAさんは、過失運転致死の容疑で愛知県警守山警察署逮捕されました。
同署によると、Aさんは、前方不注意及び速度超過が原因で、道路を横断していた歩行者をはね死亡させたそうです。
一審の名古屋地方裁判所は、過失運転致死罪でAさんに禁錮1年の実刑判決を言い渡しました。
(フィクションです)

~過失運転致死事件で控訴する~

Aさんは、名古屋地方裁判所で禁錮1年の実刑判決を言い渡されてしまいました。
Aさんがこの判決に対して不満を持っている場合、今度は高等裁判所で二回目の裁判をしてもらうことができます。
これを「控訴」と言います。
つまり、控訴とは、第一審の判決に対して不服がある場合に、上級裁判所の救済を求める不服申立て制度のことです。
刑事事件の場合、民事事件の場合と異なり、第二審は、全て高等裁判所で行われますので注意が必要です。

ちなみに、もし高等裁判所の判決に不服があれば、最後に最高裁判所で三回目の裁判を受けることができます。
この場合、最高裁判所で裁判を受けたい人は、「上告」という手続きを取ることになります。

控訴」や「上告」をまとめて「上訴」と言います。
これらの上訴手続を行うためには、法律で定められている条件を満たすことが必要です。
今回は、「控訴」するケースについて解説します。

■控訴権があること
控訴できるのは、控訴する権利が与えられている人のみです。
控訴する権利が与えられているのは、例えば次の人です。
・被告人
・検察官
・第一審の弁護人
・被告人の法定代理人
など

■控訴期間内であること
控訴できるのは、第一審判決が下された翌日から14日以内に限られています。
この期間を経過すると、控訴は受け付けられません。

■控訴理由があること
控訴するには、法律で定められた控訴するに足りる理由が認められなければなりません。
例えば、「量刑不当」「事実誤認」などが挙げられます。
今回の事例でAさんが控訴するとすれば、
・禁錮1年の実刑判決は重すぎる
・前方不注意をしていなかった、速度は適正だった
などという主張をすれば、控訴理由になるでしょう。

ちなみに、第一審の弁護人と控訴審の弁護人を変更することは、被告人の自由です。
第一審の弁護人に不満がある場合は、心機一転弁護士を変えてみてもいいかもしれません。

愛知名古屋弁護士ノリタケ法律事務所は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
控訴をお考えの方は、ぜひご相談下さい。
きっとお力になれると思います。
お電話の際は、「ブログを見た」とおっしゃっていただけるとスムーズです。

名古屋の人身事故事件 前科に詳しい弁護士

2014-12-11

名古屋の人身事故事件 前科に詳しい弁護士

名古屋市南区在住のAさんは、酒に酔った勢いで車を運転していたところ、車の進路を適切に保てず激しく電柱に衝突しました。
この事故で同乗していた恋人のVさんは、車外に投げ出され死亡しました。
愛知県警港警察署は、Aさんを危険運転致死罪の現行犯で逮捕しました。
同署によると、Aさんは以前にも交通事故で同乗者を死亡させた前科があるようです。

※今回は、平成16年1月5日の青森地方裁判所判決を参考に作成しました。
※地名や警察署名は、適宜変更しています。

~交通事故・交通違反事件による前科の効力~

前科とは、法律上明確な定義があるわけではありませんが、一般的に過去に言い渡された刑罰の経歴のことを言います。
交通事故・交通違反事件の場合にも、罰金刑や懲役刑が言い渡されたときには、前科がつきます。
ちなみに、執行猶予がついた場合でも、前科がつきますので注意が必要です。
なぜなら、執行猶予でも有罪として刑罰を言い渡されたことに変わりはないからです。
執行猶予は、単に言い渡された刑罰の執行を猶予しているだけなのです。

さて、前科がつくと以下のような不利益があります。

・一定の職業に就くための資格取得が制限される
・選挙権が制限される

などです。
もっとも、これらの制限は一生続くものではありません。
例えば、執行猶予付きの有罪判決を受けた場合、執行猶予期間の満了によって前科の効力が無くなります。
また、実刑判決(執行猶予の付かない有罪判決)を受けた場合は、刑期満了あるいは刑期満了後の一定期間経過によって前科の効力が無くなります。
ただし、前科の効力が無くなることで上記の制限から解放された場合でも、再び罪を犯したときには、過去の前科歴として量刑を重くする事情と判断される可能性があります。

とにもかくにも前科がつかないに越したことはありません。
愛知名古屋弁護士ノリタケ法律事務所は、依頼者の前科回避を実現するべく、全力でサポート致します。
人身事故事件を起こしてしまった場合には、ぜひご相談ください。
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名古屋のひき逃げ事件 執行猶予に強い弁護士

2014-12-02

名古屋のひき逃げ事件 執行猶予に強い弁護士

愛知県警天白警察署は、ひき逃げの容疑で名古屋市在住のトラック運転手Aさんを逮捕したと発表しました。
容疑者のAさんは、車を運転中前方を走るオートバイを避けようと車線変更を試みた際、道路上に転倒していた男性を轢いてしまったということです。
Aさんは、事故を起こしたことに気付いたものの、犯行発覚を恐れてその場から逃走していました。
被害者男性は、即死したということです。
(フィクションです)
※今回は、平成16年11月10日の静岡地方裁判所判決を参考に作成しました。
※警察署名などを必要に応じて変更していますが、事件の内容は実際のままです。

~ひき逃げ事件で執行猶予となった事例~

今回の裁判は、ひき逃げ事件で懲役2年執行猶予4年が言い渡された事例です。
当裁判の最大の争点は、被告人に被害者を救護する義務があったかどうかという点です。
そもそも、ひき逃げとは、人身事故を起こしてしまった人が、被害者を救護しないで現場を離れることを言います。
言い換えれば、被害者の救護義務を負う人がその義務を果たさないことを指します。
そこで被告人は、「被害者は事故当時すでに即死していたため、自分に被害者を救護する義務はなかった」としてひき逃げの成立自体を争いました。
しかし、事故直後に被害者が死亡したとしても、それが一見明白にわかる状態でない以上は、運転手に救護義務が発生します。
静岡地裁は、「被害者が死亡していたことは、一見明白な状態ではなかった」としてひき逃げの成立を認めました。

交通事故を起こしてしまったとき、被害者を救護したり、事故のことを警察に報告したりすることは、全ての運転手の義務です。
たとえ交通事故自体に何ら落ち度がない場合でも、これらの義務に違反に対する法的責任は問題になります。
救護義務違反・報告義務違反は、それ自体懲役刑や罰金刑の対象なのです。
いかなる場合でも、これらの義務をしっかりと果たすようにしましょう。

さて、今回の注目ポイントは、人身死亡事故ひき逃げ事件執行猶予判決になったという点です。
ひき逃げ事件で重大な被害が生じている場合は、初犯でも実刑判決(執行猶予がついていない判決)の可能性があります。
にもかかわらず、執行猶予付き判決に至ったのはどうしてでしょうか?
裁判所は、執行猶予判決につながる事情として以下の点を挙げています。

・前方不注意(過失)の程度が軽い
・被害者の落ち度が相当大きい(飲酒した上でオートバイを運転しようとして路上に転倒した)
・数回にわたり遺族に対して直接謝罪する姿勢を見せている
・対人賠償無制限の保険によって、将来相応の賠償がなされる見込みがある
・父親が法廷で証言している
・被告人に前科がない

愛知名古屋弁護士ノリタケ法律事務所は、交通事故・交通違反事件の刑事裁判も多数経験しています。
執行猶予判決にしてほしいというご相談も、信頼できる弁護士が随時承ります。
まずは、お電話下さい。
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名古屋市の危険運転致死傷事件 勾留後の私選弁護人

2014-11-30

名古屋市の危険運転致死傷事件 勾留後の私選弁護人

名古屋市在住のAさんは、友人らを乗せた車で人身事故を起こし、愛知県警守山警察署現行犯逮捕されました。
Aさんの供述によると、車内の雰囲気を盛り上げるため、車のスピードを上げたところ制御できなくなり事故を起こしてしまったということです。
この事故で、歩行者一名が死亡し、同乗していた友人らも傷害を負いました。
Aさんには、危険運転致死傷罪で懲役7年の有罪判決が言い渡されました。
(一部フィクションです)
※今回の事例は、平成25年5月23日の千葉地方裁判所判決を参考に作成しました。

~交通事故・交通違反事件で勾留されると・・・~

今回参考にした事件は、被告人がスピードの出しすぎで車を制御できなくなってしまったことが原因で起きた人身事故です。
危険運転致死傷罪の多くは、飲酒運転や薬物影響下での運転が原因になっています。
しかし、法律上「進行が制御が困難な高速度で自動車を走行させる行為」も危険運転の一つとされています。
車のドライバーの方は、くれぐれもスピードの出しすぎに注意していただきたいと思います。

さて今回のテーマは、勾留です。
勾留とは、逮捕後に引き続き容疑者の身柄を拘束する必要がある場合に取られる刑事事件手続きです。
勾留された場合には、逮捕期間経過後も、10~20日の間引き続き身柄拘束されることになります。
事件の重大性・悪質性が高い場合などでは、特に勾留される可能性が高くなります。
今回参考にした事件の被告人も、事件後勾留されていたようです。
勾留されると身柄拘束期間が相当長期にわたることから、容疑者の精神的苦痛や社会的不利益等が大きくなります。
また容疑者として勾留されている間に起訴された場合、自動的に勾留継続になることが多いです。
こうしたことを考えると、

・とにかく勾留されないこと
・勾留されたとしても、出来るだけ早く勾留状態から解放されること

が重要になります。
勾留段階に至ってしまった場合、弁護士の協力なくして状況を変えることは難しいと言わざるを得ません。
「勾留されそうになった」「勾留されてしまった」という場合には、ぜひとも交通事故・交通違反事件に詳しい弁護士にご相談下さい。

愛知名古屋弁護士ノリタケ法律事務所は、刑事事件専門の弁護士事務所としてこれまでにも多数の勾留事件を担当してきました。
勾留を阻止できた・勾留決定後の不服申立てが認められた事件もたくさんあります。
危険運転致死傷罪でお困りの方は、ぜひ一度ご相談下さい。
刑事事件に精通した弁護士が、勾留阻止の弁護活動に全力で取り組みます。
なお、お電話の際は、「ブログを見た」とおっしゃっていただけるとスムーズです。

名古屋の交通死亡事故事件 懲役刑の弁護士

2014-11-27

名古屋の交通死亡事故事件 懲役刑の弁護士

Aさんは、スナックなどで相当量飲酒した後、元交際相手と会うために車で某カラオケ店に向かっていました。
その途中、赤信号で停止していた車に気付かず、停車中の車の後方に時速70キロメートルのスピードで衝突しました。
さらに衝突後も停車中の車を約80メートル弱にわたって押し続け炎上させました。
Aさんは、炎上している車を目撃しながら、飲酒運転の発覚を防ぐため、被害者の救護措置等をしないまま、現場から逃走しました。
その結果、被害車両に乗っていたVさんは、車内で焼死しました。
Aさんは、通報を受けて捜査していた愛知県警港警察署の警察官に危険運転致死罪の容疑で逮捕されました。
(フィクションです)
※この事例は、平成18年10月3日の仙台地方裁判所判決を参考に作成しています。

~交通死亡事故事件における弁護士の活動~

今回の事例の事故状況は、参考にした実際の交通死亡事故事件と同じです。
この事故を起こした被告人には、懲役7年(求刑8年)の実刑判決が言い渡されました。
ほぼ求刑通りの有罪判決ですが、この量刑をもっと軽くしてもらうことは出来なかったのでしょうか。
判決文の内容を参考にしながら、考えてみましょう。

実際の判決文には、被告人を厳しく処罰する理由として、以下の事由を挙げています。

・被告人は職業運転手でもあるため、事故前の状況から車を運転するには危険な状態にあることを認識できた
・制限速度を時速20キロメートル超過した速度で衝突している
・停止中の車に衝突後も停止せず、車を炎上させて被害者を死亡させたという結果は、極めて重大
・被害者には全く落ち度がない
・被害者が死亡時に味わった苦痛は想像を超えるものであり、死亡した無念さは察するに余りある
・遺族らの処罰感情が極めて厳しい
・被害弁償がなされていない
・被害者を救護することなく現場から逃走した
・常習的に飲酒運転をしており、複数の前科や交通違反歴があることなどから、再犯の可能性がある

ここで注目したいのは、「遺族らの処罰感情が厳しい(上から6個目の黒点)」と「被害弁償がなされていない(上から7個目の黒点)」です。

例えば「遺族らの処罰感情」は、弁護士の対応によって変化することがあります。
刑事事件を扱う弁護士は、日常的に様々な事件で様々な被害者の方と示談交渉を行っています。
こうした経験に基づいた弁護士による交渉の場合、一般の方よりもはるかに処罰感情を和らげられる可能性が高いと言えます。
また、加害者本人が直接遺族らに接触すると、被害者の怒りや憎しみの感情を増幅させ、かえって話がこじれてしまう危険性があります。
一方、弁護士が加害者と遺族の仲介を行う場合、遺族の方も冷静に話せることが多いようです。
その結果、当初の予定以上に遺族の方が、加害者に対する処罰感情を弱めてくれることもあります。

次に「被害弁償がなされていない」という点も、弁護士の対応で変化させられる可能性が高いです。
日々刑事事件の弁護活動を行っている弁護士は、被害弁償の手続きについても熟知しています。
そのため、弁護士に依頼すれば、そうでない場合に比べて、格段にスムーズに被害弁償を行うことができるでしょう。

今回の事例でも、少しでも「遺族の処罰感情」を和らげ、少しでも「被害弁償」を行えていたら、量刑は変わったかもしれません。

愛知名古屋弁護士ノリタケ法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の弁護士事務所です。
ですから、被害者や遺族の方との交渉も日々多数行い、交渉術を磨いています。
安心してお任せ下さい。
交通事故・交通違反事件にも強い信頼できる弁護士が、万全の被害者対応で事件解決を目指します。
「ブログを見ました」とおっしゃっていただけると、スムーズです。

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