名古屋の信号交差点で事故 執行猶予の弁護士

2015-01-18

名古屋の信号交差点で事故 執行猶予の弁護士

名古屋市名東区在住のAさんは、仕事で車を運転中、交通事故を起こし被害者を死亡させてしまいました。
当該事件の刑事裁判を担当する検察官によると、事故原因はAさんの赤信号の見落としだということです。
検察官は、名古屋地方裁判所一宮支部で開かれた刑事裁判において、Aさんに対する刑罰として禁錮1年6ヶ月を求刑しました。

今回は平成16年1月15日の名古屋地方裁判所刑事第三部の判決を参考にしています。
ただし、地名などは修正してあります。

~仕事中の交通事故事件で執行猶予判決~

今回参考にしたのは、仕事中に車を運転していたところ、被告人の信号見落としが原因で起きてしまった業務上過失致死事件の事案です。
ただし、被告人は、一貫として自身の赤信号見落としを否定していました。

裁判では、目撃者2名の証言と被告人自身の供述をもとに、被告人が赤信号を見落としていたかどうかの事実認定が行われました。
その結果、裁判所は、
「被告人が信号機が赤色を表示している本件交差点に進入したことは認められるが、赤信号を無視したと認めるに足りる証拠はない。
そのため、被告人が赤信号を看過して交差点に進入した過失を認定することとする。」
として有罪判決を下しました。

その上で被告人の量刑判断においては、
・被害者には落ち度が認められない
・赤信号を見落とした被告人の過失は重大
・被害者を死亡させたという結果は重大
・被告人は信号が青だったという不合理な弁解をし、反省の情が薄い
・被害者遺族の処罰感情は厳しい
として、被告人の刑事責任は軽くないことを認めました。

しかしながら、最終的には検察官が求刑した「禁錮1年6ヶ月」の執行が4年間猶予されることになりました。
つまり、被告人は執行猶予判決を獲得できたわけです。
裁判所が執行猶予判決を出すにあたって、考慮した事情は、以下の通りです。
・被告人自身も5ヵ月以上入院するという傷害を負っている
・約5600万円の被害弁償がなされている
・事故以降、被告人は自動車の運転をしていない
・前科前歴がない
裁判所は、上記の事情を挙げ、「今回に限り」刑の執行を猶予したのでした。

愛知名古屋弁護士ノリタケ法律事務所は、執行猶予判決獲得に向けた刑事弁護活動も行っています。
交通事故・交通違反事件でお困りの方は、ぜひご相談下さい。

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