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(事例紹介)千葉県で起きた過失運転致死事件の事例

2022-07-21

(事例紹介)千葉県で起きた過失運転致死事件の事例

今回は、千葉県で起きた過失運転致死事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~

千葉県君津市貞元の県道で21日午後7時50分ごろ、歩行中の女性が乗用車にはねられ、搬送先の病院で死亡した。
君津署は自動車運転処罰法違反(過失傷害)の疑いで乗用車の同市、自称派遣社員の男(67)を現行犯逮捕。
容疑を過失致死に切り替え詳しい原因を調べる。
同署によると、容疑者は「前を見ていたが気付かなかった」と供述している。
現場は中央線のない直線。
(6月24日YAHOO!JAPANニュース配信記事より引用)

~過失運転致死事件を起こしてしまった場合の弁護活動~

自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた場合には、自動車運転処罰法違反となり、いわゆる「過失運転致死傷罪」が成立します。
被害者が死亡した場合には、このうち「過失運転致死罪」が成立します。
過失運転致死罪の法定刑は、「7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金」となっています。
(以上、自動車運転処罰法5条より)

今回取り上げた報道の事例では、当初男性は過失運転致傷罪の容疑で逮捕されたようです。
しかし、被害者の方が搬送先の病院で亡くなったということを受け、被疑罪名が過失運転致死罪に切り替えられて捜査されているようです。
人身事故事件の場合、被害者の方の怪我や容体が後になってから分かったり変化したりすることがあるため、こうした被疑罪名の切り替えが行われることも珍しくありません。

人身事故事件では、過失運転致傷罪の程度に留まり被害者の方の怪我が軽く、示談も成立している場合には不起訴処分を獲得できる可能性もあります。
しかし、過失運転致死事件の場合は、被害者の方が亡くなっているということもあり、起訴される可能性は高いといえます。
こうしたケースでは、被害者の遺族への謝罪・弁償を行った上で示談をすることや、再犯防止のために自動車を廃車・売却したり運転免許証を返納したりすることや運転マナーについての講習を受けることなどによって、執行猶予付き判決を獲得できる可能性を上げていくことが考えられます。
過失運転致死事件を起こしてしまった場合はすぐに弁護士と相談し、今後の弁護活動についてアドバイスを受けることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を中心に取り扱う法律事務所です。
過失運転致死傷事件などの人身事故事件の刑事手続についてのご相談もお受けしていますので、お困りの際はお気軽にご相談下さい。

[事例紹介]京都市南区のひき逃げ事件で逮捕された事例

2022-07-14

[事例紹介]京都市南区のひき逃げ事件で逮捕された事例

京都市南区で起きたひき逃げ事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

京都府警南署は4日、自動車運転処罰法(過失傷害)と道交法違反(ひき逃げ)の疑いで、京都市南区のアルバイトの男(40)を逮捕した。 
逮捕容疑は、同日午前9時すぎ、自宅近くで乗用車を運転中、東山区の女性会社員(50)の自転車に衝突、腰を打撲する軽傷を負わせ、そのまま逃げた疑い。
(7月5日 京都新聞  「自転車の女性に衝突、ひき逃げ疑いで車の男逮捕 女性はけが」より引用)

過失運転致死傷罪とひき逃げ(救護義務違反)

過失運転致死傷罪は、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律自動車運転処罰法)第5条で、「自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。」と定められています。
不注意で起こしてしまった人身事故の場合には、過失運転致死傷罪が成立するケースが多いため、多くの人身事故事件でこの過失運転致死傷罪が問われることになります。

そして、このような人身事故を起こしてしまった場合、救護義務が発生します。
救護義務は道路交通法第72条で規定されており、これに違反した場合は、ひき逃げ(救護義務違反)となります(他にも報告義務や危険防止措置義務などの義務も発生し、これらを果たさなかった場合にも犯罪となり、これらもひき逃げと呼ばれたりします。)。
ひき逃げ(救護義務違反)をした場合は、5年以下の懲役または50万円以下の罰金、自分の運転により事故を引き起こしてしまったにもかかわらずひき逃げ(救護義務違反)をした場合は、10年以下の懲役または100万円以下の罰金に処されます。(道路交通法第117条)

今回取り上げた報道の事例では、逮捕された男性は自分で運転していた車で被害女性と衝突し怪我を負わせる人身事故を起こしています。
報道では事故の原因が何だったのかということには具体的に触れていませんが、男性が過失運転致傷罪の容疑をかけられていることから、男性側に不注意(過失)があり、それが事故の原因となってしまった可能性があります。
そして、先ほど見てきたように、こうした人身事故を起こした場合には、被害者(今回の事例であれば女性会社員)を救護するなどの義務が男性に発生するのですが、男性はその義務を果たさずに現場から立ち去ってしまっているようですから、この行為についてひき逃げという容疑がかけられているのでしょう。

こうした報道は度々流されていることから、過失運転致死傷罪ひき逃げといった罪名や行為についてなんとなくご存知であるという方も少なくないでしょう。
では、実際のひき逃げ(救護義務違反)過失運転致死傷罪の裁判では、どういった判断が下されているのでしょうか。
以下では、ひき逃げ(救護義務違反)過失運転致死傷罪の裁判例を紹介します。

ひき逃げ(救護義務違反)の裁判例

この裁判例では、被告人は自動車を運転中に進路前方で倒れていた被害者を轢き、救護や報告などを行わずに事故現場を去りました。
被告人は既に自動車運転過失致死罪(過失運転致死罪)で有罪となっており、さらにひき逃げ(救護義務違反・報告違反)で起訴され裁判となりました。
裁判の結果、被告人のひき逃げ(救護義務違反・報告違反)が認められ、懲役6月執行猶予2年が言い渡されました。
(平成30年1月19日 名古屋地方裁判所)

過失運転致死傷罪の裁判例

この裁判例では、被告人は車を運転中に注意義務を怠り、歩行者に衝突しました。
被告人は、過失運転致死傷罪で有罪となり、禁錮3年執行猶予4年になりました。
(令和2年3月19日 名古屋地方裁判所)

人身事故事件やひき逃げ事件も取り扱っている弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービス、初回無料法律相談を行なっております。
過失運転致死傷罪ひき逃げ(救護義務違反)でお困りの際は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

(事例紹介)大阪市における自転車のひき逃げ事件で逮捕

2022-07-07

(事例紹介)大阪市における自転車のひき逃げ事件で逮捕

今回は、自転車のひき逃げ事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~

大阪市北区で25日朝、自転車同士がぶつかり、76歳の女性が重体となった事故で、逃走していた46歳の男が逮捕されました。
重過失傷害とひき逃げの疑いで26日に逮捕されたのは、大阪市城東区の(中略)容疑者(46)です。
(中略)容疑者は、25日午前6時半ごろ、大阪市北区天満の歩道で、76歳の女性の自転車とぶつかって転倒させ、負傷させたにもかかわらず、そのまま走り去った疑いが持たれています。
(6月26日 ABCニュース 「自転車同士がぶつかり高齢女性が重体 「自分は悪くない」逃走中の男をひき逃げ容疑で逮捕 大阪・北区」より引用)

~自転車のひき逃げ事件~

ひき逃げ事件というと、自動車と歩行者の人身事故や、自動車同士の交通事故を起こしてその場から逃げるという内容をイメージしやすいでしょう。
しかし、今回取り上げた事例は、自転車同士の事故によるひき逃げ事件です。
自転車であってもひき逃げということになるのでしょうか。

道路交通法第72条1項前段は、
交通事故があつたときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員(以下この節において「運転者等」という。)は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない
としています。
これは「車両等」の運転者などの義務であり、事故を起こしたにも関わらずこれらの義務を果たさずにその場から去ることが、いわゆるひき逃げと呼ばれているのです。

道路交通法上では、自転車であっても「車両等」に含まれ(道路交通法第2条1項8号・11号イ・17号)、事故を起こしてしまった場合に、警察への連絡や救急車の要請を怠ってしまえば、道路交通法上の義務を果たさなかったひき逃げ事件として検挙、逮捕される場合があります。
そして、事件の内容によっては起訴され、前科が付いてしまう事態も想定されます。

今回の事例では、自転車同士で事故を起こしたにも関わらず、上記の道路交通法の義務(通報や救急車の要請など)を果たさなかったことから、ひき逃げ=道路交通法違反の容疑をかけられているという状況なのでしょう。

また、今回取り上げている事例では、逮捕された男性は、ひき逃げの罪(道路交通法違反)のほかに、重過失傷害罪という犯罪の容疑もかけられています。

刑法第211条
業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、5年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。
重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。

重過失傷害罪は、このうち後段の部分です。
自転車事故の場合、刑法の過失傷害罪が適用されることが多いのですが、不注意(過失)の度合いが著しく多い場合、今回の事例で登場した重過失傷害罪に問われることもあります。
重過失傷害罪は、過失傷害罪と異なって非親告罪であり、かつ刑罰も厳しいものとなっています。

自転車の事故であるからといって軽く考えずに、交通事故を起こしてしまった場合には適切な対処を行いましょう。
それでも、自転車事故刑事事件に発展してしまった場合には、早期に弁護士に相談することが望ましいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を中心に扱う法律事務所です。
自転車のひき逃げ事件でお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

(事例紹介)過失運転致傷罪の疑いで現行犯逮捕された事例

2022-06-30

(事例紹介)過失運転致傷罪の疑いで現行犯逮捕された事例

今回は、報道を基に、過失運転致傷罪の疑いで現行犯逮捕されてしまった場合の刑事手続について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~

21日未明、愛知県春日井市の国道で横断歩道を歩いていた20歳の女性が車にはねられ、意識不明の重体です。
警察は車を運転していた25歳の男を現行犯逮捕しました。
(中略)
警察は乗用車を運転していた春日井市の自称会社員の25歳の男を、過失運転致傷の現行犯で逮捕しました。
調べに対し、男は容疑を認め「友人を家に送る途中で、自分は青信号だった」などと話していて、警察は事故の詳しい原因を調べています。
(6月21日6:33YAHOO!JAPAN配信記事より引用)

~過失運転致死傷罪~

過失運転致死傷罪は、自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた場合に成立します(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第5条)。
過失運転致死傷罪の法定刑は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金です。

~過失運転致死傷事件の弁護活動~

過失運転致傷事件において重要となる弁護活動の1つに、被害者との示談交渉が挙げられます。
有効な示談が成立すれば、相手の怪我の程度にもよりますが、不起訴処分を獲得できる可能性もあり、起訴された場合においても、執行猶予付き判決など有利な判決を獲得できる可能性が高まります。

一方で、自分の運転に過失がなかったとして無実を訴えることも考えられます。
自身が全く無過失ではなかったとしても、相手方の想定外の行動により被害が重大なものになったのであれば、過失が相殺され、処分が軽くなる可能性もあります。

どういった主張をするにせよ、過失運転致死傷事件を起こしてしまった場合においては、まず刑事事件に詳しい弁護士と相談し、事件解決に向けたアドバイスを受けましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、過失運転致死傷事件などを含む刑事事件・少年事件を多数取り扱う法律事務所です。
過失運転致死傷事件についてお困りの方は、お気軽に、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

(事例紹介)無免許運転の疑いで中学校教諭が逮捕

2022-06-23

(事例紹介)無免許運転の疑いで中学校教諭が逮捕

~ケース~

無免許で車を運転したとして、岡山県笠岡市の中学校教諭の女が逮捕されました。
(中略)
容疑者は28日午前6時40分ごろ、浅口市金光町佐方の国道2号で運転免許が失効した状態で乗用車を運転した疑いです。
(5月29日 KSB瀬戸内海放送配信記事より引用)

~無免許運転の罪~

道路交通法第84条1項では、「自動車及び原動機付自転車(以下「自動車等」という。)を運転しようとする者は、公安委員会の運転免許(以下「免許」という。)を受けなければならない」としています。
適法に自動車等を運転できる免許を受けずにこれを運転すれば、「無免許運転の罪」に問われます(道路交通法第117条の2の2第1号)。
この場合の法定刑は「三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金」となっています。

~被疑者の社会的地位・立場の問題~

警察官や学校の先生など、模範的な行動を求められる方が何らかの事件を起こすと、より煽情的な報道がなされる傾向があるように思われます。
無免許運転事件は、日本国内でほぼ連日のように起きていますが、ケースで紹介した事件の被疑者として逮捕された方が中学校教諭であることから、より世間の耳目を集め、社会復帰が難しくなる可能性もあります。

~早期の弁護活動のメリット~

弁護活動の一つとして、実名報道の阻止が挙げられます。
実名報道をされてしまうと、長期間、事件を起こした者の氏名として名前が残ってしまうことになります。
早期に弁護活動へ着手することができれば、捜査機関に事件や氏名を公表しないよう働きかけるなどの対策を行うことができます。
弁護活動により必ず報道を阻止することができるというわけではないのですが、事件を起こしたことを知られずに済めば、再就職などの社会復帰もよりスムーズとなるでしょうから、そうした活動も含めて弁護士に相談してみることがおすすめです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を中心に取り扱う法律事務所です。
ご家族が無免許運転の疑いで逮捕されてしまった方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

(事例紹介)福岡県内の飲酒運転事件(酒気帯び運転事件)で逮捕

2022-06-16

(事例紹介)福岡県内の飲酒運転事件(酒気帯び運転事件)で逮捕

~ケース~

12日夕方から13日未明にかけて、酒を飲んで車を運転したとして、福岡県内であわせて男3人が逮捕されました。
福岡市博多区の商業施設『キャナルシティ博多』の近くで13日午前3時ごろ、大きくふくらんで曲がったり急にスピードを出すなど不審な動きをする車を警察が発見し、停車させました。
運転していた男の呼気から基準値の3倍を超えるアルコールが検出されたため、警察は(中略)酒気帯び運転の疑いで現行犯逮捕しました。
(2022年6月13日11:56FBSニュース「また飲酒運転相次ぐ… 福岡県内で男3人逮捕」より引用)

~酒気帯び運転の罪について~

身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態で車両等(軽車両を除く)を運転すると、「酒気帯び運転の罪」が成立します。
政令で定められているいわゆる「基準値」は「血液1ミリリットルにつき0.3ミリグラム又は呼気1リットルにつき0.15ミリグラム」(道路交通法施行令第44条の3)です。
酒気帯び運転につき起訴され、裁判で有罪が確定すると、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます(道路交通法第65条第1項・第117条の2の2第3号)。

~相次ぐ酒気帯び運転~

ケースの報道では、冒頭の男性以外にも2人の男性が酒気帯び運転の疑いで逮捕されています。
福岡県内に限らず、酒気帯び運転の疑いで検挙されたというニュースは連日のように報道されており、ドライバーのモラルが厳しく問われる状況といえます。

「アルコールを飲んだら車に乗らない」、「アルコールを飲むなら車に乗らない」ということは、運転免許を保有している方であれば全員が知っている遵守事項であり、実践することも決して難しいことではないはずです。
しかし、居酒屋から自宅が近いとか、飲んだけれどそれほど酔っていないから運転できるだろう、などといった、ちょっとした気の緩み、甘えのために飲酒運転をし、検挙されてしまうケースがあります。

飲酒運転の疑いで検挙されてしまった場合には、十分に反省した上で社会復帰を目指す必要があるでしょう。
刑事事件としての飲酒運転事件への対応はもちろん、その後の生活で飲酒運転を繰り返さないようにするためにも、まずは弁護士に相談してみることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を中心に取り扱う法律事務所です。
ご家族が酒気帯び運転の疑いで逮捕されてしまった、酒気帯び運転事件の被疑者となってしまったとお困りの場合には、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

(事例紹介)交通事故の身代わり出頭を依頼し逮捕

2022-06-09

(事例紹介)交通事故の身代わり出頭を依頼し逮捕

~ケース~

40歳男性が5月21日午前0時5分頃、北海道内の市道で乗用車を運転中、出合頭の衝突事故を起こしたものの、これを警察に申告することなく立ち去り、39歳の男性に身代わりとして出頭するよう依頼した疑いで、警察は、前記男性を道路交通法違反及び犯人隠避教唆の疑いで逮捕しました。
身代わり出頭した39歳男性も犯人隠避の疑いで逮捕されています。
(5月22日 北海道ニュースUHB 「“身代わり”出頭 中国人2人逮捕 事故で立ち去り…25分後に別人が警察官に申告 相手が見ていてばれる」より引用)

~交通事故の身代わり出頭を依頼した場合の罪~

交通事故を起こし、これを自ら申告することなく立ち去り、友人や知人などに身代わり出頭をさせた場合、道路交通法違反(当て逃げやひき逃げなど)の罪(道路交通法72条1項前段・117条1項・2項、72条1項後段・119条1項10号)や、犯人隠避教唆の罪(刑法103条61条1項)に問われる可能性があります。
このような身代わり出頭は、飲酒運転の発覚阻止、免許の停止、取消の阻止や、勤務先での立場を憂慮するなど、様々な動機で行われます。

身代わり出頭を依頼(依頼を受ける場合も当然罪に問われる可能性があります)し、罪に問われるケースは少なくありません。
最近では、富山県警勤務の警察官が、自身の犯した駐車違反につき、家族に身代わり出頭をさせて話題となった事件があります。
当該警察官は懲戒処分を受け、犯人隠避教唆の疑いで検察に送致、家族は犯人隠避の疑いで送致されるようです。(5月18日 @niftyニュース 「富山県警巡査が駐車違反で家族に身代わり出頭を依頼 減給1カ月の懲戒処分に」より)

身代わり出頭の代償はケースのように軽いものではありません。
交通違反、交通事故を起こし、お困りの場合は、身代わり出頭を依頼することではなく、弁護士に相談することが大切と思われます。
もちろん、身代わり出頭を依頼してしまった、身代わり出頭の依頼を受けてしまったということで犯人隠避罪やその教唆の罪に問われている場合でも、弁護士のサポートを受けることが望ましいといえます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、交通事件に限らず様々な刑事事件を取り扱っています
交通事故の身代わり出頭に関してお困りの方は、まずはお気軽に、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

(事例紹介)ボンネットに人を乗せて急加速して殺人未遂罪

2022-06-02

(事例紹介)ボンネットに人を乗せて急加速して殺人未遂罪

~ケース~

5月24日午前8時35分頃、栃木市の被害者女性方敷地内に侵入し、女性に発見されたため逃走する際、車両の前方に立ちふさがった女性をボンネットに乗せたまま急加速するなどして振り落としけがを負わせた疑いで、栃木警察署は24日、50代男性を殺人未遂と住居侵入の被疑事実により逮捕しました。
(5月24日 下野新聞SOON 「車で逃走、制止した女性振り落とす 栃木署が殺人未遂容疑で男逮捕」より引用)

~自動車の運転で殺人未遂罪~

自動車を運転中、不注意から人身事故を起こしてしまったとしても、通常、過失運転致死傷罪(自動車運転処罰法第5条)に留まり、殺人罪殺人未遂罪に問われることはありません。
しかし、故意に自動車を人に衝突させたり、何らかの理由で走行中の自動車にしがみついている人を振り落とすなどすると、殺人未遂罪の疑いで逮捕される場合があります。

殺人未遂罪が成立するためには、殺人罪の実行に着手したものと評価される必要があります。
殺人罪の実行の着手は「行為者が殺意をもって他人の生命に対する現実的危険性のある行為を開始したとき」に認められます。
今回の事例では人をボンネットに乗せたまま自動車を急加速させていることがこの殺人罪の実行の着手にあたると判断されたと考えられますが、他にも、自動車を人に衝突させたり、人を振り落としたりした場合は、被害者が死亡する可能性や、生命にかかわる深刻な傷害を与える可能性が容易に想定されますから、殺人罪の実行の着手があったと判断される可能性があるといえるでしょう。

最近でも、那覇市内で男性を目がけて軽自動車を走らせて衝突させ、男性に腰部打撲など加療約7日のけがを負わせたとして殺人未遂の罪に問われ、懲役2年6月、保護観察付き執行猶予4年の判決を言い渡されたケースがあります。(3月25日 琉球新報 「車ぶつけて殺人未遂…男に執行猶予付き有罪 那覇地裁判決」

結果として被害者のケガが軽く済んだ場合であっても、殺人未遂罪で起訴されれば裁判員裁判となり、大きな負担を伴うことになります。
殺人未遂罪の疑いで逮捕された場合には、すぐに弁護士の接見を受け、今後のアドバイスを受けることを強くおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を中心に取り扱っている法律事務所です。
ご家族が自動車の運転に関連した殺人未遂罪の疑いで逮捕され、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

(事例紹介)あおり運転による道路交通法違反事件

2022-05-26

(事例紹介)あおり運転による道路交通法違反事件

~事例~

東京都内の首都圏中央連絡自動車道(圏央道)で車を運転中にあおり運転をしたなどとして、警視庁は30日、40代の会社員の男=神奈川県=を道路交通法違反(加重妨害運転、事故不申告)容疑で書類送検した。捜査関係者の取材で分かった。
(中略)
送検容疑は9月21日午前10時半ごろ、圏央道の外回り(あきる野市~青梅市)で軽乗用車を運転中、前方の乗用車にあおり運転をして著しい危険を生じさせたなどというもの。

約4キロにわたり、過度な接近による接触や前方への割り込みを計5回繰り返したという。乗用車の運転手にけがはなかったが、車両に複数の傷が付いた。乗用車のドライブレコーダーの記録などから裏付けたという。
(※2021年11月30日15:27朝日新聞デジタル配信記事より引用)

~あおり運転と道路交通法~

今回取り上げた事例では、あおり運転をしたことによる道路交通法違反などの疑いで、男性が書類送検されています。
昨今話題となっているあおり運転ですが、2020年6月30日には道路交通法が改正され、あおり運転に該当する行為が道路交通法で処罰されることとなり、「妨害運転罪」などとも呼ばれるようになりました。

道路交通法第117条の2
次の各号のいずれかに該当する者は、五年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
第6号 次条第十一号の罪を犯し、よつて高速自動車国道等において他の自動車を停止させ、その他道路における著しい交通の危険を生じさせた者

道路交通法第117条の2の2
次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第11号 他の車両等の通行を妨害する目的で、次のいずれかに掲げる行為であつて、当該他の車両等に道路における交通の危険を生じさせるおそれのある方法によるものをした者
イ 第十七条(通行区分)第四項の規定の違反となるような行為
ロ 第二十四条(急ブレーキの禁止)の規定に違反する行為
ハ 第二十六条(車間距離の保持)の規定の違反となるような行為
ニ 第二十六条の二(進路の変更の禁止)第二項の規定の違反となるような行為
ホ 第二十八条(追越しの方法)第一項又は第四項の規定の違反となるような行為
ヘ 第五十二条(車両等の灯火)第二項の規定に違反する行為
ト 第五十四条(警音器の使用等)第二項の規定に違反する行為
チ 第七十条(安全運転の義務)の規定に違反する行為
リ 第七十五条の四(最低速度)の規定の違反となるような行為
ヌ 第七十五条の八(停車及び駐車の禁止)第一項の規定の違反となるような行為

道路交通法第117条の2、同法第117条の2の2では、あおり運転として10の類型が挙げられています(道路交通法第117条の2の2第11号イ~ヌ)。
例えば、今回取り上げたあおり運転の事例では、報道によると「過度な接近による接触」や「前方への割り込み」があったとのことですが、それぞれ道路交通法第117条の2の2第11号の「ハ 第二十六条(車間距離の保持)の規定の違反となるような行為」や「ニ 第二十六条の二(進路の変更の禁止)第二項の規定の違反となるような行為」などに当たるあおり運転=道路交通法違反と考えられたのではないでしょうか。

今回取り上げた事例以外にも、あおり運転やあおり運転に起因する交通事故の検挙は多く報道されており、例えば、
・新潟県で、前の乗用車との車間距離を詰め、クラクションを鳴らすなどして妨害運転を繰り返したというあおり運転を行った道路交通法違反の疑いで会社員の男を逮捕(2022年3月4日10:40新潟日報デジタルプラス配信記事より)
・滋賀県で、走行中のバイクを追い越した瞬間に急ブレーキを踏み、バイクを衝突させて転倒させ、バイクの運転手にけがをさせた男が無免許危険運転致傷罪などの疑いで逮捕(2022年5月23日18:39ytvnews配信記事より)
といったものが見られます。

あおり運転行為は、世間の注目度も高く、昨今周知されていることに加え、ドライブレコーダーの普及もあり、刑事事件化する可能性が高まっているといえるでしょう。
事件の性質上、あおり運転による道路交通法違反だけでなく、あおり運転に起因する交通事故ひき逃げといった他の犯罪が成立しているケースも少なくありませんから、刑事事件化した場合には早めに弁護士に相談し、アドバイスを受けることをおすすめします。

刑事事件・少年事件を中心に取扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、あおり運転に関連する交通事件のご相談・ご依頼も受け付けています。
お悩みの際は、お気軽に弊所の弁護士までご相談ください。

【解決事例】飲酒運転によるひき逃げで執行猶予付き判決

2022-05-19

【解決事例】飲酒運転によるひき逃げで執行猶予付き判決

事件

Aさんは、飲酒した後にバイクを飲酒運転して帰路に着いていました。
しかし、Aさんの自宅がある埼玉県さいたま市浦和区に差し掛かったころ、Vさんの運転する原付自動車と接触する交通事故を起こしてしまいました。
Aさんは、交通事故を起こしてしまったことに驚き、さらに、飲酒運転をしていたこともあり、とっさに現場から立ち去ってしまいました。
通行人が通報し、Aさんは、道路交通法違反(飲酒運転ひき逃げ)と過失運転致傷罪の容疑で埼玉県浦和警察署に逮捕されましたが、すぐに釈放されました。
釈放後、Aさんは今後の刑事手続きに不安を感じ、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の無料法律相談を利用し、弁護活動を依頼することにしました。
(※守秘義務の関係で一部事実と異なる表記をしています。)

事件解決の流れ

Aさんは、飲酒運転ひき逃げ行為による道路交通法違反と、過失運転致傷罪の容疑で起訴されました。
相談を受けた弁護士は、執行猶予付きの判決を獲得するための弁護活動を行いました。

Aさんが飲酒運転によって起こしたひき逃げ事故により、Vさんは脚を骨折し、病院で治療を受けていました。
そこで、弊所の弁護士は、Vさんに代理人としてついていた弁護士と交渉し、Vさんへの謝罪や賠償の交渉を行いました。
Vさんへの誠意を見せられるよう、弁護士と相談の上、AさんはVさんへの賠償のために用意したお金を保管するための口座を作り、その口座から一切お金を引き出さずにVさんの賠償のためにとっておくなどして、Vさんへ被害弁償するための準備を行いました。
加えて、AさんはVさんに対する謝罪文を作成し、弁護士を通じてVさんへ謝罪文をお渡しし、Aさんの反省とお詫びの気持ちを受け取っていただくことができました。

そして、弁護士は、Aさんに、飲酒運転によって事故を起こしたことにより向き合ってもらうために、飲酒運転による交通事故に遭った被害者やその遺族が書いた手記を読むことを勧めました。
手記を読んだAさんは飲酒運転をしてしまったことを深く反省し、刑事裁判の場でも反省の言葉を述べました。
また、Aさんは今後飲酒を控え、バイクや鍵を母親に管理してもらうなどのことで、再犯防止に努めました。

弁護士は公判で、Aさんが飲酒運転による事故やひき逃げ行為を深く反省していること、被害弁償用のお金を用意し謝罪文をVさんに渡していることからVさんに対する誠意が伺えること、再犯防止に努めていること、事故当時の状況でAさんに有利な事情もあったことなどを訴え、執行猶予付きの判決を求めました。

その結果、Aさんは執行猶予付きの判決が言い渡されました。
執行猶予判決が下されたため、Aさんが直ちに刑務所に入ることはなくなり、Aさんは社会内ですぐに社会復帰に向けて活動を開始することができました。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、数々の執行猶予付き判決を獲得してきました。
飲酒運転ひき逃げなど、交通事件の執行猶予についてお悩みのある場合には、一度お気軽にご相談ください。
0120―631―881では初回接見サービス、無料法律相談のご予約を受け付けております。

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