(事例紹介)衝突事故による過失運転致傷罪

2023-04-12

(事例紹介)衝突事故による過失運転致傷罪

過失運転致傷罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

・参考事例

静岡県富士市の交差点で2日、乗用車と原付バイクが衝突する事故があり、原付バイクの50代の男性が軽傷を負いました。
警察は乗用車を運転していた34歳の女を過失運転致傷の疑いで逮捕しました。
2日午前10時ごろ、富士市今泉の信号のないT字路の交差点で、乗用車が右折したところ対向車線上にとまっていた原付バイクに衝突しました。この事故で、原付を運転していた52歳の男性が左足などにすり傷を負いました。
警察は乗用車を運転していた富士市一色の34歳の飲食店店員の女を過失運転致傷の疑いで現行犯逮捕しました。
警察は女が容疑を認めているかどうか明らかにしていません。

(静岡朝日テレビ 令和5年3月2日(木) 20時50分配信 「乗用車と原付バイクが衝突…50代男性が負傷 乗用車運転の34歳女を過失運転致傷の疑いで現行犯逮捕 静岡・富士市」より引用)

・過失運転致傷罪

参考事例の過失運転致傷は自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(通称:自動車運転死傷行為処罰法)の定める「過失運転致死傷罪」を指します。
条文は以下のとおりです。

法5条
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

過失運転致死傷罪における過失とは、前方不注意や居眠り運転、信号や標識の見落としなどが該当します。
参考事件の場合、右折した際の対向車線上に停車中の原付バイクに気付かなかったという点で、前方への注意義務を怠ったことが原因で生じた交通事故と評価され、過失運転致傷罪が成立すると考えられます。

条文にもあるとおり、交通事故を起こして怪我を負わせてしまっても、被害者の怪我の程度が軽かった場合には刑が免除されます。
しかし被害者が長期間入院したり後遺症が残ったりするなど怪我の程度が重いと判断された場合、厳しい刑事罰が科されることになります。

・自動車事故での弁護活動

今回の参考事例では乗用車の運転手は過失運転致傷罪で現行犯逮捕されているところ、速やかに弁護士が弁護活動を行うことで、早期の釈放の可能性もあり得ます。
また、参考事例のような被害者が存在する交通事故・事件では、被害者に対する示談交渉を行うといった弁護活動が重要になると考えられます。
そのため、早い段階で交通事件の弁護経験が豊富な弁護士に相談をすることで、早期の釈放や不起訴・略式手続といった希望され得る終局処分がのぞめます。

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