【東京都の刑事事件専門弁護士】飲酒運転の容認で危険運転致傷幇助罪

2019-01-18

【東京都の刑事事件専門弁護士】飲酒運転の容認で危険運転致傷幇助罪

~事件例~
Aと部下のXは東京都西東京市の居酒屋で足元がおぼつかなくなるほど飲んでいましたが、居酒屋をハシゴすることになりました。
Xは駐車場でAに自家用車の助手席を勧め、「私が次の居酒屋まで運転していきます」というと、Aは、「わかった、ありがとう」と了解しました。
Xが自家用車を発進させた後も、Aは運転を制止することなく、黙認し続けていましたが、Xは赤信号で停止している前方車両に追突してしまい、乗員に頸椎捻挫の傷害を負わせてしまいました。
Xは危険運転致傷罪の現行犯として逮捕されましたが、事故前のAとXのやり取りを知った警視庁田無警察署の警察官はAも危険運転致傷幇助罪の疑いで取り調べることにしました。
(最決平成25年4月15日をモデルとしたフィクションです)

~運転していないAさんも危険運転幇助罪?~

アルコールの影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させ、よって人を負傷させた場合、15年以下の懲役に処せられます(自動車運転処罰法第2条1号)。
仮にXに危険運転致傷罪が成立するとして、運転していないAさんに危険運転致傷幇助罪が成立するのでしょうか。
幇助とは、すでに犯罪の実行を決意している者に対して、助言や激励などによってその決意を強固にするものをいいます。
幇助行為の態様には、物理的な幇助(例えば犯罪に必要な道具を貸すなど)以外にも、心理的幇助があります。

では、上司のAさんが部下のXの運転を了解し、事故を起こすまで黙認していたことが危険運転致傷罪の心理的幇助に該当するのでしょうか。
事件例のモデルとなった判例(最決平成25年4月15日)では、被告人の後輩の飲酒運転を了解、黙認したことにつき、その関係性や状況などを考慮して「運転の意思をより強固なものにすることにより、後輩の危険運転致死傷罪を容易にしたものである」と判示しています。
上記判例に従えば、上司であるAが部下のXの運転を了解、黙認したことにつき、Xの運転の意思をより強固にし、危険運転致傷罪を容易にしたと判断される可能性があると言えるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士は、危険運転致傷幇助罪で取調べを受ける方の、どのように取調べに臨めばよいか、捜査官の問いに対しどのように答えればよいか、などといった疑問に対し、法律相談を通じて助言します。
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