名古屋のひき逃げ事件で逮捕 執行猶予に強い弁護士

2015-04-03

名古屋のひき逃げ事件で逮捕 執行猶予に強い弁護士

Aさんは、友人と酒を飲んだ後、友人を乗せた車を自ら運転し帰宅する途中の人身事故でした。
JR守山駅に向かって走る道路を走行中、前方に停止していた被害車両の後部に追突してしまいました。
しかし、Aさんは、酒気帯び運転が明らかになって警察逮捕されることや執行猶予が取り消されることをおそれ、その場から逃走しました。

今回は平成19年12月11日松山地方裁判所判決を参考に事例を作成しました。
なお事案上の事故現場は、実際の事故現場と異なります。

~執行猶予中に飲酒運転・ひき逃げ事件を起こした事例~

今回ご紹介する判例は、平成19年12月11日松山地方裁判所判決です。
事件の内容は、上記の事例と同じく、友人と酒を飲んだ被告人が車で帰宅する途中に人身事故を起こし、逃走したというものです。
具体的に罪に問われたのは、
酒気帯び運転(道路交通法違反)
・救護義務及び報告義務違反(いわゆる「ひき逃げ」、道路交通法違反)
・業務上過失傷害罪(現在は過失運転傷害罪として処罰されます)
の3つです。

このうち、業務所過失傷害罪(過失運転傷害罪)については、無罪判決が言い渡されました。
一方、酒気帯び運転の罪とひき逃げの罪に関しては、いずれも成立することが認められ、被告人に懲役8か月の実刑判決が言い渡されました。

判決文によると、被告人が酒気帯び運転及びひき逃げ事件を起こしたのは、以下の理由からでした。
(酒気帯び運転をした理由)
・持ち金のすべてを飲酒代に使ってしまい、代行運転を頼むお金が無かった
・午前4時という犯行時刻から、警察の取締りは受けないだろうと思った
(ひき逃げ事件を起こした理由)
・飲酒運転が明らかになって、警察に逮捕されることや執行猶予の取消しを受けることをおそれていた

~執行猶予の取消しとは・・・~

最後に、被告人がおそれていた「執行猶予取消し」という制度についてご説明します。
執行猶予が取り消された場合、新たに犯した罪に対する刑を受けるとともに、執行猶予中であった刑についても執行されることになります。
執行猶予取消しの対象となるケースは複数あります。
執行猶予期間中に禁錮刑・懲役刑の実刑判決が言い渡された場合もその一つです。

被告人の場合は、平成16年7月2日に覚せい剤取締法違反で懲役1年6か月執行猶予3年の判決言渡しを受けていました。
ですから、平成19年7月2日までに禁錮刑・懲役刑の実刑判決を言い渡されていれば、執行猶予の取消しを受けていました。
しかし、本件では酒気帯び運転などに対する判決が平成19年12月11日に言い渡されています。
そのため、本件は執行猶予期間中の判決言渡しに当たらないため、執行猶予取消しを免れたのでした。

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