名古屋のひき逃げ事件で逮捕 無罪の弁護士

2015-05-09

名古屋のひき逃げ事件で逮捕 無罪の弁護士

タクシー運転手Aさんは、勤務中に赤信号を無視して交差点に進入し、自動車との衝突事故を起こした上、逃走しました。
愛知県警中川警察署は、過失運転致傷及びひき逃げの容疑でAさんを逮捕しました。
Aさんは「赤信号を無視して事故を起こしたわけではない。怖くなって逃げた」と話しています。
(フィクションです)

~赤信号無視の証言が認められなかった事例~

交通事故事件の事例としてよくあるのが、信号交差点における出会い頭の交通事故です。
こうしたケースでは、特にどちらが赤信号を無視したかという点が犯罪の成否を左右することがあります。
今回は、被告人が赤信号を無視したという目撃者の証言を退け、被告人に無罪を言い渡した事例をご紹介したいと思います。

■東京地方裁判所判決昭和46年6月29日
本件は、信号交差点における出会い頭の交通事故事件でした。
事故原因は、目撃者(以下、A)の証言によると、被告人の赤信号無視ということでした。

もっとも、Aの証言の信用性が認められなければ、被告人が赤信号を無視したという事実も認定できません。
そのため、当該裁判では「事故の核心部分に関するAの証言の信用性が認められるかどうか」が重要な争点となったのです。

東京地方裁判所は、以下の事情からAの証言に信用性がないと判断しました。
・Aが初めて証言内容を供述したのは、事件後半年を経過してからであった
・Aは事故当時警察官らに対して、目撃した内容を伝えられたにもかかわらず伝えていなかった
・警察は事故当初から複数の目撃者に状況を聴取しているにもかかわらず、Aの存在を知らなかった
・被害者は自身に対する疑いを晴らすためにAの供述と同内容の話をするはずだが、事件当初からそのような供述をした事実はない
・被害者とAらは、同じタクシー会社に勤務する同僚の間柄だった

裁判所によると、事件現場にいた目撃者は、本件事故の核心部分について、事故後半年も経過してから初めて証言したということになります。
その間、幾度も警察官に対して目撃証言をする機会はあったはずにもかかわらずです。
とすれば、この証言には、何か裏があるのではないかという疑いを禁じ得ません。
当然、その証言の信用性は疑われるでしょう。
裁判所がAの証言の信用性を認めなかった結果、被告人の赤信号無視の事実も認められるに至りませんでした。
その結果、被告人には無罪判決が言い渡されることになったのです。

証拠の信用性を争い、検察官による犯行事実の立証を阻止することは、無罪獲得のための重要な弁護活動です。
こうした弁護活動を展開していくためには、刑事裁判に関する深い知識や豊富な経験が不可欠です。
刑事裁判無罪判決を目指すのであれば、絶対に刑事裁判に精通した刑事事件専門の弁護士に事件を任せることをお勧めします。
ちなみに、交通事故自体に関する責任とひき逃げ行為に関する責任は、全くの別物です。
よって、冒頭の事例のようなケースでは、赤信号無視による交通事故については無罪でも、ひき逃げについては有罪という判決があり得ます。

愛知名古屋弁護士ノリタケ法律事務所は、無罪判決獲得にも強い弁護士事務所です。
信号無視による交通事故事件やひき逃げ事件などでお困りの方は、ぜひご相談下さい。
なお、愛知県警中川警察署に逮捕された場合、初回接見サービスもおすすめです(初回接見費用:3万5000円)。

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