【事例紹介】物だと思ったと容疑を否認しているひき逃げ事件②
【事例紹介】物だと思ったと容疑を否認しているひき逃げ事件②
前回に引き続き、高齢女性が車でひかれ死亡したひき逃げ事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
今月24日、東京の池袋駅近くの路上で、高齢の女性が頭から血を流して倒れているのが見つかりその後死亡した事件で、警視庁はひき逃げなどの疑いで62歳の男を逮捕しました。
警視庁によりますと、(中略)容疑者は今月24日、豊島区東池袋の路上で(中略)さんを車でひき、そのまま逃走した疑いがもたれています。(中略)さんは搬送先の病院で死亡が確認されました。
(中略)
調べに対し、(中略)容疑者は「何かにぶつかった衝撃はあったが物だと思った。車を見たが壊れてなかったし、何にぶつかったか見えなかったので家に帰った」と容疑を否認しているということです。
(3月27日 日テレNEWS 「高齢女性ひき逃げか 男を逮捕 東京・池袋駅近くの路上」より引用)
過失運転致死罪
自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(以下「自動車運転処罰法」といいます)では、車の運転中に事故を起こし、相手を死傷させた場合などについて規定しています。
自動車運転処罰法第5条
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。
自動車運転処罰法第5条では、過失運転致死罪、過失運転致傷罪が規定されています。
過失運転致死罪と過失運転致傷罪の法定刑はどちらも7年以下の懲役若しくは禁固又は100万円以下の罰金です。
法定刑が同じであることから過失運転致死罪、過失運転致傷罪ではたいした差がないように思えるかもしれませんが、過失運転致傷罪と比べると人が亡くなっている過失運転致死罪の方がより重い刑罰を科される傾向にあります。
過失運転致死罪とは簡単に説明すると、周囲の歩行者の確認など運転上払うべき注意を怠って事故を起こし、人を死亡させた場合に成立する犯罪です。
今回の事例では、容疑者が運転する車が被害者にぶつかり、その後被害者は死亡したようです。
容疑者が注意をしていれば防げたのにもかかわらずに事故を起こし、その結果被害者が亡くなってしまったのであれば、容疑者に過失運転致死罪が成立する可能性があります。
交通事件では、しっかりと謝罪と賠償をすることで執行猶予付き判決を得られる可能性があります。
過失運転致死罪では人がお亡くなりになっているため、残された遺族が激しい処罰感情を抱いている場合も少なくありません。
そのような状態で加害者が直接遺族とやり取りを行ってしまうことで、遺族の処罰感情を逆なでしてしまう可能性や思わぬトラブルに発展してしまうおそれがあります。
そういった事態を避けるためにも、謝罪や賠償を考えている場合には、一度、弁護士に相談をしてみることが望ましいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービス、無料法律相談を行っています。
弁護士に相談をすることで執行猶予付き判決を得られる可能性がありますので、過失運転致死罪などの交通事件でお困りの方は、お気軽に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。