(事例紹介)基準値の2倍越えのアルコール検知 看護師の女を逮捕

2023-03-29

(事例紹介)基準値の2倍越えのアルコール検知 看護師の女を逮捕

飲酒運転で問題となる各罪について、報道事例を踏まえ、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。

事例

3月1日の未明、北九州市で酒を飲んで車を運転したとして、看護師の女が逮捕されました。

3月1日午前3時すぎ、福岡県北九州市小倉北区の小文字通りで、蛇行運転している軽乗用車をパトロール中の警察官が見つけ、止まるよう呼びかけました。車は呼びかけに応じず逃げて、パトカーが追跡し、約1キロ先で止まりました。

警察が運転していた女の呼気を調べたところ、基準値の約2.5倍のアルコールが検出されたため、女を現行犯逮捕しました。

酒気帯び運転の疑いで逮捕されたのは、北九州市○○区の看護師・○○容疑者です。

○○容疑者は警察の調べに対し「酒が残っていると思ったが、酒を飲んでから8時間以上たっていたので運転した」と容疑を認めているということです。

(2023年3月1日付FBS福岡放送ニュースを引用。氏名等は当事務所の判断で伏せています。)

・飲酒運転とは

飲酒運転は、飲酒後にそのアルコールの影響がある状態で自動車などの車両を運転する行為を指す俗称です。
お酒に含まれているアルコールは、中枢神経に作用し脳の神経活動を抑制し、運動機能のほか、理性・自制心の低下、動体視力・集中力・認知能力などを低下させます。
そのため、飲酒運転は運転している者自身はもちろんのこと、同乗者や他の車両に乗車している者・歩行者など周りの人の生命や身体にも重大な危険を及ぼすおそれがあります。
そのため、我が国を含め多くの国ではアルコールの影響下にある状態での運転行為を禁止しています。

・日本での飲酒運転に対する刑事処分について

飲酒運転は道路交通法において、運転手のアルコールの影響の程度により「酒気帯び運転」と「酒酔い運転」の2種類に分類されます。
「酒気帯び運転」は、呼気中アルコール濃度が、0.15ミリグラム以上である者が自動車等を運転した場合に成立します。
「酒酔い運転」は、運転中のアルコール濃度を問わず、アルコールの影響で正常な運転ができないおそれがある状態で運転した場合に成立します。
酒気帯び運転では、呼気中のアルコール濃度が0.15ミリグラムあることが要件となっていますが、酒酔い運転は呼気中のアルコール濃度は要件となっていません。
そのため、アルコールに弱い人がお酒を一口飲んだだけであっても、正常な運転ができないおそれがある状態にまでなっているのであれば「酒酔い運転」と評価される可能性は否定できません(もっとも、酒酔い運転で起訴される事件の多くは、基準値を数倍以上上回っている場合がほとんどです。)。
それぞれの法定刑は、「酒気帯び運転」は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科せられます。
「酒酔い運転」では、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科されます。

なお、飲酒運転の結果事故を起こした場合には、飲酒量や被害者の死傷の有無によって、危険運転過失致死傷に問われます。

・飲酒運転で検挙されたら

一昔前は、社会全体として飲酒運転についての認識が甘く、「たかが飲酒運転」とお考えの方も少なくなかったと言います。
しかし、飲酒運転は悲惨な交通事故を引き起こす恐れのある、極めて危険な行為であることは言うまでもありません。
現代社会で飲酒運転をした場合、たとえ事故を起こしていなかったとしても、厳しい刑事罰・行政処分が科せられます。

飲酒運転で捜査を受けている、家族が飲酒運転で逮捕・勾留されているという場合、飲酒運転などの交通事件・事故の弁護経験が豊富な、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご連絡ください。
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