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チョコレートを食べて飲酒運転に⁉
チョコレートを食べて飲酒運転に⁉
飲酒運転は重大な交通違反であり、厳罰化が進んでいます。
しかし、一般的なアルコール飲料以外にも、「食べ物」からもアルコールが摂取されることがあります。
この記事では、チョコレートボンボンを食べた後に発生した飲酒運転の事例を交えながら、関連する法律について詳しく解説します。
飲酒運転とは何か?
飲酒運転とは、アルコールを摂取した状態で自動車、バイク、自転車などの車両を運転する行為を指します。
この行為は、道路交通法によって厳しく規制されています。
飲酒運転は、運転者自身だけでなく、他の道路利用者や歩行者にも重大な危険をもたらす可能性があります。
特に、アルコールによる判断力や反応速度の低下は、交通事故を引き起こす大きな要因となり得ます。
飲酒運転には大きく分けて二つの種類があります。
一つは「酒気帯び運転」で、呼気中のアルコール濃度が一定の基準値を超えている状態での運転を指します。
もう一つは「酒酔い運転」で、簡単に説明すると、明らかにアルコールによって運転能力が低下している状態での運転を指すものです。
どちらのケースも、法的には重大な違反とされ、厳罰に処される可能性が高いです。
酒気帯び運転と酒酔い運転の違い
飲酒運転には、「酒気帯び運転」と「酒酔い運転」の二つのカテゴリーがありますが、これらは何が違うのでしょうか。
この項目では、その違いとそれぞれに科される刑罰について解説します。
まず、「酒気帯び運転」は、呼気中に一定量以上のアルコール(0.15mg/L以上)が検出された状態で車を運転する行為を指します。
この基準は、政令で規定されており、違反者は3年以下の懲役または50万円以下の罰金に処される可能性があります。(道路交遊法第117条の2の2第1項第3号)
一方で、「酒酔い運転」は、アルコールによって正常な運転ができない状態での運転を指します。
このケースでは、具体的なアルコール濃度の基準はありませんが、運転能力の低下が明らかであれば、違反とされる可能性があります。
酒酔い運転の場合、5年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される可能性があります。(道路交通法第117条の2第1項第1号)
要するに、酒気帯び運転は「数値」で、酒酔い運転は「状態」で判断されるという違いがあります。
ですので、基準となる「数値」に至っていなくとも、正常な運転ができない「状態」であれば、酒酔い運転だと判断される可能性があります。
また、酒酔い運転の方が科される刑罰が重く、社会的なダメージも大きいとされています。
道路交通法における飲酒運転の罰則
飲酒運転は道路交通法で厳しく規制されています。
この項目では、飲酒運転に対する具体的な罰則と、その適用条件について詳しく解説します。
道路交通法第65条第1項によれば、「何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない」と規定されています。
酒気帯び運転でこの法律に違反した場合、道路交通法第117条の2の2第1項第3号に基づき、3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科されます。
さらに、酒酔い運転については、道路交通法第117条の2第1項第1号により、5年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される可能性があります。
また、飲酒運転によって交通事故を起こした場合、罰則はさらに重くなります。
具体的には、死亡事故を起こした場合、危険運転致死罪や過失運転致死罪など別の犯罪が成立する可能性があります。
重要なのは、具体的な罰則は裁判での判断によって決まることです。
そのため、同じ飲酒運転でも状況や結果によって、罰則が大きく変わる可能性があります。
チョコレートボンボンと飲酒運転の事例
一般的に、飲酒運転といえば、ビールやウイスキーなどのアルコール飲料を摂取した後に起こるものと考えられがちです。
しかし、実はアルコールが含まれる食品によっても、飲酒運転になってしまう可能性があります。
この項目では、そんな意外なケースとして「チョコレートボンボン」を食べた後の飲酒運転事例について解説します。
チョコレートボンボンは、一般的にはアルコールを含まないものが多いですが、一部の高級品や特定のブランドでは、リキュールなどのアルコールが使用されています。
このようなアルコールを多分に含んだチョコレートボンボンを食べた後に車を運転すると、呼気中のアルコール濃度が基準値を超える可能性があります。
事例
ある運転者がチョコレートボンボンを数個食べた後、車を運転しました。
その結果、道路検問で呼気のアルコール濃度が基準値をわずかに超え、酒気帯び運転で逮捕されました。
(事例はフィクションです。)
このケースでは、運転者はアルコール飲料を摂取していなかったにも関わらず、飲酒運転だと判断され、道路交通法違反の罪に問われました。
このように、お酒を直接飲まなくても、酒気帯び運転になってしまう可能性があります。
ですので、飲酒運転のリスクはアルコール飲料だけでなく、食品にも潜んでいることを認識することが重要になります。
逮捕後の法的手続き
飲酒運転で逮捕された場合、その後に待ち受ける法的手続きは複雑であり、多くの人にとっては未知の領域です。
この項目では、飲酒運転で逮捕された後にどのような法的手続きが行われるのか、その流れと注意点について解説します。
まず、逮捕された場合、最初に警察署での取り調べが行われます。
この取り調べの際に、裁判で証拠となる供述調書の作成が行われる可能性があります。
後から供述調書の内容を覆すことは容易ではありませんので、不利な供述を行わないことが重要になります。
次に、逮捕から72時間以内に検察官による取り調べが行われ、その後、起訴するかどうかの判断が下されます。
起訴された場合、裁判所での審理が始まります。
裁判では、運転者が飲酒運転であった証拠や、その状況、影響などが詳細に審議されます。
そして、最終的には判決が下されることになります。
この過程で特に注意すべきは、逮捕後すぐに弁護士に相談することです。
早期の段階で適切な法的アドバイスを受けることが、後の裁判で有利な条件を勝ち取る可能性を高めます。
弁護士の役割と早期釈放へのアプローチ
飲酒運転で逮捕された場合、弁護士の役割は非常に重要です。
この項目では、弁護士がどのように運転者をサポートするのか、また、早期釈放へどうアプローチするのかについて説明します。
弁護士は、まず逮捕後に取り調べのアドバイスを行い、運転者の権利を守る役割を果たします。
具体的には、取り調べにおいて不利な発言をしないようアドバイスを提供したり、供述すべき内容について精査します。
また、弁護士は検察官や裁判官に対して、運転者の状況や事情を適切に説明する意見書を提出することで、早期釈放を目指します。
このためには、事前に運転者と十分な打ち合わせを行い、釈放を認めてもらうための材料を集める必要があります。
弁護士は、早期釈放を実現するために、運転者やそのご家族と密に連携を取り、必要な書類や証拠を整えます。
飲酒運転を防ぐための対策
飲酒運転は、その危険性と法的な罰則を考慮すると、絶対に避けるべき行為です。
この項目では、飲酒運転を未然に防ぐための具体的な対策について解説します。
①代行サービスの利用: アルコールを摂取する場合は、代行サービスを利用することが最も確実な方法です。
②公共交通機関の利用: 飲酒後は、タクシー、バス、電車などの公共交通機関を利用しましょう。
③飲酒しない運転手の確保: グループで外出する場合は、事前に飲酒しない運転手を決めておくと良いです。
④アルコールチェッカーの使用: 自分が運転する前に、アルコールチェッカーで呼気のアルコール濃度を確認することも有用です。
⑤食品に含まれるアルコールに注意: アルコールが含まれる食品(例:チョコレートボンボン)も摂取しないようにしましょう。
⑥法的知識の習得: 道路交通法や飲酒運転に関する罰則について、しっかりと理解しておくことが重要です。
⑦家族や友人との約束: 飲酒運転をしないという約束を家族や友人として、相互に監視し合うことも効果的です。
これらの対策をしっかりと実践することで、飲酒運転とその悲惨な結果を防ぐことができます。
飲酒運転で逮捕されたら弁護士に相談を
この記事では、飲酒運転に関する法的な側面とその危険性について詳しく解説しました。
特に、一般的なアルコール飲料以外にも、食品(例:チョコレートボンボン)によって飲酒運転の罪に問われる可能性がある点に注意が必要です。
また、飲酒運転で逮捕された場合に待ち受ける法的手続きは複雑であり、弁護士の早期介入が重要です。
加えて、意見書は逮捕後72時間以内に提出する必要がありますので、早期釈放を目指す場合には、弁護士を早い段階で選任することが必要になります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービスを行っています。
ご家族が飲酒運転で逮捕された際は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
(事例紹介)山梨県の公務員が酒気帯び運転で逮捕
(事例紹介)山梨県の公務員が酒気帯び運転で逮捕
山科健甲府市の地方公務員が酒気帯び運転の疑いで逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
5日、甲府市で飲酒した状態で車を運転し、自宅前で事故を起こしたとして、甲府市の会計年度任用職員である59歳の男が現行犯逮捕されました。
5日午後3時50分ごろ、山梨県甲府市宮原町で軽乗用車が路地を15メートルほどバックで走行しました。
その際、軽乗用車の右ミラーと停車していた作業車の左前の側面が接触しました。
この接触事故を受け、作業員が警察へ連絡し、駆け付けた警察が軽乗用車を運転していた男の呼気を調べたところ基準値を超えるアルコールが検出され、その場で逮捕しました。
酒気帯び運転の疑いで逮捕されたのは甲府市の会計年度任用職員(中略)です。
(後略)
(9月5日 UTYテレビ山梨 「また公務員が飲酒運転 自宅前の路地で接触事故 酒気帯び運転の疑いで甲府市職員を現行犯逮捕」より引用)
酒気帯び運転
道路交通法第65条1項
何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。
道路交通法では、酒気帯び運転を禁止しています。
ですので、酒気帯び運転を行った場合は、道路交通法違反が成立する可能性があります。
呼気1L中0.15mgのアルコール濃度がある状態で車を運転すると酒気帯び運転になります。
酒気帯び運転による道路交通法違反で有罪になった場合は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科されます。(道路交通法第117条の2の2第1項第3号)
また、アルコールの影響で正常に運転できない状態で車を運転することを酒酔い運転といいます。
酒酔い運転を行い、道路交通法違反で有罪になった場合には、酒気帯び運転よりも重い、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科されます。(道路交通法第117条の2第1項第1号)
今回の事例では、容疑者の呼気から基準値を超えるアルコールが検出されたと報道されています。
酒気帯び運転の基準値は呼気1L中0.15mgのアルコール濃度ですので、報道の通りこの基準値を超えた状態で車を運転していたのであれば、道路交通法違反が成立する可能性が高いです。
公務員と免職
地方公務員法第16条
次の各号のいずれかに該当する者は、条例で定める場合を除くほか、職員となり、又は競争試験若しくは選考を受けることができない。
1号 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者
2号 当該地方公共団体において懲戒免職の処分を受け、当該処分の日から2年を経過しない者
3号 人事委員会又は公平委員会の委員の職にあって、第60条から第63条までに規定する罪を犯し、刑に処せられた者
4号 日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、又はこれに加入した者
地方公務員法第28条第4項
職員は、第16条各号(第2号を除く。)のいずれかに該当するに至ったときは、条例に特別の定めがある場合を除くほか、その職を失う。
地方公務員法では、禁錮刑以上の刑に処された場合、地方公務員の職を失うと規定されています。
今回の事例では、地方公務員である容疑者が酒気帯び運転を行ったと報道されています。
酒気帯び運転による道路交通法違反の法定刑は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金です。
ですので、酒気帯び運転により道路交通法違反で有罪になってしまうと、禁錮刑以上の刑である懲役刑が科されてしまうおそれがあります。
もしも、道路交通法違反で有罪になり、懲役刑が科されてしまうと、地方公務員の職を失うことになってしまいます。
交通事件に精通した弁護士に相談をすることで、懲役刑を回避できるかもしれません。
弁護士は検察官に処分交渉を行うことができます。
懲役刑が科されてしまうと職を失ってしまうことや報道により社会的制裁を受けていることなどを検察官に主張することで、不起訴処分や略式命令での罰金刑を獲得できるかもしれません。
また、弁護士は取調べのアドバイスなども行えます。
取調べで作成される調書は裁判で証拠として使用される他、検察官が起訴、不起訴等の判断を行う際にも使用されます。
ですので、取調べであなたの不利な調書が作成されないように対策を練ることが重要になります。
とはいえ、どういった調書の内容が不利に働くのかがわからない方も多いのではないでしょうか。
弁護士に事前に相談をすることで、どういった内容が不利に働くのか、供述するべきではない内容など、取調べに関するアドバイスをすることができます。
ですので、取調べを受ける際には、事前に弁護士に相談をすることが望ましいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービス、無料法律相談を行っています。
酒気帯び運転でお困りの方は、ぜひ一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
(事例紹介)電動キックボードの飲酒運転で書類送検②
(事例紹介)電動キックボードの飲酒運転で書類送検②
前回のコラムに引き続き、酒気帯びの状態で電動キックボードを運転したとして、道路交通法違反の容疑で書類送検された事例を基に、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
東京都豊島区の区道で7日、酒を飲んで電動キックボードを運転したとして、警視庁は男子大学生(19)を道路交通法違反(酒気帯び運転)容疑で書類送検する方針を固めた。(中略)
池袋署によると、同区西池袋5丁目の区道で7日午前0時ごろ、大学生の電動キックボードが停車中のタクシーに追突。タクシーに乗客はなく、男性運転手にもけがはなかった。
警察官が駆けつけ、呼気検査で基準値を超えるアルコール成分が検出された。(後略)
(7月11日 朝日新聞デジタル 「酒飲んで電動キックボード運転容疑、書類送検へ 7月から免許不要に」より引用)
電動キックボードでと酒気帯び運転、酒酔い運転
前回のコラムで解説したように、お酒を飲んで電動キックボードを運転した場合には、酒気帯び運転などの道路交通法違反が成立する可能性があります。
また、お酒の影響で正常な運転ができない状態での運転を酒酔い運転といいます。
酒酔い運転での道路交通法違反の法定刑は5年以下の懲役又は100万円以下の罰金になります。(道路交通法第117条の2第1項1号)であり、酒気帯び運転の3年以下の懲役又は50万円以下の罰金(道路交通法第117条の2の2第1項第3号)に比べると、酒酔い運転ではかなり刑罰が重くなっていることがわかります。
酒気帯び運転と酒酔い運転の違いは、正常な運転をできないおそれがあったのかどうかです。
つまり、アルコールにより正常な運転ができないおそれがある状態であったと判断されれば酒酔い運転が成立する可能性が高いですし、そのような状態であったと判断するには合理的な疑いが残ると判断されれば酒気帯び運転が成立する可能性が高くなります。
電動キックボードであっても酒酔い運転が成立してしまう可能性がありますので、注意が必要です。
取調べと酒酔い運転成立の回避
刑事事件の裁判では、取調べで作成される供述調書が証拠として使用されます。
この供述調書は裁判だけでなく、検察官が起訴・不起訴の判断や起訴罪名を決定する際にも使用されるなど、とても重要な証拠になります。
取調べ対策をしっかりと行い、不利な証拠の作成を防ぐことで、酒酔い運転での起訴を避けられる可能性があります。
電動キックボードだからといって、罪に問われないことや、科される刑罰が軽くなるようなことはありません。
ですので、電動キックボードでの飲酒運転の場合も、事件を軽く捉えずに、早い段階から弁護士に相談をして取調べ対策を行うなど、事件早期からしっかりと対策を行っておくことが重要です。
取調べでは、供述する内容を事前に考えておくことで、不利になるような供述をしてしまうことを防げる可能性があります。
今回の事例では、タクシーに衝突したとされている事故の状況や原因、飲んだお酒の量などを聴かれるでしょう。
弁護士は取調べで聴かれるであろう内容をある程度予測することができますし、黙秘すべき内容や供述すべき内容のアドバイスなども行います。
少しでも科される刑罰を軽くするためにも、事前に弁護士に相談をしてから、取調べに挑みましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、酒気帯び運転などの飲酒運転の弁護活動に精通した法律事務所です。
取調べ対策などをしっかりと行うことで、少しでも科される刑罰を軽くできる可能性があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービス、無料法律相談を行っています。
取調べ対応でご不安な方や酒気帯び運転などの飲酒運転、電動キックボードによる交通違反事件でお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
(事例紹介)電動キックボードの飲酒運転で書類送検
(事例紹介)電動キックボードの飲酒運転で書類送検
電動キックボードで酒気帯び運転をしたとして、道路交通法違反の容疑で書類送検された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
東京都豊島区の区道で7日、酒を飲んで電動キックボードを運転したとして、警視庁は男子大学生(19)を道路交通法違反(酒気帯び運転)容疑で書類送検する方針を固めた。(中略)
池袋署によると、同区西池袋5丁目の区道で7日午前0時ごろ、大学生の電動キックボードが停車中のタクシーに追突。タクシーに乗客はなく、男性運転手にもけがはなかった。
警察官が駆けつけ、呼気検査で基準値を超えるアルコール成分が検出された。(後略)
(7月11日 朝日新聞デジタル 「酒飲んで電動キックボード運転容疑、書類送検へ 7月から免許不要に」より引用)
電動キックボードと免許
令和5年7月1日の法改正より、原動機付自転車は、運転免許証が必要な一般原動機付自転車、特定小型原動機付自転車、特例特定小型原動機付自転車の3類型に分類されました。
今回の事例で事故を起こしたとされている電動キックボードは、原動機付自転車に該当し、最高速度や出力、車体の大きさなどによって、一般原動機付自転車、特定小型原動機付自転車、特例特定小型原動機付自転車の3類型に細かく分類されることになります。
原動機付自転車の中でも、車体が長さ190cm以下、幅60cm以下で、自転車道で他の車両の通行を妨げず、運転に高い技能を有しないもので、以下の基準を満たすものを特定小型原動機付自転車といいます。
・定格出力が0.6キロワット以下の電動機を用いていること
・最高速度が時速20kmであること
・走行中に最高速度の設定を変更できないこと
・AT機構がとられていること
・最高速度表示灯が付いていること
また、特定小型原動機付自転車の中でも、以下のいずれかに該当し、他の車両を牽引していない場合は、特例特定小型原動機付自転車に該当します。
・歩道等を通行する間は、最高速度表示灯を点滅させていること
・最高速度表示灯を点滅させている間は、時速6kmを超える速度を出せないこと
・サイドカーが付いていないこと
・ブレーキが操作しやすい位置にあること
・車体から鋭く尖った部分が飛び出していないこと
一般的な原動機付自転車の運転は免許が必要ですが、特定小型原動機付自転車、特例特定小型原動機付自転車の場合には免許は不要です。
ですので、電動キックボードの運転の場合も、特定小型原動機付自転車、特例特定小型原動機付自転車に区分される電動キックボードについては、免許は必要ありませんので、16歳以上であればだれでも運転することができます。
電動キックボードと酒気帯び運転
免許が必要ない特定小型原動機付自転車や特例特定小型原動機付自転車に区分される電動キックボードで酒気帯び運転をした場合は、罪に問われるのでしょうか。
結論から言うと、電動キックボードの酒気帯び運転は道路交通法違反が成立します。
道路交通法第2条第1項第8号では、自動車、原動機付自転車、軽車両及びトロリーバスを車両として定義しています。
前述したように、原動機付き自転車は、一般原動機付自転車、特定小型原動機付自転車、特例特定小型原動機付自転車のことをいいますので、免許が必要な一般原動機付自転車はもちろんのこと、免許が不要な特定小型原動機付自転車、特例特定小型原動機付自転車も車両扱いとなります。
つまり、どの区分の電動キックボードであっても、電動キックボードは道路交通法上の車両に該当することになります。
道路交通法第65条第1項では、「何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。」としています。
つまり、車両に該当する電動キックボードを酒気を帯びた状態で運転することは、道路交通法で禁止されていることになります。
今回の事例では、容疑者が電動キックボードで事故を起こし、警察官による呼気検査で基準値を超えるアルコール成分が検出されたとされています。
電動キックボードでの酒気帯び運転は道路交通法で禁止されていますので、今回の事例では、道路交通法違反が成立する可能性が高いです。
電動キックボードでの酒気帯び運転と刑事罰
酒気帯び運転の法定刑は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金です。(道路交通法第117条の2の2第1項第3号)
さらに、酒酔い運転(アルコールの影響で正常な運転ができないおそれがある状態での運転)の場合には、酒気帯び運転よりも重い、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金になります。(道路交通法第117条の2第1項1号)
電動キックボードでの酒気帯び運転、酒酔い運転であっても、有罪になれば上記のように刑罰が科されることになります。
電動キックボードによっては運転をするのに免許が不要な場合もあり、交通ルールを守る意識が希薄になってしまうかもしれません。
ですが、前述したように電動キックボードは道路交通法上では車両として扱われますので、交通ルールを守らない場合には、道路交通法違反などが成立してしまう可能性があります。
また、免許が不要な電動キックボードであるからと言って罪が軽くなるようなことはありませんので、電動キックボードによる運転で道路交通法違反などの容疑をかけられた場合には、交通事故や交通違反事件に精通した弁護士に相談をすることが望ましいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、交通事故・交通違反事件に精通した法律事務所です。
電動キックボードの運転で、道路交通法違反などの容疑をかけられた方は、お気軽に、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
初回接見サービス、無料法律相談のご予約は、0120ー631ー881までお電話ください。
次回のコラムでは、弁護活動についてご紹介します。
(事例紹介)かす汁を飲み酒気帯び運転で逮捕された事例
(事例紹介)かす汁を飲み酒気帯び運転で逮捕された事例
兵庫県尼崎市で起きた酒気帯び運転事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
兵庫県警尼崎東署は13日、酒気帯び運転の疑いで同県尼崎市(中略)の男(58)を現行犯逮捕した。
逮捕容疑は(中略)同市常光寺の駐車場付近の路上で、酒を飲んだ状態で車を運転した疑い。「仕事帰りに知人らに連れられて店に入り、かす汁を飲んだ」と供述しているという。
(中略)容疑者の呼気からは、基準値を上回る1リットルあたり0・60ミリグラムのアルコールが検出された。
(6月13日 神戸新聞NEXT 「路上に停車中の車、職務質問しようとしたら1キロ逃走 酒気帯び運転容疑で不動産鑑定士逮捕 尼崎」より引用)
酒気帯び運転と刑罰
酒気帯び運転とは、呼気1L中に0.15mg以上のアルコールを保有した状態で車を運転することをいいます。
道路交通法第65条第1項では、「何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。」と規定されており、酒気帯び運転を禁止しています。
酒気帯び運転により道路交通法違反で有罪になった場合には、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処されることになります。(道路交遊法第117条の2の2第1項第3号)
また、お酒に酔った状態で車を運転することを酒酔い運転といい、酒酔い運転により道路交通法違反で有罪になった場合には、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金(道路交通法第117条の2第1項第1号)に処されることになり、酒気帯び運転よりも重い刑罰を科されることになります。
今回の事例では、基準値を上回るアルコールが検出されたとされています。
基準値以上のアルコールを保有した状態で車を運転する行為は酒気帯び運転にあたりますので、今回の事例では、道路交通法違反が成立する可能性があります。
逮捕と釈放
今回の事例では、飲酒はしておらず、かす汁だけを飲んだと酒気帯び運転の故意を否認していると考えられます。
否認事件では、捜査が長引くことが多く、捜査の必要性や証拠隠滅のおそれの観点から、勾留が長引く可能性があります。
今回の事例でも、飲酒した可能性のある店やかす汁を飲んだと容疑者が供述している飲食店などを捜査することになるでしょうから、捜査が長引くことが予想されますので、長期間にわたって身体拘束を受ける可能性が高いです。
逮捕後の流れを簡単に説明すると、逮捕後72時間以内に裁判所による勾留の判断が行われ、勾留が決定すると最長で20日間身体拘束を受けることになります。
勾留は、検察官が勾留の請求を行い、裁判官が検察官による勾留の請求に対して決定の判断をした場合に行われます。
弁護士は、勾留の請求や勾留が決定する前(逮捕後72時間以内)であれば検察官や裁判官に対して意見書を提出するなど釈放の働きかけを行うことができ、勾留が請求されなかったり、勾留が決定しない場合には釈放されることになります。
また、勾留が決定した場合であっても、弁護士が勾留の決定に対して準抗告の申し立てを行い、その申し立てが認められることで、釈放される場合があります。
意見書の提出や準抗告の申し立てには、書類を作成する時間が必要になりますので、早期釈放を目指している方は、できるだけ早く弁護士に相談をすることが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービス、無料法律相談を行っています。
酒気帯び運転で逮捕された方、捜査されている方は、お早めに弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
(事例紹介)酒気帯び運転を否認し逮捕
(事例紹介)酒気帯び運転を否認し逮捕
報道事例を踏まえ、酒気帯び運転(道路交通法違反)について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。
・参考事件
14日未明、新潟市中央区女池の市道上で酒気を帯びた状態で普通乗用車を運転していたとして、会社員の23歳の男が現行犯逮捕されました。
14日に道路交通法違反(酒気帯び運転)で現行犯逮捕されたのは、新潟市江南区…に住む会社員の男(23)です。
男は14日午前1時前、新潟市中央区…の市道上において、酒気を帯びた状態で普通乗用車を運転。
パトロール中のパトカーが男が乗る車を見かけて声をかけ、アルコール検査を実施したところ、基準値を超えるアルコール量が検出され、現行犯逮捕となりました。
警察によりますと、男は「お酒すら飲んでいない」と容疑を否認していましたが、16日の調べで「飲食店でお酒を飲んでいた」と一転して容疑を認めたということです。
警察は男が車でどこに向かっていたかや常習的にやっていたかなど余罪も含めて詳しく調べています。
(NST新潟総合テレビ、令和5年5月17日(水)9時26分配信 「否認も一転…酒気帯び運転で現行犯逮捕の会社員の男「飲食店で酒を飲んだ」【新潟】」引用。固有名詞等一部編集。)
・酒気帯び運転
酒気帯び運転は、いわゆる飲酒運転の一種です。
道路交通法では、以下のとおり酒気を帯びての運転を禁止しています。
道路交通法65条第1項
何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。
飲酒運転については①酒気帯び運転と②酒酔い運転を区別しています。
①酒気帯び運転については、「第65条…第1項の規定に違反して車両等を運転した者で、その運転をした場合において身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態にあつたもの」としていて、具体的には呼気検査で0.15mg/Lまたは血中アルコールが0.30mg/L以上の場合としています。
罰条は「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。(道路交通法117条の2の2第1項3号)
②酒酔い運転については、「第65条…第1項の規定に違反して車両等を運転した者で、その運転をした場合において酒に酔つた状態(アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態をいう。以下同じ。)にあつたもの」として、歩行検査や受け答えなどを総合的に評価して酩酊しているような場合に適用されます。
罰条は「5年以下の懲役又は100万円以下の罰金」です。(道路交通法117条の2第1項2号)
・逮捕後の流れ
事件を起こして逮捕された場合、警察官等は被疑者(犯人と考えられる人物)の弁解を聞き、48時間以内に釈放するか検察官に送致するかを決定します。
検察官送致が決定された場合、今度は検察官が被疑者の弁解を聞き、24時間以内に釈放するか裁判官への勾留請求をするかを決定します。
裁判官が勾留を決めた場合、被疑者は10日間身体を拘束されてしまいます。
勾留は延長が可能なため、多くの事件では検察官が勾留の延長を請求し、追加で最大10日間身体拘束が続きます。
・否認事件と身柄拘束
参考事件では、当初男性は酒は飲んでいないと否認していたようです。
逮捕・勾留といった身柄拘束は懲罰ではなく捜査するうえでやむを得ない場合にのみ行われる手続きですので、否認しているからといって懲罰の趣旨で逮捕・勾留することはできません。
しかし、否認事件では、本当は罪を犯したのに、釈放したことで逃亡したり口裏合わせなどの証拠隠滅をしたりするおそれがあると評価され、身柄拘束が認められやすい傾向にあります。(これに対しては、専門家から人質司法だという批判もあります。)
否認事件で身柄拘束されたが釈放して欲しいという場合、刑事弁護の弁護活動が豊富な弁護士に弁護を依頼することが望ましいと言えるでしょう。
・交通事件の弁護
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、交通事件・事故を含む刑事事件と少年事件を中心に取り扱う弁護士事務所です。
当事務所では、逮捕・勾留されている被疑者のもとに弁護士が直接伺う初回接見サービス(有料)や、在宅事件の場合に事務所にて無料で受けることができる法律相談を実施しています。
酒気帯び運転の当事者となってしまった方、またはご家族が酒気帯び運転の疑い逮捕されたが否認しているという場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご連絡ください。
(事例紹介)オービスで飲酒運転が発覚
(事例紹介)オービスで飲酒運転が発覚
自動で速度超過を取り締まるオービスと呼ばれる装置で検挙され、その際に飲酒運転をしていたことが発覚した、という事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。
【参考事例】
茨城・栃木・群馬の警察官3人が、宇都宮市内に集まって酒を飲んだあと、車を運転したとして処分を受けていたことが警察への取材でわかりました。
3人は学生時代の知人で、このうち2人は依願退職しました。
酒を飲んだあと、運転していたことがわかったのは、茨城・栃木・群馬の警察官3人です。
警察などによりますと3人はことし1月、宇都宮市内に集まって夜11時ごろから2時間半ほど酒を飲み、その後、カラオケ店で3時間余り休んだあと、それぞれ車を運転したということです。
その途中、茨城県警の当時21歳の巡査が速度違反を自動で取り締まる装置で検知されたことをきっかけに、3人が飲酒後に運転していたことが明らかになったということです。
これを受けて、
▽茨城県警察本部は、巡査を停職1か月の懲戒処分に
▽栃木県警察本部は、男性警察官を本部長訓戒の処分にし、2人はいずれも依願退職しました。
一方、群馬県警察本部は、「発表事案ではないためコメントは差し控えるが、再発防止に努める」として、処分の内容を明らかにしていません。
【スピード違反について】
今回の報道は、まず、スピード違反が問題となっています。
「自動で取り締まる装置で検知」されたと記載がありますが、これはいわゆるオービスと呼ばれる装置です。
オービスは正式名称を速度違反自動取締装置と言い、スピード違反をしている車両を検知した場合に自動的に車両のナンバーや運転席を撮影するシステムです。
高速道路などのスピードを出しやすい場所に設置されている固定式と、様々な場所に持ち運んで検知する可搬式があります。
そのほかにも、パトカーや白バイと呼ばれる警察車両による追尾で速度超過を見つける場合、移動式のスピード計測器を設置して計測をしたうえでその先で待機する警察官が車両を停めて違反を告げる場合など、様々な方法でスピード違反を検挙します。
【参考事例で問題となるスピード違反と飲酒運転】
参考事例によると、3人は
・飲酒をした
・カラオケ店で3時間休憩した
・それぞれ車を運転した
・うち1人が自動で取り締まる装置で速度超過が発覚
というものです。
前章で紹介したとおり、オービスで検知された場合にはどの程度のスピードが出ていたのかが判るため、スピード違反をした茨城県警察署の警察官の方は道路交通法違反で検挙されたと考えられます。
そしてその取調べや捜査の過程で、スピード違反をする前の行動を調べたところ、飲酒していたことが発覚した、と考えられます。
スピード違反をした茨城県警察署の警察官の方を含め、3人を飲酒運転関連の罪に問えるかという点ですが、オービスはその性質上すぐに捜査するのではなく、検知結果を踏まえて後日捜査が行われますので、飲酒運転していた時点での飲酒運転の状態(体内にどの程度アルコールが残っているか、アルコールの影響がどの程度あるか、等)が判りません。
よって、スピード違反をした者を含め3人を飲酒運転による酒気帯び運転や酒酔い運転の罪で検挙することは難しいと考えられます。
とはいえ、刑事処分と職場の懲戒処分は必ずしも一致しません。
栃木県警察署の警察官の方は、飲酒運転で検挙されなかったと考えられますが、飲酒運転をした疑いがあり警察官の立場として処分が必要であると判断され、本部長訓告の処分を受けたと考えられます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、スピード違反や飲酒運転などの交通事件の弁護活動の経験が豊富です。
スピード違反がきっかけで飲酒運転が発覚してしまった、刑事手続きの流れについて知りたい、等の方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご連絡ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料で相談を受けることができます。
(事例紹介)酒気帯び運転と酒酔い運転
(事例紹介)酒気帯び運転と酒酔い運転
お酒を飲んで運転をする飲酒運転で問題となる酒気帯び運転・酒酔い運転の罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
・参考事例
三重県名張市で、飲酒運転をしたとして、自称71歳の男が逮捕されました。
逮捕されたのは、自称・名張市に住む71歳の無職の男です。
警察によりますと、男は10日午後9時ごろ、名張市の国道165号で、酒を飲んだ上で軽四トラックを運転した、道路交通法違反の疑いが持たれています。
片側一車線で中央分離帯の無い国道を、警察がパトカーでパトロールしていたところ、目の前でふらつきながら運転をしていた男の車を発見。
停止を求め、職務質問しようとした際、酒の匂いがしたため検査を行ったところ、飲酒運転が発覚しました。
同乗者はおらず、調べに対し、男は容疑を認めているということで、警察が酒を飲んだ場所など、詳しい経緯を調べています。
(CBCテレビ 4月11日(火) 6時04分配信 「”パトカーの目の前”をふらふら…パトロール中の警察が71歳の無職男を飲酒運転で逮捕 三重・名張市の国道で」より引用)
・飲酒運転
「飲酒運転」はテレビなどで目にすることの多い言葉ですが、これは通称であり、道路交通法などには飲酒運転という単語は登場しません。
まず、道路交通法65条第1項は「何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。」と定めています。
①酒気帯び運転について
道路交通法117条の2では
次の各号のいずれかに該当する者は、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
と定めていて、同条1号で
第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等を運転した者で、その運転をした場合において酒に酔った状態(アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態をいう。以下同じ。)にあつたもの
とされています。
この場合の基準値は、呼気検査で1Lあたり0.15mg以上、血液検査で1mlあたり0.3㎎以上です。
上記基準値を上回るアルコールが検知された場合、酒気帯び運転に該当します。
②酒酔い運転について
道路交通法117条の2の2では
次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
と定めていて、同条3号で
第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等(軽車両を除く。次号において同じ。)を運転した者で、その運転をした場合において身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態にあつたもの
とされています。
酒酔い運転については①の酒気帯び運転とは違い明確な基準値があるわけではなく、アルコール検知の数値や受け答えの状態、歩行検査などを総合的に考慮し判断されます。
多くの事件で①酒気帯び運転の基準値を大きく上回る数値が検知された場合に②酒酔い運転と評価されますが、体質などで①の基準値未満であっても酩酊状態にあり運転していた場合には②酒酔い運転の罪が成立すると考えられます。
今回の報道事例ではどちらの罪が適用されたのか不明ですが、いずれの場合も、刑事罰が科せられたり行政処分を受けたりする可能性があるため、適切な対応が求められます。
・弁護士への相談
一般には飲酒運転という言葉でお酒を飲んで運転する道路交通法違反は知られていますが、このように状況次第で適用される条文が異なり、当然罰則にも差があります。
飲酒運転の嫌疑で逮捕・検挙された場合、当時の状況や警察官とのやり取りを踏まえ今後どのような手続き・見通しになるのか等、弁護士に相談や質問をしてアドバイスを求めることをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に取り扱う弁護士事務所で、交通事故・事件の弁護活動の経験も豊富です。
当事務所では、家族が逮捕・勾留されている場合、留置先の警察署や拘置所などに行って接見を行う初回接見サービス(有料)を実施しています。
また、在宅事件であれば、事務所にて無料で相談を受けて頂くことができます。
いわゆる飲酒運転をしてしまい、酒酔い運転・酒気帯び運転の罪で捜査を受けている方、あるいは家族が飲酒運転の嫌疑で逮捕・勾留されている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご連絡ください。
(事例紹介)基準値の2倍越えのアルコール検知 看護師の女を逮捕
(事例紹介)基準値の2倍越えのアルコール検知 看護師の女を逮捕
飲酒運転で問題となる各罪について、報道事例を踏まえ、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。
事例
3月1日の未明、北九州市で酒を飲んで車を運転したとして、看護師の女が逮捕されました。
3月1日午前3時すぎ、福岡県北九州市小倉北区の小文字通りで、蛇行運転している軽乗用車をパトロール中の警察官が見つけ、止まるよう呼びかけました。車は呼びかけに応じず逃げて、パトカーが追跡し、約1キロ先で止まりました。
警察が運転していた女の呼気を調べたところ、基準値の約2.5倍のアルコールが検出されたため、女を現行犯逮捕しました。
酒気帯び運転の疑いで逮捕されたのは、北九州市○○区の看護師・○○容疑者です。
○○容疑者は警察の調べに対し「酒が残っていると思ったが、酒を飲んでから8時間以上たっていたので運転した」と容疑を認めているということです。
(2023年3月1日付FBS福岡放送ニュースを引用。氏名等は当事務所の判断で伏せています。)
・飲酒運転とは
飲酒運転は、飲酒後にそのアルコールの影響がある状態で自動車などの車両を運転する行為を指す俗称です。
お酒に含まれているアルコールは、中枢神経に作用し脳の神経活動を抑制し、運動機能のほか、理性・自制心の低下、動体視力・集中力・認知能力などを低下させます。
そのため、飲酒運転は運転している者自身はもちろんのこと、同乗者や他の車両に乗車している者・歩行者など周りの人の生命や身体にも重大な危険を及ぼすおそれがあります。
そのため、我が国を含め多くの国ではアルコールの影響下にある状態での運転行為を禁止しています。
・日本での飲酒運転に対する刑事処分について
飲酒運転は道路交通法において、運転手のアルコールの影響の程度により「酒気帯び運転」と「酒酔い運転」の2種類に分類されます。
「酒気帯び運転」は、呼気中アルコール濃度が、0.15ミリグラム以上である者が自動車等を運転した場合に成立します。
「酒酔い運転」は、運転中のアルコール濃度を問わず、アルコールの影響で正常な運転ができないおそれがある状態で運転した場合に成立します。
酒気帯び運転では、呼気中のアルコール濃度が0.15ミリグラムあることが要件となっていますが、酒酔い運転は呼気中のアルコール濃度は要件となっていません。
そのため、アルコールに弱い人がお酒を一口飲んだだけであっても、正常な運転ができないおそれがある状態にまでなっているのであれば「酒酔い運転」と評価される可能性は否定できません(もっとも、酒酔い運転で起訴される事件の多くは、基準値を数倍以上上回っている場合がほとんどです。)。
それぞれの法定刑は、「酒気帯び運転」は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科せられます。
「酒酔い運転」では、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科されます。
なお、飲酒運転の結果事故を起こした場合には、飲酒量や被害者の死傷の有無によって、危険運転過失致死傷に問われます。
・飲酒運転で検挙されたら
一昔前は、社会全体として飲酒運転についての認識が甘く、「たかが飲酒運転」とお考えの方も少なくなかったと言います。
しかし、飲酒運転は悲惨な交通事故を引き起こす恐れのある、極めて危険な行為であることは言うまでもありません。
現代社会で飲酒運転をした場合、たとえ事故を起こしていなかったとしても、厳しい刑事罰・行政処分が科せられます。
飲酒運転で捜査を受けている、家族が飲酒運転で逮捕・勾留されているという場合、飲酒運転などの交通事件・事故の弁護経験が豊富な、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご連絡ください。
24時間365日体制で、無料相談や初回接見サービス(有料)のご予約を受け付けています。
(事例紹介)酒気を帯びた運転の禁止
(事例紹介)酒気を帯びた運転の禁止
飲酒運転をしてしまった場合の刑事責任と刑事事件の手続について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
・参考事例
きょう(22日)未明、酒気を帯びた状態で車を運転した疑いで香川県善通寺市の介護福祉士の男が現行犯逮捕されました。
酒気帯び運転の疑いで逮捕されたのは、善通寺市に住む介護福祉士の男(32)です。
警察によりますと、男はきょう(22日)午前0時45分頃、酒を飲んだ状態で普通乗用車を運転し、丸亀市の県道33号を走行した疑いが持たれています。パトロール中の警察官がふらついて走行する乗用車を見つけ職務質問したところ、男から基準を超えるアルコールが検知されたため現行犯逮捕しました。
男の車に同乗者はいませんでした。男は片側2車線の道路を走行していましたが、当時ほかに車はほとんど通行しておらず、事故もしていないということです。
調べに対し男は、「お酒を飲んで運転したことは間違いありません」と容疑を認めているということで、警察は男が酒を飲んでいた場所や量などについて調べを進めています。
(RSK山陽放送 2月22日(水) 11時21分配信 「「お酒を飲んで運転したことは間違いありません」善通寺市の介護福祉士の男(32)を酒気帯び運転の疑いで逮捕【香川】」より引用)
・酒気帯び運転
お酒を飲んで運転する行為は一般的に飲酒運転といった名称で認知されていますが、道路交通法には「飲酒運転」という単語は使われておらず、これは俗称といえます。
いわゆる飲酒運転に該当する行為については、道路交通法の「酒気帯び運転等の禁止」の項目で、下記のように定められています。
道路交通法第65条
第1項
何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。
酒気帯び運転の法定刑は道路交通法117条の2の2に「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」と記載されており、同条文の第3号には「身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態」で道路交通法第65条に違反した者が酒気帯び運転に該当すると定められています。
酒気帯び運転の要件となる、政令で定める程度のアルコール量は下記の条文に記載されています。
道路交通法施行令
第44条の3
法第117条の2の2第1項第3号の政令で定める身体に保有するアルコールの程度は、血液1ミリリットルにつき0.3ミリグラム又は呼気1リットルにつき0.15ミリグラムとする。
上記の基準に満たないアルコール保有量であれば、道路交通法違反として処分を受けることはありません。
ですが、道路交通法第65条第1項では酒気を帯びた運転を禁止しているので、基準値以下なら運転しても大丈夫という訳ではなく、刑罰がないだけで運転が認められているわけではありません。
いわゆる飲酒運転は交通事故を起こしたりしたわけでないのなら、速やかな弁護活動をすることで釈放される可能性もあります。
しかし、飲酒運転の前科があったり、飲酒の事実を隠したりした場合には逮捕後の勾留が長期にわたることも考えられます。
長期の身体拘束を避けるためにも、早期に弁護士に依頼し弁護対応をすることが大切です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に取り扱う弁護士事務所です。
当事務所では、初回無料の法律相談の他、弁護士が逮捕・勾留された方のもとに直接赴く初回接見サービス(有料)を実施しています。
酒気帯び運転で家族が逮捕されてしまった、または御自身が酒気帯び運転で捜査を受けているという場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご連絡ください。