Archive for the ‘交通事故(人身事故)’ Category
携帯電話使用で交通事故
携帯電話使用で交通事故を起こした場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
東京都立川市の道路を自家用車で走行していたAさんは、スマートフォンを手に取り、メッセージを確認していたところ、横断歩道があることに気が付かず、横断中の歩行者にぶつかってしまいました。
Aさんは、すぐに車を停車し、歩行者の安否を確認し、すぐに119番通報しました。
幸い、歩行者の怪我の程度は軽く済みましたが、Aさんは駆け付けた警視庁立川警察署の警察官に事故の原因について話を聞かれています。
(フィクションです)
携帯電話使用等に関する罰則の強化
スマートフォンや携帯電話は、今や私たちの生活に欠かすことができない必需品となっていますよね。
しかし、運転中にスマートフォンや携帯電話の画面を注視していたことに起因する交通事故が多く、運転中の「ながらスマホ」が社会的に問題となっています。
運転中のスマートフォンや携帯電話の使用は、スマートフォンや携帯電話に気をとられ、運転をする上での注意義務を欠くことで重大な交通事故を引き起こし得る大変危険な行為です。
令和元年12月1日に施行された改正道路交通法は、携帯電話使用等に関する罰則を強化しました。
(1)携帯電話使用等(保持)
携帯電話を保持して通話する行為や携帯電話の画面を注視する行為が禁止されています。
これに違反した場合、改正前は普通車に対する反則金が6,000円だったのに対し、改正後は18,000円と3倍に引き上げられました。
また、罰則については、改正前が5万円以下の罰金となっていたものが、改正後には6月以下の懲役または10万円以下の罰金と、罰金刑のみならず懲役刑が設けられました。
自動車や原動機付自転車の運転者がした違反行為のうち、反則行為については、一定期間内に郵便局か銀行に反則金を納めると、刑事裁判(少年の場合は、家庭裁判所の審判)を受けずに事件が処理される制度(交通反則通告制度)があります。
ですので、反則金の適用がある場合には、期限内に反則金を納付することで刑事処分を受けることなく事件を終了させることができます。
ただし、反則金を納付しなければ、刑事裁判(少年の場合には、家庭裁判所の審判)を受けることになります。
(2)携帯電話使用等(交通の危険を生じさせた場合)
携帯電話を保持しての通話や画面の注視、カーナビの画面の注視によって交通の危険を生じさせる行為については、交通反則通告制度の適用はなく、罰則は1年以下の懲役または30万円以下の罰金となります。
携帯電話使用で事故を起こした場合
さて、携帯電話を保持して画面を注視したことにより、交通事故を起こしてしまった場合について考えてみましょう。
交通事故は、物損事故と人身事故とに分けられます。
物損事故は、物にぶつかって破損させる交通事故です。
人が乗車している車にぶつかった場合であっても、相手方に怪我を負わせていなければ、物損事故として処理されることがあります。
運転中の携帯電話使用に起因して物損事故を起こした場合には、先述したように交通の危険を生じさせた場合として、道路交通法違反が成立し、法定刑の1年以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられる可能性があります。
他方、人に怪我を負わせた人身事故の場合には、道路交通法違反の他に、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律で定められる過失運転致死傷罪が成立するでしょう。
この場合、事件内容にもよりますが、公判請求され、刑事裁判を受ける可能性が高いでしょう。
刑事裁判での弁護は、交通事件を含めた刑事事件に精通する弁護士に任せるのがよいでしょう。
迅速かつ適切な弁護活動により、執行猶予判決の獲得を目指します。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、交通事件を含めた刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
交通事故を起こし対応にお困りの方は、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談・初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881までお電話ください。
スピード違反による交通事故
スピード違反による交通事故が起きた場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
京都府長岡京市の高速道路を時速180キロで走行していたAさんは、前方を走行していた車が車線変更したことに気が付くのが遅く、速度を十分に落とすことができず、前を走っていた車に衝突してしまいました。
前の車に乗車していた夫婦は、怪我をしているようで、通報を受けて駆け付けた救急車に運ばれていきました。
Aさんは、京都府警察の警察官に過失運転致傷および道路交通法違反(速度超過)の疑いで現行犯逮捕されました。
(フィクションです。)
スピード違反について成立する罪
法定速度を超える速度で運転した場合、いわゆるスピード違反は、重大な事故につながるおそれがあることから、道路交通法で厳しく規制されています。
スピード違反は、道路交通法において「速度超過」と呼ばれ、次のように禁止されています。
道路交通法第22条
車両は、道路標識等によりその最高速度が指定されている道路においてはその最高速度を、その他の道路においては政令で定める最高速度をこえる速度で進行してはならない。
政令で定める最高速度とは、一般道では時速60キロ、高速道路では時速100キロです。
法定速度を1キロでもオーバーすれば速度超過となります。
一般道路において、超過速度が30キロ未満であれば、反則金の納付による行政処分で終了しますが、超過速度が30キロ以上となれば、行政処分ではなく刑事処分の対象となります。
高速道路であれば、超過速度が40キロ以上で刑事手続に付されます。
速度超過による道路交通法違反の罰則は、6月以下の懲役又は10万円以下の罰金です。
お金を納めるという点では、反則金も罰金も同じですが、罰金は刑事罰であり、有罪判決を受けたことが前提となりますので、前科が付くことになります。
スピード違反による交通事故を起こした場合
スピード違反で交通事故を起こし、相手に怪我を負わせてしまった場合、以下の罪が成立する可能性があります。
(1)過失運転致死傷罪
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役もしくは禁固または100万円以下の罰金に処される可能性があります。
ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができるとされています。
(2)危険運転致死傷罪
危険運転致死傷罪は、次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させる罪です。
①アルコールや薬物の影響により、正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為。
②進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為。
③信仰を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為。
④人又は車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人又は車に著しく接近し、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為。
⑤赤信号等を殊更無視し、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為。
⑥交通禁止道路を進行し、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為。
スピード違反の程度が、②の「進行を制御することが困難な高速度」である場合には、危険運転致傷罪が成立する可能性があります。
「進行を制御することが困難な高速度」であるか否かは、スピードだけでなく、走行していた道路の状況等を考慮して判断されます。
危険運転致死傷罪の刑罰は、人を負傷させた場合は15年以下の懲役、人を死亡させた場合には1年以上の有期懲役と、過失運転致死傷罪よりも重くなっています。
スピード違反で交通事故を起こした場合、道路交通法違反や過失運転致死傷罪、場合によっては危険運転致死傷罪が成立することがあります。
多くが正式裁判となり、危険運転致死傷罪で有罪となれば実刑の可能性もあります。
ですので、交通事件にも対応する刑事事件に強い弁護士に相談・依頼し、できる限り寛大な処分となるよう動くことが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、交通事件を含めた刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
交通事件でお困りの方は、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
自転車のひき逃げで刑事事件に
自転車のひき逃げで刑事事件になる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~ケース~
埼玉県川口市で深夜に自転車を運転していたAさんは、前方不注意で前を歩いていた歩行者に気づかずぶつかってしまいました。
歩行者は転倒しましたが、Aさんは声をかけることなくその場を立ち去りました。
翌日、現場付近を通ったところ、自転車と歩行者の事故についての目撃情報を募る立て看板が設置されていることに気がつきました。
Aさんは、埼玉県川口警察署に出頭することを考えていますが、その前に交通事故を含む刑事事件に精通する弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)
自転車を運転し人身事故を起こした場合
あなたが自転車を運転し人身事故を起こした場合には、刑事事件として処理され、過失傷害罪、過失致死罪もしくは重過失致死傷罪に問われる可能性があります。
(過失傷害)
刑法第209条
過失により人を傷害した者は、三十万円以下の罰金又は科料に処する。
2 前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
(過失致死)
刑法第210条
過失により人を死亡させた者は、五十万円以下の罰金に処する。
(業務上過失致死傷等)
刑法第211条
業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、五年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。
(1)過失傷害罪
過失傷害罪は、「過失」により人を傷害した場合に成立する罪です。
暴行や傷害の故意がなく、不注意によって人に傷を負わせてしまうものです。
自転車事故の原因が、ちょっとしたよそ見などの場合は、過失傷害罪となるでしょう。
一方、暴行や傷害の故意がある場合には、傷害罪が成立することになります。
過失傷害罪は、被害者等の告訴がなければ公訴を提起することができない親告罪です。
(2)過失致死罪
過失致死罪は、過失によって人を死亡させた場合に成立する罪です。
上の過失傷害のように、不注意によって人を死亡させてしまうものです。
(3)重過失致死傷罪
刑法第211条の後段に規定されているもので、「重大な過失」により人に怪我を負わせたり死なせてしまった場合に成立する罪です。
こちらも、暴行や傷害の故意はなく、「重大な過失」の結果、人に傷を負わせたり死亡させて
しまう犯罪です。
「重大な過失」とは、過失の程度が重いこと、つまり、注意義務違反の程度が著しい場合をいいます。
発生した結果の重大性、結果発生の可能性が大であったことは必ずしも必要ではありません。
自転車事故では、
・携帯電話で通話しながらの運転
・スマートフォンを操作しながらの運転
・イヤフォンをつけて音楽を聴きながらの運転
・ものすごいスピードで歩道を走っていた場合
・夜間に無点灯で走っていた場合
などが、重過失致死傷罪に問われる可能性が高いと言えます。
Aさんのようにちょっとした前方不注意で自転車が歩行者にぶつかり、怪我を負わせてしまった場合でも、自転車の時速や運転していた道路の状況なども鑑みて、過失の程度が重いと判断され、重過失死傷罪が成立することもあります。
自転車を運転し人身事故を起こし、その場から立ち去った場合
さて、自転車で人身事故を起こしたにもかかわらず、その場を立ち去った場合にも、自動車の場合と同様に、犯罪が成立するのでしょうか。
実は、道路交通法上の救護義務は、自動車の場合だけでなく、自転車を運転し人身事故を起こした場合にも、その運転手等に課されるものです。
道路交通法第72条
交通事故があつたときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員(以下この節において「運転者等」という。)は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。この場合において、当該車両等の運転者(運転者が死亡し、又は負傷したためやむを得ないときは、その他の乗務員。以下次項において同じ。)は、警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署(派出所又は駐在所を含む。以下次項において同じ。)の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置を報告しなければならない。
条文は、救護義務を当該交通事故に係る車両等の運転手その他の乗務員に課していますが、「車両等」には自転車などの軽車両も含まれます。
ですので、自転車であっても救護義務に違反した場合には、道路交通法違反となり、1年以下の懲役または10万円以下の罰金となる可能性があります。
人身事故については、過失傷害罪、過失致死罪、もしくは重過失致死傷罪が成立し、ひき逃げをした場合には、それに加えて、道路交通法違反の2つの罪が成立することになります。
このように自転車のひき逃げは刑事事件に発展する可能性は大いにありますので、早期に弁護士に相談・依頼し、事件を穏便に解決できるよう動くことが重要です。
自転車事故やひき逃げ事件で対応にお困りの方は、交通事件も取り扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
刑事事件・少年事件を専門とする弁護士が行う無料法律相談・初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881までお電話ください。
実況見分の対応法【交通事故】
実況見分の対応法【交通事故】
交通事故の後になされる実況見分の対応法について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事例】
福岡県筑後市に住むAさんは、軽自動車を運転中、交差点を通過しようとしたところ、信号が赤であることに気づかずに交差点に進入したところ、Vさん運転のバイクと衝突。
Vさんは路上に転倒し、Vさんに加療約1か月間の怪我を負ってしまいました。
Aさんは大変なことをしてしまったと思い、車から降り、110番通報しました。
Aさんは現場に駆け付けた福岡県筑後警察署の警察官から「今から実況見分をするのでお時間いただけないか」と言われました。
免許を取り立てで、かつ、交通事故を起こしたのが初めてだったAさんは聞き慣れない言葉に驚きましたが、警察官から「事故状況を明らかにするために行います」と聞き、ひとまず安心しました。
~交通事故を起こしたら?~
まず、交通事故を起こしたら、必ず交通事故現場に留まって被害者の救護活動をし、かつ、警察に電話して事故状況等を報告しなければなりません。
これを怠ると「救護義務違反」「報告義務違反」として処罰の対象となります。
「救護義務違反」の罰則は、交通事故の原因が自分にある場合は「10年以下の懲役又は100万円以下の罰金」、自分に原因がない場合は「5年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。
~実況見分調書とは?~
皆さんも、テレビドラマなどで実況見分という言葉を聞かれたことはあるのではないでしょうか?
実況見分とは、事故や事件の現場を確認する捜査です。
交通事故の場合も、事故後に事故状況を明らかにするために行われます。
そして、実況見分の結果を書類にしたものが実況見分調書です。
実況見分調書は刑事事件、民事事件の両方で活用されます。
刑事事件では、
・起訴、不起訴の刑事処分を判断する
・裁判で有罪・無罪を判断する
ためなどに活用されます。
民事事件では、
・交通事故の加害者と被害者との間で過失割合(交通事故に対する責任の割合)を巡って争いが生じた場合に、事故状況を明らかにする
ためなどに活用されます。
交通事故の加害者、被害者は警察官から実況見分への立ち会いを求められます。
そして、交通事故では、加害者・被害者双方の立ち会いがあることが望ましいとされています。
これは、実況見分の信用性、公平性を担保するためです。
つまり、一方当事者が不在の実況見分では「警察官が立会人に肩入れしたのではないか?」との疑念を持たれかねないからです。
また、双方不在の実況見分では「警察官が勝手に作ったものではないか?」「ねつ造したものではないか?」との疑念を持たれかねないからです。
重症で事故直後の立ち会いが難しいという場合は、怪我の回復を待ってから実況見分への立ち会いを求められます。
実況見分への立ち会いを求められると、今度は、警察官から事故状況に関する聴き取りが始まります。
本件の赤信号の見落としの場合であれば、「信号表示を見落とした原因は何か」、「どの時点で被害者の車に気付いたか」「どの地点で衝突したか」などといったことを聞かれると思います。
そこで話した内容は裁判などで使われる可能性がありますので、適当なことは話さず記憶のまま話すようにしましょう。
~不安があれば弁護士にご相談を~
あなたやご家族が交通事故を起こしてしまった場合、実況見分で話した内容が不利に働くのではないか、今後どのような手続が進んでいくのか、どのくらいの刑罰を受けるのかなど、不安な点が多いと思います。
ぜひ一度、弁護士にご相談いただければと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずは0120-631-881までお電話ください。
無料法律相談、初回接見サービスの予約受付を24時間受け付けております。
持病を隠して交通事故
持病を隠して交通事故
持病を隠して事故を起こした場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
~今回のケース~
京都府に在住のAさん(50歳)は、観光バスの運転手として働いています。
Aさんは、「てんかん」の疑いがあると医師に診断されていましたが、職を失うのを恐れて、会社には報告せず、バスの運転を続けていました。
ある日、Aさんはバスで木津川市内を運転中、発作により意識を失ったためにバスを壁に激突させてしまいました。
その衝撃で乗客のVさん(65歳)は首などに重傷を負いました。
Aさんは危険運転致傷の疑いで、京都府木津警察署で取調べを受けることになりました。
(フィクションです)
~危険運転致傷罪~
今回のAさんのようなケースでは、危険運転致傷罪が成立する可能性があります。
条文を見てみましょう。
〇自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(自動車運転処罰法)
第3条2項
自動車の運転に支障を及ぼすおそれがある病気として政令で定めるものの影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、その病気の影響により正常な運転が困難な状況に陥り、人を死傷させた者も、前項と同様とする。
「自動車の運転に支障を及ぼすおそれがある病気」としては、総合失調症、認知症、てんかん等が挙げられます。(詳しくは警察庁のホームページ等に列記されています。)
上記のような病気の影響が生じるおそれがある状態で、人を負傷させた者は、「12年以下の懲役」、人を死亡させた者は「15年以下の懲役」が科せられます。
てんかんなどの持病を原因とする事故発生をあらかじめ予想できなかった場合には処罰されません。
しかしAさんはてんかんの疑いがあると診断されていました。
このような医師の診断や、過去の発作の経験などからすれば、事故を起こすことが予想可能だったと判断され、処罰されてしまう可能性が十分考えられるところです。
~刑事事件の手続きの流れ~
今回、Aさんは逮捕されていませんが、逮捕されないケースでは、最初に何度か警察の取調べや実況見分などがなされた後、今度は検察官の取調べを受けます。
一通り捜査が終わった段階で、検察官が、被疑者を刑事裁判にかけるか(起訴)、かけないか(不起訴)の判断をします。
検察官が、事故は予想できなかったとして不起訴とすれば、前科も付かずに刑事手続きが終了となります。
しかし、危険運転致傷罪は軽い犯罪ではないので、てんかんの病状などにもよりますが、逃亡や証拠隠滅のおそれがあるとして逮捕される可能性もあります。
逮捕された場合、最初に最大3日間、警察署等で身体拘束され、取調べ等の捜査を受けます。
そして逃亡や証拠隠滅のおそれがあるなどとして検察官が請求し、裁判官が許可すれば、さらに10日間、勾留(こうりゅう)と呼ばれる身体拘束がされる可能性があります。
この勾留期間はさらに10日間延長されることもあります。
勾留期間の最後に検察官が起訴・不起訴の判断をします。
~今回のケースにおける弁護活動~
Aさんは、取調べを受ける前に、一度弁護士に相談に行くことをおすすめします。
例えば前述の条文の「正常な運転に支障が生じるおそれがある状態」がどのような状態で、今回これに当てはまっているのかを判断するのは、難しいところがあります。
ケースによっては、事故を予想できなかったと主張していくことも考えられますが、予想できなかったと言える理由を的確に主張していくことは簡単ではありません。
また、自動車運転処罰法だけでなく、道路交通法などの法律も関わってくる交通事故は、経験と知識が豊富な弁護士に任せるのが一番です。
弁護士は、自分がどのような法律に違反することになりそうなのかや、今後の取調べをどのように受けるべきかなどの不安に対して的確なアドバイスをすることが可能です。
また、本人の代わりに、被害者の方との示談交渉を行うこともできます。
このようなメリットがあるため、もし交通事故を起こしてしまった場合は、1人で解決しようとせず、弁護士に依頼することをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では刑事事件に強い弁護士が無料法律相談、初回接見サービスをおこなっております。
無料法律相談や初回接見サービスの予約はフリーダイヤル0120-631-881にて24時間受け付けておりますので、ぜひお問い合わせください。
危険運転致傷罪で逮捕
危険運転致傷罪で逮捕
危険運転致傷罪で逮捕された事案を題材に、交通事件における弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
【事例】
警ら中のパトカーに追いかけられていたAは、これを振り切るため、赤信号の点灯していることを認識しながら交差点を直進したところ、Vさんが運転する車と衝突し、Vさんに怪我を負わせた。
大阪府高石警察署の警察官は、Aを危険運転致傷の疑いで逮捕した。
Aの家族は、交通事件に詳しい弁護士に相談することにした。
(本件は事実をもとにしたフィクションです)
~危険運転致死傷罪とその類型~
交通事故に関する刑事責任を規定する法律として「道路交通法」以外にも、「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」(以下、自動車運転死傷行為処罰法)があります。
これは、かつて刑法によって処罰されていた交通犯罪について、その重大性や悪質性に対応するため、刑罰を重くするなどして新たに平成25年11月に制定された法律です。
本件でAは、危険運転致傷罪で逮捕されていますが、自動車運転死傷行為処罰法のどの規定に反することによるものなのでしょうか。
同法2条は危険運転致死傷罪に該当する危険運転行為を複数定めています。
同条1号は飲酒・薬物摂取状態での運転、2号でスピード違反、3号で技術がない状態での運転、4号で妨害行為、5号で赤信号無視、6号で通行禁止道路進行の危険運転行為がそれぞれ定められています。
本件では、赤信号無視の危険運転行為が問題となることは明らかであり、5号に関して詳しく見ていくこととします。
自動車運転死傷行為処罰法2条
次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は15年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は1年以上の有期懲役に処する。
一~四(略)
五 赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
この条文にある通り、「赤信号」を「殊更に無視」して「重大な交通の危険を生じさせる速度」で運転し、事故を起こして他人にケガをさせると危険運転致死傷罪が成立します。
本件Aは、赤信号であることを認識しながら、パトカーを振り切るために、停止位置で停止することが十分可能であるにもかかわらず、これを無視して自車を直進させていると考えられることから、赤信号を「殊更に無視」したものといえます。
そして、「重大な交通の危険を生じさせる速度」とは、この文言だけ見ると、かなりの高速度が要求されているようにも読めますが、判例・実務では時速20~30キロでもこの要件に該当しうると解されています。
したがって、Aさんが交差点に進入した時にこの程度の速度だったとしても、Vさんに怪我を負わせた以上、危険運転致傷罪が成立する可能性があることに注意が必要です。
~危険運転致死傷事件における弁護活動~
一般に交通事件は、逮捕されることなく在宅事件として捜査されることが多い事件類型と考えられています。
また、仮に逮捕されてしまった場合でも、勾留されることなく釈放されるケースが目立ちます。
しかし、交通事件の中でも重い危険運転致死傷罪で逮捕された場合は、勾留されて身柄拘束期間が長くなる可能性が高くなります。
また、軽い事件では今回は大目に見てもらうという意味で、前科も付かずに手続きが終わる不起訴処分になることがありますが、危険運転致傷罪では起訴されて刑事裁判を受けることが多いです。
したがって刑事裁判を受けることを前提とした弁護活動が必要になってきます。
危険運転致死傷罪には罰金刑は法定されていないことから、執行猶予判決を得るための弁護活動を行っていくことが重要となってくるでしょう。
あなたやご家族が交通事故を起こしお困りの方は、ぜひ弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、危険運転致死傷事件などの交通事件を含む刑事事件専門の法律事務所です。
24時間対応のフリーダイヤル0120-631-881までご連絡ください。
【交通事故】過失運転致傷罪で略式裁判
【交通事故】過失運転致傷罪で略式裁判
過失運転致傷罪と略式裁判について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事例】
大阪府柏原市に住むAさんは、深夜午前1時頃、普通乗用自動車を運転して自宅に向かっていました。
その途中、うっかり止まれの標識を見落としてしまい、そのまま交差点に進入したところ、右側から交差点に進入してきたVさん運転の軽自動車と衝突し、Vさんに加療約1か月間を要する怪我を負わせました。
Aさんは当初、大阪府柏原警察署に過失運転致傷罪で逮捕・勾留され、略式起訴されて罰金50万円の略式命令を受けました。
(フィクションです。)
~過失運転致傷罪~
過失運転致傷罪は「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」の5条に規定されています。
第5条
自動車の運転上必要な注意義務を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。
つまり、過失運転致傷罪が成立した場合、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処される可能性があります。
「自動車の運転上必要な注意義務を怠った」とは、要は過失があることをいいます。
では、過失とは何かというと不注意な行為、つまり、ある注意義務が課されているにもかかわらず、その注意義務違反があったこと、をいいます。
今回の事例で言うとAさんは、信号を確認の上、それに従って運転すべき注意義務が課されていたのに、この注意義務に違反したことから過失があるといえます。
~略式起訴、略式裁判とそのメリットは?~
検察官が行う起訴には「正式起訴」と「略式起訴」の2種類があります。
「正式起訴」は、検察官が、裁判所に対し、皆さんもテレビドラマなどでよくみる公開の法廷で裁判(正式裁判)を開くことを求めるものに対し、「略式起訴」は、検察官が、裁判所に対し公開の法廷ではなく書面のみでの裁判(略式裁判)を求めるものです。
略式裁判は通常の裁判の手続きを省略するものであり、被告人(起訴された人)が主張や意見を述べる機会がありません。
そのため、検察官は略式起訴するにあたって、略式裁判にかけることに関し予め被疑者(起訴される前の人)から同意を得る必要があります。
仮に略式起訴され、裁判官により略式命令を発せられたとしても、その告知を受けた日の翌日から起算して14日間以内は正式裁判を受けたい旨の申し立てをすることができます。
逮捕から略式起訴、略式裁判、確定までの流れは以下のとおりです。
逮捕
↓
勾留
↓
捜査機関(警察、検察)による捜査
↓
検察官から略式起訴、裁判に関する説明を受け、同意を求められる(勾留期間満了の日のおおよそ2日前)
↓
略式起訴(勾留満了日のおおよそ1日前)
↓
略式裁判
↓
略式命令発布
↓
正式裁判申し立て期間経過
↓
確定
勾留中の場合は、勾留満了日1日から2日前に略式起訴されることが多く、略式起訴されたその日に略式命令が発布されます。
略式命令が発布されると、被告人は裁判所で略式命令謄本を受領し、受領した時点で釈放されます。
略式裁判を受けるメリットは、
・懲役刑を受けるおそれがない(略式命令では100万円以下の罰金又は科料の刑の命令しか出せない)
→将来、刑務所で服役するおそれがなくなる
・公開の法廷に出廷する必要がない
→裁判を他人の目に晒されることはない(事件を秘密にできる)
というメリットのほか、上記のように
・略式命令を受けた時点で釈放される
という点を上げることができます。
起訴前に釈放が困難な場合は略式起訴を目指すことも一つといえます。
弁護士は、最善の解決に向けてサポート致しますので宇、ぜひ一度ご相談いただければと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、交通事件を含む刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずは0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談、初回接見サービスを24時間体制で受け付けております。
無料相談や初回接見後のご報告では、事件の見通しや、刑事手続の説明の他、弁護士費用などについてご納得いただけるまでご説明させていただきます。
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信号無視で逮捕
信号無視で逮捕
信号無視で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事例】
東京都小平市に住むAさんは、深夜に自動車を運転して帰宅途中、交差点の信号が赤だったにも関わらず、
「深夜だし交差点を通過する車はいないだろう」
「早く家に帰ってゆっくりしたい」
などと思って、そのまま交差点に進入しました。
そうしたところ、右方から交差点に進入してきたVさん運転の自動車と衝突。
Vさん運転の自動車を電柱に衝突させ、Vさんに加療約1か月間を要する怪我を負わせました。
Aさんは駆け付けた警視庁小平警察署の警察官に現行犯逮捕されましたが、罪証隠滅や逃亡のおそれがないとして釈放されました。
その後、Aさんは在宅事件の被疑者として捜査を受け、正式起訴されてしまいました。
Aさんは今後のことが不安になって正式裁判の刑事弁護を私選弁護人に託すことにしました。
(フィクションです)
~ 過失運転致傷罪 ~
信号無視で人身事故を起こしたAさん。
「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」という法律に定められた、過失運転致傷罪や危険運転致傷罪に問われることになります。
まずは、過失運転致傷罪の条文を見てみましょう。
第5条
自動車の運転上必要な注意義務を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。
つまり、過失運転致傷罪が成立した場合、7年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金に処される可能性があります。
「自動車の運転上必要な注意義務を怠り」とは、要は「過失」があることをいいます。
「過失」とは何かというと「注意義務違反」、つまり、ある注意をする義務が課されているにもかかわらず、その注意義務を怠ったことをいいます。
本件では、Aさんが赤信号に従って交差点の停止線手前で停止すべきであるにも関わらず(注意義務)これを怠り停止しなかったこと、あるいは他の自動車が来ていないか確認し、衝突しないよう停止すべきであるにもかかわらず(注意義務)、これを怠り衝突させてしまったことなどが「注意義務違反=過失」と判断される可能性があります。
~ 危険運転致傷罪 ~
信号をわざと無視して事故を起こしたことから、より重い刑罰が定められた危険運転致傷罪に問われる可能性もあります。
第2条
次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する。
5号 赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
Aさんは赤信号だとわかっていながら交差点に進入したわけですので、「赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視」したと言えるでしょう。
したがって進入時のスピードが、交差点の見通しの悪さの程度や交通量なども考慮して、「重大な交通の危険を生じさせる速度」といえるものだった場合には、危険運転致傷罪が成立し、15年以下の懲役となる可能性があります。
~ 正式起訴、正式裁判 ~
正式起訴とは、正式裁判を受けるための起訴です。
正式裁判とは、実際に公開の法廷に出廷しなければならない裁判です。
これに対し略式起訴・略式裁判というものもあり、書面の審理のみで罰金刑にするもので、公開の法廷に出廷する必要はありません。
交通事故の大半が略式起訴、略式裁判で終わることが多いですが、本件のように、
・過失が重たい事故(責任が重たい事故)
・被害者の怪我の程度が重たい事故
などは正式起訴され、正式裁判を受けなければならないおそれがあります。
正式起訴されると、弁護人を自費で雇う私選弁護人にするか、どの弁護士にするかは選べませんが国の費用で付けられる国選弁護人にするかの判断に迫られます。
お困りの方はまず弊所の無料法律相談や、釈放されていない場合に利用できる初回接見サービスをご利用の上、どちらを選択すべきか決められてもよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、交通事件を含む刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
刑事事件・少年事件でお困りの方は、弊所までお気軽にご相談ください。
過失運転致傷事件で起訴猶予処分を目指す
過失運転致傷事件で起訴猶予処分を目指す
今回は、人身事故を起こし、過失運転致傷の疑いで捜査されている場合の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
~ケース~
Aさんは、福岡県北九州市内を自動車で運転し、交差点を左折しようとしたところ、横断歩道上の歩行者Vに気付かず、進行を続けてしまいました。
VさんはあわててAさんの自動車を回避したのですが、前に転倒してしまい、手のひらと膝に擦過傷(すり傷)を負ってしまいました。
Aさんは救急車と警察を呼び、事故を報告し、Vさんを適切に救護しました。
Vさんはそれほど事故については怒っていないようです。
ただ、駆け付けた福岡県八幡東警察署の警察官からは、「一応、過失運転致傷の疑いで調べなければならない」と言われ、不安に感じています。
そこで、Aさんは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に相談することにしました。
(フィクションです)
~過失運転致傷罪とは?~
自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第5条によれば、「自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる」とされています。
自動車の運転上必要な注意を怠り、人を傷害した場合に過失運転致傷罪が、人を死亡させた場合に過失運転致死罪が成立します。
両者をあわせて過失運転致死傷罪と呼ぶこともあります。
【Aさんの注意義務は?】
自動車の運転上必要な注意を怠ると、過失運転致死傷罪が成立する可能性があるわけです。
では、Aさんがすべきだった「自動車の運転上必要な注意」とは、具体的にはどのような内容だったのでしょうか。
道路交通法第38条1項後段によると、横断歩道又は自転車横断帯の直前に接近する場合において、横断歩道等により進路の前方を横断し、又は横断しようとしている歩行者等があるときは、当該横断歩道等の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければなりません。
したがってAさんには、自動車で交差点を左折する場合において、横断歩道を横断する歩行者の有無を確認し、歩行者がいれば横断歩道の直前で一時停止して、歩行者の通行を妨げないようにする注意義務があったと考えられます。
Aさんは横断歩道上のVさんに気付かずに、一時停止することなく横断歩道に入っているので、「自動車の運転上必要な注意」を怠ったことになります。
その結果、Vさんが転倒し、傷害を負わせてしまったものと考えられます。
以上によれば、Aさんに過失運転致傷罪が成立する可能性は高いと考えられます。
~起訴猶予処分の獲得を目指す~
人身事故が刑事事件化してしまったからといって、必ず起訴される(刑事裁判にかけられる)わけではありません。
Aさんを起訴するか否かを決定するのは検察官です。
検察官は、Aさんの性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況を考慮し、不起訴処分(起訴猶予処分)を行うことができます(刑事訴訟法第248条)。
不起訴処分を獲得できれば、裁判にかけられることがないので、懲役刑や罰金刑を受けることもなく、前科も付かずに終わります。
ケースの事件は軽微な過失運転致傷事件であり、Vさんの処罰感情もほとんどなく、自動車保険などでVに生じさせた損害を賠償することにより、不起訴処分を獲得できる可能性が十分にあります。
ただ、Vさんとの示談交渉で問題が発生したり、かえってVを怒らせてしまうなどのリスクは依然として存在します。
そこで、法律の専門家であり、交渉のプロである弁護士をAさんとVさんとの間に入れることにより、上記のリスクを低減させることができます。
過失運転致傷事件を、前科を付けずに解決するために、弁護士を依頼することをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
無料法律相談を受付しておりますので、過失運転致傷事件を起こしてしまいお困りの方は、ぜひご相談ください。
飲酒運転で人身事故
飲酒運転で人身事故
飲酒運転で人身事故を起こした場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事例】
京都府京都市にある勤務先まで自動車で通勤しているAさんは、会社近くで開かれた新年会でお酒を飲んだにも関わらず、帰宅するため自ら車を運転しました。
Aさんは、同市東山区内の交差点で、信号待ちのため停車していたVさん運転の車に後方から追突する交通事故を起こし、Vさんに加療約1週間を要する怪我を負わせてしまいました。
Aさんは通報で駆け付けた京都府東山警察署の警察官に道路交通法違反(酒気帯び運転)及び過失運転致傷罪の容疑で現行犯逮捕されてしまいました。
逮捕の知らせを受けたAさんの家族は早期釈放のため、弁護士にAさんとの接見を依頼しました。
(フィクションです)
~ 酒気帯び運転の罪 ~
Aさんは酒気帯び運転の罪で逮捕されました。
酒気帯び運転の罪に関する規定は,道路交通法および同法施行令に規定されています。
第65条1項
何人も,酒気を帯びて車両等を運転してはならない。
第117条の2の2
次の各号のいずれかに該当する者は,3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
第3号 第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等(軽車両を除く)を運転した者で,その運転した場合いおいて身体に政令で定める程度以上に アルコールを保有する状態にあったもの
同法施行令44条の3
法第117条の2の2第3号の政令で定める身体に保有するアルコールの程度は,血液1ミリリットルにつき0.3ミリグラム又は呼気1リットルにつき0.15ミリグラムとする。
つまり,酒気帯び運転とは,血液1ミリリットルにつき0.3mg又は呼気1リットルにつき0.15mg以上アルコールを保有する状態で車両等(自転車等の軽車両を除く)を運転することをいいます。
そして,酒気帯び運転の罪では,3年以下の懲役又は50万円以下の罰金を科されるおそれがあります。
なお、酒気帯び運転に似ている運転として酒酔い運転というのも道路交通法に規定されています。
第117条の2 次の各号のいずれかに該当する者は,5年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
第1項 第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等を運転した者で,その運転した場合において酒に酔った状態(アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態をいう。)にあったもの
酒気帯び運転の罪は「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」であるのに対し,酒酔い運転の罪は、より重い「5年以下の懲役又は100万円以下の罰金」です。
酒酔い運転は,酒気帯び運転よりも一般的に強く酔った状態なので、重い刑罰が定められているのです。
ただし、酒気帯び運転と違い,酒酔い運転の罪の場合,「酒に酔った状態(アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態)」とだけ記載されており、具体的なアルコールの数値までは定められていません。
平均的な酒の強さの人であれば酒気帯び運転にしかならない,あるいは酒気帯び運転にすらならないアルコールの数値であっても,酒に弱い人であれば,刑罰の重い酒酔い運転に該当してしまう可能性もあるので注意が必要です。
~ 過失運転致傷罪と本件の量刑 ~
また、Aさんは過失運転致傷罪でも逮捕されています。
過失運転致傷罪は、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(以下、「自動車運転死傷行為処罰法」と言います。)5条に規定されています。
自動車運転致死傷行為処罰法5条
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。
人を死傷させた場合には、酒気帯び運転や酒酔い運転の罪とは別途、過失運転致傷罪にも問われることになるわけです。
また、さらにひどく酔って運転し人身事故を起こしたケースでは、危険運転致死傷罪に問われる可能性もあります。
近年は飲酒運転やそれに関する交通事故では量刑(判決で下される刑罰の重さ)が非常に厳しくなる傾向にあります。
今後どうのような展開になってしまうのか、ご不安が大きいと思いますので、ぜひ弁護士にご相談いただければと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,酒気帯び運転などの交通違反をはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
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