Archive for the ‘交通事故(人身事故)’ Category
危険運転致傷罪で逮捕
危険運転致傷罪で逮捕
危険運転致傷罪で逮捕された事案を題材に、交通事件における弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
【事例】
警ら中のパトカーに追いかけられていたAは、これを振り切るため、赤信号の点灯していることを認識しながら交差点を直進したところ、Vさんが運転する車と衝突し、Vさんに怪我を負わせた。
大阪府高石警察署の警察官は、Aを危険運転致傷の疑いで逮捕した。
Aの家族は、交通事件に詳しい弁護士に相談することにした。
(本件は事実をもとにしたフィクションです)
~危険運転致死傷罪とその類型~
交通事故に関する刑事責任を規定する法律として「道路交通法」以外にも、「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」(以下、自動車運転死傷行為処罰法)があります。
これは、かつて刑法によって処罰されていた交通犯罪について、その重大性や悪質性に対応するため、刑罰を重くするなどして新たに平成25年11月に制定された法律です。
本件でAは、危険運転致傷罪で逮捕されていますが、自動車運転死傷行為処罰法のどの規定に反することによるものなのでしょうか。
同法2条は危険運転致死傷罪に該当する危険運転行為を複数定めています。
同条1号は飲酒・薬物摂取状態での運転、2号でスピード違反、3号で技術がない状態での運転、4号で妨害行為、5号で赤信号無視、6号で通行禁止道路進行の危険運転行為がそれぞれ定められています。
本件では、赤信号無視の危険運転行為が問題となることは明らかであり、5号に関して詳しく見ていくこととします。
自動車運転死傷行為処罰法2条
次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は15年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は1年以上の有期懲役に処する。
一~四(略)
五 赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
この条文にある通り、「赤信号」を「殊更に無視」して「重大な交通の危険を生じさせる速度」で運転し、事故を起こして他人にケガをさせると危険運転致死傷罪が成立します。
本件Aは、赤信号であることを認識しながら、パトカーを振り切るために、停止位置で停止することが十分可能であるにもかかわらず、これを無視して自車を直進させていると考えられることから、赤信号を「殊更に無視」したものといえます。
そして、「重大な交通の危険を生じさせる速度」とは、この文言だけ見ると、かなりの高速度が要求されているようにも読めますが、判例・実務では時速20~30キロでもこの要件に該当しうると解されています。
したがって、Aさんが交差点に進入した時にこの程度の速度だったとしても、Vさんに怪我を負わせた以上、危険運転致傷罪が成立する可能性があることに注意が必要です。
~危険運転致死傷事件における弁護活動~
一般に交通事件は、逮捕されることなく在宅事件として捜査されることが多い事件類型と考えられています。
また、仮に逮捕されてしまった場合でも、勾留されることなく釈放されるケースが目立ちます。
しかし、交通事件の中でも重い危険運転致死傷罪で逮捕された場合は、勾留されて身柄拘束期間が長くなる可能性が高くなります。
また、軽い事件では今回は大目に見てもらうという意味で、前科も付かずに手続きが終わる不起訴処分になることがありますが、危険運転致傷罪では起訴されて刑事裁判を受けることが多いです。
したがって刑事裁判を受けることを前提とした弁護活動が必要になってきます。
危険運転致死傷罪には罰金刑は法定されていないことから、執行猶予判決を得るための弁護活動を行っていくことが重要となってくるでしょう。
あなたやご家族が交通事故を起こしお困りの方は、ぜひ弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、危険運転致死傷事件などの交通事件を含む刑事事件専門の法律事務所です。
24時間対応のフリーダイヤル0120-631-881までご連絡ください。
【交通事故】過失運転致傷罪で略式裁判
【交通事故】過失運転致傷罪で略式裁判
過失運転致傷罪と略式裁判について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事例】
大阪府柏原市に住むAさんは、深夜午前1時頃、普通乗用自動車を運転して自宅に向かっていました。
その途中、うっかり止まれの標識を見落としてしまい、そのまま交差点に進入したところ、右側から交差点に進入してきたVさん運転の軽自動車と衝突し、Vさんに加療約1か月間を要する怪我を負わせました。
Aさんは当初、大阪府柏原警察署に過失運転致傷罪で逮捕・勾留され、略式起訴されて罰金50万円の略式命令を受けました。
(フィクションです。)
~過失運転致傷罪~
過失運転致傷罪は「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」の5条に規定されています。
第5条
自動車の運転上必要な注意義務を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。
つまり、過失運転致傷罪が成立した場合、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処される可能性があります。
「自動車の運転上必要な注意義務を怠った」とは、要は過失があることをいいます。
では、過失とは何かというと不注意な行為、つまり、ある注意義務が課されているにもかかわらず、その注意義務違反があったこと、をいいます。
今回の事例で言うとAさんは、信号を確認の上、それに従って運転すべき注意義務が課されていたのに、この注意義務に違反したことから過失があるといえます。
~略式起訴、略式裁判とそのメリットは?~
検察官が行う起訴には「正式起訴」と「略式起訴」の2種類があります。
「正式起訴」は、検察官が、裁判所に対し、皆さんもテレビドラマなどでよくみる公開の法廷で裁判(正式裁判)を開くことを求めるものに対し、「略式起訴」は、検察官が、裁判所に対し公開の法廷ではなく書面のみでの裁判(略式裁判)を求めるものです。
略式裁判は通常の裁判の手続きを省略するものであり、被告人(起訴された人)が主張や意見を述べる機会がありません。
そのため、検察官は略式起訴するにあたって、略式裁判にかけることに関し予め被疑者(起訴される前の人)から同意を得る必要があります。
仮に略式起訴され、裁判官により略式命令を発せられたとしても、その告知を受けた日の翌日から起算して14日間以内は正式裁判を受けたい旨の申し立てをすることができます。
逮捕から略式起訴、略式裁判、確定までの流れは以下のとおりです。
逮捕
↓
勾留
↓
捜査機関(警察、検察)による捜査
↓
検察官から略式起訴、裁判に関する説明を受け、同意を求められる(勾留期間満了の日のおおよそ2日前)
↓
略式起訴(勾留満了日のおおよそ1日前)
↓
略式裁判
↓
略式命令発布
↓
正式裁判申し立て期間経過
↓
確定
勾留中の場合は、勾留満了日1日から2日前に略式起訴されることが多く、略式起訴されたその日に略式命令が発布されます。
略式命令が発布されると、被告人は裁判所で略式命令謄本を受領し、受領した時点で釈放されます。
略式裁判を受けるメリットは、
・懲役刑を受けるおそれがない(略式命令では100万円以下の罰金又は科料の刑の命令しか出せない)
→将来、刑務所で服役するおそれがなくなる
・公開の法廷に出廷する必要がない
→裁判を他人の目に晒されることはない(事件を秘密にできる)
というメリットのほか、上記のように
・略式命令を受けた時点で釈放される
という点を上げることができます。
起訴前に釈放が困難な場合は略式起訴を目指すことも一つといえます。
弁護士は、最善の解決に向けてサポート致しますので宇、ぜひ一度ご相談いただければと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、交通事件を含む刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずは0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談、初回接見サービスを24時間体制で受け付けております。
無料相談や初回接見後のご報告では、事件の見通しや、刑事手続の説明の他、弁護士費用などについてご納得いただけるまでご説明させていただきます。
★無料法律相談のご案内はこちら→無料法律相談のご案内
★初回接見のご案内はこちら→初回接見のご案内
★弁護士費用のご案内はこちら→弁護士費用のご案内
信号無視で逮捕
信号無視で逮捕
信号無視で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事例】
東京都小平市に住むAさんは、深夜に自動車を運転して帰宅途中、交差点の信号が赤だったにも関わらず、
「深夜だし交差点を通過する車はいないだろう」
「早く家に帰ってゆっくりしたい」
などと思って、そのまま交差点に進入しました。
そうしたところ、右方から交差点に進入してきたVさん運転の自動車と衝突。
Vさん運転の自動車を電柱に衝突させ、Vさんに加療約1か月間を要する怪我を負わせました。
Aさんは駆け付けた警視庁小平警察署の警察官に現行犯逮捕されましたが、罪証隠滅や逃亡のおそれがないとして釈放されました。
その後、Aさんは在宅事件の被疑者として捜査を受け、正式起訴されてしまいました。
Aさんは今後のことが不安になって正式裁判の刑事弁護を私選弁護人に託すことにしました。
(フィクションです)
~ 過失運転致傷罪 ~
信号無視で人身事故を起こしたAさん。
「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」という法律に定められた、過失運転致傷罪や危険運転致傷罪に問われることになります。
まずは、過失運転致傷罪の条文を見てみましょう。
第5条
自動車の運転上必要な注意義務を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。
つまり、過失運転致傷罪が成立した場合、7年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金に処される可能性があります。
「自動車の運転上必要な注意義務を怠り」とは、要は「過失」があることをいいます。
「過失」とは何かというと「注意義務違反」、つまり、ある注意をする義務が課されているにもかかわらず、その注意義務を怠ったことをいいます。
本件では、Aさんが赤信号に従って交差点の停止線手前で停止すべきであるにも関わらず(注意義務)これを怠り停止しなかったこと、あるいは他の自動車が来ていないか確認し、衝突しないよう停止すべきであるにもかかわらず(注意義務)、これを怠り衝突させてしまったことなどが「注意義務違反=過失」と判断される可能性があります。
~ 危険運転致傷罪 ~
信号をわざと無視して事故を起こしたことから、より重い刑罰が定められた危険運転致傷罪に問われる可能性もあります。
第2条
次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する。
5号 赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
Aさんは赤信号だとわかっていながら交差点に進入したわけですので、「赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視」したと言えるでしょう。
したがって進入時のスピードが、交差点の見通しの悪さの程度や交通量なども考慮して、「重大な交通の危険を生じさせる速度」といえるものだった場合には、危険運転致傷罪が成立し、15年以下の懲役となる可能性があります。
~ 正式起訴、正式裁判 ~
正式起訴とは、正式裁判を受けるための起訴です。
正式裁判とは、実際に公開の法廷に出廷しなければならない裁判です。
これに対し略式起訴・略式裁判というものもあり、書面の審理のみで罰金刑にするもので、公開の法廷に出廷する必要はありません。
交通事故の大半が略式起訴、略式裁判で終わることが多いですが、本件のように、
・過失が重たい事故(責任が重たい事故)
・被害者の怪我の程度が重たい事故
などは正式起訴され、正式裁判を受けなければならないおそれがあります。
正式起訴されると、弁護人を自費で雇う私選弁護人にするか、どの弁護士にするかは選べませんが国の費用で付けられる国選弁護人にするかの判断に迫られます。
お困りの方はまず弊所の無料法律相談や、釈放されていない場合に利用できる初回接見サービスをご利用の上、どちらを選択すべきか決められてもよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、交通事件を含む刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
刑事事件・少年事件でお困りの方は、弊所までお気軽にご相談ください。
過失運転致傷事件で起訴猶予処分を目指す
過失運転致傷事件で起訴猶予処分を目指す
今回は、人身事故を起こし、過失運転致傷の疑いで捜査されている場合の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
~ケース~
Aさんは、福岡県北九州市内を自動車で運転し、交差点を左折しようとしたところ、横断歩道上の歩行者Vに気付かず、進行を続けてしまいました。
VさんはあわててAさんの自動車を回避したのですが、前に転倒してしまい、手のひらと膝に擦過傷(すり傷)を負ってしまいました。
Aさんは救急車と警察を呼び、事故を報告し、Vさんを適切に救護しました。
Vさんはそれほど事故については怒っていないようです。
ただ、駆け付けた福岡県八幡東警察署の警察官からは、「一応、過失運転致傷の疑いで調べなければならない」と言われ、不安に感じています。
そこで、Aさんは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に相談することにしました。
(フィクションです)
~過失運転致傷罪とは?~
自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第5条によれば、「自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる」とされています。
自動車の運転上必要な注意を怠り、人を傷害した場合に過失運転致傷罪が、人を死亡させた場合に過失運転致死罪が成立します。
両者をあわせて過失運転致死傷罪と呼ぶこともあります。
【Aさんの注意義務は?】
自動車の運転上必要な注意を怠ると、過失運転致死傷罪が成立する可能性があるわけです。
では、Aさんがすべきだった「自動車の運転上必要な注意」とは、具体的にはどのような内容だったのでしょうか。
道路交通法第38条1項後段によると、横断歩道又は自転車横断帯の直前に接近する場合において、横断歩道等により進路の前方を横断し、又は横断しようとしている歩行者等があるときは、当該横断歩道等の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければなりません。
したがってAさんには、自動車で交差点を左折する場合において、横断歩道を横断する歩行者の有無を確認し、歩行者がいれば横断歩道の直前で一時停止して、歩行者の通行を妨げないようにする注意義務があったと考えられます。
Aさんは横断歩道上のVさんに気付かずに、一時停止することなく横断歩道に入っているので、「自動車の運転上必要な注意」を怠ったことになります。
その結果、Vさんが転倒し、傷害を負わせてしまったものと考えられます。
以上によれば、Aさんに過失運転致傷罪が成立する可能性は高いと考えられます。
~起訴猶予処分の獲得を目指す~
人身事故が刑事事件化してしまったからといって、必ず起訴される(刑事裁判にかけられる)わけではありません。
Aさんを起訴するか否かを決定するのは検察官です。
検察官は、Aさんの性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況を考慮し、不起訴処分(起訴猶予処分)を行うことができます(刑事訴訟法第248条)。
不起訴処分を獲得できれば、裁判にかけられることがないので、懲役刑や罰金刑を受けることもなく、前科も付かずに終わります。
ケースの事件は軽微な過失運転致傷事件であり、Vさんの処罰感情もほとんどなく、自動車保険などでVに生じさせた損害を賠償することにより、不起訴処分を獲得できる可能性が十分にあります。
ただ、Vさんとの示談交渉で問題が発生したり、かえってVを怒らせてしまうなどのリスクは依然として存在します。
そこで、法律の専門家であり、交渉のプロである弁護士をAさんとVさんとの間に入れることにより、上記のリスクを低減させることができます。
過失運転致傷事件を、前科を付けずに解決するために、弁護士を依頼することをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
無料法律相談を受付しておりますので、過失運転致傷事件を起こしてしまいお困りの方は、ぜひご相談ください。
飲酒運転で人身事故
飲酒運転で人身事故
飲酒運転で人身事故を起こした場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事例】
京都府京都市にある勤務先まで自動車で通勤しているAさんは、会社近くで開かれた新年会でお酒を飲んだにも関わらず、帰宅するため自ら車を運転しました。
Aさんは、同市東山区内の交差点で、信号待ちのため停車していたVさん運転の車に後方から追突する交通事故を起こし、Vさんに加療約1週間を要する怪我を負わせてしまいました。
Aさんは通報で駆け付けた京都府東山警察署の警察官に道路交通法違反(酒気帯び運転)及び過失運転致傷罪の容疑で現行犯逮捕されてしまいました。
逮捕の知らせを受けたAさんの家族は早期釈放のため、弁護士にAさんとの接見を依頼しました。
(フィクションです)
~ 酒気帯び運転の罪 ~
Aさんは酒気帯び運転の罪で逮捕されました。
酒気帯び運転の罪に関する規定は,道路交通法および同法施行令に規定されています。
第65条1項
何人も,酒気を帯びて車両等を運転してはならない。
第117条の2の2
次の各号のいずれかに該当する者は,3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
第3号 第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等(軽車両を除く)を運転した者で,その運転した場合いおいて身体に政令で定める程度以上に アルコールを保有する状態にあったもの
同法施行令44条の3
法第117条の2の2第3号の政令で定める身体に保有するアルコールの程度は,血液1ミリリットルにつき0.3ミリグラム又は呼気1リットルにつき0.15ミリグラムとする。
つまり,酒気帯び運転とは,血液1ミリリットルにつき0.3mg又は呼気1リットルにつき0.15mg以上アルコールを保有する状態で車両等(自転車等の軽車両を除く)を運転することをいいます。
そして,酒気帯び運転の罪では,3年以下の懲役又は50万円以下の罰金を科されるおそれがあります。
なお、酒気帯び運転に似ている運転として酒酔い運転というのも道路交通法に規定されています。
第117条の2 次の各号のいずれかに該当する者は,5年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
第1項 第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等を運転した者で,その運転した場合において酒に酔った状態(アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態をいう。)にあったもの
酒気帯び運転の罪は「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」であるのに対し,酒酔い運転の罪は、より重い「5年以下の懲役又は100万円以下の罰金」です。
酒酔い運転は,酒気帯び運転よりも一般的に強く酔った状態なので、重い刑罰が定められているのです。
ただし、酒気帯び運転と違い,酒酔い運転の罪の場合,「酒に酔った状態(アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態)」とだけ記載されており、具体的なアルコールの数値までは定められていません。
平均的な酒の強さの人であれば酒気帯び運転にしかならない,あるいは酒気帯び運転にすらならないアルコールの数値であっても,酒に弱い人であれば,刑罰の重い酒酔い運転に該当してしまう可能性もあるので注意が必要です。
~ 過失運転致傷罪と本件の量刑 ~
また、Aさんは過失運転致傷罪でも逮捕されています。
過失運転致傷罪は、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(以下、「自動車運転死傷行為処罰法」と言います。)5条に規定されています。
自動車運転致死傷行為処罰法5条
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。
人を死傷させた場合には、酒気帯び運転や酒酔い運転の罪とは別途、過失運転致傷罪にも問われることになるわけです。
また、さらにひどく酔って運転し人身事故を起こしたケースでは、危険運転致死傷罪に問われる可能性もあります。
近年は飲酒運転やそれに関する交通事故では量刑(判決で下される刑罰の重さ)が非常に厳しくなる傾向にあります。
今後どうのような展開になってしまうのか、ご不安が大きいと思いますので、ぜひ弁護士にご相談いただければと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,酒気帯び運転などの交通違反をはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
あなたやご家族が交通事故などを起こしてお困りの方は,まずは
0120-631-881
までお電話ください。
無料法律相談,初回接見サービスを24時間体制で受け付けております。
高速道路でのスピード違反で人身事故
高速道路でのスピード違反で人身事故
今回は、スピード違反で危険運転致死傷罪に問われた事件の弁護活動につき、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
~ケース~
Aさんは大阪府和泉市内の、制限速度が時速80キロメートルの高速道路において、自動車を時速200キロメートルで走行させていたところ、左カーブを曲がり切れず、対向車線に飛び出してしまいました。
さらに、対向車線を走っていた車の右横部分に衝突してしまい、衝突した車に乗っていたVさんら5名のうち3名が死亡、2名が重傷を負いました。
Aさんも重傷を負い、病院に搬送されました。
大阪府和泉警察署は、Aさんの回復を待って、危険運転致死傷罪の疑いで逮捕する方針です。(フィクションです)
~Aさんに成立する「危険運転致死傷罪」とは?~
制限速度を120キロもオーバーするスピード違反をして事故を起こしたAさん。
危険運転致死傷罪に問われる可能性が高いです。
自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第2条2号は、「その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為」を行い、「人を負傷させた者」を15年以下の懲役に処し、「人を死亡させた者」を1年以上の有期懲役(上限は余罪がなければ20年)に処するとしています。
上記の運転を行うことによって、被害者に傷害を負わせた場合が危険運転致傷罪、被害者を死亡させた場合が危険運転致死罪、両方を合わせて危険運転致死傷罪といいます。
時速80キロメートル制限の高速道路において、時速200キロメートルで走行すると、正しくハンドルを操作してカーブを曲がることが著しく困難になることは明らかです。
これにより対向車線に飛び出してVらの乗車する車に衝突し、同人らを死傷させてしまったAさんに危険運転致死傷罪が成立する可能性は極めて高いと思われます。
~Aさんが逮捕されていないのはなぜか~
犯罪をしたと疑われている人(被疑者)を逮捕するためには、「逮捕の必要性(罪証隠滅、逃亡のおそれ)」が必要です。
明らかに逮捕の必要性がないのに、被疑者を逮捕することは違法です。
Aさんはケースの事故で重傷を負っているため、逃亡したり、証拠を隠したりするなどのおそれがないと判断されたものと思われます。
また、逮捕・勾留する場合においては、被疑者を拘束できる時間に限りがあります(捜査段階で最長23日間)。
Aさんが取調べに応じられない状態であるのに逮捕したところで、必要な事情を聞きだすことができまないまま、タイムリミットが来てしまう可能性があります。
治療の必要性から、退院させて留置場に入れることができないといった事情も考えられますので、Aさんを事故直後の段階で逮捕しなかったのは、妥当であると考えられます。
~逮捕後はどうなるか?~
Aさんが取調べや留置場での生活に耐えられる状態まで回復した後、逮捕される可能性があるでしょう。
逮捕・勾留されると、先述の通り、捜査段階で最長23日間、身体拘束をされます。
このうち、最初の3日間を逮捕期間、その後の20日間を勾留期間と呼びます。
ケースの事件は、捜査上のミスや、事実認定に用いる証拠に問題がない限り、実刑判決となる可能性が高いでしょう。
さらに、危険運転致死罪は裁判員裁判の対象事件となります。
さらに、裁判員がいることによる心理的な負担もあります。
このような手続に対応するには、弁護士のサポートを受けることが大切です。
~裁判に向けた対応~
今回のケースでは、被害者が多く、120キロもオーバーしていたという悪質性もあるので、かなり長期間の懲役刑を言い渡されることも想定されます。
まずは、事件を起こしてしまったことを真摯に反省しなければなりません。
また、Vさんらの遺族に謝罪し、生じさせた損害を賠償する必要もあります。
Aさんがきちんと任意保険にも入っていれば、保険により上記の損害を賠償できる場合があります。
Aさんが「真摯な反省」をしているかどうかを判断するために、捜査時の供述が考慮される場合もあります。
捜査段階で被害者を侮辱したり、自身の行為を正当化するような供述をしていると、裁判で反省の弁を述べても、信用されなくなるかもしれません。
自ら反省文を作成しておくといった対応も重要となるかもしれません。
捜査段階でAさんが行わなければならないことはたくさんあります。
弁護士のサポートを受けながら、事件解決を目指していきましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
あなたやご家族が交通事故を起こしてしまった場合は、ぜひ無料法律相談・出張法律相談や初回接見サービスをご利用ください。
ながら運転で人身事故
ながら運転で人身事故
ながら運転で人身事故を起こした場合ついて弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
~今回のケース~
大阪市在住のAさん(30歳)は、いつも車で会社に通勤しています。
ある日、Aさんは運転中にスマホゲームをしていたために、横断歩道を渡っているVさん(50歳)に気付かず、人身事故を起こしてしまいました。
Vさんは足の骨を折るなどの怪我を負いました。
Aさんは後日、大阪府阿倍野警察署に取調べを受けに来るようにとの連絡を受けました。
Aさんは今後どうなってしまうのか心配になり、取調べ前に交通事故に強い弁護士に相談することにしました。
~道路交通法違反~
ながら運転をした場合、以下のように道路交通法や自動車運転死傷行為処罰法に違反することになるでしょう。
まず、道路交通法の第71条5の5では、当該自動車等が停止しているときを除き、スマートフォンなどの携帯電話の使用やカーナビを注視することを禁止しています。
(傷病者の救護や公共の安全の維持のためなど緊急やむを得ない場合を除くとされています)
いわゆる「ながら運転」が禁止されているわけです。
さらに道路交通法が改正され、2019年12月1日よりながら運転が厳罰化されたので注意が必要です。
・交通の危険は生じていないが、通話をしたり画面に注視していた場合
改正前は「5万円以下の罰金」でしたが、改正後は「6月以下の懲役又は10万円以下の罰金」と厳罰化されています。
・交通の危険が生じた場合
ながら運転により実際に交通事故を起こすなど交通の危険を生じさせた場合には、改正前は「3月以下の懲役又は5万円以下の罰金」でしたが、改正後は「1年以下の懲役または30万円以下の罰金」に厳罰化されています。
また、違反点数も高くなっており、一発で免許停止の処分が下されます。
~自動車運転死傷行為処罰法違反にも~
さらに、ながら運転によって、物損だけでなく相手にケガをさせたり死亡させる人身事故を起こした場合には、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律の過失運転致死傷罪が成立する可能性があります。
第5条(過失運転致死傷罪)
「自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる」
相手が死亡したか、あるいはどのくらいのケガをしたか、携帯電話をどのように操作していたかなどによりますが、ながら運転で人身事故を起こすと、長期間の懲役刑に服さなければならなくなる可能性もありますので注意が必要です。
~弁護士の対応~
交通事故を起こしてしまった方は、一度、交通事故に強い弁護士に相談することをおすすめします。
一般人の方では、どの法律に該当するかを判断することは極めて困難です。
弁護士は、このような交通事故への経験と知識が豊富なため、事件の状況を整理し、道路交通法の「交通の危険」が生じたのか、あるいは携帯電話を使用できる「緊急やむをえない場合」にあたらないか、などを判断することが可能です。
また、いち早く弁護士に依頼することで、被害者の方との示談交渉を迅速に進めることができます。
示談が成立すれば、検察官が不起訴処分などの軽い処分を下すように促すことができます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では刑事事件に強い弁護士が無料法律相談や初回接見サービスをおこなっております。
無料法律相談や初回接見サービスのご予約はフリーダイヤル0120-631-881にて24時間受け付けておりますので、交通事件など刑事事件でお困りの方はお気軽にお問い合わせください。
無免許運転で前方の車に追突
無免許運転で前方の車に追突
無免許運転での交通事故について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~今回のケース~
埼玉県戸田市に在住のAさん(30歳)は長年、無免許のまま軽乗用車を運転していました。
ある日戸田市内で、Aさんは前方不注意のために、自分の前を走っていたVさん(25歳)の車に後ろから追突してしまいました。
Vさんは、全身むち打ちになるなどの全治5か月の怪我を負ってしまいました。
Aさんは、無免許過失運転致傷罪の疑いで埼玉県蕨警察署の警察官に逮捕されてしまいました。
(フィクションです)
~問題となる条文~
今回、問題となる条文をひとつずつ確認していきます。
〇道路交通法 第64条1項 無免許運転等の禁止
「何人も、~公安委員会の運転免許を受けないで~、自動車又は原動機付自転車を運転してはいけない」
無免許運転は道路交通法で禁止されており、これに違反し、起訴されて有罪判決が確定すると、「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」が科せられます。
事故を起こしていなくても罰せられる可能性があるわけです。
上記の刑事罰に加え、免許の取消や欠格期間(免許の再取得を禁止する期間)の決定といった行政処分が下されることになります。
〇自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律
第5条 過失運転致死傷罪
「自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる」
アルコールや薬物の影響を強く受けた状態での運転や、制御困難な高速度での運転といった同法第2条(危険運転致死傷罪)に該当するような行為ではなく、単なる不注意によって人を死傷させた場合は、過失運転致死傷罪にあたる可能性が極めて高いです。
今回のケースでは、Aさんは前方不注意によってVさんの車に衝突し、Vさんは怪我を負ったので、Aさんには過失運転致傷罪が適用されるでしょう。
〇同法 第6条4項 無免許運転による加重
「前条の罪を犯した者が、その罪を犯した時に無免許運転をしたものであるときは、10年以下の懲役に処する」
前条、つまり第5条(過失運転致死傷)の罪を犯した者が無免許だった場合は、刑が「7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金」から「10年以下の懲役」に変わることになります。
今回のケースのAさんも無免許で運転していたため、同法第6条4項が適用され、法定刑が重くなります。
~過失運転致傷罪における弁護士の対応~
過失運転致傷罪のような故意(罪を犯す意思)のない犯罪(過失犯)は、故意犯に比べて逮捕・勾留といった身体拘束を受ける可能性が低いとされています。
そこで、まずは交通事件に詳しい弁護士のいる法律事務所に相談に行くことをおすすめします。
また、身体拘束を受けてしまった場合でも、自分のところへ弁護士を派遣してもらうよう、ご家族の方から弁護士に依頼をすることをおすすめします。
弁護士は、事故を起こしてしまった方と、事件の状況を整理し、警察や相手方への今後の対応について話合うことが出来ます。
また、早いうちから弁護士に依頼をすれば、相手方との示談交渉を早急に行うことができ、刑罰も罰金刑で済むなど、事故を起こしてしまった方にとって納得のいく解決へ向かう可能性が上がります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では刑事事件に強い弁護士が無料法律相談、初回接見サービスをおこなっております。
無料法律相談や初回接見サービスのご予約は、フリーダイヤル0120-631-881にて24時間受け付けております。
交通事故を含め、刑事事件でお困りの方はお気軽にお問い合わせください。
酒気帯び運転で人身事故を起こし逮捕
酒気帯び運転で人身事故を起こし逮捕
酒気帯び運転で人身事故を起こして逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~ケース~
神奈川県横浜市旭区に住むAさんは、居酒屋でアルコールを飲んだ後、会社から乗ってきた自動車に乗って帰路につきました。
Aさんはいつも飲酒運転を行っており、少し飲んだくらいであれば問題なく運転できると考え、自動車を運転してしまったのです。
しかし、交差点を左折する際に、自動車の左側部の死角の確認を怠り、死角にいた自転車を巻き込んでしまい、自転車に乗っていたVを死亡させてしまいました。
Aさんは自ら救急車を呼びましたが、駆け付けた神奈川県旭警察署の警察官により、酒気帯び運転、過失運転致傷罪の疑いで現行犯逮捕されてしまいました。
過失運転致傷罪については、過失運転致死の容疑に切り替えられる予定です。(フィクションです)
~酒気帯び運転について~
酒気帯び運転とは、身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態で、車両等(軽車両は除かれます)を運転する犯罪です(道路交通法第117条の2の2第3号)。
法定刑は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金となっています。
「政令で定める程度」は、道路交通法施行令第44条の3によると、「血液一ミリリットルにつき〇・三ミリグラム又は呼気一リットルにつき〇・一五ミリグラム」とされています。
飲酒運転が疑われると、通常、警察官により呼気検査が行われます。
ケースでは、呼気検査の結果、上記の基準値以上のアルコールがAさんの呼気から検出されたものと思われます。
Aさんはこのような状態で自動車を運転したのですから、Aさんの行為が酒気帯び運転を構成する可能性は極めて高いでしょう。
~過失運転致死傷罪について~
過失運転致死傷罪は、自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させる犯罪です(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第5条本文)。
被害者が傷害を負うに留まった場合に過失運転致傷罪、死亡した場合に過失運転致死罪が成立することになります。
Aさんは、自動車を運転中、交差点を左折するにあたり、左側の死角における歩行者や自転車の有無を確認する義務があったと考えられますが、Aさんはこれを怠り、Vを死亡させてしまいました。
上記は「自動車の運転上必要な注意を怠った」結果、Vを死亡させたものと評価される可能性が高いと思われます。
過失運転致死罪の法定刑は7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金となっております。
また、Aさんが深く酔っていれば、アルコールの影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為をしたことになり、これによって人を死傷させた場合は危険運転致死傷罪となってしまう可能性もあります(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律2条1項)。
法定刑も重くなり、人を負傷させた場合は15年以下の懲役、死亡させた場合は1年以上の有期懲役となります。
~逮捕後はどうなるか~
逮捕・勾留されると、捜査段階において最長23日間もの間、身体拘束を受けることになります。
23日間もの間外に出られないと、Aさんの身体や、社会生活に大きな悪影響を及ぼすことが予想されます。
そのため、弁護士に依頼し、一刻も早く留置場や拘置所の外に出ることが必要です。
~起訴されてしまった場合の弁護活動~
近年は、飲酒運転中の人身事故に対し厳しい視線が寄せられており、起訴される可能性が高いと思われます。
起訴されてしまった場合は、なるべく軽い判決を目指して、弁護活動を行っていく必要があります。
特に、危険運転致死罪とはならないように、飲酒量はそれほどでもなかった、運転に支障は生じていなかったことなどを主張していく必要があります。
酒を断つ、自動車を処分する、免許を返納することも真剣に検討する必要があるでしょう。
また、Aさんの保険から、Vの損害が賠償される見込みであることを主張することも重要です。
執行猶予付き判決を獲得し、猶予期間中に問題を起こさずにいれば刑罰を受けずに済みます。
まずは、接見にやってきた弁護士と相談し、事件解決に向けて行動していきましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所であり、ケースの事件についてもご相談いただけます。
ご家族が飲酒運転中に過失運転致死傷事件を起こしてしまい、お困りの方は、是非ご相談ください。
過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪で逮捕
過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪で逮捕
過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪で逮捕されたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
Aさんは、京都市右京区にある道路で飲酒状態で自動車を運転していたところ、信号待ちしていたVさんが運転する自動車に対して後方から追突しました。
しかし、Aさんは、警察に飲酒運転がばれるのが怖くなり、現場から逃走しました。
後日、Vさんは加療約2週間の怪我を負ったことが判明しました。
また、追突したのはAさんが運転する車ということも判明し、Aさんは、京都府右京警察署に過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪、道路交通法違反(ひき逃げ)の疑いで逮捕されました。
Aさんの家族は、刑事事件に強い弁護士に初回接見を依頼しました。
(事実を元にしたフィクションです。)
~ 過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪 ~
過失運転致(死)傷アルコール等影響発覚免脱罪は、「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(以下、法律)」という法律が新設された際(施行日は平成26年5月20日)に設けられた罪で、法律の4条に規定されています。
法律4条
アルコール又は薬物の影響によりその走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で自動車を運転した者が、運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた場合において、その運転の時のアルコール又は薬物の影響の有無又は程度が発覚することを免れる目的で、更にアルコール又は薬物を摂取すること、その場を離れて身体に保有するアルコール又は薬物の濃度を減少させることその他その影響の有無又は程度が発覚することを免れるべき行為をしたときは、12年以下の懲役に処する。
以上を箇条書きにしてまとめると、過失運転致(死)傷アルコール等影響発覚免脱罪は
(行為者):アルコール又は薬物の影響によりその走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で自動車を運転した者
(条 件):運転上必要な注意義務を怠り、よって人を死傷させた場合
(行 為):アルコール又は薬物の有無又は程度が発覚することを免れるべき行為
をした場合に成立し得る犯罪ということになります。
「アルコール又は薬物の影響によりその走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態」とは、正常な運転が「困難」な状態には至っていませんが、アルコール等の影響で自動車を運転するのに必要な注意力、操作能力が相当程度低下して危険な状態のことをいいます。
例えば、道路交通法の酒気帯び運転程度のアルコール濃度(血中アルコール0.3mg/ml、呼気中アルコール濃度0.15mg/l)が体内にあればこれに当たり得ると言われています。
「運転上必要な注意義務を怠り、よって人を死傷させた場合」とは、過失、つまり、不注意によって交通事故を起こし、その結果、人を死傷させた場合(法律7条の過失運転致傷罪が成立する場合)をいいます。
不注意の代表として「脇見」があります。
脇見によって交通事故を起こした場合はこの過失運転致死傷罪が成立します。
「アルコール又は薬物の有無又は程度が発覚することを免れるべき行為」の例として、法律4条に
・更にアルコール又は薬物を摂取すること
・その場を離れて身体に保有するアルコール又は薬物の濃度を減少させること
が挙げられています。
しかし、これらは「その(アルコール、薬物の)影響の有無又は程度が発覚することを免れるべき行為」の例示に過ぎません。
その他の行為でも「その(アルコール、薬物の)影響の有無又は程度が発覚することを免れるべき行為」に当たることがあります。
~ 道路交通法(ひき逃げ) ~
交通事故を起こした場合は、加害者、被害者に関係なく、相手方を救護する義務、警察官に事故内容を報告する義務を負います。
これらの義務を尽くさなかった場合は、救護義務違反、事故報告義務違反の罪に問われます。
一般的に、両者を併せて「ひき逃げ」と言われています。
交通事故を起こしたら、まずは現場にとどまり、相手方を救護することから始めましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
刑事事件・少年事件でお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。
無料法律相談、初回接見サービスのお申込みを24時間受け付けております。