Archive for the ‘交通事故(人身事故)’ Category

自転車のひき逃げで刑事事件に

2020-05-09

自転車のひき逃げで刑事事件になる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~ケース~

埼玉県川口市で深夜に自転車を運転していたAさんは、前方不注意で前を歩いていた歩行者に気づかずぶつかってしまいました。
歩行者は転倒しましたが、Aさんは声をかけることなくその場を立ち去りました。
翌日、現場付近を通ったところ、自転車と歩行者の事故についての目撃情報を募る立て看板が設置されていることに気がつきました。
Aさんは、埼玉県川口警察署に出頭することを考えていますが、その前に交通事故を含む刑事事件に精通する弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

自転車を運転し人身事故を起こした場合

あなたが自転車を運転し人身事故を起こした場合には、刑事事件として処理され、過失傷害罪過失致死罪もしくは重過失致死傷罪に問われる可能性があります。

(過失傷害)
刑法第209条 
過失により人を傷害した者は、三十万円以下の罰金又は科料に処する。
2 前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

(過失致死)
刑法第210条 
過失により人を死亡させた者は、五十万円以下の罰金に処する。

(業務上過失致死傷等)
刑法第211条 
業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、五年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。

(1)過失傷害罪

過失傷害罪は、「過失」により人を傷害した場合に成立する罪です。
暴行や傷害の故意がなく、不注意によって人に傷を負わせてしまうものです。
自転車事故の原因が、ちょっとしたよそ見などの場合は、過失傷害罪となるでしょう。
一方、暴行や傷害の故意がある場合には、傷害罪が成立することになります。
過失傷害罪は、被害者等の告訴がなければ公訴を提起することができない親告罪です。

(2)過失致死罪

過失致死罪は、過失によって人を死亡させた場合に成立する罪です。
上の過失傷害のように、不注意によって人を死亡させてしまうものです。

(3)重過失致死傷罪

刑法第211条の後段に規定されているもので、「重大な過失」により人に怪我を負わせたり死なせてしまった場合に成立する罪です。
こちらも、暴行や傷害の故意はなく、「重大な過失」の結果、人に傷を負わせたり死亡させて
しまう犯罪です。
「重大な過失」とは、過失の程度が重いこと、つまり、注意義務違反の程度が著しい場合をいいます。
発生した結果の重大性、結果発生の可能性が大であったことは必ずしも必要ではありません。
自転車事故では、
・携帯電話で通話しながらの運転
・スマートフォンを操作しながらの運転
・イヤフォンをつけて音楽を聴きながらの運転
・ものすごいスピードで歩道を走っていた場合
・夜間に無点灯で走っていた場合
などが、重過失致死傷罪に問われる可能性が高いと言えます。

Aさんのようにちょっとした前方不注意で自転車が歩行者にぶつかり、怪我を負わせてしまった場合でも、自転車の時速や運転していた道路の状況なども鑑みて、過失の程度が重いと判断され、重過失死傷罪が成立することもあります。

自転車を運転し人身事故を起こし、その場から立ち去った場合

さて、自転車で人身事故を起こしたにもかかわらず、その場を立ち去った場合にも、自動車の場合と同様に、犯罪が成立するのでしょうか。

実は、道路交通法上の救護義務は、自動車の場合だけでなく、自転車を運転し人身事故を起こした場合にも、その運転手等に課されるものです。

道路交通法第72条 
交通事故があつたときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員(以下この節において「運転者等」という。)は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。この場合において、当該車両等の運転者(運転者が死亡し、又は負傷したためやむを得ないときは、その他の乗務員。以下次項において同じ。)は、警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署(派出所又は駐在所を含む。以下次項において同じ。)の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置を報告しなければならない。

条文は、救護義務を当該交通事故に係る車両等の運転手その他の乗務員に課していますが、「車両等」には自転車などの軽車両も含まれます。

ですので、自転車であっても救護義務に違反した場合には、道路交通法違反となり、1年以下の懲役または10万円以下の罰金となる可能性があります。

人身事故については、過失傷害罪、過失致死罪、もしくは重過失致死傷罪が成立し、ひき逃げをした場合には、それに加えて、道路交通法違反の2つの罪が成立することになります。

このように自転車のひき逃げは刑事事件に発展する可能性は大いにありますので、早期に弁護士に相談・依頼し、事件を穏便に解決できるよう動くことが重要です。

自転車事故やひき逃げ事件で対応にお困りの方は、交通事件も取り扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
刑事事件・少年事件を専門とする弁護士が行う無料法律相談・初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881までお電話ください。

実況見分の対応法【交通事故】

2020-04-20

実況見分の対応法【交通事故】

交通事故の後になされる実況見分の対応法について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事例】
福岡県筑後市に住むAさんは、軽自動車を運転中、交差点を通過しようとしたところ、信号が赤であることに気づかずに交差点に進入したところ、Vさん運転のバイクと衝突。
Vさんは路上に転倒し、Vさんに加療約1か月間の怪我を負ってしまいました。
Aさんは大変なことをしてしまったと思い、車から降り、110番通報しました。

Aさんは現場に駆け付けた福岡県筑後警察署の警察官から「今から実況見分をするのでお時間いただけないか」と言われました。
免許を取り立てで、かつ、交通事故を起こしたのが初めてだったAさんは聞き慣れない言葉に驚きましたが、警察官から「事故状況を明らかにするために行います」と聞き、ひとまず安心しました。

~交通事故を起こしたら?~

まず、交通事故を起こしたら、必ず交通事故現場に留まって被害者の救護活動をし、かつ、警察に電話して事故状況等を報告しなければなりません。
これを怠ると「救護義務違反」「報告義務違反」として処罰の対象となります。

「救護義務違反」の罰則は、交通事故の原因が自分にある場合は「10年以下の懲役又は100万円以下の罰金」、自分に原因がない場合は「5年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。

~実況見分調書とは?~

皆さんも、テレビドラマなどで実況見分という言葉を聞かれたことはあるのではないでしょうか?

実況見分とは、事故や事件の現場を確認する捜査です。
交通事故の場合も、事故後に事故状況を明らかにするために行われます。
そして、実況見分の結果を書類にしたものが実況見分調書です。

実況見分調書は刑事事件、民事事件の両方で活用されます。

刑事事件では、
・起訴、不起訴の刑事処分を判断する
・裁判で有罪・無罪を判断する
ためなどに活用されます。

民事事件では、
・交通事故の加害者と被害者との間で過失割合(交通事故に対する責任の割合)を巡って争いが生じた場合に、事故状況を明らかにする
ためなどに活用されます。

交通事故の加害者、被害者は警察官から実況見分への立ち会いを求められます。
そして、交通事故では、加害者・被害者双方の立ち会いがあることが望ましいとされています。
これは、実況見分の信用性、公平性を担保するためです。
つまり、一方当事者が不在の実況見分では「警察官が立会人に肩入れしたのではないか?」との疑念を持たれかねないからです。

また、双方不在の実況見分では「警察官が勝手に作ったものではないか?」「ねつ造したものではないか?」との疑念を持たれかねないからです。
重症で事故直後の立ち会いが難しいという場合は、怪我の回復を待ってから実況見分への立ち会いを求められます。

実況見分への立ち会いを求められると、今度は、警察官から事故状況に関する聴き取りが始まります。
本件の赤信号の見落としの場合であれば、「信号表示を見落とした原因は何か」、「どの時点で被害者の車に気付いたか」「どの地点で衝突したか」などといったことを聞かれると思います。
そこで話した内容は裁判などで使われる可能性がありますので、適当なことは話さず記憶のまま話すようにしましょう。

~不安があれば弁護士にご相談を~

あなたやご家族が交通事故を起こしてしまった場合、実況見分で話した内容が不利に働くのではないか、今後どのような手続が進んでいくのか、どのくらいの刑罰を受けるのかなど、不安な点が多いと思います。

ぜひ一度、弁護士にご相談いただければと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずは0120-631-881までお電話ください。
無料法律相談初回接見サービスの予約受付を24時間受け付けております。

持病を隠して交通事故

2020-04-15

持病を隠して交通事故

持病を隠して事故を起こした場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~今回のケース~
京都府に在住のAさん(50歳)は、観光バスの運転手として働いています。
Aさんは、「てんかん」の疑いがあると医師に診断されていましたが、職を失うのを恐れて、会社には報告せず、バスの運転を続けていました。
ある日、Aさんはバスで木津川市内を運転中、発作により意識を失ったためにバスを壁に激突させてしまいました。
その衝撃で乗客のVさん(65歳)は首などに重傷を負いました。
Aさんは危険運転致傷の疑いで、京都府木津警察署で取調べを受けることになりました。
(フィクションです)

~危険運転致傷罪~

今回のAさんのようなケースでは、危険運転致傷罪が成立する可能性があります。
条文を見てみましょう。

〇自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(自動車運転処罰法)
 第3条2項
 自動車の運転に支障を及ぼすおそれがある病気として政令で定めるものの影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、その病気の影響により正常な運転が困難な状況に陥り、人を死傷させた者も、前項と同様とする。

 「自動車の運転に支障を及ぼすおそれがある病気」としては、総合失調症、認知症、てんかん等が挙げられます。(詳しくは警察庁のホームページ等に列記されています。)

 上記のような病気の影響が生じるおそれがある状態で、人を負傷させた者は、「12年以下の懲役」、人を死亡させた者は「15年以下の懲役」が科せられます。

てんかんなどの持病を原因とする事故発生をあらかじめ予想できなかった場合には処罰されません。
しかしAさんはてんかんの疑いがあると診断されていました。
このような医師の診断や、過去の発作の経験などからすれば、事故を起こすことが予想可能だったと判断され、処罰されてしまう可能性が十分考えられるところです。

~刑事事件の手続きの流れ~

今回、Aさんは逮捕されていませんが、逮捕されないケースでは、最初に何度か警察の取調べ実況見分などがなされた後、今度は検察官の取調べを受けます。
一通り捜査が終わった段階で、検察官が、被疑者を刑事裁判にかけるか(起訴)、かけないか(不起訴)の判断をします。
検察官が、事故は予想できなかったとして不起訴とすれば、前科も付かずに刑事手続きが終了となります。

しかし、危険運転致傷罪は軽い犯罪ではないので、てんかんの病状などにもよりますが、逃亡や証拠隠滅のおそれがあるとして逮捕される可能性もあります。
逮捕された場合、最初に最大3日間、警察署等で身体拘束され、取調べ等の捜査を受けます。
そして逃亡や証拠隠滅のおそれがあるなどとして検察官が請求し、裁判官が許可すれば、さらに10日間勾留(こうりゅう)と呼ばれる身体拘束がされる可能性があります。
この勾留期間はさらに10日間延長されることもあります。

勾留期間の最後に検察官が起訴・不起訴の判断をします。

~今回のケースにおける弁護活動~

Aさんは、取調べを受ける前に、一度弁護士に相談に行くことをおすすめします。

例えば前述の条文の「正常な運転に支障が生じるおそれがある状態」がどのような状態で、今回これに当てはまっているのかを判断するのは、難しいところがあります。
ケースによっては、事故を予想できなかったと主張していくことも考えられますが、予想できなかったと言える理由を的確に主張していくことは簡単ではありません。
また、自動車運転処罰法だけでなく、道路交通法などの法律も関わってくる交通事故は、経験と知識が豊富な弁護士に任せるのが一番です。

弁護士は、自分がどのような法律に違反することになりそうなのかや、今後の取調べをどのように受けるべきかなどの不安に対して的確なアドバイスをすることが可能です。
また、本人の代わりに、被害者の方との示談交渉を行うこともできます。

このようなメリットがあるため、もし交通事故を起こしてしまった場合は、1人で解決しようとせず、弁護士に依頼することをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では刑事事件に強い弁護士が無料法律相談初回接見サービスをおこなっております。
無料法律相談や初回接見サービスの予約はフリーダイヤル0120-631-881にて24時間受け付けておりますので、ぜひお問い合わせください。

危険運転致傷罪で逮捕

2020-04-05

危険運転致傷罪で逮捕

危険運転致傷罪逮捕された事案を題材に、交通事件における弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

【事例】
警ら中のパトカーに追いかけられていたAは、これを振り切るため、赤信号の点灯していることを認識しながら交差点を直進したところ、Vさんが運転する車と衝突し、Vさんに怪我を負わせた。
大阪府高石警察署の警察官は、Aを危険運転致傷の疑いで逮捕した。
Aの家族は、交通事件に詳しい弁護士に相談することにした。
(本件は事実をもとにしたフィクションです)

~危険運転致死傷罪とその類型~

交通事故に関する刑事責任を規定する法律として「道路交通法」以外にも、「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」(以下、自動車運転死傷行為処罰法)があります。
これは、かつて刑法によって処罰されていた交通犯罪について、その重大性や悪質性に対応するため、刑罰を重くするなどして新たに平成25年11月に制定された法律です。

本件でAは、危険運転致傷罪逮捕されていますが、自動車運転死傷行為処罰法のどの規定に反することによるものなのでしょうか。

同法2条は危険運転致死傷罪に該当する危険運転行為を複数定めています。
同条1号は飲酒・薬物摂取状態での運転、2号でスピード違反、3号で技術がない状態での運転、4号で妨害行為、5号で赤信号無視、6号で通行禁止道路進行の危険運転行為がそれぞれ定められています。
本件では、赤信号無視の危険運転行為が問題となることは明らかであり、5号に関して詳しく見ていくこととします。

自動車運転死傷行為処罰法2条
次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は15年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は1年以上の有期懲役に処する。
一~四(略)
五 赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為

この条文にある通り、「赤信号」「殊更に無視」して「重大な交通の危険を生じさせる速度」で運転し、事故を起こして他人にケガをさせると危険運転致死傷罪が成立します。

本件Aは、赤信号であることを認識しながら、パトカーを振り切るために、停止位置で停止することが十分可能であるにもかかわらず、これを無視して自車を直進させていると考えられることから、赤信号を「殊更に無視」したものといえます。
そして、「重大な交通の危険を生じさせる速度」とは、この文言だけ見ると、かなりの高速度が要求されているようにも読めますが、判例・実務では時速20~30キロでもこの要件に該当しうると解されています。

したがって、Aさんが交差点に進入した時にこの程度の速度だったとしても、Vさんに怪我を負わせた以上、危険運転致傷罪が成立する可能性があることに注意が必要です。

~危険運転致死傷事件における弁護活動~

一般に交通事件は、逮捕されることなく在宅事件として捜査されることが多い事件類型と考えられています。
また、仮に逮捕されてしまった場合でも、勾留されることなく釈放されるケースが目立ちます。

しかし、交通事件の中でも重い危険運転致死傷罪で逮捕された場合は、勾留されて身柄拘束期間が長くなる可能性が高くなります。
また、軽い事件では今回は大目に見てもらうという意味で、前科も付かずに手続きが終わる不起訴処分になることがありますが、危険運転致傷罪では起訴されて刑事裁判を受けることが多いです。

したがって刑事裁判を受けることを前提とした弁護活動が必要になってきます。
危険運転致死傷罪には罰金刑は法定されていないことから、執行猶予判決を得るための弁護活動を行っていくことが重要となってくるでしょう。

あなたやご家族が交通事故を起こしお困りの方は、ぜひ弁護士にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、危険運転致死傷事件などの交通事件を含む刑事事件専門の法律事務所です。
24時間対応のフリーダイヤル0120-631-881までご連絡ください。

【交通事故】過失運転致傷罪で略式裁判

2020-03-31

【交通事故】過失運転致傷罪で略式裁判

過失運転致傷罪と略式裁判について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事例】
大阪府柏原市に住むAさんは、深夜午前1時頃、普通乗用自動車を運転して自宅に向かっていました。
その途中、うっかり止まれの標識を見落としてしまい、そのまま交差点に進入したところ、右側から交差点に進入してきたVさん運転の軽自動車と衝突し、Vさんに加療約1か月間を要する怪我を負わせました。
Aさんは当初、大阪府柏原警察署過失運転致傷罪で逮捕・勾留され、略式起訴されて罰金50万円の略式命令を受けました。
(フィクションです。)

~過失運転致傷罪~

過失運転致傷罪は「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」の5条に規定されています。

第5条
自動車の運転上必要な注意義務を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

つまり、過失運転致傷罪が成立した場合、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処される可能性があります。

「自動車の運転上必要な注意義務を怠った」とは、要は過失があることをいいます。
では、過失とは何かというと不注意な行為、つまり、ある注意義務が課されているにもかかわらず、その注意義務違反があったこと、をいいます。

今回の事例で言うとAさんは、信号を確認の上、それに従って運転すべき注意義務が課されていたのに、この注意義務に違反したことから過失があるといえます。

~略式起訴、略式裁判とそのメリットは?~

検察官が行う起訴には「正式起訴」「略式起訴」の2種類があります。
「正式起訴」は、検察官が、裁判所に対し、皆さんもテレビドラマなどでよくみる公開の法廷で裁判(正式裁判)を開くことを求めるものに対し、「略式起訴」は、検察官が、裁判所に対し公開の法廷ではなく書面のみでの裁判(略式裁判)を求めるものです。

略式裁判は通常の裁判の手続きを省略するものであり、被告人(起訴された人)が主張や意見を述べる機会がありません。
そのため、検察官は略式起訴するにあたって、略式裁判にかけることに関し予め被疑者(起訴される前の人)から同意を得る必要があります。

仮に略式起訴され、裁判官により略式命令を発せられたとしても、その告知を受けた日の翌日から起算して14日間以内は正式裁判を受けたい旨の申し立てをすることができます。

逮捕から略式起訴、略式裁判、確定までの流れは以下のとおりです。

逮捕

勾留

捜査機関(警察、検察)による捜査

検察官から略式起訴、裁判に関する説明を受け、同意を求められる(勾留期間満了の日のおおよそ2日前)

略式起訴(勾留満了日のおおよそ1日前)

略式裁判

略式命令発布

正式裁判申し立て期間経過

確定

勾留中の場合は、勾留満了日1日から2日前に略式起訴されることが多く、略式起訴されたその日に略式命令が発布されます。
略式命令が発布されると、被告人は裁判所で略式命令謄本を受領し、受領した時点で釈放されます。

略式裁判を受けるメリットは、

・懲役刑を受けるおそれがない(略式命令では100万円以下の罰金又は科料の刑の命令しか出せない)

 →将来、刑務所で服役するおそれがなくなる
・公開の法廷に出廷する必要がない
 →裁判を他人の目に晒されることはない(事件を秘密にできる)
というメリットのほか、上記のように
・略式命令を受けた時点で釈放される

という点を上げることができます。

起訴前に釈放が困難な場合は略式起訴を目指すことも一つといえます。
弁護士は、最善の解決に向けてサポート致しますので宇、ぜひ一度ご相談いただければと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、交通事件を含む刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずは0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談初回接見サービスを24時間体制で受け付けております。
無料相談や初回接見後のご報告では、事件の見通しや、刑事手続の説明の他、弁護士費用などについてご納得いただけるまでご説明させていただきます。

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飲酒運転で人身事故を起こし逮捕

2020-03-26

飲酒運転で人身事故を起こし逮捕

飲酒運転で死亡事故を起こし逮捕されたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~ケース~
Aさんは、酒を飲んで千葉市美浜区内を自動車を運転中、横断歩道を横断していたVに衝突してしまい、後に死亡させてしまいました。
Aさんは怖くなり、その場を離れて3キロメートルほど自動車を走行させていましたが、事故現場が気になり、戻ってみたところ、既に駆け付けていた千葉県千葉西警察署の警察官に凹んだボンネットを見とがめられ、職務質問を受けました。
呼気検査を受けたところ、呼気1リットルにつき0.35ミリグラムのアルコールが検出されました。
Aさんがつい先ほど人身事故を起こしたことを認めたので、警察官はAさんを道路交通法違反(酒気帯び運転、ひき逃げ)、過失運転致死の疑いで現行犯逮捕しました。(フィクションです)。

~Aさんに成立する犯罪を解説~

【過失運転致死罪】
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死亡させる犯罪です(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第5条)。
人を傷害したにとどまる場合は、過失運転致傷罪と呼ばれます。
過失運転致死罪の法定刑は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金となっています。

ところで、深く酔っている状態で運転して人身事故を起こした場合には、より重い刑罰が定められている危険運転致死罪が成立する可能性もあります。
今後の捜査の経過によっては、嫌疑が危険運転致死罪に切り替えられる可能性もゼロではありません。
このような場合は、危険運転致死罪が成立しないと言える理由を説得的に主張する必要があります。

また、取調べに臨む前に、弁護士から十分なアドバイスを受ける必要があると思われます。

【酒気帯び運転】
道路交通法第65条1項は、「何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない」としています。
そして同法第117条の2の2第3号によると、酒気を帯びて自動車を運転し、その際に身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態にあった場合、酒気帯び運転が成立することになります。

「身体に政令で定める程度」とは、「血液一ミリリットルにつき〇・三ミリグラム又は呼気一リットルにつき〇・一五ミリグラム」となっています。
罰則は3年以下の懲役または50万円以下の罰金です。

Aさんは事故を起こした直後に行われた呼気検査により、呼気1リットルにつき0.35ミリグラムのアルコールを保有していることが発覚しました。
上記の事実関係によれば、Aさんに酒気帯び運転が成立する可能性は高そうです。

※ アルコール濃度が極端に高くなくても、酒に弱い体質のため深く酔って状態だった場合には、より重い酒酔い運転と判断される可能性もあります。
罰則はより重い5年以下の懲役または100万円以下の罰金です。

※「事故後にアルコールを飲んだから、呼気検査でアルコールが検出された」という言い分は通用するか?
→飲酒運転中に人身事故を起こしたあと、運転の時のアルコール又は薬物の影響の有無又は程度が発覚することを免れる目的でさらにアルコールを飲むなどすると、過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪が成立します(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第4条)。
上記のような言い訳は通用しないばかりか、より罪を重くする可能性もあります。
飲酒運転中に事故を起こしてしまった場合は、すぐに警察と救急車を呼ぶ方が賢明です。

【ひき逃げ】
ひき逃げとは、自動車やバイクなどの運転中に人身事故・死亡事故を起こした場合に、負傷者の救護義務や危険防止措置義務を怠って事故現場から離れることで成立する犯罪です(道路交通法第117条1項及び2項)。

10年以下の懲役または100万円以下の罰金という重い刑罰が科される可能性があります。

~Aさんに必要な弁護活動~

今回のケースはかなり悪質な部類の人身事故であり、実刑判決が見込まれます。
二度と車を運転しないことを誓って、自動車を処分し、自動車保険などを活用して被害者遺族への賠償を行うことにより、より軽い判決の獲得を目指すことになります。
まずは、接見にやってきた弁護士からアドバイスを受けて、活動していきましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が飲酒運転中に人身事故を起こし、逮捕されてしまった方はぜひ初回接見のご利用をお待ちしております。

信号無視で逮捕

2020-03-11

信号無視で逮捕

信号無視で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事例】
東京都小平市に住むAさんは、深夜に自動車を運転して帰宅途中、交差点の信号が赤だったにも関わらず、
「深夜だし交差点を通過する車はいないだろう」
「早く家に帰ってゆっくりしたい」
などと思って、そのまま交差点に進入しました。
そうしたところ、右方から交差点に進入してきたVさん運転の自動車と衝突。
Vさん運転の自動車を電柱に衝突させ、Vさんに加療約1か月間を要する怪我を負わせました。
Aさんは駆け付けた警視庁小平警察署の警察官に現行犯逮捕されましたが、罪証隠滅や逃亡のおそれがないとして釈放されました。
その後、Aさんは在宅事件被疑者として捜査を受け、正式起訴されてしまいました。
Aさんは今後のことが不安になって正式裁判の刑事弁護を私選弁護人に託すことにしました。
(フィクションです)

~ 過失運転致傷罪 ~

信号無視で人身事故を起こしたAさん。
「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」という法律に定められた、過失運転致傷罪危険運転致傷罪に問われることになります。

まずは、過失運転致傷罪の条文を見てみましょう。

第5条
 自動車の運転上必要な注意義務を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

つまり、過失運転致傷罪が成立した場合、7年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金に処される可能性があります。

「自動車の運転上必要な注意義務を怠り」とは、要は「過失」があることをいいます。
「過失」とは何かというと「注意義務違反」、つまり、ある注意をする義務が課されているにもかかわらず、その注意義務を怠ったことをいいます。

本件では、Aさんが赤信号に従って交差点の停止線手前で停止すべきであるにも関わらず(注意義務)これを怠り停止しなかったこと、あるいは他の自動車が来ていないか確認し、衝突しないよう停止すべきであるにもかかわらず(注意義務)、これを怠り衝突させてしまったことなどが「注意義務違反=過失」と判断される可能性があります。

~ 危険運転致傷罪 ~

信号をわざと無視して事故を起こしたことから、より重い刑罰が定められた危険運転致傷罪に問われる可能性もあります。

第2条
 次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する。
5号 赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為

Aさんは赤信号だとわかっていながら交差点に進入したわけですので、「赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視」したと言えるでしょう。
したがって進入時のスピードが、交差点の見通しの悪さの程度や交通量なども考慮して、「重大な交通の危険を生じさせる速度」といえるものだった場合には、危険運転致傷罪が成立し、15年以下の懲役となる可能性があります。

~ 正式起訴、正式裁判 ~

正式起訴とは、正式裁判を受けるための起訴です。
正式裁判とは、実際に公開の法廷に出廷しなければならない裁判です。
これに対し略式起訴・略式裁判というものもあり、書面の審理のみで罰金刑にするもので、公開の法廷に出廷する必要はありません。

交通事故の大半が略式起訴、略式裁判で終わることが多いですが、本件のように、

・過失が重たい事故(責任が重たい事故)
・被害者の怪我の程度が重たい事故

などは正式起訴され、正式裁判を受けなければならないおそれがあります。

正式起訴されると、弁護人を自費で雇う私選弁護人にするか、どの弁護士にするかは選べませんが国の費用で付けられる国選弁護人にするかの判断に迫られます。
お困りの方はまず弊所の無料法律相談や、釈放されていない場合に利用できる初回接見サービスをご利用の上、どちらを選択すべきか決められてもよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、交通事件を含む刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
刑事事件・少年事件でお困りの方は、弊所までお気軽にご相談ください。

過失運転致傷事件で起訴猶予処分を目指す

2020-03-01

過失運転致傷事件で起訴猶予処分を目指す

今回は、人身事故を起こし、過失運転致傷の疑いで捜査されている場合の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~
Aさんは、福岡県北九州市内を自動車で運転し、交差点を左折しようとしたところ、横断歩道上の歩行者Vに気付かず、進行を続けてしまいました。
VさんはあわててAさんの自動車を回避したのですが、前に転倒してしまい、手のひらと膝に擦過傷(すり傷)を負ってしまいました。
Aさんは救急車と警察を呼び、事故を報告し、Vさんを適切に救護しました。
Vさんはそれほど事故については怒っていないようです。
ただ、駆け付けた福岡県八幡東警察署の警察官からは、「一応、過失運転致傷の疑いで調べなければならない」と言われ、不安に感じています。
そこで、Aさんは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に相談することにしました。
(フィクションです)

~過失運転致傷罪とは?~

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第5条によれば、「自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる」とされています。

自動車の運転上必要な注意を怠り、人を傷害した場合に過失運転致傷罪が、人を死亡させた場合に過失運転致死罪が成立します。
両者をあわせて過失運転致死傷罪と呼ぶこともあります。

【Aさんの注意義務は?】
自動車の運転上必要な注意を怠ると、過失運転致死傷罪が成立する可能性があるわけです。
では、Aさんがすべきだった「自動車の運転上必要な注意」とは、具体的にはどのような内容だったのでしょうか。

道路交通法第38条1項後段によると、横断歩道又は自転車横断帯の直前に接近する場合において、横断歩道等により進路の前方を横断し、又は横断しようとしている歩行者等があるときは、当該横断歩道等の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければなりません。

したがってAさんには、自動車で交差点を左折する場合において、横断歩道を横断する歩行者の有無を確認し、歩行者がいれば横断歩道の直前で一時停止して、歩行者の通行を妨げないようにする注意義務があったと考えられます。

Aさんは横断歩道上のVさんに気付かずに、一時停止することなく横断歩道に入っているので、「自動車の運転上必要な注意」を怠ったことになります。

その結果、Vさんが転倒し、傷害を負わせてしまったものと考えられます。
以上によれば、Aさんに過失運転致傷罪が成立する可能性は高いと考えられます。

~起訴猶予処分の獲得を目指す~

人身事故が刑事事件化してしまったからといって、必ず起訴される(刑事裁判にかけられる)わけではありません。
Aさんを起訴するか否かを決定するのは検察官です。
検察官は、Aさんの性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況を考慮し、不起訴処分(起訴猶予処分)を行うことができます(刑事訴訟法第248条)。
不起訴処分を獲得できれば、裁判にかけられることがないので、懲役刑や罰金刑を受けることもなく、前科も付かずに終わります。

ケースの事件は軽微な過失運転致傷事件であり、Vさんの処罰感情もほとんどなく、自動車保険などでVに生じさせた損害を賠償することにより、不起訴処分を獲得できる可能性が十分にあります。

ただ、Vさんとの示談交渉で問題が発生したり、かえってVを怒らせてしまうなどのリスクは依然として存在します。
そこで、法律の専門家であり、交渉のプロである弁護士をAさんとVさんとの間に入れることにより、上記のリスクを低減させることができます。
過失運転致傷事件を、前科を付けずに解決するために、弁護士を依頼することをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
無料法律相談を受付しておりますので、過失運転致傷事件を起こしてしまいお困りの方は、ぜひご相談ください。

飲酒運転で人身事故

2020-02-25

飲酒運転で人身事故

飲酒運転で人身事故を起こした場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事例】
京都府京都市にある勤務先まで自動車で通勤しているAさんは、会社近くで開かれた新年会でお酒を飲んだにも関わらず、帰宅するため自ら車を運転しました。
Aさんは、同市東山区内の交差点で、信号待ちのため停車していたVさん運転の車に後方から追突する交通事故を起こし、Vさんに加療約1週間を要する怪我を負わせてしまいました。
Aさんは通報で駆け付けた京都府東山警察署の警察官に道路交通法違反(酒気帯び運転)及び過失運転致傷罪の容疑で現行犯逮捕されてしまいました。
逮捕の知らせを受けたAさんの家族は早期釈放のため、弁護士にAさんとの接見を依頼しました。
(フィクションです)

~ 酒気帯び運転の罪 ~

Aさんは酒気帯び運転の罪で逮捕されました。
酒気帯び運転の罪に関する規定は,道路交通法および同法施行令に規定されています。

第65条1項
何人も,酒気を帯びて車両等を運転してはならない。
第117条の2の2
次の各号のいずれかに該当する者は,3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
第3号 第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等(軽車両を除く)を運転した者で,その運転した場合いおいて身体に政令で定める程度以上に  アルコールを保有する状態にあったもの
同法施行令44条の3

 法第117条の2の2第3号の政令で定める身体に保有するアルコールの程度は,血液1ミリリットルにつき0.3ミリグラム又は呼気1リットルにつき0.15ミリグラムとする。

つまり,酒気帯び運転とは,血液1ミリリットルにつき0.3mg又は呼気1リットルにつき0.15mg以上アルコールを保有する状態で車両等(自転車等の軽車両を除く)を運転することをいいます。
そして,酒気帯び運転の罪では,3年以下の懲役又は50万円以下の罰金を科されるおそれがあります。

なお、酒気帯び運転に似ている運転として酒酔い運転というのも道路交通法に規定されています。

第117条の2 次の各号のいずれかに該当する者は,5年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
第1項 第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等を運転した者で,その運転した場合において酒に酔った状態(アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態をいう。)にあったもの

酒気帯び運転の罪は「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」であるのに対し,酒酔い運転の罪は、より重い「5年以下の懲役又は100万円以下の罰金」です。
酒酔い運転は,酒気帯び運転よりも一般的に強く酔った状態なので、重い刑罰が定められているのです。

ただし、酒気帯び運転と違い,酒酔い運転の罪の場合,「酒に酔った状態(アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態)」とだけ記載されており、具体的なアルコールの数値までは定められていません。

平均的な酒の強さの人であれば酒気帯び運転にしかならない,あるいは酒気帯び運転にすらならないアルコールの数値であっても,酒に弱い人であれば,刑罰の重い酒酔い運転に該当してしまう可能性もあるので注意が必要です。

~ 過失運転致傷罪と本件の量刑 ~

また、Aさんは過失運転致傷罪でも逮捕されています。
過失運転致傷罪は、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(以下、「自動車運転死傷行為処罰法」と言います。)5条に規定されています。

自動車運転致死傷行為処罰法5条
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

人を死傷させた場合には、酒気帯び運転や酒酔い運転の罪とは別途、過失運転致傷罪にも問われることになるわけです。
また、さらにひどく酔って運転し人身事故を起こしたケースでは、危険運転致死傷罪に問われる可能性もあります。

近年は飲酒運転やそれに関する交通事故では量刑(判決で下される刑罰の重さ)が非常に厳しくなる傾向にあります。
今後どうのような展開になってしまうのか、ご不安が大きいと思いますので、ぜひ弁護士にご相談いただければと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,酒気帯び運転などの交通違反をはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
あなたやご家族が交通事故などを起こしてお困りの方は,まずは
0120-631-881
までお電話ください。
無料法律相談初回接見サービスを24時間体制で受け付けております。

自転車ひき逃げ事件で処罰・前科を防ぐ

2020-02-20

自転車ひき逃げ事件で処罰・前科を防ぐ

自転車事故の刑事処罰について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事例】
兵庫県神戸市中央区在住のAさん(50代女性)は、自転車で通勤中に、高齢の歩行者Vさんにぶつかり、Vさんは転倒して、足を骨折する怪我をした。
Aさんは、Vさんが転倒したのを見て怖くなり、そのまま自転車に乗って走り去った。
兵庫県葺合警察署がVさんや目撃者への聞き込みなどの捜査を行い、Aさんによる犯行と断定。
Aさんの自宅に来た警察官が、Aさんを警察署に連れて行き、厳しい取調べを行った。
警察官から「また後日に取調べに呼ぶ」と言われたAさんは、今後の警察対応や、被害者側との示談対応を相談するために、刑事事件に強い弁護士に法律相談に行くことにした。
(事実を基にしたフィクションです)

~自転車事故の刑事処罰とは~

一般的に、自動車原付を運転中に事故を起こした場合には、「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」(自動車運転死傷等処罰法)によって、刑事処罰を受けます。
他方で、自転車を運転中に事故を起こした場合には、自転車事故を特別に処罰する法律は無く、刑法「過失傷害罪」「過失致死罪」「重過失致死傷罪」などの規定により、刑事処罰を受けます。

条文を見てみましょう。

・刑法 209条1項(過失傷害)
「過失により人を傷害した者は、三十万円以下の罰金又は科料に処する。」

・刑法 210条(過失致死)
「過失により人を死亡させた者は、五十万円以下の罰金に処する。」

・刑法 211条(業務上過失致死傷・重過失致死傷)
「業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、五年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。」

まとめると、

①過失が軽い→被害者負傷→過失傷害罪
      →被害者死亡→過失致死罪

②過失が重い→被害者負傷→重過失傷害罪
      →被害者死亡→重過失致死罪

ということになります。
過失の重さによって成立する犯罪が変わり、刑罰も変わってくるわけです。

過失の重さの判断は難しいところですが、たとえば猛スピードで走っていた、傘さし運転やながら運転をしていた、飲酒運転だった、夜間にライトを付けていなかった、前方不注意だったといった事情が重なれば重なるほど、重過失と判断される可能性が高まることになります。

~ひき逃げに対する刑事処罰~

また、自転車事故を起こした際に、救急車を呼ぶなどの救護や、警察に事故を報告することなく、事故現場を立ち去ったような場合には、道路交通法72条1項にも違反し、さらに重く罰せられる可能性があります。

罰則は、救護義務違反10年以下の懲役または100万円以下の罰金(117条2項)、警察への報告義務違反3か月以下の懲役または5万円以下の罰金となっています(119条1項10号)。

~示談をして処罰・前科を避ける~

刑事処罰前科を避けたり、処罰を軽くするためには、被害者に謝罪・賠償して示談を締結することが重要です。

特に過失傷害罪は、親告罪(シンコクザイ)と呼ばれる犯罪です。
親告罪とは、被害者が警察に刑事告訴をしなければ、加害者を裁判にかけることができない犯罪です。
つまり、軽い事故であり、被害者の処罰感情も弱いのであれば、穏便に済ますことができるということです。

自転車事故でも示談が成立し、刑事告訴がなされなかったり、既に出された刑事告訴が取り下げられた場合には、刑事処罰を受けることも前科が付くこともないことになります。

過失傷害罪以外は親告罪ではないため、被害者が刑事告訴をしなくても、加害者を裁判にかけて刑事処罰を与えることができます。
ただし、自転車ひき逃げ事件の場合でも、弁護士が仲介して被害者側と示談締結することで、刑事処罰が軽くなったり、不起訴処分となる可能性が高まるなどの効果が期待されます。
不起訴処分とは、検察官が今回は大目に見るということで、加害者を刑事裁判にかけない判断をすることです。
この場合も刑事処罰を受けず、前科も付かずに刑事手続きが終了することになります。

ただし示談は、金額をいくらにしたらよいのか、示談書の文言をどうしたらよいのか、何と言ってお願いしたらよいのかといった疑問点があったり、被害者が加害者と直接連絡を取ることを拒否する場合もあります。
そこでぜひ一度、弁護士にご相談いただければと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に扱っている弁護士事務所です。
すでに逮捕されている事件では初回接見サービスを、逮捕されていない事件では無料法律相談をご利用ください。
0120-631-881まで、ご連絡をお待ちしております。

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