Archive for the ‘交通事故(人身事故)’ Category

【事例紹介】横断歩道を横断中の小学生をひき、過失運転致傷罪で逮捕された事例②

2024-06-12

【事例紹介】横断歩道を横断中の小学生をひき、過失運転致傷罪で逮捕された事例②

ひき逃げ

横断歩道を渡っていた小学生を車でひいてけがを負わせたとして、過失運転致傷罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

名古屋市中村区の路上を車で走行していたAさんは、青信号の横断歩道を横断中の小学性をひいて全治2か月のけがを負わせてしまいました。
その後、Aさんは、過失運転致傷罪の容疑で愛知県中村警察署の警察官に逮捕されました。
(事例はフィクションです。)

危険運転致傷罪

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第2条
次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する。
(1号から6号省略)
7号 赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
(以降省略)

赤信号を殊更に無視して重大な交通の危険を生じさせる速度で車を運転し、人にけがを負わせた場合には、危険運転致傷罪が成立します。

事例のAさんは赤信号であるにもかかわらず横断歩道に侵入し、横断中の小学生をひいてしまっています。
もしもAさんが赤信号を見落としたのではなく、急いでいたなどの理由から赤信号を意図的に無視したのであれば、赤信号を殊更に無視したと判断されるかもしれません。

また、赤信号無視による危険運転致傷罪の成立には、重大な交通の危険を生じさせる速度で走行していたことが必要になりますが、Aさんは小学生をひいて全治2か月のけがを負わせており、事故を回避できない速度で走行していたわけですから、重大な交通の危険を生じさせる速度であったと判断される可能性があります。

ですので、事例のAさんは、逮捕罪名である過失運転致傷罪ではなく、危険運転致傷罪が成立してしまう可能性があります。

過失運転致傷罪危険運転致傷罪では、危険運転致傷罪の方が科される刑罰が重くなる可能性が高いです。
ですので、過失によって赤信号を見落としてしまった場合と、故意に赤信号を無視した場合とでは、科される刑罰が異なる可能性があります。
故意に赤信号を無視したわけではないのに、危険運転致傷罪の容疑で起訴されてしまう場合もあるかもしれません。
弁護士に相談をすることで、危険運転致傷罪での起訴を避けられる可能性があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービス無料法律相談を行っています。
過失運転致傷罪危険運転致傷罪でお困りの方は、ぜひ一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

【事例紹介】横断歩道を横断中の小学生をひき、過失運転致傷罪で逮捕された事例①

2024-06-10

【事例紹介】横断歩道を横断中の小学生をひき、過失運転致傷罪で逮捕された事例①

ひき逃げ

横断歩道を渡っていた小学生を車でひいてけがを負わせたとして、過失運転致傷罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

名古屋市中村区の路上を車で走行していたAさんは、青信号の横断歩道を横断中の小学性をひいて全治2か月のけがを負わせてしまいました。
その後、Aさんは、過失運転致傷罪の容疑で愛知県中村警察署の警察官に逮捕されました。
(事例はフィクションです。)

過失運転致傷罪

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第5条
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

大まかに説明すると、車を運転するうえで払うべき注意を払わずに事故を起こし、人にけがを負わせると過失運転致傷罪が成立します。

今回の事例では、小学生が青信号の横断歩道を横断中に、Aさんの運転する車にひかれ全治2か月のけがを負ったようです。
Aさんが前方をしっかりと確認していれば小学生に気づけた可能性が高いですし、信号をきちんと確認していれば赤信号であることに気づけたでしょう。
前方の注意や信号の確認を怠るなど、過失により小学生をひいてけがを負わせたのであれば、Aさんに過失運転致傷罪が成立する可能性があります。

過失運転致傷罪で逮捕されたら

逮捕されると、逮捕後72時間以内勾留の判断が行われます。
勾留が決定すると最長で20日間勾留されることになり、その間は会社や学校には行けません。
ですので、長期間休みが続くことで、会社や学校に逮捕されたことを知られてしまう可能性が高くなってしまい、会社を解雇されたり、学校を退学することになってしまう可能性があります。

弁護士は勾留の判断が行われる前であれば、検察官や裁判官に釈放を求める意見書を提出することができます。
この意見書の提出により、勾留されることなく、釈放を認めてもらえる可能性があります。

また、勾留が決定した場合でも、裁判所に準抗告の申し立てを行うことで、釈放を求めることができます。
準抗告の申し立てにより釈放が許可された場合には、勾留満期を待つことなく釈放されることになります。

弁護士に相談をすることで、釈放を認めてもらえる可能性があります。
交通事件でご家族が逮捕された場合や、過失運転致傷罪の容疑をかけられている場合には、お早めに、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービス無料法律相談をおこなっています。

【事例紹介】高速度で車を運転し同乗者を死傷させた事例

2024-05-22

【事例紹介】高速度で車を運転し同乗者を死傷させた事例

無保険状態で事故を起こし、途方に暮れる男性

制御困難な高速度で車を運転し死傷事故を起こしたとして危険運転致死傷罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

去年11月、福岡県篠栗町の峠道で4人が乗った車が横転し、乗っていた16歳の高校生が死亡した事故で、運転していた21歳の男が危険運転致死傷の疑いで22日、逮捕されました。
(中略)
警察によりますと、(中略)福岡県篠栗町若杉の若杉山の峠道で、制御困難なスピードで軽乗用車を運転し、助手席に乗っていた小郡市の16歳の高校生を死亡させ、後部座席の那珂川市のアルバイトの16歳の少女にケガをさせた疑いです。
警察の調べに対し「速い速度で車を運転して右カーブを曲がりきれず、横転したことは間違いありません」と話し、と容疑を認めているということです。
(後略)
(5月22日 FBS NEWS NNN 「峠道を制御困難なスピードで走行して横転 同乗の高校生を死亡させた疑い 21歳の男を「危険運転致死傷」で逮捕 福岡」より引用)

危険運転致死傷罪

危険運転致死傷罪は刑法ではなく、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(以下「自動車運転処罰法」といいます)第2条、3条で規定されています。

自動車運転処罰法第2条
次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する。
1号 アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為
2号 その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為
(以下省略)

進行を制御することが困難な高速度で車を運転し、事故を起こして人を死傷させると危険運転致死傷罪が成立します。
高速度での危険運転により、人にけがをさせ危険運転致傷罪で有罪になった場合には15年以下の懲役、人を死亡させ危険運転致死罪で有罪になった場合には1年以上の有期懲役が科されます。

今回の事例では、容疑者が制御困難なスピードで軽乗用車を運転し、同乗していた少女2人を死傷させたと報道されています。
危険運転致死傷罪は同乗していた人を死傷させた場合にも成立しますので、実際に容疑者が制御困難なスピードで運転をし、事故を起こして同乗者を死傷させたのであれば、容疑者に危険運転致死傷罪が成立する可能性があります。

危険運転致死傷罪には罰金刑の規定がなく、有罪になると懲役刑を科されることになります。
懲役刑を科されてしまうと、刑務所にいかなければならないわけですから、何としてでも避けたいと思われる方も多いのではないでしょうか。
刑事事件や交通事件では、執行猶予付き判決を獲得することができれば、刑務所に行かなくても済む場合があります。

執行猶予付き判決を獲得するためには、取調べ対策や裁判に向けた準備など、裁判が始まる前から執行猶予付き判決の獲得に向けた活動が重要になってきます。
ですので、執行猶予付き判決の獲得を目指す場合には、できる限り早い段階で弁護士に相談をすることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービス無料法律相談を行っています。
交通事件に精通した弁護士に相談をすることで、執行猶予付き判決を獲得できる場合があります。
危険運転致死傷罪の容疑で逮捕、捜査されている方は、お気軽に、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

【事例紹介】軽トラックの荷台を掴まれた状態で発進したひき逃げ事件②

2024-05-01

【事例紹介】軽トラックの荷台を掴まれた状態で発進したひき逃げ事件②

ひき逃げ

前回のコラムに引き続き、軽トラックの荷台を掴まれた状態で発進し、逃げ去ったとしてひき逃げの疑いで捜査されている事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

(前略)京都府向日市寺戸町の府道交差点で、アルバイトの女性(46)=同市=が、軽トラックとみられる車に引きずられて顔面などを強打する事件があった。女性は病院に搬送されたが重傷とみられ、車はそのまま逃走した。京都府警向日町署がひき逃げ事件として捜査している。
向日町署によると、この直前、交差点の横断歩道を渡っていた女性と横断歩道前で停止した車の運転手の男が、何らかの理由で口論となった。女性が車の荷台をつかんだところ、車はそのまま発進。女性を数メートル引きずり逃走したという。
(後略)
(4月22日 産経新聞 「口論の末、荷台つかんだ女性引きずられ重傷 軽トラ?が逃走」より引用)

事故と傷害

車で人にけがを負わせてしまった際に成立する法律として、過失運転致傷罪を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。

過失運転致傷罪は、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第5条で規定されており、有罪になると、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金が科される犯罪です。
また、傷害の程度が軽い場合には情状により刑が免除される場合があります。

過失運転致傷罪は、簡単に説明すると、運転をするのに必要な注意をしないで人にけがをさせた場合に成立します。
また、過失運転致傷罪は名前に「過失」とついているとおり、注意を怠ったがために起きてしまった事故の場合に成立しますので、故意に事故を起こしてけがを負わせた場合には、過失運転致傷罪は成立しません。

今回の事例ではどうでしょうか。

報道によると、女性が荷台を掴んでいる状態で軽トラックを発進しさせたようです。
発進させる前に容疑者が女性と口論になっていたと報道されていますので、発進させる前に女性が軽トラックの近くにいないか、発進させてけがを負わせないか確認する必要があったと考えられます。
容疑者が不注意により荷台を掴んでいる女性に気づかず、軽トラックを発進させることで女性にけがを負わせたのであれば、過失運転致傷罪が成立する可能性があります。

今回の事例では荷台を掴まれていることを気づかなかったものと思われますが、もしも荷台を掴んでいる女性を振りほどこうと軽トラックを発進させた場合には、過失運転致傷罪は成立するのでしょうか。

刑法第204条
人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

傷害罪を簡単に説明すると、暴行などによって人にけがを負わせた場合に成立します。
今回の事例では、女性が荷台を掴んでいる状態で軽トラックを発進させたと報道されています。
人が荷台を掴んでいる状態でいきなり発進させれば、その人が荷台に引っ張られてこけてけがを負う可能性や、事例のように地面にひきづられてけがを負う可能性が考えられます。
人が荷台を掴んでいる状態での発進はけがをさせる可能性が高く、危険な行為だと言えます。
もしも容疑者が女性が荷台を掴んでいることを知りながら軽トラックを発進させたのであれば、傷害罪が成立してしまうかもしれません。

また、軽トラックでひきずる行為は、けがで済まずに亡くなってしまう可能性も考えられるほどの危険な行為です。
もしも殺意があったと判断された場合には、殺人未遂罪に問われる可能性も考えられます。

荷台を掴まれていることに気づいていなかったとしても、直前で口論になっていたと報道されていることから、警察官などに気づいていながら発進させたのではないかと疑われる可能性があります。
取調べの際に、気づいていながら発進させたと認めるような供述をするように圧力をかけてくるかもしれません。
誘導に乗ってしまうことで、殺人未遂罪で起訴されるなど、不利な状況に追い込まれる可能性があります。
取調べで作成される供述調書は後から訂正することは容易ではありませんので、取調べ前に対策を練っておく必要があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、無料法律相談を行っています。
弁護士に相談をすることで殺人未遂罪などの成立を防げる場合があります。
刑事事件や交通事件で捜査を受けている方は、お気軽に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

【事例紹介】軽トラックの荷台を掴まれた状態で発進したひき逃げ事件①

2024-04-24

【事例紹介】軽トラックの荷台を掴まれた状態で発進したひき逃げ事件①

ひき逃げ

軽トラックの荷台を掴まれた状態で発進し、逃げ去ったとしてひき逃げの疑いで捜査されている事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

(前略)京都府向日市寺戸町の府道交差点で、アルバイトの女性(46)=同市=が、軽トラックとみられる車に引きずられて顔面などを強打する事件があった。女性は病院に搬送されたが重傷とみられ、車はそのまま逃走した。京都府警向日町署がひき逃げ事件として捜査している。
向日町署によると、この直前、交差点の横断歩道を渡っていた女性と横断歩道前で停止した車の運転手の男が、何らかの理由で口論となった。女性が車の荷台をつかんだところ、車はそのまま発進。女性を数メートル引きずり逃走したという。
(後略)
(4月22日 産経新聞 「口論の末、荷台つかんだ女性引きずられ重傷 軽トラ?が逃走」より引用)

ひき逃げ

交通事故を起こした場合は、負傷者の救護と最寄りの警察署への報告を行わなければなりません。(道路交通法第72条1項)
負傷者の救護や警察署への報告などを行わないことをひき逃げといいます。
負傷者の救護や警察署への報告は道路交通法で義務付けられていますので、ひき逃げをした場合には道路交通法違反が成立します。

自分の運転によって人にけがを負わせ救護をしなかった場合には、道路交通法違反で有罪になると、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科されます。(道路交通法第117条2項)
警察署への報告をせずに道路交通法違反で有罪になった場合には、3月以下の懲役又は5万円以下の罰金が科されます。(道路交通法第119条1項17号)

今回の事例では、女性が容疑者の運転している軽トラックの荷台を掴んでいる状態のまま発進し、そのまま数メートルひきづって逃走したと報道されています。
女性はけがをしているそうなので、実際に容疑者が軽トラックで女性をひきづり、救護や警察署への報告などをしていないのであれば、ひき逃げにあたり、道路交通法違反が成立する可能性があります。

ひき逃げと逮捕

刑事事件では、結果が重大な事件や、逃亡、証拠隠滅のおそれがある事件では、逮捕される可能性があります。
ひき逃げでは、現場から逃走しているわけですから、逃亡のおそれがあると判断されやすく、逮捕、勾留されてしまうおそれがあります。

だからといって、ひき逃げで必ず逮捕されるわけではありません。
逮捕の必要性がないと認められる場合には、逮捕はされません。

では、どうすれば逮捕を回避できるのでしょうか。

結論から言うと、必ず逮捕を回避できる方法や手段はありません。
しかし、弁護士と共に出頭し、身柄引受人を指定しておくことで、逮捕のリスクを少し減らせる可能性はあります。
また、逮捕されたとしても、自ら出頭することで、釈放を求める際に有利な事情に働く可能性があります。
しかし、出頭はメリットばかりでなくデメリットもありますから、出頭前は出頭するかどうかも併せて弁護士に相談をすることが望ましいです。

弁護士は逮捕後に検察官や裁判官に釈放を求めることもできますので、逮捕されないか不安な方や出頭を考えている方は、一度、弁護士にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、無料法律相談を行っています。
無料法律相談のご予約は、012ー631ー881までご連絡ください。

【事例紹介】てんかんの発作で事故を起こし危険運転致傷罪で逮捕された事例

2024-03-06

【事例紹介】てんかんの発作で事故を起こし危険運転致傷罪で逮捕された事例車が人に追突した人身事故

てんかんの発作が起こる可能性を知りながら車を運転し、発作で事故を起こしたとして危険運転致傷罪の容疑で再逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

福岡県宇美町の県道で(中略)、登校中の高校生らの列に軽乗用車が突っ込み、歩行者9人が重軽傷を負った事故で、県警は4日、車を運転していた同県須恵町上須恵、(中略)容疑者(66)を自動車運転処罰法違反(危険運転致傷)容疑で再逮捕した。(中略)容疑者は運転中にてんかんの発作を発症し、意識喪失状態となったとみられ、県警はそうした危険性を知りながら運転したとして危険運転致傷容疑を適用した。容疑を認めているという。
再逮捕容疑は(中略)、持病の影響で正常な運転ができない恐れがあると知りながら軽乗用車を運転し、(中略)宇美町宇美5の県道で対向車線の路側帯に進入して歩いていた当時16~28歳の男女9人をはねて顔の骨折など重軽傷を負わせたとしている。(中略)
県警によると、(中略)容疑者は22年3月に医療機関でてんかんと初めて診断され、薬を処方された。その際、医師からは発作が出る恐れがあるとして、運転を禁止されたという。(後略)
(3月4日 毎日新聞デジタル 「危険運転致傷容疑で66歳を再逮捕 発作の恐れ知りながら運転か」より引用)

危険運転致傷罪

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第3条
1項 アルコール又は薬物の影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、そのアルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態に陥り、人を負傷させた者は十二年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は十五年以下の懲役に処する。
2項 自動車の運転に支障を及ぼすおそれがある病気として政令で定めるものの影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、その病気の影響により正常な運転が困難な状態に陥り、人を死傷させた者も、前項と同様とする。

大まかに説明すると、事故を起こす危険性があると知りながら運転に支障を及ぼすおそれがあるとして政令で定められている病気の影響で事故を起こし人にけがを負わせた場合には、危険運転致傷罪が成立します。

今回の事例では、容疑者がてんかんの発作で事故を起こす危険性を知りながら車の運転をし、てんかんの発作によって事故を起こして9人に重軽傷を負わせたと報道されています。
てんかんは自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第3条2項が規定する病気にあたるのでしょうか。

道路交通法第90条1項では、幻覚症状を伴う精神病発作により意識障害や運動障害をもたらす病気にかかっている者については運転免許試験に合格していたとしても免許を与えなくてもいいと規定しています。
また、道路交通方施行令第33条の2の3第2項では、幻覚症状を伴う精神病として統合失調症意識障害や運動障害をもたらす病気としててんかんなどを規定しています。
ですので、統合失調症てんかんなどの病気がある場合には、免許を取得できない可能性があります。
幻覚症状や意識障害、運動障害が発生すれば重大な事故につながるおそれがあるため、統合失調症てんかんなどの病気を患っている方は免許の取得が認められない場合があるのでしょう。
道路交通法施行令は政令にあたりますので、統合失調症てんかんなどが、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第3条2項が規定する、自動車の運転に支障を及ぼすおそれがある病気にあたる可能性が高いといえます。

今回の事例では容疑者はてんかんだと診断され、医者から運転を禁止されていたようですから、実際に容疑者がてんかんの発作で事故を起こしたのであれば、危険運転致傷罪が成立するおそれがあります。

事故を起こす危険性を知りながら病気の影響で事故を起こした場合に危険運転致傷罪で有罪になると、12年以下の懲役が科されることになります。
今回の事例では医者から運転を禁止されていたようですので、悪質性が高いと判断される可能性が高いですし、事故により9人が重軽傷を負っているようなので被害も軽いとはいえないでしょうから、重い判決が下される可能性があります。

危険運転致傷罪では、初犯であっても実刑判決を下される可能性があります。
弁護士に相談をすることで、執行猶予付き判決を獲得できる場合がありますので、危険運転致傷罪でお困りの方は、一度弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
初回接見サービス無料法律相談のご予約は、0120ー631ー881で受け付けております。

【事例紹介】電動キックボードの無免許運転でひき逃げ事故を起こした事例①

2024-02-21

【事例紹介】電動キックボードの無免許運転でひき逃げ事故を起こした事例①

電動キックボードに乗る男性

無免許電動キックボードを運転し、ひき逃げ事故を起こしたとして、無免許過失運転致傷罪道路交通法違反の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

無免許で電動キックボードに乗って歩行者と衝突し、大けがをさせたまま逃げたとして、愛知県警は8日、(中略)容疑者(44)を自動車運転死傷処罰法違反(無免許危険運転致傷)と道路交通法違反(ひき逃げ)の疑いで逮捕した。ひき逃げ容疑は認める一方、「免許が必要だと思っていなかった」と一部を否認しているという。
中署によると、(中略)容疑者は2月3日午後5時10分ごろ、同市中区栄4丁目の路上で電動キックボードを無免許で運転。一方通行を危険な速度で逆走し、路上を横断していた同市東区の自営業男性(47)とぶつかり、そのまま逃げた疑いがある。男性は鎖骨が折れるなどの重傷を負った。
(中略)
県警によると、(中略)容疑者が乗っていた電動キックボードは、最高速度が時速25キロに達し、緑色のランプもないなど新分類に該当せず、免許が必要だった。
(2月9日 朝日新聞デジタル 「電動キックボードでひき逃げ容疑 逮捕の男「免許不要だと思った」」より引用)

電動キックボードと無免許運転

道路交通法第64条1項
何人も、第八十四条第一項の規定による公安委員会の運転免許を受けないで(中略)、自動車又は一般原動機付自転車を運転してはならない。

電動キックボードは原動機付自転車に該当します。
原動機付自転車、いわゆる原付バイクを運転する際は免許が必要ですから、原付と同じ分類である電動キックボードを運転する際にも当然、免許が必要になります。
しかし、原動機付自転車を細分化すると、一般原動機付自転車と特定小型原動機付自転車、特例特定小型原動機付自転車の3分類に分けることができ、特定小型原動機付自転車、特例特定小型原動機付自転車の2分類に限って免許がなくても運転できることになっています。
どういったものが特定小型原動機付自転車や特例特定小型原動機付自転車に分類されるかは、車体の大きさや最高速度などで判断されています。

電動キックボードというと免許が不要なイメージもありますが、特定小型原動機付自転車、特例特定小型原動機付自転車に該当する電動キックボードのみ免許が不要ですので、一般原動機付自転車に該当する電動キックボードについては免許が必要になります。
特定小型原動機付自転車は最高速度が時速20キロメートル以下である必要がありますし、特例特定小型原動機付自転車に関しては最高速度が時速6キロメートル以下でなくてはなりません。
今回の事例の容疑者が運転していたとされている電動キックボードは最高速度が時速25キロメートルに達するとのことですので、一般原動機付自転車に分類されるでしょう。
一般原動機付自転車は免許が必要ですので、事例の電動キックボードを運転する際には免許が必要であったと考えられます。

無免許運転は道路交通法で禁止されていますから、無免許運転をした場合には道路交通法違反が成立することになります。
今回の事例でも、一般原動機付自転車に分類される電動キックボード無免許で運転したのであれば、道路交通法違反が成立する可能性があります。

無免許運転による道路交通法違反の法定刑は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金です。(道路交通法第117条2の2)

無免許過失運転致傷罪

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第5条
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第6条4項
前条の罪を犯した者が、その罪を犯した時に無免許運転をしたものであるときは、十年以下の懲役に処する。

過失運転致傷罪は、簡単に説明すると、運転するにおいて払うべき注意を払わずに事故を起こしてけがを負わせた場合に成立する犯罪です。
過失運転致傷罪では、けがの程度が軽い場合には、刑が免除されることがあります。

無免許過失運転致傷罪は、無免許運転過失運転致傷罪にあたる行為をした際に成立する犯罪です。
過失運転致傷罪では刑の免除についての規定がありましたが、無免許過失運転致傷罪には免除の規定はありません。
また、無免許過失運転致傷罪には罰金刑の規定がなく有罪になれば懲役刑が科されることになるわけですから、過失運転致傷罪よりもはるかに重い刑罰が規定されていることがうかがえます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービス無料法律相談を行っています。
交通事故に精通した弁護士に相談をすることで、不起訴処分執行猶予付き判決を獲得できるかもしれません。
無免許過失運転致傷罪電動キックボードなどの事故でお困りの方は、お気軽に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

次回のコラムではひき逃げについて解説します。

【事例紹介】モペットの無免許運転で事故 無免許危険運転致傷罪の容疑で書類送検②

2024-01-31

【事例紹介】モペットの無免許運転で事故 無免許危険運転致傷罪の容疑で書類送検②

取調べを受ける男性

前回に引き続き、モペット無免許で運転し、赤信号無視で事故を起こしたとして、無免許危険運転致傷罪の容疑で書類送検された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

原付き運転免許が必要なペダル付き原動機付き自転車(モペット)を無免許で運転し、赤信号を無視して自転車の女性にけがをさせたとして、警視庁は(中略)男(24)=東京都新宿区=を自動車運転死傷処罰法違反(無免許危険運転致傷)などの疑いで書類送検し、発表した。
(中略)
男の送検容疑は、(中略)新宿区大久保2丁目の都道で無免許でモペットを運転し、赤信号を無視して時速25キロで交差点に進入。自転車に乗った70代女性に衝突し、頭部打撲など8週間のけがをさせた疑いがある。
モペットは、見た目は自転車に似ているが、法律上は原付きバイクと同じ扱いだ。原付き免許、ナンバープレート、自賠責保険への加入、ヘルメットが必要だが、男はいずれもなかったという。(後略)
(2024年1月18日 「無免許でモペット乗り、赤信号無視 女性をけがさせた疑いで書類送検」より引用)

赤信号無視と見落とし

赤信号で交差点に進入して起こしてけがを負わせた事故でも、赤信号を故意に無視したのか、それとも赤信号を見落としてしまったのかで成立する罪が大きく変わる可能性があります。
例えば、赤信号を故意に無視した場合には、前回のコラムで解説した危険運転致傷罪が成立する可能性があります。

一方で、赤信号を故意に無視したのではなく、見落としてしまった、つまり過失があった場合には、危険運転致傷罪ではなく過失運転致傷罪が成立する可能性があります。
過失運転致傷罪は自動車運転処罰法第5条に規定されており、大まかに説明すると、運転中に周囲の確認を怠ったなどの過失によって人にけがをさせてしまった場合に成立します。
不注意によって赤信号を見落としてしまった場合などには、この過失運転致傷罪が成立する可能性が高く、法定刑は7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金ですので、危険運転致傷罪よりも科される刑罰が軽く規定されています。
また、過失運転致傷罪では、けがの程度が軽い場合には刑を免除される場合があります。

このように危険運転致傷罪過失運転致傷罪では、刑罰の重さがかなり異なります。
ですので、故意に赤信号を無視したのでない場合には、そのことを主張していく必要があります。

交通事件では、刑事事件と同様に取調べを受けることになります。
上記のような主張は取調べですることになるのですが、警察官や検察官はあなたの味方になってくれるわけではありませんので、話しを聞いてもらえないどころか、赤信号を無視したととれる内容の供述をするように誘導してくる可能性があります。
自分の言い分を聞いてもらえない状態が続くとかなりのストレスになりますし、不安にもなるでしょう。
自分に限って供述の誘導に乗ることはないと思っていても、ストレスや疲れで判断能力が鈍り、誘導に乗ってしまうことがあります。
取調べで作成される供述調書は裁判で重要な証拠として扱われますので、赤信号を故意に無視した内容の供述調書が作成されてしまった場合は、たとえ事実に反していたとしても、内容を覆すことは容易ではありませんので、裁判の際に窮地に立たされる可能性がかなり高くなってしまいます。
そういった事態を避けるためにも、取調べ前に準備を行っておくことが重要です。

取調べの準備といっても何をどうすればいいのかわからない方がほとんどでしょう。
ですので、取調べ前に弁護士に相談をすることをおすすめします。
刑事事件や交通事件の経験豊富な弁護士であれば、取調べの際にどういった内容のことが聞かれるのかをある程度予測することができます。
その予測を基に、供述する内容をあらかじめ考えておくことで、取調べに落ち着いて挑むことができる可能性があります。

また、事案によっては、供述した方がいい内容や黙秘した方がいい内容があります。
供述すべき内容なのか、そうでない内容なのかは事案によって異なりますので、警察の捜査を受けている場合には、弁護士に一度、相談をすることが望ましいでしょう。

取調べでどういった対応を取るかによって、危険運転致傷罪過失運転致傷罪のどちらが成立するのかが変わってくる可能性があります。
ですので、赤信号無視による危険運転致傷罪の容疑をかけられている際は、できる限り早い段階で弁護士に相談をすることを強くおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件、交通事件に精通した法律事務所です。
経験豊富な弁護士と取調べ対策を行うことで、不利な状況に陥ることを防いだり、執行猶予付き判決などの良い結果を得られる可能性があります。
交通事件でも、取調べの対策を練っておくことはかなり重要ですので、取調べでご不安な方、危険運転致傷罪などの容疑をかけられている方は、お気軽に、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

【事例紹介】モペットの無免許運転で事故 無免許危険運転致傷罪の容疑で書類送検①

2024-01-24

【事例紹介】モペットの無免許運転で事故 無免許危険運転致傷罪の容疑で書類送検①

赤信号を無視して走る車

モペット無免許で運転し、赤信号無視で事故を起こしたとして、無免許危険運転致傷罪の容疑で書類送検された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

原付き運転免許が必要なペダル付き原動機付き自転車(モペット)を無免許で運転し、赤信号を無視して自転車の女性にけがをさせたとして、警視庁は(中略)男(24)=東京都新宿区=を自動車運転死傷処罰法違反(無免許危険運転致傷)などの疑いで書類送検し、発表した。
(中略)
男の送検容疑は、(中略)新宿区大久保2丁目の都道で無免許でモペットを運転し、赤信号を無視して時速25キロで交差点に進入。自転車に乗った70代女性に衝突し、頭部打撲など8週間のけがをさせた疑いがある。
モペットは、見た目は自転車に似ているが、法律上は原付きバイクと同じ扱いだ。原付き免許、ナンバープレート、自賠責保険への加入、ヘルメットが必要だが、男はいずれもなかったという。(後略)
(2024年1月18日 「無免許でモペット乗り、赤信号無視 女性をけがさせた疑いで書類送検」より引用)

モペットと原動機付自転車

モペットは自転車と違い、モーターなどでペダルをこがずに自走することが可能なようです。
ですので、モペットは道路交通法上の原動機付自転車に分類されており、自転車のような見た目をしていますが原付バイクと同様の扱いになります。
ですので、自転車の運転には免許は不要ですが、原動機付自転車にあたるモペットの場合は運転をする際に免許が必要になります。

モペットと事故

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(以下、「自動車運転処罰法」と言います。)では、自動車による事故で人にけがを負わせたり、人を亡くならせた場合に成立する犯罪などを規定しています。

今回の事例では、容疑者がモペット無免許で運転し、赤信号を無視して女性にけがを負わせたとして無免許危険運転致傷罪の容疑で書類送検されたようです。
無免許危険運転致傷罪は、自動車運転処罰法で規定されており、危険運転致傷罪にあたる行為を無免許で行った場合に成立します。

危険運転致傷罪は、自動車運転処罰法第2条、第3条で規定されています。
アルコールや薬物の影響で正常な運転ができない場合や制御できないほどのスピードで運転する行為などが危険運転致傷罪の対象となっています。
今回の事例では赤信号無視が問題になっているようですが、赤信号無視についても上記の場合と同様に危険運転致傷罪の対象です。

自動車運転処罰法第2条7号
赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為

自動車運転処罰法第2条では危険運転致傷罪を規定していますので、上記の自動車運転処罰法第2条7号の行為をして人にけがを負わせると、危険運転致傷罪が成立することになります。
自動車運転処罰法第2条7号を簡単に説明すると、赤信号を無視して事故が起こるような危険性のあるスピードで運転する行為を規定しています。

今回の事例は、この自動車運転処罰法第2条7号の行為にあたるのでしょうか。

報道によると、容疑者は赤信号を無視して時速25キロで交差点に進入したようです。
時速25キロで歩行者や自転車にぶつかれば人にけがを負わせたり死亡させてしまう危険性があるといえます。
ですので、時速25キロは重大な交通の危険を生じさせる速度だと判断される可能性があります。
今回の事例で容疑者が赤信号を無視して時速25キロで交差点に進入し、自転車に乗っていた女性にけがを負わせたのであれば、危険運転致傷罪が成立する可能性があります。

無免許危険運転致傷罪

自動車運転処罰法第6条では無免許危険運転による加重処罰を規定しています。

赤信号無視による危険運転致傷罪の法定刑は15年以下の懲役(自動車運転処罰法第2条)なのですが、無免許運転だった場合には6月以上の有期懲役(自動車運転処罰法第6条1項)になります。
赤信号無視の場合の無免許危険運転致傷罪には刑の上限が規定されておらず、通常の危険運転致傷罪に比べてより刑罰が重く規定されていることになります。
ですので、無免許運転の場合に有罪になると、無免許運転ではない同種事案に比べて、より重い刑罰が科されることになります。

また、無免許過失運転致傷罪の法定刑は10年以下の懲役です。(自動車運転処罰法第6条4項)
懲役刑しか規定されていない時点で、無免許過失運転致傷罪もかなり刑罰の重い罪だといえるのですが、赤信号無視の場合の無免許危険運転致傷罪よりも科される刑罰は軽く規定されています。

書類送検

書類送検とは、事件が検察庁に送られたことを指します。
ですので、書類送検で事件が終わることはなく、これから検察官によって起訴、不起訴の判断がされます。
起訴された場合には裁判が行われることになりますので、書類送検後も気を抜かずに取調べなどを受ける必要があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービス無料法律相談を行っています。
交通事件に精通した弁護士に相談をすることで、より良い結果を得られるかもしれません。
モペットなどの運転で捜査を受けている方は、お気軽に、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

次回のコラムでは、危険運転致傷罪と取調べについて解説します。

【事例紹介】停車中の車に追突してけがを負わせ、逃走した事例

2024-01-11

【事例紹介】停車中の車に追突してけがを負わせ、逃走した事例

路上駐車の車に追突した物損事故車を運転中に停車していた軽自動車に追突し、けがをさせて逃走したとして、過失運転致傷罪などの疑いで逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

過失運転致傷などの疑いで、長岡市に住む会社員の男(50)が9日、逮捕されました。
警察の調べによりますと、(中略)乗用車を運転中、前に停まっていた軽自動車に追突する事故を起こし軽自動車に乗っていた40代女性と50代男性に頸椎捻挫などのケガをさせたのに逃走した疑いです。
(後略)
(1月11日 TeNY NEWS NNN 「大みそかの未明 追突事故おこし2人にケガさせ、車を残して逃走 会社員の50歳男を逮捕《新潟》」より引用)

過失運転致傷罪

過失運転致傷罪は、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(以下「自動運転処罰法」といいます。)第5条で規定されています。

自動車運転処罰法第5条
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

簡単に説明すると、自動車を運転するのに必要な注意をせずに人にけがを負わせた場合に、過失運転致傷罪が成立します。

今回の事例では、容疑者は車を運転中に前に停車していた軽自動車に追突して事故現場から逃走したとされています。
また、報道によると、追突された軽自動車に乗っていた女性と男性は頸椎捻挫などのけがを負っているようです。
車を運転するうえで前方に注意を払うのが当然ですし、通常は前方をしっかりと確認していれば追突する前に停車している車に気づくと思います。
ですので、実際に容疑者が停車中の車に追突する事故を起こしており、前をしっかりと見ていれば避けられるような事故だった場合には、運転上必要な注意を怠ったとして、過失運転致傷罪が成立する可能性があります。

ひき逃げ

ひき逃げは道路交通法第72条1項に規定されています。

道路交通法第72条1項(一部省略しています。)
交通事故があつたときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。この場合において、当該車両等の運転者は、警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置を報告しなければならない。

事故を起こした場合には、負傷者の救護警察署への報告の2点を行う必要があります。
負傷者の救護や警察署への報告を行わない場合には、ひき逃げとして扱われることになります。

今回の事例では、容疑者は追突事故を起こして逃走したとされています。
実際に容疑者が事故を起こして、被害者の救護や事故の報告を行わずに逃走したのであれば、道路交通法違反が成立するおそれがあります。

自己の運転が原因で事故を起こしてけがをさせ、救護をしなかった場合に道路交通法違反で有罪になれば、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科されます。(道路交通法第117条2項)

また、事故を起こして警察に報告せずに道路交通法違反で有罪になった場合には、3月以下の懲役又は5万円以下の罰金が科されます。(道路交通法第119条1項17号)

逮捕されたら

刑事事件や交通事件では、逮捕されると72時間以内に勾留の判断がなされます。
勾留が決定した場合には、最長で20日間、勾留前の期間も合わせると23日間にわたって身体拘束を受けることになります。
この期間は自由が制限されますので、会社へ通勤することはできませんし、家族との面会も制限されます。
普段の日常とはかけ離れた生活を送ることになりますので、1か月に満たない期間であってもかなりのストレスがかかることが予想されます。

精神的に不安な状態で取調べを受けることで、意に反する内容の供述調書が作成されてしまう危険性もあります。
法律に詳しい弁護士が接見を行うことで、少しでも今後の不安が和らぐ可能性がありますし、取調べのアドバイス等も受けられますので、ご家族が逮捕された際には、弁護士に相談をすることをお勧めします。

また、弁護士は勾留前や勾留決定後に釈放を求める働きかけを行うことができます。
弁護士が釈放に向けた身柄開放活動を行うことで、早期釈放を実現できる可能性があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービスを行っています。
弁護士に相談をすることで、少しでもご家族の不安を和らげることができるかもしれません。
また、早期釈放を実現できる可能性がありますので、ご家族が逮捕された方は、お気軽に、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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