Archive for the ‘交通事故・交通違反の刑事手続’ Category

スピード違反による交通事故

2020-06-13

スピード違反による交通事故が起きた場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

京都府長岡京市の高速道路を時速180キロで走行していたAさんは、前方を走行していた車が車線変更したことに気が付くのが遅く、速度を十分に落とすことができず、前を走っていた車に衝突してしまいました。
前の車に乗車していた夫婦は、怪我をしているようで、通報を受けて駆け付けた救急車に運ばれていきました。
Aさんは、京都府警察の警察官に過失運転致傷および道路交通法違反(速度超過)の疑いで現行犯逮捕されました。
(フィクションです。)

スピード違反について成立する罪

法定速度を超える速度で運転した場合、いわゆるスピード違反は、重大な事故につながるおそれがあることから、道路交通法で厳しく規制されています。
スピード違反は、道路交通法において「速度超過」と呼ばれ、次のように禁止されています。

道路交通法第22条 
車両は、道路標識等によりその最高速度が指定されている道路においてはその最高速度を、その他の道路においては政令で定める最高速度をこえる速度で進行してはならない。

政令で定める最高速度とは、一般道では時速60キロ、高速道路では時速100キロです。
法定速度を1キロでもオーバーすれば速度超過となります。
一般道路において、超過速度が30キロ未満であれば、反則金の納付による行政処分で終了しますが、超過速度が30キロ以上となれば、行政処分ではなく刑事処分の対象となります。
高速道路であれば、超過速度が40キロ以上で刑事手続に付されます。
速度超過による道路交通法違反の罰則は、6月以下の懲役又は10万円以下の罰金です。
お金を納めるという点では、反則金も罰金も同じですが、罰金は刑事罰であり、有罪判決を受けたことが前提となりますので、前科が付くことになります。

スピード違反による交通事故を起こした場合

スピード違反交通事故を起こし、相手に怪我を負わせてしまった場合、以下の罪が成立する可能性があります。

(1)過失運転致死傷罪

自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役もしくは禁固または100万円以下の罰金に処される可能性があります。
ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができるとされています。

(2)危険運転致死傷罪

危険運転致死傷罪は、次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させる罪です。
①アルコールや薬物の影響により、正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為。
②進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為。
③信仰を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為。
④人又は車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人又は車に著しく接近し、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為。
⑤赤信号等を殊更無視し、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為。
⑥交通禁止道路を進行し、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為。
スピード違反の程度が、②の「進行を制御することが困難な高速度」である場合には、危険運転致傷罪が成立する可能性があります。
「進行を制御することが困難な高速度」であるか否かは、スピードだけでなく、走行していた道路の状況等を考慮して判断されます。
危険運転致死傷罪の刑罰は、人を負傷させた場合は15年以下の懲役、人を死亡させた場合には1年以上の有期懲役と、過失運転致死傷罪よりも重くなっています。

スピード違反交通事故を起こした場合、道路交通法違反や過失運転致死傷罪、場合によっては危険運転致死傷罪が成立することがあります。
多くが正式裁判となり、危険運転致死傷罪で有罪となれば実刑の可能性もあります。
ですので、交通事件にも対応する刑事事件に強い弁護士に相談・依頼し、できる限り寛大な処分となるよう動くことが重要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、交通事件を含めた刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
交通事件でお困りの方は、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。

道路交通法違反(乗車積載方法違反)で現行犯逮捕

2020-06-06

道路交通法違反乗車積載方法違反)で現行犯逮捕されるケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

会社員のAさんは、兵庫県西宮市の国道で、飼い犬のトイプードルを自分の膝の上に乗せて運転していました。
付近をパトロール中だった兵庫県甲子園警察署の署員が、運転席側の窓から顔を出している犬を発見し、Aさんの車に停車するよう呼び止めました。
Aさんは停車しましたが、「犬を運転席には乗せていない。」と容疑を否認して、免許証の提示を拒否しそのまま走り去ろうとしたため、署員はAさんを現行犯逮捕しました。
逮捕の知らせを受けたAさんの家族は、Aさんのことや今後のことが心配になり、すぐに対応してくれる弁護士を探しています。
(実際の事件を基にしたフィクションです。)

道路交通法違反(乗車積載方法違反)とは

道路交通法は、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図り、及び道路の交通に起因する障害の防止に資することを目的とする法律です。(道路交通法第1条)
ざっくり言うと、道路交通法は、主に車両の運転者や歩行者が道路において守るべきルールを定めるものです。
そのルールのなかでも取り締まりの件数が多いのが、携帯電話使用等違反、座席ベルト装着義務違反等、駐停車違反、一時不停止、最高速度違反だと言われています。
上の事例では、乗車積載方法違反に問われているようですが、あまり耳にしない違反ですね。
どのような違反なのでしょうか。

道路交通法第55条2項は、乗車又は積載の方法について次のように規定しています。

車両の運転者は、運転者の視野若しくはハンドルその他の装置の操作を妨げ、後写鏡の効用を失わせ、車両の安定を害し、又は外部から当該車両の方向指示器、車両の番号標、制動灯、尾灯若しくは後部反射器を確認することができないこととなるような乗車をさせ、又は積載をして車両を運転してはならない。

積載装置以外の場所に荷物を積載したり、運転席や助手席の視野を妨げる行為を行う場合に、乗車積載方法違反となります。
犬などのペットを運転席に入れ、膝の上に乗せて運転する場合や、日よけカーテンの装着等が、運転者の視野やハンドル等の操作を妨げるような場合には、乗車積載方法違反となります。

乗車積載方法違反の罰則は、5万円以下の罰金です。
反則金は、普通車6,000円、中・大型車7,000円です。
乗車積載方法違反の場合、通常は反則金を支払うことで事件は終了します。

比較的軽微な道路交通法違反であっても、逮捕されることもあります。
事例において、Aさんは現行犯逮捕されていますが、現行犯逮捕される場合とはどのような場合なのでしょうか。

現行犯逮捕される場合とは

原則として、人を逮捕する場合には、事前に裁判官が発布した逮捕状がなければなりません。
しかし、逮捕状がなくとも逮捕することができる場合もあります。
そのひとつが「現行犯逮捕」です。

現行犯逮捕は、現行犯人に対して行う逮捕です。
現行犯逮捕については、刑事訴訟法第213条で次のように規定しています。

現行犯人は、何人でも、逮捕状なくしてこれを逮捕することができる。

ここでいう「現行犯人」とは、どういった人のことを言うのでしょう。

それについては、刑事訴訟法第212条に次のように規定されています。

第二百十二条 現に罪を行い、又は現に罪を行い終つた者を現行犯人とする。
2 左の各号の一にあたる者が、罪を行い終つてから間がないと明らかに認められるときは、これを現行犯人とみなす。
一 犯人として追呼されているとき。
二 贓物又は明らかに犯罪の用に供したと思われる兇器その他の物を所持しているとき。
三 身体又は被服に犯罪の顕著な証跡があるとき。
四 誰何されて逃走しようとするとき。

つまり、「現行犯人」というのは、「現に罪を行」う者、そして、「現に罪を行い終わった」者のことです。
犯罪が行われた状況や犯罪が終わった状況を目撃し、その犯罪が行われる最中、あるいは、犯罪が行われた後時間を置かずに逮捕することが「現行犯逮捕」です。

また、一定の条件に当てはまる者が罪を行い終わってから間がないと明らかに認めるときは、現行犯人とみなされ、現行犯逮捕が認められます。
この場合を、現行犯人と区別して「準現行犯」と呼びます。
準現行犯とする要件は、
①犯人として追呼されているとき。
犯人として追われている、犯人として呼び掛けられている場合です。
②贓物(不法に領得された財物)や、明らかに犯罪に使われたと思われる兇器その他の物を身に着けて携帯しているような場合。
③返り血を浴びたような血痕が身体や服に付着しているといった、身体や服に犯罪の顕著な証跡が残っている場合。
④警察官から声をかけられて逃げ出そうとしている、呼び止められて逃げようとしている場合。

現行犯人や準現行犯人であっても、30万円以下の罰金、拘留又は科料に当たる軽微な犯罪を行った者については、その者の住居や氏名が明らかでないとき、又は、逃亡のおそれがあるときのみ逮捕することができます。
Aさんは、5万円以下の罰金に当たる軽微な犯罪を行った者と疑われるところですが、その場から走り去ろうとしたため、逃亡の恐れがあると認められ、現行犯逮捕されたのでしょう。

現行犯逮捕された後の流れは、通常の逮捕の場合と同じです。
逮捕から48時間以内に、被疑者は釈放されるか、検察庁に送致されます。
検察庁に送致された場合、検察官は被疑者の身柄を受けてから24時間以内に、被疑者を釈放するか、若しくは勾留請求を行います。
勾留請求されると、検察官からの勾留請求を受けた裁判官が、勾留について判断することになります。
裁判官が勾留の決定をした場合には、検察官が勾留請求をした日から原則10日間、被疑者は警察署の留置場での身体拘束を余儀なくされます。
延長が認められれば、最大で20日間身柄が拘束されることになります。

そのような長い期間身柄が拘束されると、学校や会社に行くことはできませんので、最悪の場合、退学や懲戒解雇となってしまうおそれもあります。
できる限り早い段階での釈放で、その後の生活への支障を最小限に抑えることが重要です。

ご家族が道路交通法違反事件で逮捕されてしまったのであれば、今すぐ刑事事件・少年事件に精通する弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するお問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881までお電話ください。

反則金の納付を怠り逮捕

2020-04-30

今回は、反則金の納付を怠り逮捕されてしまった場合の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~

Aさんは東京都町田市内の道路において自動車を運転していた際、一時停止の標識を認識したにも関わらず、自動車を一旦停止させずに走行したところを警察官に現認され、交通反則告知書(いわゆる青切符)を切られてしまいました。
しかし、Aさんは取締りに納得がいかなかったため、長期間、反則金の納付をせずにいました。
ある日の早朝、Aさんの自宅に警視庁町田警察署の警察官が数名現れ、逮捕状を示したあと、Aさんを道路交通法違反の疑いで逮捕しました。
Aさんにとって逮捕は青天の霹靂で、驚いています。
どうすればよいのでしょうか。(フィクションです)

~一時不停止について解説~

道路交通法第43条は、
「車両等は、交通整理が行なわれていない交差点又はその手前の直近において、道路標識等により一時停止すべきことが指定されているときは、道路標識等による停止線の直前(道路標識等による停止線が設けられていない場合にあつては、交差点の直前)で一時停止しなければならない。この場合において、当該車両等は、第三十六条第二項の規定に該当する場合のほか、交差道路を通行する車両等の進行妨害をしてはならない」
としています。

さらに、上記に違反する行為につき同法第119条1項2号は、「三月以下の懲役又は五万円以下の罰金」を予定しています。
一時不停止は立派な犯罪行為なのです。

~交通反則通告制度について~

もっとも、一時不停止を犯したからといって、直ちに上記の刑罰を受けるわけではありません。
法令が定める反則金を納付すれば事件は終了し、法廷などに行く必要もありません。
いわゆる青切符の制度であり、自動車を運転する方であれば、殆どの方がご存知でしょう。

正式には「交通反則通告制度」といいます。
最高裁判所は交通反則通告制度を、
「車両等の運転者がした道路交通法違反行為のうち、比較的軽微であって、警察官が現認する明白で定型的なものを反則行為とし、反則行為をした者に対しては、警察本部長が定額の反則金の納付を通告し、その通告を受けた者が任意に反則金を納付したときは、その反則行為について刑事訴追をされず、一定の期間内に反則金の納付がなかったときは、本来の刑事手続が進行するということを骨子とするものであり、これによって、大量に発生する車両等の運転者の道路交通法違反事件について、事案の軽重に応じた合理的な処理方法をとるとともに、その処理の迅速化を図ろうとしたものである」
と位置付けています(最高裁昭和57年7月15日判決)。

道路交通法第128条第2項も、
「前項の規定により反則金を納付した者は、当該通告の理由となつた行為に係る事件について、公訴を提起されず、又は家庭裁判所の審判に付されない」
として、刑事訴追されない旨を明らかにしています。

~Aさんが逮捕されてしまった理由~

ただし前述の通り反則行為は本来、犯罪に該当する行為です。
したがって、反則金を納付しなければ、通常の刑事手続が開始されます。
逮捕の要件さえ満たせば、青切符で済む程度の交通違反であっても、逮捕されてしまう場合があるということです。

ケースには明記していませんが、警察はAさんに対して警告し、反則金を納付するよう求めたと思われます。
これに対して長期間何らの応答もなかったので、「罪証隠滅・逃亡のおそれ」があると判断され、逮捕に至ったものと考えられます。

Aさんが一時停止をしたか、しなかったかを裁判で争う方法はあります。
違反行為を争うつもりであれば、自己判断で青切符を無視せず、弁護士と相談することをおすすめします。

~身柄解放活動を弁護士に依頼~

逮捕されてしまうと、捜査段階で最長23日間、身体拘束を受けることになります。
ケースの事件は、初期の段階で適切な弁護活動を行うことにより、勾留されることなく釈放される可能性が高いと思われます。
まずは弁護士に身柄解放活動を依頼し、今後の善後策を立てて行きましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が道路交通法違反の疑いで逮捕されてしまった方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

実況見分の対応法【交通事故】

2020-04-20

実況見分の対応法【交通事故】

交通事故の後になされる実況見分の対応法について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事例】
福岡県筑後市に住むAさんは、軽自動車を運転中、交差点を通過しようとしたところ、信号が赤であることに気づかずに交差点に進入したところ、Vさん運転のバイクと衝突。
Vさんは路上に転倒し、Vさんに加療約1か月間の怪我を負ってしまいました。
Aさんは大変なことをしてしまったと思い、車から降り、110番通報しました。

Aさんは現場に駆け付けた福岡県筑後警察署の警察官から「今から実況見分をするのでお時間いただけないか」と言われました。
免許を取り立てで、かつ、交通事故を起こしたのが初めてだったAさんは聞き慣れない言葉に驚きましたが、警察官から「事故状況を明らかにするために行います」と聞き、ひとまず安心しました。

~交通事故を起こしたら?~

まず、交通事故を起こしたら、必ず交通事故現場に留まって被害者の救護活動をし、かつ、警察に電話して事故状況等を報告しなければなりません。
これを怠ると「救護義務違反」「報告義務違反」として処罰の対象となります。

「救護義務違反」の罰則は、交通事故の原因が自分にある場合は「10年以下の懲役又は100万円以下の罰金」、自分に原因がない場合は「5年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。

~実況見分調書とは?~

皆さんも、テレビドラマなどで実況見分という言葉を聞かれたことはあるのではないでしょうか?

実況見分とは、事故や事件の現場を確認する捜査です。
交通事故の場合も、事故後に事故状況を明らかにするために行われます。
そして、実況見分の結果を書類にしたものが実況見分調書です。

実況見分調書は刑事事件、民事事件の両方で活用されます。

刑事事件では、
・起訴、不起訴の刑事処分を判断する
・裁判で有罪・無罪を判断する
ためなどに活用されます。

民事事件では、
・交通事故の加害者と被害者との間で過失割合(交通事故に対する責任の割合)を巡って争いが生じた場合に、事故状況を明らかにする
ためなどに活用されます。

交通事故の加害者、被害者は警察官から実況見分への立ち会いを求められます。
そして、交通事故では、加害者・被害者双方の立ち会いがあることが望ましいとされています。
これは、実況見分の信用性、公平性を担保するためです。
つまり、一方当事者が不在の実況見分では「警察官が立会人に肩入れしたのではないか?」との疑念を持たれかねないからです。

また、双方不在の実況見分では「警察官が勝手に作ったものではないか?」「ねつ造したものではないか?」との疑念を持たれかねないからです。
重症で事故直後の立ち会いが難しいという場合は、怪我の回復を待ってから実況見分への立ち会いを求められます。

実況見分への立ち会いを求められると、今度は、警察官から事故状況に関する聴き取りが始まります。
本件の赤信号の見落としの場合であれば、「信号表示を見落とした原因は何か」、「どの時点で被害者の車に気付いたか」「どの地点で衝突したか」などといったことを聞かれると思います。
そこで話した内容は裁判などで使われる可能性がありますので、適当なことは話さず記憶のまま話すようにしましょう。

~不安があれば弁護士にご相談を~

あなたやご家族が交通事故を起こしてしまった場合、実況見分で話した内容が不利に働くのではないか、今後どのような手続が進んでいくのか、どのくらいの刑罰を受けるのかなど、不安な点が多いと思います。

ぜひ一度、弁護士にご相談いただければと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずは0120-631-881までお電話ください。
無料法律相談初回接見サービスの予約受付を24時間受け付けております。

酒気帯び運転で逮捕

2020-04-10

酒気帯び運転で逮捕

今回は、酒気を帯びて自動車を運転してしまった場合における弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~
Aさんは、兵庫県神戸市内の居酒屋で酒を飲んだあと、乗ってきた自家用車に乗って帰路につきました。
兵庫県兵庫警察署のパトカーが、左右にフラフラしながら運転するAさんの車を見つけたので、飲酒運転を疑い、停止させました。
呼気検査をしたところ、呼気1リットルにつき、0.20ミリグラムのアルコールが検出されたため、Aさんは道路交通法違反(酒気帯び運転)の疑いで現行犯逮捕されてしまいました。
Aさんはこれからどうなってしまうのか不安に感じています。(フィクションです)

~飲酒運転について解説~

【酒気帯び運転の罪】
身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態で車両等(軽車両を除く)を運転すると、酒気帯び運転の罪が成立します。
酒気帯び運転につき起訴され、裁判で有罪が確定すると、3年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられます(道路交通法第117条の2の2第3号)。

「政令で定める程度」とは、「血液1ミリリットルにつき0.3ミリグラム又は呼気1リットルにつき0.15ミリグラム」です(道路交通法施行令第44条の3)。
Aさんは呼気1リットルにつき0.20ミリグラムのアルコールが検出される状態で自動車を運転していたのですから、酒気帯び運転の罪が成立する可能性は極めて高いと思われます。

【酒酔い運転の罪】
酒に酔った状態、すなわち、アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態で、道路交通法第65条1項の規定に違反して車両等を運転した場合には、酒酔い運転の罪が成立します。
酒気帯び運転よりも法定刑が重く、5年以下の懲役または100万円以下の罰金が予定されています(道路交通法第117条の2第1号)。

上記の通り「酒に酔った状態」で車両等を運転すれば、身体に保有しているアルコールの程度が酒気帯び運転の基準である「呼気1リットルにつき0.15ミリグラム未満」であったとしても、酒酔い運転の罪が成立することになります。

酒酔い運転か酒気帯び運転かは、被疑者の歩行能力や、直立能力などを確認することにより判別されます。

ケースのAさんは、身体に保有するアルコールの程度が「政令で定める程度」以上でしたが、「酒に酔った状態」ではないと判断されたため、酒気帯び運転の罪で逮捕されたものと思われます。
反対に、Aさんが千鳥足になっていたり、警察官と正常なやりとりができないほどに酩酊していた場合には、酒酔い運転の被疑者として検挙されていた可能性が高いと思われます。

~釈放に向けてどうするべきか?~

Aさんは酒気帯び運転をしましたが、交通事故を起こしたわけではありません。
したがって、刑事手続の初期において、適切な弁護活動を尽くすことにより、数日以内に釈放される可能性もあります。
そのため、すぐに弁護士を呼び、身柄解放活動を依頼することをおすすめします。

釈放に向けた弁護活動について詳しくはこちらをご覧ください。
交通事故・交通違反事件と釈放

~処分・判決はどうなるか?~

Aさんが初犯であれば、略式手続がなされた結果、罰金刑を言い渡される可能性が高いと思われます。

略式手続とは、Aさんの同意があることを前提に、原則として検察官のみの証拠により、書面によって審理する手続です。
略式手続がなされたということは、起訴されたということになりますが、ドラマで見るような法廷に立つ必要はありません。
略式命令により罰金刑を言い渡された後、これを納付することによって事件が終了します。

ただし、Aさんの言い分を裁判官に伝えることはできません。
犯行を認めていない、捜査に違法な点があるといった場合には略式手続に応じず、公開の法廷での正式な裁判を受けることも検討しなければなりません。

どのような方針で行くべきか、事件の内容に応じてアドバイス致しますので、ぜひ一度ご相談いただければと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が飲酒運転などで逮捕されてしまった方は、お早めにご連絡ください。

【交通事故】過失運転致傷罪で略式裁判

2020-03-31

【交通事故】過失運転致傷罪で略式裁判

過失運転致傷罪と略式裁判について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事例】
大阪府柏原市に住むAさんは、深夜午前1時頃、普通乗用自動車を運転して自宅に向かっていました。
その途中、うっかり止まれの標識を見落としてしまい、そのまま交差点に進入したところ、右側から交差点に進入してきたVさん運転の軽自動車と衝突し、Vさんに加療約1か月間を要する怪我を負わせました。
Aさんは当初、大阪府柏原警察署過失運転致傷罪で逮捕・勾留され、略式起訴されて罰金50万円の略式命令を受けました。
(フィクションです。)

~過失運転致傷罪~

過失運転致傷罪は「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」の5条に規定されています。

第5条
自動車の運転上必要な注意義務を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

つまり、過失運転致傷罪が成立した場合、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処される可能性があります。

「自動車の運転上必要な注意義務を怠った」とは、要は過失があることをいいます。
では、過失とは何かというと不注意な行為、つまり、ある注意義務が課されているにもかかわらず、その注意義務違反があったこと、をいいます。

今回の事例で言うとAさんは、信号を確認の上、それに従って運転すべき注意義務が課されていたのに、この注意義務に違反したことから過失があるといえます。

~略式起訴、略式裁判とそのメリットは?~

検察官が行う起訴には「正式起訴」「略式起訴」の2種類があります。
「正式起訴」は、検察官が、裁判所に対し、皆さんもテレビドラマなどでよくみる公開の法廷で裁判(正式裁判)を開くことを求めるものに対し、「略式起訴」は、検察官が、裁判所に対し公開の法廷ではなく書面のみでの裁判(略式裁判)を求めるものです。

略式裁判は通常の裁判の手続きを省略するものであり、被告人(起訴された人)が主張や意見を述べる機会がありません。
そのため、検察官は略式起訴するにあたって、略式裁判にかけることに関し予め被疑者(起訴される前の人)から同意を得る必要があります。

仮に略式起訴され、裁判官により略式命令を発せられたとしても、その告知を受けた日の翌日から起算して14日間以内は正式裁判を受けたい旨の申し立てをすることができます。

逮捕から略式起訴、略式裁判、確定までの流れは以下のとおりです。

逮捕

勾留

捜査機関(警察、検察)による捜査

検察官から略式起訴、裁判に関する説明を受け、同意を求められる(勾留期間満了の日のおおよそ2日前)

略式起訴(勾留満了日のおおよそ1日前)

略式裁判

略式命令発布

正式裁判申し立て期間経過

確定

勾留中の場合は、勾留満了日1日から2日前に略式起訴されることが多く、略式起訴されたその日に略式命令が発布されます。
略式命令が発布されると、被告人は裁判所で略式命令謄本を受領し、受領した時点で釈放されます。

略式裁判を受けるメリットは、

・懲役刑を受けるおそれがない(略式命令では100万円以下の罰金又は科料の刑の命令しか出せない)

 →将来、刑務所で服役するおそれがなくなる
・公開の法廷に出廷する必要がない
 →裁判を他人の目に晒されることはない(事件を秘密にできる)
というメリットのほか、上記のように
・略式命令を受けた時点で釈放される

という点を上げることができます。

起訴前に釈放が困難な場合は略式起訴を目指すことも一つといえます。
弁護士は、最善の解決に向けてサポート致しますので宇、ぜひ一度ご相談いただければと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、交通事件を含む刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずは0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談初回接見サービスを24時間体制で受け付けております。
無料相談や初回接見後のご報告では、事件の見通しや、刑事手続の説明の他、弁護士費用などについてご納得いただけるまでご説明させていただきます。

★無料法律相談のご案内はこちら→無料法律相談のご案内
★初回接見のご案内はこちら→初回接見のご案内
★弁護士費用のご案内はこちら→弁護士費用のご案内

スピード違反で逮捕

2020-03-21

スピード違反で逮捕

今回は、スピード違反の疑いで逮捕されてしまうケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~
Aさんは、埼玉県内の時速80キロメートル制限の高速道路において、自動車を時速180キロメートルで走行させていたところ、自動速度取締装置が赤く発光したのを見ました。
後日、埼玉県警高速道路交通警察隊から出頭を要請されましたが、出頭するのが面倒だったので無視することにしました。
半年近く無視していたところ、Aさんの自宅に現れた警察官から逮捕状を見せられ、道路交通法違反の疑いで逮捕されてしまいました。
Aさんはどうしてスピード違反で逮捕されてしまうのか納得できず、憤っています。(フィクションです)。

~スピード違反について解説~

道路交通法第22条1項には、「車両は、道路標識等によりその最高速度が指定されている道路においてはその最高速度を、その他の道路においては政令で定める最高速度をこえる速度で進行してはならない」と定められています。
Aさんが運転した高速道路の最高速度は「時速80キロメートル」と指定されているので、これを超えた速度で運転する行為は道路交通法に違反します。

さらに、道路交通法第118条1項1号は、「第二十二条(最高速度)の規定の違反となるような行為をした者」を、「六月以下の懲役又は十万円以下の罰金」に処するとしています。
スピード違反行為は、刑罰が予定されている、立派な犯罪行為なのです。

~交通反則通告制度について~

Aさんが自身の行為について重く考えなかったのは、交通反則通告制度(いわゆる『青切符』の制度です)の存在によるものかもしれません。

スピード違反などの道路交通法に違反する行為は犯罪ですので、本来は刑事裁判を受けて処罰され、前科が付くことになります。
しかし、比較的軽い違反の場合には、所定の反則金を納付することにより、そこで手続を終了させ、刑事裁判や処罰、前科を避けることができる制度になっているのです。

もっとも、反則金の納付を長期間怠るなどすれば、スピード違反行為が犯罪である以上、逮捕されてしまう可能性があります。

~今回は反則金制度の対象外~

しかしAさんのように、最高速度を時速100キロメートル超過して自動車を運転した場合には、軽い違反とは言えず、交通反則通告制度の適用はありません。

警察がAさんに出頭を求めた理由は、逮捕まではしないものの、あくまで刑事裁判にかけようとしたからです。
しかし出頭要請を正当な理由なく無視していれば、証拠隠滅や逃亡のおそれがあるとみなされ、逮捕されてしまうことにもつながります。

Aさんとしては、弁護士に相談し、取調べでの受け答え方のアドバイスを聞いた上で、なるべく早く出頭すべきであったと考えられます。

~刑事手続の流れ~

今回の事件は、適切な身柄解放活動を尽くすことにより、比較的早期に外へ出られるかもしれません。

ですが今回は、スピード違反としてはかなり悪質な部類に属する事件です。
裁判では検察官が、被告人をどのくらいの刑罰にするべきかという意見を述べてきますが(求刑)、罰金ではなく懲役を求刑してくる可能性が十分あります。

罰金や執行猶予付き判決の獲得を目指して、弁護士と十分善後策を練る必要があるでしょう。

~公判に向けた準備~

車を処分し、二度と運転しないと誓うことを含めて、準備を行う必要があります。
また、責任をもってAさんを監督できる人物を探して、法廷で証言してもらう必要もあります。

また刑事事件においては、被害者と示談をする活動が重要視されていますが、スピード違反の場合は、傷害罪におけるような被害者が存在しません。
この場合は、弁護士会などの団体に寄付をして謝罪の意思を示す「贖罪寄付」が有効かもしれません。
弁護士と相談しながら、よりAさんにとって有利な事件解決を目指していきましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族がスピード違反などで逮捕された、取調べを受けるといった方は、ぜひご相談ください。

物損事故と飲酒運転

2020-03-16

物損事故と飲酒運転

物損事故と飲酒運転について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事例】
神奈川県横須賀市に住むAさんは飲酒運転をして帰宅途中、自動車を民家のブロック塀に衝突させてブロック塀を壊す物損事故を起こしました。
住民の110番通報で神奈川県浦賀警察署の警察官が駆け付け、道路交通法違反(酒酔い運転の罪、過失建造物損壊罪)で現行犯逮捕されました。
逮捕の通知を受けたAさんの家族は驚き、交通事故、刑事事件に詳しい弁護士にAさんとの接見及びその後の刑事弁護活動を依頼しました。
(事実をもとにしたフィクションです)

~ 飲酒運転から過失建造物損壊罪 ~

酒気帯び運転とは、呼気1リットルにつき0.15ミリグラム以上のアルコールまたは血液1ミリリットルにつき0.3ミリグラム以上のアルコールを身体に含んだ状態で運転することをいいます。
罰則は3年以下の懲役または50万円以下の罰金となります。

一方、酒酔い運転
とは、アルコールの影響によって正常な運転ができないおそれがある状態で運転をすることをいいます。
罰則はより重く、5年以下の懲役または100万円以下の罰金となります。

このように、酒気帯び運転は、具体的な数値基準が設けられているのに対して、酒酔い運転はそうした基準は特に設けられていません。

2つの中で罰則が軽い酒気帯び運転が、呼気1リットルにつき0.15ミリグラム以上、という基準を設けていることから、これ以下の数値であれば罰則の重い酒酔い運転に問われることもない、と勘違いされている方もおられます。

しかし、酒酔い運転かどうかは、お酒の量、警察官に対する受け答えの様子、歩行状況などを総合的に考慮して決められます。

したがって体質などによっては、アルコール濃度が酒気帯び運転にならない程度であっても、刑罰の重い酒酔い運転と判断される可能性もあります。

なお、事例のように、飲酒運転は車を電柱や民家のブロック塀に衝突させたことなどがきっかけで発覚する事例をよく散見します。

電柱やブロック塀を壊した(損壊させた)場合は、道路交通法上の過失建造物損壊罪という罪にも問われる可能性があるので注意が必要です。
あくまで過失ですから、罰則自体は6か月以下の禁錮または10万円以下の罰金と比較的軽くはありますが、やはり逮捕されてしまうことはあります。

~ 勾留前に釈放されることがある ~

交通事故を含め、何らかの犯罪をしたとして逮捕されると、警察署に2~3日間収容された後、さらに最大20日間勾留と呼ばれる身柄拘束が続く可能性があります。
身柄拘束期間が長引けば、逮捕された方の肉体的、精神的な負担となるばかりではなく、様々な社会的不利益を受けるおそれも出てくるでしょう。

勾留は、逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断される場合になされます。
逆に軽い事件などでは、証拠隠滅や逃亡のおそれがないと判断され、勾留されずに済む可能性もあります。
そこで、証拠隠滅や逃亡のおそれがないといえる事情を検察官や裁判官に主張し、早期釈放を目指していくことが重要となります。

こういった刑事手続きなどはわからないことも多いと思いますので、ぜひ一度弁護士にご相談いただければと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、交通事故を含めた刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
交通事故をはじめとする刑事事件・少年事件でお困りの方は、
0120-631-881
までお気軽にお電話ください。
無料法律相談初回接見サービスを24時間体制で受け付けております。

無料相談や初回接見後のご報告では、事件の見通しや、刑事手続きの説明の他、弁護士費用などについてご納得いただけるまでご説明させていただきますので、ぜひご利用ください。

信号無視で逮捕

2020-03-11

信号無視で逮捕

信号無視で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事例】
東京都小平市に住むAさんは、深夜に自動車を運転して帰宅途中、交差点の信号が赤だったにも関わらず、
「深夜だし交差点を通過する車はいないだろう」
「早く家に帰ってゆっくりしたい」
などと思って、そのまま交差点に進入しました。
そうしたところ、右方から交差点に進入してきたVさん運転の自動車と衝突。
Vさん運転の自動車を電柱に衝突させ、Vさんに加療約1か月間を要する怪我を負わせました。
Aさんは駆け付けた警視庁小平警察署の警察官に現行犯逮捕されましたが、罪証隠滅や逃亡のおそれがないとして釈放されました。
その後、Aさんは在宅事件被疑者として捜査を受け、正式起訴されてしまいました。
Aさんは今後のことが不安になって正式裁判の刑事弁護を私選弁護人に託すことにしました。
(フィクションです)

~ 過失運転致傷罪 ~

信号無視で人身事故を起こしたAさん。
「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」という法律に定められた、過失運転致傷罪危険運転致傷罪に問われることになります。

まずは、過失運転致傷罪の条文を見てみましょう。

第5条
 自動車の運転上必要な注意義務を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

つまり、過失運転致傷罪が成立した場合、7年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金に処される可能性があります。

「自動車の運転上必要な注意義務を怠り」とは、要は「過失」があることをいいます。
「過失」とは何かというと「注意義務違反」、つまり、ある注意をする義務が課されているにもかかわらず、その注意義務を怠ったことをいいます。

本件では、Aさんが赤信号に従って交差点の停止線手前で停止すべきであるにも関わらず(注意義務)これを怠り停止しなかったこと、あるいは他の自動車が来ていないか確認し、衝突しないよう停止すべきであるにもかかわらず(注意義務)、これを怠り衝突させてしまったことなどが「注意義務違反=過失」と判断される可能性があります。

~ 危険運転致傷罪 ~

信号をわざと無視して事故を起こしたことから、より重い刑罰が定められた危険運転致傷罪に問われる可能性もあります。

第2条
 次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する。
5号 赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為

Aさんは赤信号だとわかっていながら交差点に進入したわけですので、「赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視」したと言えるでしょう。
したがって進入時のスピードが、交差点の見通しの悪さの程度や交通量なども考慮して、「重大な交通の危険を生じさせる速度」といえるものだった場合には、危険運転致傷罪が成立し、15年以下の懲役となる可能性があります。

~ 正式起訴、正式裁判 ~

正式起訴とは、正式裁判を受けるための起訴です。
正式裁判とは、実際に公開の法廷に出廷しなければならない裁判です。
これに対し略式起訴・略式裁判というものもあり、書面の審理のみで罰金刑にするもので、公開の法廷に出廷する必要はありません。

交通事故の大半が略式起訴、略式裁判で終わることが多いですが、本件のように、

・過失が重たい事故(責任が重たい事故)
・被害者の怪我の程度が重たい事故

などは正式起訴され、正式裁判を受けなければならないおそれがあります。

正式起訴されると、弁護人を自費で雇う私選弁護人にするか、どの弁護士にするかは選べませんが国の費用で付けられる国選弁護人にするかの判断に迫られます。
お困りの方はまず弊所の無料法律相談や、釈放されていない場合に利用できる初回接見サービスをご利用の上、どちらを選択すべきか決められてもよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、交通事件を含む刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
刑事事件・少年事件でお困りの方は、弊所までお気軽にご相談ください。

過失運転致傷事件で起訴猶予処分を目指す

2020-03-01

過失運転致傷事件で起訴猶予処分を目指す

今回は、人身事故を起こし、過失運転致傷の疑いで捜査されている場合の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~
Aさんは、福岡県北九州市内を自動車で運転し、交差点を左折しようとしたところ、横断歩道上の歩行者Vに気付かず、進行を続けてしまいました。
VさんはあわててAさんの自動車を回避したのですが、前に転倒してしまい、手のひらと膝に擦過傷(すり傷)を負ってしまいました。
Aさんは救急車と警察を呼び、事故を報告し、Vさんを適切に救護しました。
Vさんはそれほど事故については怒っていないようです。
ただ、駆け付けた福岡県八幡東警察署の警察官からは、「一応、過失運転致傷の疑いで調べなければならない」と言われ、不安に感じています。
そこで、Aさんは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に相談することにしました。
(フィクションです)

~過失運転致傷罪とは?~

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第5条によれば、「自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる」とされています。

自動車の運転上必要な注意を怠り、人を傷害した場合に過失運転致傷罪が、人を死亡させた場合に過失運転致死罪が成立します。
両者をあわせて過失運転致死傷罪と呼ぶこともあります。

【Aさんの注意義務は?】
自動車の運転上必要な注意を怠ると、過失運転致死傷罪が成立する可能性があるわけです。
では、Aさんがすべきだった「自動車の運転上必要な注意」とは、具体的にはどのような内容だったのでしょうか。

道路交通法第38条1項後段によると、横断歩道又は自転車横断帯の直前に接近する場合において、横断歩道等により進路の前方を横断し、又は横断しようとしている歩行者等があるときは、当該横断歩道等の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければなりません。

したがってAさんには、自動車で交差点を左折する場合において、横断歩道を横断する歩行者の有無を確認し、歩行者がいれば横断歩道の直前で一時停止して、歩行者の通行を妨げないようにする注意義務があったと考えられます。

Aさんは横断歩道上のVさんに気付かずに、一時停止することなく横断歩道に入っているので、「自動車の運転上必要な注意」を怠ったことになります。

その結果、Vさんが転倒し、傷害を負わせてしまったものと考えられます。
以上によれば、Aさんに過失運転致傷罪が成立する可能性は高いと考えられます。

~起訴猶予処分の獲得を目指す~

人身事故が刑事事件化してしまったからといって、必ず起訴される(刑事裁判にかけられる)わけではありません。
Aさんを起訴するか否かを決定するのは検察官です。
検察官は、Aさんの性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況を考慮し、不起訴処分(起訴猶予処分)を行うことができます(刑事訴訟法第248条)。
不起訴処分を獲得できれば、裁判にかけられることがないので、懲役刑や罰金刑を受けることもなく、前科も付かずに終わります。

ケースの事件は軽微な過失運転致傷事件であり、Vさんの処罰感情もほとんどなく、自動車保険などでVに生じさせた損害を賠償することにより、不起訴処分を獲得できる可能性が十分にあります。

ただ、Vさんとの示談交渉で問題が発生したり、かえってVを怒らせてしまうなどのリスクは依然として存在します。
そこで、法律の専門家であり、交渉のプロである弁護士をAさんとVさんとの間に入れることにより、上記のリスクを低減させることができます。
過失運転致傷事件を、前科を付けずに解決するために、弁護士を依頼することをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
無料法律相談を受付しておりますので、過失運転致傷事件を起こしてしまいお困りの方は、ぜひご相談ください。

« Older Entries Newer Entries »
Copyright(c) 2016 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 All Rights Reserved.