交通事件と交通反則通告制度

2020-09-19

交通反則通告制度について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

神奈川県茅ヶ崎市の国道を自家用車で走行していたAさんは、神奈川県茅ヶ崎警察署の警察官に停止を求められました。
法定速度を25キロオーバーしていたとして、交通切符の交付を受けたのですが、Aさんは25キロもオーバーしていた認識はなく、反則金の納付を拒否し、警察署にもその旨を主張しました。
反則行為を争いたいAさんでしたが、このまま反則金納付を許否した場合、どのような手続となるのか心配になり、翌日、交通事件にも対応する弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

交通違反をした際に支払う「反則金」を、刑罰である「罰金」と混同されている方が多くいらっしゃいますが、反則金と「交通反則通告制度」に基づく行政処分で科せられる過料のことを指し、罰金とは、刑事処分の一種です。

交通反則通告制度とは、自動車や原動機付自転車の運転者がした違反行為のうち、反則行為については、一定期間内に郵便局又は銀行に反則金を納めることによって、刑事裁判、少年の場合は家庭裁判所の審判を受けることなく事件が処理される制度のことです。
自動車による交通が増加し、道路交通法違反事件の数が飛躍したことで、検察庁や裁判所の業務に負担をかけることになったため、軽微な交通違反については刑事手続によらず処理することとし、交通反則通告制度が設けられました。

反則行為が発覚すると、交通反則告知書(通称、交通切符、青切符)と反則金仮納付書が交付されます。
告知を受けた日の翌日から起算して7日以内に反則金を納付すれば、納付をもって手続は終了します。

他方、7日以内に反則金を納付しない場合には、通告センターに出頭し、通告書及び納付書の交付を受ける、出頭できなかった場合には、通告書及び納付書が送付されるので、通告を受けた日の翌日から起算して10日以内に反則金を納付することによって手続を終了させることができます。
10日以内に反則金を納付しなかった場合には、刑事手続に移行し刑事裁判、少年の場合には家庭裁判所の審判を受けることになるので留意が必要です。

反則金を納付すれば、刑事手続に移行することなく手続が終了するため、前科が付くことはありません。
ちなみに、前科とは、過去に有罪判決を受けたという事実のことを指します。

無免許運転、飲酒運転、反則行為の結果交通事故を起こした場合には、交通反則通告制度は適用されません。

反則行為を認めている場合、そして反則金を納付することによって刑事手続を避けたい場合には、交通反則通告制度に従い反則金を納付するのがよいでしょう。
しかし、反則行為を認めないのであれば、刑事裁判で争うことになります。

最初に警察官から交付される反則金仮納付書に従って納付せず、次の交付される納付書についても同様に対応した場合には、刑事手続に移行することになり、今度は検察庁から出頭を要請されます。
検察庁では、取調べを受けた上で、略式手続を提示されることになりますが、これについても拒否した場合には、検察官は公判請求をすることになり、刑事裁判がひらかれます。
検察官が、嫌疑不十分での不起訴又は起訴猶予での不起訴となれば、事件は終了となります。
そうでなければ、略式手続を断ると、正式な裁判となります。
反則行為を争う場合には、交通事件にも対応する刑事事件に強い弁護士に相談されるのがよいでしょう。

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