自転車の交通事故

2020-08-22

自転車交通事故で刑事事件となった場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

出前の配達業務を自転車で行っていたAさんは、京都府城陽市を走行中、歩行者のVさんとぶつかり、Vさんに怪我を負わせてしまいました。
事故後、すぐに目撃者が警察に通報し、京都府城陽警察署の警察官が現場に駆け付けました。
Aさんは、逮捕されることなく、在宅で捜査を受けることになり、警察からは「後日また連絡する。」と言われました。
Aさんは、Vさんとの示談交渉や今後の刑事手続の流れについて弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

自転車の交通事故

外出自粛が求められるようになり、以前より出前の需要が増えています。
それに伴い、配達員による事故も増えており、特に自転車交通事故が増加傾向にあります。
自動車で人身事故を起こした場合には、「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」における過失運転致死傷罪や危険運転致死傷罪が適用されるのですが、自転車を走行中に人身事故を起こした場合、どのような罪が成立するのでしょうか。

(過失傷害)
第二百九条 過失により人を傷害した者は、三十万円以下の罰金又は科料に処する。
2 前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
(過失致死)
第二百十条 過失により人を死亡させた者は、五十万円以下の罰金に処する。
(業務上過失致死傷等)
第二百十一条 業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、五年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。

自転車を運転し、人に怪我を負わせてしまった場合には、刑法の過失傷害、又は重過失傷害に問われることになります。

過失傷害・過失致死

傷害罪の成立には、「故意」の存在が必要となりますが、「過失」によって人に怪我を負わせたり、死亡させてしまった場合には、過失傷害や過失致死が成立する可能性があります。
過失傷害罪の法定刑は、30万円以下の罰金または科料であり、被害者等が行為者を告訴した場合のみ起訴が可能という親告罪となっています。
また、過失致死罪の法定刑は50万円以下の罰金にとどまります。

重過失致死罪

「重大な過失」によって人を死傷させた場合には、重過失致死罪に問われる可能性があります。
ここでいう「重大な過失」とは、注意義務違反の程度が著しい場合をいいます。
発生した結果の重大性、結果発生の可能性が大であったことは必ずしも必要とされません。
スマートフォンを操作してのながら運転、イヤホンで音楽を聞きながらの運転、スピードを出しての運転などは、「重大な過失」に当たるでしょう。

上の事例は、Aさんは出前の宅配業務を自転車で行っている最中に、歩行者とぶつかったというものですが、Aさんがスピードを出し周囲への注意を怠っていたために起こったものであれば、重大な過失が認められ、重過失致死傷罪が成立すると考えられます。

自転車の交通事故で弁護活動

自転車による交通事故も、自動車による交通事故と同様に、被害者への対応が最終的な刑事処分の結果に大きく影響します。
そのため、自転車交通事故においても、被害者への被害弁償や示談に向けた活動は重要です。
示談交渉は、当事者間で直接することも可能ですが、当事者同士での話し合いでは、感情的になり交渉が難航することが多いため、弁護士を介して行うことが一般的です。
弁護士は、被害者の気持ちに配慮しつつ、示談のメリット・デメリットを丁寧に説明した上で、示談締結に向けて粘り強く交渉していきます。
示談で、加害者に処罰を求めない旨の条項を入れることが出来れば、起訴猶予となる可能性は高まります。

このような活動は、刑事事件に強い弁護士に任せるのがよいでしょう。

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