スピード違反の否認事件
スピード違反の否認事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
兵庫県明石市の国道を車で運転していたAさんは、兵庫県明石警察署の速度取締で、法定速度の30キロオーバーで赤切符が切られました。
しかし、Aさんは、法定速度を30キロもオーバーした認識はなく、車の速度メーターでも30キロは超えていなかったと記憶しています。
Aさんは、スピード違反の否認事件にも対応してくれる弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)
スピード違反:道路交通法違反(速度超過)
警察庁によれば、平成29年及び30年に取り締まった道路交通法違反事件のうち、最も多かったのがスピード違反です。
道路交通法は、道路標識等によりその最高速度が指定されている道路においてはその最高速度を、その他の道路においては政令で定める最高速度を超える速度で車両を進行してはならないと定めています。(道路交通法第22条1項)
法令で定める最高速度については、高速自動車国道の本線車道以外の道路における、自動車の最高速度は60キロ、自動車が高速自動車国道の本線車道を通行する場合の最高速度は、車種などによって異なりますが、普通自動車の場合は100キロです。
指定又は法定最高速度を超える速度で走行した場合、例えそれが1キロオーバーであっても、速度超過となり、道路交通法に違反することになります。
道路交通法に違反した場合、行政処分や刑事処分を受けることになります。
ここでいう行政処分とは、道路交通法に基づき、都道府県公安委員会が行う免許取消処分、免許停止処分、免許許否処分、免許保留処分、運転禁止処分のことです。
車両の運転において、道路交通法に規定される違反行為があった場合、違反の程度に応じた違反点数が科せられます。
この違反点数が累積され一定の点数になるなど、所定の条件を満たした場合に行政処分を受けることになります。
また、車両の運転者がした違反行為のうち、反則行為については、一定期間内に郵便局か銀行に反則金を納めると、刑事裁判(少年の場合は家庭裁判所の審判)を受けずに事件が処理される「交通反則通告制度」が適用されます。
速度超過による道路交通法違反において、超過速度が30キロ未満の場合には当該制度が適用されます。
しかし、超過速度が高速自動車国道の本線車道以外の道路において30キロ以上の場合、高速自動車国道の本線車道において40キロ以上の場合には、交通反則通告制度は適用されず、刑事手続がとられ、刑事罰(6月以下の懲役又は10万円以下の罰金)が科される可能性が生じます。
スピード違反の否認事件
多くのスピード違反事件は、走行している車の速度計を基準に検挙するのではなく、何らかの方法で警察官が車の速度を測定し、それに基づいて検挙を行います。
警察が行う測定の方法としてレーダー式の測定や、レーザー光線を用いた測定などが知られています。
しかし、これらの測定が常に100%性格であるとは限りません。
科学技術を用いた捜査が行われる場合、その捜査による結果に信用性が認められるためには、一般に①原理が科学的根拠を有すること②(科学的に)適切な方法により検査等が実施されたことが要求されます。
たとえレーダーやレーザー光線自体の原理が科学的に間違いないないとしても(おそらく、多くは間違いないと思われますが)、その実施方法に問題があれば測定結果等は誤ったものになってしまいます。
たとえば、自動車の速度を機械を用いて図る場合には、自動車と機械の位置関係が重要になってきます。
レーダーで波を照射する角度が異なれば、反射時間等が変化しますし、あくまでも機械の設定上は車が真っ直ぐに走行することを想定していますから、車体が何らかの事情で斜めになっていた場合などには、必ずしも測定結果が正確になるとは限りません(ただし、このような場合でも正確に測定できる場合もあります)。
スピード違反を通告され、実際に走行していた速度について争う場合には、ドライブレコーダーの映像や、タコグラフを用いて争い、同時にスピードの測定方法等を争うことになります。
しかし、この主張は,高度に科学的な問題でもありますから、専門的な知識が必要となります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、交通事件を含めた刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
スピード違反の否認事件でお悩みであれば、弊所の弁護士にご相談ください。
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