自転車での人身事故

2020-01-11

自転車での人身事故

自転車人身事故を起こした場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~ケース~
Aさんは、福岡県福岡市博多区において、スマートフォンを操作しながら自転車を走行させていた。
Aさんは、スマートフォンの画面に気をとられていたため、前方にいた歩行者Vに気付かずに、後ろから自転車をVに衝突させてしまった。
転倒によって路上に頭を強く打ち付けたVは脳挫傷を負ってしまい、事故の3日後に死亡してしまった。
この人身事故については、福岡県博多警察署により捜査が進められている。
Aさんは自分の軽率な行為によって人を死亡させてしまったことを深く後悔しており、贖罪をかねてVの遺族と示談交渉を行いたいと考えている。
(上記の事例はフィクションです)

~安全運転義務~

道路交通法70条は、安全運転の義務として「車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない。」と定めています。

自転車は、道路交通法2条1項8号に規定する「車両」のうち、「軽車両」にあたります(道交法2条1項11号)。
そのため、自転車の運転者であっても「車両等の運転者」にあたり、道交法70条による安全運転の義務が課せられます。

スマートフォンを操作しながらの自転車の運転は、ハンドルを片手で操作することになることから、「ハンドルを確実に操作」しえない状況であるといえます。
また、スマートフォンの画面を見ながら運転することになるため、前方不注視での運転になるといえ、「他人に危害を及ぼさないような…方法」とはいえないことになります。

~自転車事故で成立しうる犯罪~

上記の事例のようにスマートフォンを操作しながらの自転車の運転によって人を死亡させた場合、上記の通り、道路交通法上の安全運転義務違反が認められますので、運転をするうえで必要な注意を怠ったと評価され、過失致死罪(刑法210条)が成立することになり、50万円以下の罰金に処されることになります。

また、過失が重大であると評価された場合には重過失致死罪(刑法211条後段)が成立することになり、5年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金というより重い刑に処されることになります。

重過失とは、注意義務違反の程度が著しいことをいいます。
上記の事例のAさんは、スマートフォンを操作しながら自転車を走行させ、前方を歩いていた何ら過失の無いVを自転車で轢いています。
そのため、Aさんにも重過失致死罪の成立が認められる可能性はあるといえます。

過失致死罪と重過失致死罪では、上記の通り法定刑に大きな差があることから、Aさんとしては、弁護士を選任して、事案によっては重大な過失はなかったと主張するなど適切な弁護活動を行うことが重要になります。

~示談交渉について~

人身事故において不起訴処分などを望む場合、被害者やその遺族との間で示談を成立させることが重要になります。
被害者側との示談書の中には、加害者の処罰を求めない旨の条項(宥恕条項)を盛り込める場合があります。
そのような示談書を関係機関に提出することにより不起訴処分等の獲得を目指すことが可能です。

示談交渉については、当事者同士で行うことは極めて難しく、無理に当事者同士で示談を行おうとするとかえって被害者側との関係を悪化させてしまうおそれもあります。
そのため、弁護士を選任した上で適切な示談交渉を行っていくことが重要になってきます。

また,被害者が死亡には至らず、負傷にとどまった場合に成立する過失傷害罪(刑法209条1項)については被害者の告訴がなければ起訴できない親告罪です。
示談を成立させ,被害者が告訴を取下げてくれれば,必然的に不起訴処分を獲得することができます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には、刑事事件を専門に取り扱う弁護士が所属しています。
交通事故などで捜査を受けているが被害者と示談をしたい,不起訴処分を獲得したいなどとお考えの方は,ぜひ一度弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。

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