減らない飲酒運転

2019-06-20

減らない飲酒運転

福岡県うきは市に住む会社員のAさんは大のお酒好きです。
Aさんは、職場の飲み会に参加し、そこで、ビール2杯(中ジョッキ)、焼酎5杯(200ml水割り、いずれも半分の量)、ウィスキー(ダブル5杯)を飲みました。
飲み会は午前1時に終わり、その際はタクシーで帰宅しました。
そして、Aさんはシャワーを浴び、ひと眠りして午前7時に起きました。
Aさんは、「昨晩、かなりの量のお酒を飲んだ。」との認識はありましたが、「一晩寝たから大丈夫だろう」と思い、いつも通り車を運転して出勤しました。
そうしたところ、Aさんは警邏中の福岡県うきは警察署のパトカーに呼び止められ、警察官から呼気検査を求められました。
すると、呼気から0.5mgのアルコールが検出され、Aさんは道路交通法違反(酒気帯び運転の罪)の被疑者として検挙されてしまいました。
Aさんは逮捕されませんでしたが、その後の処分が気になって弁護士に相談に行きました。
(フィクションです)

~ 根絶には程遠い飲酒運転 ~

飲酒運転の検挙は後を絶ちません。
平成30年度版の犯罪白書によれば、平成29年度に、酒酔い運転・酒気帯び運転の飲酒運転で検挙、検察庁へ送致された件数は、2万7195件だったそうです。
平成で最も検挙者が多かった平成9年の34万3593件に比べれば1/10以上減少していますが、近年の飲酒運転の検挙数に目を向けると

平成25年 2万869件
平成26年 2万7122件
平成27年 2万6664件
平成28年 2万6423件

とほぼ横ばいとなっており、なかなか「飲酒運転の根絶」には程遠い状況です。

~ 飲酒運転による交通事故は? ~

では、飲酒運転による交通事故の件数はどう推移してきているのでしょうか?
警察庁の発表によれば、平成30年は、3355件で、年々減少傾向が続いていますが、平成20年度(6219件)以降は減少幅が落ちてきており、飲酒運転同様根絶には程遠い数字となっています。

* 飲酒運転による死亡事故件数 *
平成30年度の飲酒運転による死亡事故件数は2881件とこれも年々減少傾向にあるといえます。
しかし、飲酒運転時の交通死亡事故発生率は、そうでないときに比べ「約8倍」あるといわれており、飲酒運転は交通死亡事故に繋がりやすいといえます。

~ 飲酒運転に対する刑罰 ~

飲酒運転をすれば以下のような厳しい刑罰を受けるおそれがあります。

・酒気帯び運転の罪【3年以下の懲役又は50万円以下の罰金】
→血液1ミリリットルにつき0.3mg又は呼気1リットルにつき0.15mg以上アルコールを保有する状態で車両等(軽車両(自転車など)を除く)を運転した場合に問われ得る罪です。

・酒酔い運転の罪【5年以下の懲役又は100万円以下の罰金】
→酒気を帯びて車両等を運転した場合に、酒に酔た状態であった場合に問われ得る罪です。

・過失運転致死傷罪【7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金】
→飲酒運転中に、過失によって人を死傷させた場合に問われ得る罪です。

・危険運転致死傷罪【人を負傷させた場合は15年以下の懲役、死亡させた場合は1年以上の有期懲役】
→アルコールの影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させて、人を負傷させたり、死亡させた場合に問われ得る罪です。

~ 原因はドライバーの認識の甘さ ~

飲酒運転の原因は、ドライバーの認識の甘さにあるとも言われています。

飲酒運転をした方の中には

・一晩寝たから大丈夫
・酒に強いから大丈夫
・それほど飲んでいないから大丈夫
・これまでに事故を起こしたことがないkら大丈夫
・警察に見つかっていないから大丈夫

などと言い訳をする方がおられます。
アルコールの分解は、性別、年齢、体重、体質、体調などによっても変わり得るもので、睡眠中は分解速度が遅くなると言われています。
たとえ、自分は大丈夫、と思っても、様々な事情から飲酒運転の認識ありとされてしまいますので、注意が必要です。

~ おわりに ~

最近は、飲酒運転による事故ではないものの、交通事故によって幼い子供の命が奪われるという痛ましい事故のニュースをよく目にします。

そういう悲惨な事故を起こさないためにも、お一人お一人が飲酒運転のおそろしさ、怖さを自覚する必要があるでしょう。

もし、飲酒運転でお困りの際は、弊所の弁護士までご相談ください。

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