飲酒検知拒否罪で逮捕
飲酒検知拒否罪で逮捕
東京都台東区に住むAさんは,警視庁上野警察署に飲酒検知拒否罪の容疑で逮捕されました。
逮捕の知らせを受けたAさんの家族は,釈放してもらうため,刑事事件専門の弁護士に刑事弁護を依頼しました。
(フィクションです)
~飲酒検知拒否罪~
飲酒検知許否罪とはどんな罪なのでしょうか?
飲酒検知許否罪に関する規定である道路交通法118条の2及び63条3項を確認してみましょう。
道路交通法118条の2
第67条(危険防止の措置)第3項の規定による警察官の検査を拒み,又は妨げた者は,3月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
道路交通法67条第3項
車両等に乗車し,又は乗車しようとしている者が第65条第1項の規定に違反して車両等を運転するおそれがあると認められるときは,警察官は,(略),その者の呼気の検査をすることができる。
(※第65条第1項=何人も,酒気を帯びて車両等を運転してはならない)
では,どんな場合に飲酒検知許否罪が成立するのでしょうか?
上の規定を項目ごとにまとめると以下のとおりとなります。
1 誰が? →車両等に乗車し,又は乗車しようとしている者
2 どういう場合に?→飲酒運転の規定に違反して車両等を運転するおそれがあると認められたとき
3 何をした? →警察官の飲酒検知検査を拒み,又は妨げた
以下,項目ごとに解説いたします。
~誰が?(上記1について)~
「乗車しようとしている」の程度については,車両等のドアに手をかけた又はかけようとしている段階と解されています。
よって,ある方が居酒屋から飲酒状態で出てきて,ドライブキーを持ちながら駐車場に停めてある車の方に向かっているのを現認したとしても,その段階では「乗車しようとしている」とは言えず,飲酒検知拒否罪は成立しません。
~どういう場合に?(上記2について)~
外観上(顔色,呼気,言動等)から飲酒状態と認知できる状態で,車両等を運転する可能性が認められるときという意味です。
外観上から認知できればよいのですから,機器等で正確にアルコール保有値を図る必要はありませんし,酒気帯び運転の基準である0.15mg以下であっても飲酒検知拒否罪は成立し得ます。
~何をした?(上記3について)~
「拒み」とは,言語,動作,態度により,拒否の意思が客観的に明らかになったと認められる段階のことをいいます。
・明確に「嫌だ」と拒否する
・風船を受け取らない
・うがいをしない
・風船を受け取ったがふくまらせない
などがこれに当たります。
なお,拒む前提として,警察官による飲酒検査の要求行為を必要とします。
過去に,警察官の要求行為も,被告人の拒否行為も認めることができないから被告人を無罪とした裁判例があります(横浜地裁平成27年9月9日)。
~逮捕後の流れ~
では,飲酒検知拒否罪の容疑で逮捕されてしまったら,どのような手続きを受けることになるのでしょうか。
逮捕から勾留までの流れをご紹介いたします。
・逮捕から送致まで
逮捕された犯人を受け取った警察官は,「弁解録取」という犯人から弁解を聴く手続を取ります。
その上で犯人の身柄拘束が必要か否か判断し,必要ないと判断したときは犯人を釈放し,必要と判断したときは,逮捕のときから48時間以内に事件と犯人を検察官の元へ送致する手続きを取ります。
また,逮捕期間中,警察官による取調べも行われます。
・送致から勾留請求まで
犯人,事件が検察官の元に送致された場合,検察官は,警察官と同様「弁解録取」という手続を取ります。
その上で, 犯人の身柄拘束が必要か否か判断し,必要ないと判断したときは犯人を釈放し,必要がある判断したときは犯人の身柄を受け取ってから24時間以内に勾留請求の手続きを取ります。
・勾留請求から勾留決定まで
検察官が勾留の請求をした場合,今度は,裁判官による「勾留質問」の手続を受けます。
裁判官は,勾留質問の結果を経て犯人を勾留するか否かを判断します。
勾留の必要がないと判断したときは,原則,釈放されます。
ここで「原則」と申し上げたのは,検察官の不服申し立てにより,その判断が覆される(身柄拘束が続く)おそれがあるからです。
勾留の必要があると判断したとき(勾留決定があったとき)は,裁判官が指定された場所(通常は警察の留置施設)に勾留されることになります。
この場合の期間は,検察官の勾留の請求があった日から10日間です。
逮捕されれば,日常生活に大きな不利益をもたらします。
釈放して不利益を少しでも軽減させたいなどとお考えの方へ弊所までお気軽にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,飲酒検知拒否罪をはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所であり,釈放に向けた弁護活動等に特化しております。
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(警視庁上野警察署までの初回接見費用:36,500円)