少年の共同危険行為①

2025-02-26

少年の共同危険行為①

逮捕2

今回は、16歳の少年共同危険行為の疑いで現行犯逮捕されてしまった場合の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

事例

16歳のA君は、知人ら数名とともに、京都市内の国道において、原動機付自転車を大きく蛇行させて運転するなどしていたところ、パトカーで駆け付けてきた警察官により道路交通法違反共同危険行為)の疑いで現行犯逮捕されてしまいました。
逮捕の知らせを受けたA君の両親は、少年事件に詳しい弁護士から今後の対応についてアドバイスを受けようと考えています。
(事例はフィクションです。)

共同危険行為とは

道路交通法第68条は
「二人以上の自動車又は原動機付自転車の運転者は、道路において二台以上の自動車又は原動機付自転車を連ねて通行させ、又は並進させる場合において、共同して、著しく道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく他人に迷惑を及ぼすこととなる行為をしてはならない。」
としています。

これに違反し、有罪判決が確定すると、
「2年以下の懲役又は50万円以下の罰金」に処せられることとなります。(道路交通法第117条の3)

少年であるA君の場合

A君は16歳の少年であるため、少年法の適用があります。
原則として、家庭裁判所へ送致された後、必要に応じて保護処分を受けることにより事件は終了します。

保護処分には、
・保護観察処分
・児童自立支援施設又は児童養護施設送致
・少年院送致
があります。(少年法第24条1項1号~3号)

A君の交友関係には問題がありそうですから、A君には現状の交友関係を絶たせる必要がありそうです。
そのため、審判が開かれた場合は、不処分で済まずに、A君に対して保護観察処分児童自立支援施設又は児童養護施設送致、または、少年院送致が言い渡される可能性があります。

保護観察処分が、在宅で保護観察官及び保護司による指導、支援を受けながら更生を目指す保護処分であるのに対し、児童自立支援施設又は児童養護施設送致少年院送致は、家族の下を離れて更生を目指すことになります。

児童自立支援施設又は児童養護施設送致は、保護者の監督が不十分で保護観察処分ではA君の更生が難しいと判断された場合に付される可能性があります。
また、少年院は矯正教育を行う施設ですので、A君の更生のためには少年院で矯正教育を受ける必要があると判断されれば少年院送致に付される可能性があるといえます。

児童自立支援施設又は児童養護施設送致少年院送致では、どちらも施設に収容されることになりますが、少年院に収容された場合は特別の場合を除いて外出することができませんので、少年院送致の方がより、A君の自由が制限されてしまうといえます。
とはいえ、どちらも今までとは異なった環境に身を置くことになりますから、A君にとって負担の重い保護処分ということができます。
弁護活動を行う場合は、A君の将来を考慮し、なるべく負担の軽い保護処分の獲得を目指すことになるでしょう。

お子様が共同危険行為により逮捕された方、その他、刑事事件、少年事件でお困りの方は、お気軽に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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