サウナ後の飲酒運転
サウナ後の飲酒運転
埼玉県入間市に住む会社員のAさんは、久しぶりに会社から連休を得たことから知人と居酒屋に食事することになりました。
Aさんは、「帰りは代行で帰ろう」と思い、自宅から車を運転し、車を居酒屋の駐車場に停めました。
そして、Aさんは、居酒屋でビール(500ミリリットルジョッキ)2杯、焼酎水割り2杯を飲みました。
Aさんは2時間くらい食事を楽しんだ後知人と別れました。
その後、Aさんは、次の日も会社が休みだったことから、「近くの温泉でサウナに入ろう」と思い、車を駐車場に停めたまま徒歩で行ける温泉施設に入り、2時間程度、サウナなどえ汗を流して施設を出ました。
そして、Aさんは、車を停めていた駐車場へ戻り、車を運転して帰宅していたところ、警邏中のパトカーに呼び止められました。
Aさんは埼玉県狭山警察署の警察官の呼気検査に応じたところ、呼気からアルコールが検出されてしまいました。
そこで、Aさんは道路交通法違反(酒気帯び運転の罪)で現行犯逮捕されてしまいました。
(フィクションです。)
~ 飲酒運転でよくある勘違い ~
体内にアルコールが残存していることを確定的に認識しながら飲酒運転することは言語道断です。
また、
1 ひと眠りしたから大丈夫
2 お風呂やサウナで汗を流したから大丈夫
などと勝手に判断して運転をすることも同様に飲酒運転とされてしまいます。
なお、1については、個人差(体型、体調等)はありますが、体重60キロの人が、ビール500ミリリットル1杯を処理できる時間の目安は「約4時間」と言われています。
さらに、睡眠時は肝臓の機能が低下し、体内のアルコール処理速度が低下すると言われていますから、処理時間についてはさらに注意する必要があります。
また、2については、体内のアルコールの大部分は肝臓で分解されますから、汗や尿などでアルコールが抜けることはほとんどありません。
繰り返しますが、ご自身では大丈夫と判断されても、呼気検査等で客観的な数値が出るなどしてしまうと飲酒運転の認識で運転したということになりかねませんから、上記の点はよく注意する必要があります。
~ 飲酒運転(酒気帯び運転と酒酔い運転) ~
ところで、飲酒運転には「酒気帯び運転」と「酒酔い運転」の2種類があります。
酒気帯び運転とは、血液1ミリリットルにつき0.3mg又は呼気1リットルにつき0.15mg以上アルコールを保有する状態で車両等(軽車両(自転車など)を除く)を運転することをいいます(法65条1項、117条の2の2第1号)。
一方で、酒酔い運転は、酒気帯び運転のように数値以上の飲酒を必要としません。
酒酔い運転とは、酒気を帯びて車両等を運転した場合で、その運転した場合に酒に酔った状態(アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態)にあった場合の運転をいいます(法65条1項、117条の2第1号)。
このことからすれば、例えば、体質的にアルコールの弱い方が、ビールをコップ1杯飲んだことにより、身体に保有するアルコールの量が上記の数値以下であっても、「酒に酔った状態」と判断されれば酒酔い運転となります。
罰則も異なります。
酒気帯び運転は「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」、酒酔い運転は「5年以下の懲役又は100万円以下の罰金」です。
酒酔い運転の方が、より、交通の危険を惹起するおそれが高いことから、罰則が重く設定されています。
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