大阪府豊能郡の白タク事件

2019-03-12

大阪府豊能郡の白タク事件

~ケース1~
A1さんは,大阪府豊能郡内の観光地においてタクシー業を営んでいた。
A1さんは中古で購入したタクシー車両を使用していたが,国土交通省の認可を受けていないいわゆる「白タク」として営業していた。
ある日,大阪府豊能警察署は交通違反取締キャンペーンの一環として,白タクの一斉摘発を行った。
A1さんも白タクを行っていたとして大阪府豊能警察署道路運送法違反の疑いで逮捕された。
(フィクションです)

~ケース2~
大阪府豊能郡に住むA2さんは運転代行業を営んでいた。
ある日,運転代行の依頼者からお店から駐車場まで少し距離があるので乗せていってほしいと依頼を受けた。
依頼者を駐車場まで乗せていたところ,交通検問中の大阪府豊能警察署の警察官によって発見され,道路運送法違反の疑いで逮捕された。
(フィクションです)

~白タク~

タクシー事業は道路運送法上の「一般旅客自動車運送事業」に当たります。
そして道路運送法では自動車を「事業用自動車」と「自家用自動車」に分けており,自動車運送事業に用いる自動車は事業用自動車である必要があります。
自動車運送事業は国土交通省の運輸局の許認可が必要であり,許認可を受けた場合には,緑(軽自動車の場合は黒)のナンバープレートが交付されます。
その為,許認可を受けているタクシー車両は緑のナンバープレートを使用しますが,許認可を受けていない場合には通常白いナンバーのままになります。
そのため,許認可を受けていないタクシーはナンバープレートの色から「白タク」と呼ばれているようです。

道路運送法は「一般旅客自動車運送事業を経営しようとする者は,国土交通大臣の許可を受けなければならない」と定めています(第4条)。
無許可で一般旅客自動車運送事業を経営した者=つまり,白タクを経営した者は3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金,またはこれらを併科すると定めています(第96条)。

なお,道路運送法は白タクの経営者のみに罰則を科す規定となっていますので,利用者が道路運送法違反となることは原則ありません。
ただし,白タクは他人の自家用車に乗るのと同じことですので,事故などにあった場合に,十分な補償が受けられない可能性があります。
許認可を受けたタクシーであれば,保険加入が義務付けられています(保険加入が許認可の要件の1つ)ので,個人でも法人でも補償を受けることができます。
仮に白タクの運転手が保険に加入していても保険会社が支払わない可能性がありますので,できるだけ利用しない方がよろしいでしょう。
また,タクシーは2種免許が必要ですが,2種免許を取得せずに白タク営業を行うと無免許運転(3年以下の懲役または50万円以下の罰金)となる場合もあります。

~運転代行と白タク~

運転代行業は通常,依頼者の乗用車を運転する者(2種免許が必要)と依頼者の自宅などから帰るための随伴車を運転する者(2種免許は不要)の2人で営業をします。
運転代行の依頼者が短い距離ですが移動のために随伴車に乗せてほしいと依頼するケースは少なくないそうです。
しかし,随伴車に依頼者を乗せる行為はタクシー営業をみなされ,たとえ運転手が2種免許を持っていたとしても随伴車がタクシーとして許認可を受けていない場合には白タク行為とみなされてしまいます。
また,運転代行の依頼者が随伴車に乗せるように要求することは運転代行業者に違法行為をさせていることになりますので,強要罪や道路運送法違反の共犯となる可能性もあります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件専門の法律事務所です。
交通事件の弁護経験が豊富な弁護士が多数所属しております。
白タク行為で逮捕されてしまいお困りの方は0120-631-881までお気軽にご相談ください。
初回接見サービス無料法律相談のご予約を24時間受け付けております。
大阪府豊能警察署までの初回接見費用:お電話にてご案内いたします)

Copyright(c) 2016 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 All Rights Reserved.