名古屋のスピード違反事件で逮捕 刑事裁判の弁護士

2015-03-30

名古屋のスピード違反事件で逮捕 刑事裁判の弁護士

Aさんは、名古屋地方検察庁の検察官からスピード違反の容疑で後日起訴する方針であると聞かされました。
しかし、Aさんからこの件について法律相談を受けた弁護士は、検察官の考えがおかしいのではないかと思いました。
なぜなら、Aさんは同一の運転行為によるスピード違反ですでに罰金の略式命令をうけていたからです。
(フィクションです)

なお、今回の事案は平成5年10月29日最高裁判所判決を参考にしています。

~一回の運転でスピード違反が2回?!~

今回ご紹介するのは、平成5年10月29日最高裁判所判決です。
この裁判では、高速道路の指定速度区域内におけるスピード違反が問題となりました。
もっとも、本件には一つ特殊な点がありました。
それは、本件で罪に問われているスピード違反(以下、A)を犯した時と同じ運転行為によるスピード違反(以下、B)について、すでに罰金の略式命令を受けていたことです。
つまり、1回の自動車運転行為で2回スピード違反の罪に問われているのです。

そこで、今回の裁判では、起訴されたAとすでに略式命令をうけているBが1個のスピード違反なのか、2個のスピード違反なのかという点が争点となりました。
もし1個のスピード違反であるならば、すでに略式命令をうけている以上、さらに刑事責任を問われる理由はありません。
一方で、AとBが別個のスピード違反罪に当たると考えると、今回の裁判でもさらに有罪判決を受ける可能性が出てきます。

第一審裁判所では、AとBは一個のスピード違反の罪(包括一罪)であり、すでに略式命令が下されているとして、被告人に免訴判決が言い渡されました。
被告人は、今回の裁判では罪に問われないという結論に至ったのです。

しかし、控訴審の大阪高裁及び上告審の最高裁は、これと異なる結論を下しました。
両裁判所は、以下の事由を挙げて、A及びBが別のスピード違反罪にあたると判断しました。

・AとBの現場は、距離にして19.4キロメートル離れている
・AB間においては、急カーブや急阪、トンネルなどがあり、道路状況が大きく変化している
・AとBでは、指定速度を設けている目的が異なる
・被告人は、AB間において多数の速度規制標識などを認識しながら、Bの後あえてA犯行に及んだものと推認できる

被告人に対しては、Bに関する罰金刑(略式命令)とは別に、Aについて懲役2か月執行猶予2年の有罪判決が言い渡されました。

今回略式命令という言葉も出てきました。
スピード違反事件など交通違反事件においては、略式命令によって事件が終了するケースも多いです。
次回は略式命令について取り上げます。

スピード違反事件罰金刑・懲役刑に問われている場合は、刑事事件専門の弁護士事務所に相談しましょう。
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