名古屋の交通事故事件 認知症に詳しい弁護士

2015-02-05

名古屋の交通事故事件 認知症に詳しい弁護士

Aさんが運転する軽トラックは、名古屋市中川区の県道を走行中、路側帯に突っ込み下校途中の児童三人を次々とはねました。
三人の児童のうち一人は、重体で現在も意識が戻っていません。
Aさんは、愛知県警中川警察署で現在も勾留中です。

今回の事案は2013年9月の宮崎地方裁判所都城支部判決を参考に作成しました。
地名や警察署名は、修正しています。

~認知症患者による交通事故事件~

今回の事案で参考にした宮崎地裁判決は、認知症患者が起こした交通事故事件の刑事裁判で下された判決です。
被告人となった76歳の男性には、認知症の症状がありました。
そのため弁護人は、裁判において
「被告人は認知症で心神耗弱状態(判断能力や行動制御能力が著しく減退している状態)だった」
と主張し、減刑を求めました。
しかしながら、宮崎地裁は、
「わずかな出費を節約するために車を運転した態度は非難を免れない」
と指摘し、懲役1年2か月の実刑判決を下したのでした。

警察庁発表のデータによると、2013年中に発生した75歳以上の高齢運転者による交通事故事件は、10年前の約1.6倍に増えたそうです。
その中で占める死亡事故の割合も約2.1倍になったということです。
また同じく警察庁の調査によると、2010年から2012年にかけて発生した高速道路での逆送事件(447件)のうち、約7割が65歳以上のドライバーでした。
そして、そのうち約4割が認知症あるいは認知症の疑いがありました。
専門家による調査(2008年実施)によると、調査対象の認知症患者約7300人のうち、11%の人が認知症の診断を受けた後も運転を続けていたと言います。
そして、そのうち16パーセントにあたる約130人の人が、交通事故の加害者になっていたということです。

こうしたデータを見ると、近年は社会の高齢化に伴い、高齢者による事故や認知症患者による事故のリスクが確実に高まっていることが分かります。
今は大丈夫でも、近い将来自分の身の回りで問題になる可能性が十分にあります。
認知症の人が交通事故・交通違反事件を起こしてしまったという場合は、ぜひ弁護士にご相談下さい。
加害者・違反者が認知症の場合は、「判断能力が不十分」「行動を制御する能力がない」などとして、法的責任を回避・軽減できる可能性があります。
刑事事件では、不起訴無罪で事件を終わらせられるかもしれません。

愛知名古屋弁護士ノリタケ法律事務所では、認知症の人による交通事故・交通違反事件のご相談も承ります。
お電話の際は、「ブログを見た」とおっしゃっていただけるとスムーズです。

Copyright(c) 2016 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 All Rights Reserved.