身に覚えのないひき逃げ事件で逮捕された事例

2024-08-14

身に覚えのないひき逃げ事件で逮捕された事例

取調べを受ける男性

身に覚えのないひき逃げ事件で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

ある雨の日、さいたま市大宮区に住むAさんは車でスーパーに買い物に出かけていました。
スーパーで買い物を終え、返る途中に雨脚がひどくなり視界が悪い状態でしたが、天気予報を確認するとこの先2、3時間は雨が止まない予報であったためこのまま帰宅することに決めました。
途中で道路の舗装状態が悪くひび割れたC道路があるのですが、事故を起こさないように慎重に運転し、Aさんは無事帰宅することができました。
翌日、Aさんの家に埼玉県大宮警察署の警察官が来て、取調べを受けることになりました。
取調べ時に見せられた防犯カメラの映像には、Aさんがスーパーに買い物を終えC道路を車で走行中に歩行者を轢き、停まることなく去っていく様子が収められていました。
歩行者はAさんの車に轢かれたことでけがをしたようなのですが、Aさんは歩行者を轢いた覚えがなく、容疑を否認したところ、道路交通法違反の容疑で逮捕されることになりました。
(事例はフィクションです。)

ひき逃げ

道路交通法第72条1項(一部省略)
交通事故があつたときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員・・・は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。この場合において、当該車両等の運転者・・・は、警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署・・・の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置・・・を報告しなければならない。

道路交通法では、事故を起こした場合に、負傷者の救護と警察署への報告を義務付けています。
救護や報告をしない行為をひき逃げといい、ひき逃げをすると道路交通法違反が成立します。

今回の事例では、Aさんが運転する車が歩行者を轢き歩行者にけがを負わせたようです。
Aさんは歩行者の救護や警察署へ事故の報告をしていませんから、道路交通法違反の罪に問われる可能性があります。

ですが、Aさんは事故を起こした覚えが一切ありませんし、実際に事故当日は雨がかなり降っており、視界が悪い状態でした。
また、事故現場は舗装状態が悪い道路であり、Aさんが事故を起こしたことに気づかなかった可能性があります。
事例のAさんのように事故を起こしたことに気づかなかった場合には、道路交通法違反が成立しない可能性があります。

ひき逃げと量刑

自らの運転によって事故を起こし人にけがを負わせたうえで救護しなかった場合に道路交通法違反で有罪になると、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科されます。(道路交通法第117条2項)
また、警察署に事故の報告をせずに道路交通法違反の容疑で有罪になった場合には、3月以下の懲役又は5万円以下の罰金が科されます。(道路交通法第119条1項17号)

逮捕されたAさんは今後、連日にわたって取調べを受けることになると思われます。
Aさんは容疑を否認していますから、取調べの際には、事故を起こしたことに気づいていたことを認めるような内容を供述するように誘導される可能性があります。
もしも、事故を起こしたことに気づいていたとする内容の供述調書が作成されてしまえば、後の裁判で証拠として使用されることで窮地に陥ってしまう可能性があります。
意に反した供述調書を作成されないようにするためにも、弁護士に相談をし、供述内容を整理することをおすすめします。
弁護士と取調べ対策を行うことで、不利な状況に陥ることを防ぎ、不起訴処分無罪を勝ち取れる可能性があります。

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