車の運転中にイノシシに当たったと思い確認せずに帰宅し、後日、ひき逃げの疑いで逮捕された事例①

2025-03-27

車の運転中にイノシシに当たったと思い確認せずに帰宅し、後日、ひき逃げの疑いで逮捕された事例①

ひき逃げ

ひき逃げ事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

Aさんは職場から帰宅するために、千葉県市南房総市内の山道を車で走行していました。
途中で車に衝撃を感じたものの、イノシシにでも当たったのだろうと思い、車を停めて確認することもなく帰宅しました。
実は、Aさんの車に当たったのはイノシシではなく事故現場近くに住むVさんであり、Vさんは事故から1時間後に病院へ搬送され、死亡が確認されました。
翌日、千葉県館山警察署の警察官がAさん宅に訪れ、Aさんは道路交通法違反ひき逃げ)、過失運転致死罪の疑いで逮捕されました。
Aさんは「人ではなくイノシシだと思っていた。」として道路交通法違反の容疑を否認しています。
(事例はフィクションです。)

ひき逃げ

人身事故を起こした際に、危険を防止する措置を取らなかったり、事故によって負傷した人の救護をしない、警察署に事故の報告をしないことなどをひき逃げといいます。
道路交通法第72条1項では、交通事故があった場合に取らなければならない措置として、救護義務危険防止措置義務報告義務などを規定しています。
これらの義務を怠ると道路交通法違反の罪に問われることになります。

事例のAさんは、帰宅途中でVさんを車で撥ねたにもかかわらず、必要な措置を取ることなく帰宅しています。
ですので、Aさんの行為はひき逃げにあたり、道路交通法違反が成立する可能性があるといえるでしょう。

ですが、Aさんはイノシシに当たったと思っていたようで人を車で撥ねた認識はなかったとして容疑を否認しているようです。
こういった場合には、Aさんに道路交通法違反は成立しないのでしょうか。

事故を起こしたことに気づいていない場合には、必要な措置を取りようもないですから、道路交通法違反は成立しません。
では、Aさんは事故に気づかなかったといえるでしょうか。

Aさんは事故を起こした際に車に衝撃を感じています。
車が何かに当たったのであれば、すぐさま安全な場所に停車し、何に当たったのか確認をしなければならないでしょう。
車に衝撃があり、車に何かが当たったのがわかっていたのであれば、事故に全く気付かなかったわけではありませんから、Aさんに道路交通法違反が成立する可能性が高いと考えられます。

ちなみに、自身の運転により事故を起こして救護義務を怠ったことで道路交通法違反で有罪になると、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科されます。(道路交通法大117条2項)

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、ひき逃げ事件など数々の交通事件の弁護経験をもつ法律事務所です。
弁護士に相談をし今後の処分の見通しを確認することで、少しでも不安を取り除けるかもしれません。
ひき逃げによる道路交通法違反でお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所ご相談ください。

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