交通前科を避けたい
【交通事件における前科の解説】
前科とは、一般的に、過去に受けた刑罰の経歴のことをいうとされています(前科は、法律上の言葉ではなく、明確な定義があるわけではありません)。
交通事故・交通違反事件で起訴されて一般的な前科がついた場合(罰金以上の刑罰に処せられた場合)、検察庁の管理する前科調書に記載され、本籍地の市区町村で管理される犯罪人名簿に一定期間掲載されることになります。
不起訴処分になれば、このような交通前科がつくことはありません。
前科調書は、検察庁で管理され、検察官が容疑者の前科の有無を調べる際や、裁判の際における前科の有無・内容を証明する証拠として用いられます。
また、前科調書に記載された前科は一生消えません。
前科の記録された市区町村の犯罪人名簿は、前科が一定の職業について資格取得の欠格事由になっていないかを確認したり、選挙権や被選挙権の有無を確認したりするために用いられます。
また、この犯罪人名簿の前科は一定期間が経過すると記載がなくなります。
交通前科の有無・内容は、交通事故・交通違反事件の刑事裁判における量刑(刑罰の重さ)を大きく左右する重要な要素となります。
【交通事件で前科を回避する方法】
交通事故・交通違反事件を起こした人に前科がつかないようにする為の有効な方法として、不起訴処分を獲得することが挙げられます。
不起訴処分になると、刑事裁判が行われないために前科はつかず、交通事故・交通違反事件で逮捕、勾留されている加害者・容疑者は釈放されることになります。
不起訴処分は、交通事故・交通違反事件を起こしていないのに容疑者にされてしまった人はもちろん、交通犯罪を犯してしまった犯人でも交通事故・交通違反事件の内容、被害弁償・示談等の犯罪後の事情、本人の謝罪・反省状況と被害者側の処罰感情などを総合考慮して認められることがあります。
交通事故・交通違反事件で不起訴処分を勝ち取るためには、捜査の初期段階から適切な弁護活動を行うことが有効です。
検察庁の検察官が起訴・不起訴を決める前、逮捕された場合は逮捕後すぐに、交通事故・交通違反事件に詳しい弁護士に依頼して検察官に不起訴になるよう働きかけてもらいましょう。
【交通事件で不起訴処分を勝ち取る方法】
交通事故・交通違反事件で不起訴処分を勝ち取るためには、弁護士を通じて検察官に対して、交通事故・交通違反事件の証拠が不十分であること、容疑者のアリバイ、被害弁償、示談成立、被害届の取下げなどの容疑者に有利な事情を主張していくことが重要です。
特に、交通事故・交通違反事件のうち被害者がいる交通事故(人身事故)の案件では、被害者側と示談をすることが不起訴処分を獲得するために非常に有効です。
交通事故(人身事故)事件では、検察官による起訴・不起訴の判断にあたって、被害者や遺族との示談の成否が大きく影響します。
また、被害者側との間で示談が成立すれば、民事裁判で損害賠償請求されることも防げるため、交通事故事件の円満解決につながります。
このように交通事故事件においては、示談成立が事件の早期解決、円満解決のための有効な方法となります。
不起訴処分の獲得や示談交渉をお考えの方は、交通事故・交通違反事件の不起訴処分に詳しいあいち刑事事件総合法律事務所にご相談下さい。