自転車も青切符導入か⁈来年度の国会で法改正案提出へ
自転車も青切符導入か⁈来年度の国会で法改正案提出へ
事例
警察庁は21日、軽微な交通違反で「青切符」を交付して反則金を納付させる交通反則通告制度に、新たに自転車を加える道路交通法改正案を2024年の通常国会に提出する方針を明らかにした。対象は16歳以上とし、警察官の指導・警告に従わずに違反行為を継続したり、歩行者らの通行を妨げたりした場合に青切符で取り締まる。危険性の高い酒酔い運転などは、刑事罰を科す手続きに入る「赤切符」(交通切符)で摘発する。
警察庁によると、自転車の交通違反への対応は現在、指導・警告か赤切符での取り締まりに限られる。(後略)
(12月21日 毎日新聞デジタル 「自転車に「青切符」導入へ 16歳以上、指導・警告に従わないと摘発」より引用)
青切符とは
青切符とは、「交通反則告知書」のことをいい、青切符を受け取った場合は反則金を納付しなければなりません。
現状、自転車は交通反則通告制度の対象外ですので、自転車の運転で青切符を交付されることはありません。
しかし、交通反則通告制度に自転車を加える道路交通法改正案を来年度の通常国会に提出する方針とのことですので、今後は自転車での運転でも青切符を交付される可能性があります。
自転車と軽車両
道路交通法では、自転車は軽車両に分類されます。(道路交通法第2条1項11号)
また、道路交通法第2条1項8号では、自動車、原動機付自転車、軽車両、トロリーバスを車両として規定していますので、軽車両である自転車は道路交通法上では、車両として扱われることになります。
自転車は車両に分類されている以上、自転車を運転する場合には道路交通法で規定されている交通ルールを守る必要があります。
自転車と交通ルール
年齢制限がなく免許も不要なため、日々、多くの人が乗っている自転車ですが、交通ルールを知らずに運転していらっしゃる方もいるのではないでしょうか。
そこで、今回は自転車の交通ルールをいくつかご紹介します。
① 車道の左側の走行
道路交通法第17条1項(一部省略)
車両は、歩道又は路側帯と車道の区別のある道路においては、車道を通行しなければならない。ただし、道路外の施設又は場所に出入するためやむを得ない場合において歩道等を横断するとき、又は第四十七条第三項若しくは第四十八条の規定により歩道等で停車し、若しくは駐車するため必要な限度において歩道等を通行するときは、この限りでない。
道路交通法第17条4項(一部省略)
車両は、道路の中央から左の部分を通行しなければならない。
道路交通法第18条1項(一部省略)
車両は、車両通行帯の設けられた道路を通行する場合を除き、自動車及び一般原動機付自転車にあつては道路の左側に寄つて、特定小型原動機付自転車及び軽車両にあつては道路の左側端に寄つて、それぞれ当該道路を通行しなければならない。ただし、追越しをするとき、第二十五条第二項若しくは第三十四条第二項若しくは第四項の規定により道路の中央若しくは右側端に寄るとき、又は道路の状況その他の事情によりやむを得ないときは、この限りでない。
自転車は車両に該当しますので、原則、自転車を運転する場合には、車道の左端を走行する必要があります。
② 踏切の通過
道路交通法第33条(一部省略)
1項 車両等は、踏切を通過しようとするときは、踏切の直前で停止し、かつ、安全であることを確認した後でなければ進行してはならない。ただし、信号機の表示する信号に従うときは、踏切の直前で停止しないで進行することができる。
2項 車両等は、踏切を通過しようとする場合において、踏切の遮断機が閉じようとし、若しくは閉じている間又は踏切の警報機が警報している間は、当該踏切に入つてはならない。
自転車で踏切を通行する際は、一時停止して安全を確認する必要がありますし、遮断機が閉じたり閉じようとしている場合には通行してはいけません。
③ ライトの点灯
道路交通法第52条1項(一部省略)
車両等は、夜間、道路にあるときは、政令で定めるところにより、前照灯、車幅灯、尾灯その他の灯火をつけなければならない。政令で定める場合においては、夜間以外の時間にあつても、同様とする。
夜間、自転車を運転する際は、ライトを点灯させる必要があります。
④ 酒酔い運転の禁止
道路交通法第117条の2(一部省略)
次の各号のいずれかに該当する者は、五年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
1項1号 第六十五条第一項の規定に違反して車両等を運転した者で、その運転をした場合において酒に酔つた状態にあつたもの
道路交通法第65条1項では飲酒運転を禁止しています。
また、道路交通法において、飲酒運転は酒気帯び運転と酒酔い運転にわけられます。
酒気帯び運転とは、政令で定める以上のアルコールを保有した状態で運転する行為を指します。
また、酒酔い運転とは、アルコールの影響により、正常な運転ができない状態で運転する行為をいいます。
道路交通法第117条の2第1項1号が規定する車両等には軽車両である自転車も含まれますので、正常な運転ができないほどにお酒に酔った状態で自転車を運転してはいけませんし、酒酔い運転をした場合には懲役刑が科されるおそれがあります。
自転車と道路交通法違反
普段何気なく乗っている自転車ですが、自転車が軽車両に分類される以上、道路交通法で定められたルールを守りながら走行する必要があります。
来年度の通常国会で交通反則通告制度に自転車を加える道路交通法改正案を提出予定とのことですので、法改正が行われた際には、今まで以上に取り締まりが厳しくなることが予想されます。
今回紹介した条文以外にも、道路交通法では様々な自転車の交通ルールが定められています。
今後、道路交通法違反の罪に問われたり、青切符を受領しないためにも、今のうちから自転車の交通ルールを順守するように心がけることが大切です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、無料法律相談を行っています。
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