(事例紹介)通行人にぶつかり逃走 ひき逃げ事件として捜査
(事例紹介)通行人にぶつかり逃走 ひき逃げ事件として捜査
通学中の小学生3人に車がぶつかり逃走している事件を参考に、ひき逃げした場合に、どのような犯罪が成立するかについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事件概要
4日午前7時50分ごろ、堺市西区北条町2丁の住宅街の路上で、登校中の小学校の児童3人に車が接触した。
大阪府警によると、3人はいずれも7~8歳の小学2年生で、後ろから来た車が追い抜きざまに接触。
男児(7)が転倒し、右ひじを擦りむいたという。
車は逃走し、西堺署がひき逃げ事件とみて捜査している。
(後略)
(11月4日配信の朝日新聞デジタルの記事より引用)
ひき逃げをすると
ひき逃げとは、交通事故を起こし、負傷者がいるにも関わらず救護その他の必要な措置をとらずに逃げることをいいます。
これにより成立する可能性の犯罪としては、救護措置をとらなかったことによる道路交通法上の救護義務違反、及び警察に交通事故を報告しなかったことによる報告義務違反による罪が考えられます。
また、自動車の運転での過失行為により相手を死傷させた場合には、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(通称「自動車運転処罰法」)に定められている、過失運転致死傷罪が成立する可能性があります。
道路交通法上の救護・報告義務違反について
道路交通法72条では、交通事故があったときは、交通事故に係る車両等の運転手は負傷者を救護し道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない旨、及び交通事故の日時、場所や死傷者の状況を報告しなければならない旨が定められています。
そして、車両等の運転手が、当該車両等の交通による人の負傷があったにも関わらず、救護義務に反した場合は、道路交通法117条1項違反として、5年以下の懲役又は50万円以下の罰金を課されるおそれがあります。
また、死傷が運転手の運転に起因するものであるのに運転手が救護義務に反した場合は、刑が加重され10年以下の懲役又は100万円以下の罰金を課されるおそれがあります。
次に、報告義務の違反については、道路交通法119条1項10号違反として、3月以下の懲役又は5万円以下の罰金を課されるおそれがあります。
過失運転致死傷罪について
まず、過失運転致死傷罪は、自動車運転処罰法の5条に定められています。
「自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。」
過失運転致死傷罪が成立する場合の具体例としては、脇見運転などの過失行為により交通事故を起こし相手を死傷させたような場合が考えられます。
このように、ひき逃げをすると道路交通法違反だけでなく、自動車運転処罰法の過失運転致死傷罪も成立する可能性があります。
また、防犯カメラの映像や事故現場にいた人の目撃証言などから犯人が特定されれば逮捕されてしまう可能性も高いでしょう。
ご自身・ご家族がひき逃げをしてしまったら、今後どのような手続きが進行していくか、事件の見通しを把握することは大切なことです。
まずは、弁護士に相談してみましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、お問い合わせをフリーダイヤル0120-631-881で受け付けていますので、お気軽にお電話下さい(24時間受付中)。
また、ご家族やご友人が警察に逮捕されてしまった場合は、初回接見サービスをご利用ください。