飲酒運転車両に同乗した疑いで取調べ

2025-09-10

飲酒運転車両に同乗した疑いで取調べ

飲酒運転

今回は、飲酒した同僚が運転する車に同乗した事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

事例

ある日、京都府木津川市に住むAさんは会社の親睦会で飲酒することになりました。
Aさんは当初、親睦会が終わったらタクシーを呼んで帰ろうと考えましたが、親睦会終了後、同僚のBさんから「帰り道が同じ方向だから一緒に車に乗っていく?」と声を掛けられました。
Aさんは、Bさんが飲酒していることを知っていましたが、「飲酒運転をしても事故しなければ警察には見つからないだろう。」と安易に考えて、Bさんの車に同乗することにしました。
その結果、帰宅途中にパトロ―ル中のパトカーに呼び止められてしまい、Bさんの飲酒運転とAさんの飲酒運転の同乗が発覚してしまうことになってしまいました。
(事例はフィクションです。)

飲酒運転の同乗罪

飲酒運転の同乗罪とは、運転者が酒気を帯びていることを知りながら、当該運転者に対して自己を乗せるように要求又は依頼して同乗する行為のことをいい、道路交通法により禁止されています。
(道路交通法65条第4項)

同乗者に対する罰条

運転者が酒酔い状態の車両に同乗した場合、3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金
(道路交通法第117条の2の2第1項第6号)
運転者が酒気帯び状態の車両に同乗した場合、2年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金
(道路交通法第117条の3の2第3号)
となります。

同乗者が運転免許を所持しているかどうかについては関係ありません。
運転免許を取得していなくても罪に問われることになるため注意が必要です。

どのような場合に成立するのか

同乗罪として成立するためには
・運転者が飲酒していることを知っている
・同乗者が運転者に自己を乗せるように要求又は依頼する
・旅客自動車運送事業用でないこと(バスやタクシー等)
が必要とされています。
例えば、運転者が飲酒している事を知っていながら
「事故しなければ見つからないから大丈夫。」
「家まで遠くない距離だから送って行ってくれる?」
等、同乗者が運転者に積極的に自身を目的地に連れて行ってもらう行為が必要となります。

成立しない場合

飲酒した者が運手する車に乗っただけで処罰される訳ではありません。
寝ていて気が付いたら車に乗せられていた場合や運転者が飲酒していると気付かない状態だった場合などの状況であれば、同乗罪は成立しないとされています。
ただし、捜査機関の捜査の結果、防犯カメラや周囲の証言等で、同乗者が運転者に対して積極的に運転するように要求又は依頼した状況があると判断されると同乗罪が成立する可能性もあります。

事例の検討

Aさんは、飲酒運転の同乗罪となる可能性があるでしょう。
事例のAさんは、Bさんからの提案を受けた際にどのような返答をしているのかが重要となります。
依頼したと取れる言動をしているのであれば、積極的な依頼行為だと判断されて同乗罪が成立することになるでしょう。
仮に、断り切れない間柄であったため、誘われてしぶしぶ承諾してしまった様な場合、同乗者の積極的な意思が認められないと判断されて同乗罪は成立しない可能性もあります。

弁護士に相談

飲酒運転の同乗罪として捜査を受けたのであれば、まずは弁護士に相談することをお勧めいたします。
どのような経緯で飲酒運転車両に同乗することになったのかが大切となります。
同乗者が積極的に運転手に対して依頼又は要求をしていなくても、その時の同乗した経緯から暗黙の依頼・要求行為があったと判断されることもあります。
そのため取調べを受けた際は、弁護士への相談を早期に行うことが事件解決の第一歩と言えます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件に精通した法律事務所です。
飲酒運転の事件で捜査機関から捜査を受けている方、その他刑事事件少年事件を起こしてしまいお困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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