飲酒運転

 

【飲酒運転の法定刑】

1 飲酒運転のうち、酒酔い運転の法定刑は5年以下の懲役または100万円以下の罰金です(道路交通法第117条の2)。

2 飲酒運転のうち、酒気帯び運転の法定刑は3年以下の懲役または50万円以下の罰金です(117条の2の2)。

3 飲酒運転については、飲酒運転を下命・容認した者、車両提供者や酒類提供者、同乗者についても刑事処罰の対象となります(道路交通法第117条の2、117条の2の2、117条の3の2)。

4 飲酒検知を拒否した場合は、3月以下の懲役または50万円以下の罰金となります(道路交通法第118条の2)。
 

【飲酒運転の解説】

飲酒運転については、道路交通法上、酒気を帯びた状態で運転する酒気帯び運転と、アルコールの影響で正常な運転ができないおそれがある状態で運転する酒酔い運転に分けて罰則が規定されています。

酒気帯び運転は、基準値以上の血中アルコール濃度又は呼気中アルコール濃度が検出された場合に処罰されます。
酒気帯び運転の基準に照らして多量のアルコール濃度が検出された場合には、より法定刑の重い酒酔い運転で処罰される可能性が出てきます。

飲酒運転については、2007年の道路交通法改正により、酒気帯び運転、酒酔い運転共に罰則が強化されて厳罰化されるとともに、飲酒運転を容認・助長することになる車両提供者・酒類提供者・同乗者についても罰則が定められて処罰範囲が拡大されました。

飲酒運転については、初犯であれば略式裁判による罰金処分で済むことが多いですが、検出された血中又は呼気中アルコール濃度が高い場合には、初犯であっても正式裁判になることがあります。

また、飲酒運転の前科がありながら飲酒運転を繰り返している人や執行猶予期間中に飲酒運転をした人は、実刑判決によって刑務所に収容される可能性が出てきます。
 

【飲酒運転事件の刑事弁護活動】

1 不起訴・無罪判決(前科回避)

身に覚えがないにも関わらず、酒酔い運転又は酒気帯び運転による道路交通法違反の容疑を掛けられてしまった場合、弁護士を通じて、警察や検察などの捜査機関及び裁判所に対して、不起訴処分又は無罪判決になるよう主張する必要があります。

アリバイや真犯人の存在を示す証拠を提出したり、検知器の誤作動、整備不良、操作上のミスを指摘することで、酒酔い運転又は酒気帯び運転を立証する十分な証拠がないことなどを主張して不起訴処分又は無罪判決を目指します。
 
また、飲酒してから飲酒運転で検挙されるまでの間に相当の時間が経過している場合には、飲酒時の状況と飲酒量、飲酒後の時間経過、検挙時の状態、運転状況等に照らして、飲酒運転の故意が認められないことを主張して不起訴処分又は無罪判決を獲得する余地も出てきます。

飲酒運転の下命・容認、車両提供又は酒類提供、同乗の容疑については、飲酒の事実に気付くのが困難であったことや飲酒した者が運転することに気付くのが困難であったことを客観的な証拠に基づいて主張・立証することで不起訴処分又は無罪判決を目指すことができます。
 

2 正式裁判回避

酒酔い運転又は酒気帯び運転による道路交通法違反をしたことに争いがない場合でも、略式裁判による罰金処分になるように(正式裁判にならないように)弁護活動を行います。

具体的には、違反行為の態様、経緯や動機、回数や頻度、交通違反歴などを慎重に検討して、酌むべき事情があれば警察や検察などの捜査機関に対して主張していきます。
 

3 刑務所回避・減刑

酒酔い運転又は酒気帯び運転で正式裁判になった場合でも、裁判所に対して、上記のような事情に加えて、飲酒運転の再発防止のための具体的な取り組みや環境作りが出来ていることを客観的な証拠に基づいて主張・立証することで、減刑又は執行猶予付き判決を目指した弁護活動を行います。
 

4 身体拘束からの解放

飲酒運転で逮捕・勾留されてしまった場合には、事案に応じて、証拠隠滅や逃亡のおそれがないことを主張し、釈放や保釈による身柄拘束を解くための弁護活動を行います。

 

お問い合わせ

ページの上部へ戻る

Copyright(c) 2016 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 All Rights Reserved.