同乗者も幇助で共犯?埼玉県の危険運転致傷事件の相談は刑事事件専門弁護士

2018-11-23

同乗者も幇助で共犯?埼玉県の危険運転致傷事件の相談は刑事事件専門弁護士

A(上司)とB(部下)は、職場の数人で埼玉県松伏町の居酒屋で飲食した後、近くの駅までAを送るためにBの車に乗り込んだ。
この際、Bは足がふらつくなどしており、アルコールの影響により正常な運転が困難な状態であったが、Aはこれを認識した上で黙認していた。
その後、Bが運転していた車はV車と衝突し、Vに怪我を負わせる事故を起こした。
通報によってかけつけた埼玉県吉川警察署の警察官は、Bを危険運転致傷罪の容疑で逮捕し、加えて同乗者のAを危険運転致傷罪の幇助犯として逮捕した。
(本件は最決平25・4・15を基にしたフィクションです。)

~危険運転致傷罪の幇助(共犯)の成否~

本件で車を運転していたB自身に危険運転致傷罪(自動車運転処罰法2条1号)が成立することは比較的明らかです。
では、同乗者であるAも共犯としての責任を負うのでしょうか。

本件では、AがBの犯した危険運転致傷罪に積極的に関与したとまではいえず、共同正犯(刑法60条)としての責任までは問えないと考えられます。
では、Bの危険運転致傷行為幇助(62条1項)したとして、共犯としての責任を負う可能性があるのでしょうか。
この点、「幇助」したといえるためには、正犯者(本件でいうB)の犯罪を促進・容易にすることが必要になります。
Bの状態を認識・黙認しながら同乗していたというAの行為が、Bの危険運転致傷という犯罪行為を促進したり容易にしたりしたといい得るならば、幇助犯としての責任を負うことになります。
反対に、Aの行為がBの犯罪を促進・容易にしたとまではいえない場合は、Aは共犯としての責任を負うことはありません。
なお、今回の事例の基となった事件では、上司と部下の関係や事件当時の状況・やり取り等から、同乗者の了承が重要な契機となったとして同乗者危険運転致傷罪幇助が認められています。

このように刑事事件に関しては、刑事責任を負うか否かについて微妙な判断が求められる場合があります。
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